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IPv4

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

Internet Protocol version 4(インターネットプロトコルバージョン4)、IPv4(アイピーブイ4)は、Internet Protocol一種いっしゅで、OSI参照さんしょうモデルにおいてネットワークそう位置付いちづけられる通信つうしんプロトコルである。

おもに、転送てんそう単位たんいであるパケット経路けいろ選択せんたくと、その断片だんぺんさい構築こうちく規定きていされている。TCP/IP基本きほん機能きのうとして、インターネットをはじめ、世界中せかいじゅうひろもちいられている。

パケット

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IPパケットの先頭せんとうにはかならずIPヘッダが付加ふかされ、それにより経路けいろ選択せんたくなどのIPの機能きのう実現じつげんされている。IPヘッダは12のフィールドと拡張かくちょう情報じょうほう(オプション)からっている。拡張かくちょう情報じょうほうふくまないIPヘッダちょうは20オクテットである。

以下いかにパケット形式けいしきとそれぞれの領域りょういき役割やくわりなどをしるす。

パケット形式けいしき
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
バージョン ヘッダちょう サービス種別しゅべつ 全長ぜんちょう
識別子しきべつし フラグ 断片だんぺん位置いち
生存せいぞん時間じかん プロトコル チェックサム
送信そうしんもとアドレス
宛先あてさきアドレス
拡張かくちょう情報じょうほう
データ

  • バージョンVersion) IPのバージョンであり、IPv4の場合ばあいは4が格納かくのうされる。
  • ヘッダちょうInternet Header LengthIHL) IPヘッダのながさで、4オクテット単位たんいあらわされる。このあたいによりデータの開始かいし位置いちることができる。通常つうじょうは「5」がはいる。
サービス種別しゅべつ
0 1 2 3 4 5 6 7
優先ゆうせん 遅延ちえん 転送てんそうりょう 信頼しんらいせい 予備よび
  • サービス種別しゅべつType of ServiceToS優先ゆうせん順位じゅんい) パケットが転送てんそうされるさい重視じゅうしするサービスを指定していする。ただし、ルータの実装じっそうにおいてパケットごとにサービスを区別くべつすることは容易よういではない。送信そうしんもとすべてを重視じゅうしとする設定せっていおこな場合ばあいや、ネットワークの運用うんよう方針ほうしんによっては境界きょうかい位置いちするルータがえる場合ばあいもある。優先ゆうせんはパケットの優先ゆうせんを8段階だんかいしめす。パケットの送信そうしん行列ぎょうれつを8もちいて実現じつげんする実装じっそうもある。遅延ちえんはパケットをはや宛先あてさきへと到達とうたつさせることをもとめる。転送てんそうりょうはパケットをおお宛先あてさきへと到達とうたつさせることをもとめる。信頼しんらいせいはパケットをうしなわず宛先あてさきへと到達とうたつさせることをもとめる(このような処理しょりQoSぶ)。IPv6IPv6パケットでは、サービス種別しゅべつわりに「フローラベル」(Flow Label)が定義ていぎされている。
  • 全長ぜんちょうTotal Length) IPヘッダをふくむパケットの全長ぜんちょうをオクテット単位たんいあらわしたもの。最大さいだいは65,535オクテット。
  • 識別子しきべつしIdentification識別しきべつ番号ばんごうとも) パケットの送信そうしんもと一意いちい格納かくのうする。断片だんぺんしたパケットの復元ふくげんもちいられる。パケットを転送てんそうするルータがデータを分割ぶんかつしたときにバラバラになった複数ふくすうのパケットを同一どういつのものと判断はんだんする。
フラグ
0 1 2
予備よび 禁止きんし 継続けいぞく
  • フラグVarious Control Flags) 断片だんぺん制御せいぎょもちいる。ビット0は予備よびでありつねに0。ビット1は1の場合ばあい断片だんぺん禁止きんし意味いみする。ビット2は1の場合ばあい断片だんぺんされた後続こうぞくのパケットが存在そんざいするパケットであることを意味いみし、0の場合ばあい後続こうぞくのパケットが存在そんざいしないことを意味いみする。
  • 断片だんぺん位置いちFragment Offset) ルータなどがパケットを断片だんぺんしたさいに、その位置いちを8オクテット単位たんい格納かくのうする。断片だんぺんしたパケットの復元ふくげんもちいられる。以上いじょう識別子しきべつし、フラグ、断片だんぺん位置いち情報じょうほうからフラグメントおこなうことができる。
  • 生存せいぞん時間じかんTime to LiveTTL) パケットの余命よめいしめである。送信そうしんもとはパケットが経由けいゆできるルータすう上限じょうげん設定せっていし、ルータはパケットを転送てんそうするごとにひとらし、が0になるとパケットは破棄はきされる。パケットがネットワークじょう無限むげん巡回じゅんかいする問題もんだいふせ効果こうかがある。TTLは8ビットのため0〜255のをセットできる。
  • プロトコルProtocol) TCPなどの上位じょういプロトコルをしめプロトコル番号ばんごう設定せっていされる。パケットの宛先あてさきである装置そうちがパケットを受信じゅしんすると、このもちいて上位じょういプロトコルを識別しきべつし、その実装じっそうペイロードわたす。おも使つかわれるプロトコルには、ICMPTCPUDPIPv6EIGRPOSPFげられる。
  • チェックサム検査けんさ合計ごうけいHeader Checksum) IPヘッダのあやま検査けんさもちいられる。転送てんそうごとに生存せいぞん時間じかんわるため、ルータはチェックサムも転送てんそうごとにさい計算けいさんする必要ひつようがある。データ部分ぶぶんかんしてはTCPなどの上位じょういそうまかせ、IPパケットのヘッダのチェックサムの対象たいしょうはヘッダ部分ぶぶんだけである。また、IPパケットのチェックサムフィールドは設定せってい必須ひっす項目こうもくなので省略しょうりゃくできない。IPv6ではチェックサムフィールドはなくなった。
  • 送信そうしんもとアドレスSource Address) パケット送信そうしんもとIPアドレス設定せっていされる。
  • 宛先あてさきアドレスDestination Address) パケット送信そうしんさきIPアドレス設定せっていされる。
  • 拡張かくちょう情報じょうほうOptions) 可変長かへんちょう拡張かくちょう情報じょうほうが32ビット単位たんい設定せっていされる。めったに使用しようされることがないが、セキュリティ、ルーズソースルーティング/ストリクトソースルーティング、レコードルート、インターネットタイムスタンプなどの情報じょうほうまれる。可変長かへんちょうのため0をパディング必要ひつようとする。
  • データ パケットが伝達でんたつすべきペイロードである。

アドレス

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IPでもちいられる32ビットのアドレスはIPアドレスばれ、IPアドレスはネットワークアドレスホストアドレスけてもちいられる。

RFC 791において、ネットワークアドレスホストアドレス境界きょうかいは、IPアドレスの先頭せんとうビット列びっとれつさだめられ、境界きょうかい位置いちによりIPアドレスはクラスclass)として分類ぶんるいされた。

クラス 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
a 0 ネットワーク ホスト
b 1 0 ネットワーク ホスト
c 1 1 0 ネットワーク ホスト
1 1 1 拡張かくちょうアドレスモード

しかしRFC 791方式ほうしきは、ホストアドレスすうが、クラスaでは16777215、クラスbでは65535にものぼる。これほどの膨大ぼうだいかずのホストを収容しゅうようするネットワークは一般いっぱん存在そんざいせず、アドレスの利用りよう無駄むだしょうじた。そこでRFC 950においてサブネットsubnet)がさだめられた。サブネットはホストアドレス一部いちぶアドレスマスクaddress mask)をもちいて分割ぶんかつすることによりられ、あるネットワークアドレスあたえられた組織そしきないにおいて、さらにネットワークを分割ぶんかつするためにもちいられる。

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31
1 0 ネットワーク サブネット ホスト
アドレスマスク 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 0 0 0 0 0 0 0 0

RFC 1597においては、ある組織そしきない私的してきもちいられる下記かきプライベートアドレスさだめられた。

  • 10.0.0.0〜10.255.255.255(10.0.0.0/8)
  • 172.16.0.0〜172.31.255.255(172.16.0.0/12)
  • 192.168.0.0〜192.168.255.255(192.168.0.0/16)

上記じょうきのアドレス以外いがいグローバルアドレスともばれるようになる。

特別とくべつ用途ようとのアドレス

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Internet Engineering Task Force (IETF)とInternet Assigned Numbers Authority (IANA)は、特別とくべつ用途ようともちいられるIPアドレスを予約よやくし、一般いっぱん使用しよう制限せいげんしている。

特別とくべつ用途ようとのアドレスブロック
アドレスブロック アドレス範囲はんい アドレスのかず スコープ 説明せつめい
0.0.0.0/8 0.0.0.0–0.255.255.255 16777216 ソフトウェア 現在げんざいのネットワーク[1]送信そうしんもとアドレスとしてのみ有効ゆうこう
10.0.0.0/8 10.0.0.0–10.255.255.255 16777216 プライベートネットワーク プライベートネットワークうちでの通信つうしん使用しよう[2]
100.64.0.0/10 100.64.0.0–100.127.255.255 4194304 プライベートネットワーク シェアードアドレス空間くうかん英語えいごばん[3]キャリアグレードNAT使用しようするさいに、サービスプロバイダとその加入かにゅうしゃあいだ通信つうしんおこなうために使用しようする。
127.0.0.0/8 127.0.0.0–127.255.255.255 16777216 ホスト localhostへのループバックアドレスとして使用しよう[1]
169.254.0.0/16 169.254.0.0–169.254.255.255 65536 サブネット リンクローカルアドレスとして使用しよう[4]。IPアドレスが指定していされていない場合ばあいに、1つのリンクじょうの2つのホストあいだ通信つうしん使用しようされる。
172.16.0.0/12 172.16.0.0–172.31.255.255 1048576 プライベートネットワーク プライベートネットワークないでの通信つうしん使用しよう[2]
192.0.0.0/24 192.0.0.0–192.0.0.255 256 プライベートネットワーク IETF Protocol Assignments.[1]
192.0.2.0/24 192.0.2.0–192.0.2.255 256 ドキュメント ドキュメントにおける例示れいじよう(TEST-NET-1)[5]
192.88.99.0/24 192.88.99.0–192.88.99.255 256 インターネット 予約よやく[6]以前いぜんIPv6からIPv4への中継ちゅうけい(6to4)に使用しようされていた[7](IPv6アドレスブロック2002::/16をふくむ)。
192.168.0.0/16 192.168.0.0–192.168.255.255 65536 プライベートネットワーク プライベートネットワークないでの通信つうしん使用しよう[2]
198.18.0.0/15 198.18.0.0–198.19.255.255 131072 プライベートネットワーク 2つのことなるサブネットあいだのネットワークあいだ通信つうしんのベンチマークテストに使用しよう[8]
198.51.100.0/24 198.51.100.0–198.51.100.255 256 ドキュメント ドキュメントにおける例示れいじよう(TEST-NET-2)[5]
203.0.113.0/24 203.0.113.0–203.0.113.255 256 ドキュメント ドキュメントにおける例示れいじよう(TEST-NET-3)[5]
224.0.0.0/4 224.0.0.0–239.255.255.255 268435456 インターネット IPマルチキャスト使用しよう[9](かつてのクラスD)。
240.0.0.0/4 240.0.0.0–255.255.255.254 268435455 インターネット 将来しょうらい使用しようのために予約よやく[10](かつてのクラスE)。
255.255.255.255/32 255.255.255.255 1 サブネット リミテッド・ブロードキャストの宛先あてさきアドレスとして予約よやく[1][11]
  • 14.0.0.0/8は、Public data networkのために予約よやくされていたが(RFC 1700)、2008ねん2がつ予約よやく解除かいじょされた[12]
  • 24.0.0.0/8は、ケーブルテレビネットワークのために予約よやくされていたが(RFC 3330)、2010ねん5がつ現在げんざいでは予約よやく解除かいじょされている[12]
  • 39.0.0.0/8は、Class A Subnet Experimentとして予約よやくされていたが(RFC 1797)、2010ねん5がつ現在げんざいでは予約よやく解除かいじょされている[12]
  • 128.0.0.0/16は、RFC 3330において予約よやくされていたが、2010ねん5がつ現在げんざいでは予約よやく解除かいじょされている[12]
  • 191.255.0.0/16は、RFC 3330において予約よやくされていたが、2010ねん5がつ現在げんざいでは予約よやく解除かいじょされている[12]
  • 223.255.255.0/24は、RFC 3330において予約よやくされていたが、2010ねん5がつ現在げんざいでは予約よやく解除かいじょされている[12]

経路けいろ選択せんたく

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ルーティングrouting)ともばれ、パケットを宛先あてさきへと転送てんそうする機能きのうである。この機能きのうルータ集約しゅうやくされ、おおくのホストはデフォルト経路けいろとしてルータのアドレスを記述きじゅつするスタイルをることがおおい。

ネットワーク構成こうせい
192.168.1.2
ether0
192.168.1.1
127.0.0.1
loopback
ether1
10.1.1.1
10.1.1.2
10.1.1.3
172.16/16
経路けいろひょう
destination nexthop interface
default 192.168.1.2 ether0
192.168.1.1/32 127.0.0.1 loopback
192.168.1.2/32 192.168.1.2 ether0
10.1.1.1/32 127.0.0.1 loopback
10.1.1.2/32 10.1.1.2 ether1
10.1.1.3/32 10.1.1.3 ether1
172.16/16 10.1.1.2 ether1
10.255.255.255/32 10.1.1.1 ether1

ルータは経路けいろひょうルーティングテーブルrouting table)にもとづき経路けいろ選択せんたくおこなう。あるネットワークの構成こうせいとその中心ちゅうしん位置いちするルータの経路けいろひょうみぎしめす。ちゅうにおいて中心ちゅうしんのルータはふたつの送受信そうじゅしんこうっており、うえくちはether0と名付なづけられアドレスは192.168.1.1がられている。したくちはether1と名付なづけられアドレスは10.1.1.1がられている。ルータ内部ないぶにおいてloopbackとはルータ自身じしんしめ送受信そうじゅしんこうであり、127.0.0.1はルータ自身じしんあらわすアドレスである。ひょうちゅうにおいてdestinationは宛先あてさき、nexthopは転送てんそうさき、interfaceは送信そうしんこう意味いみする(アドレスの記法きほうについては「IPアドレス」を参照さんしょう)。

このルータがパケットを受信じゅしんしたさい動作どうさ解説かいせつする。192.168.1.1あてのパケットを受信じゅしんすると、ルータは経路けいろひょう宛先あてさき検索けんさくし、192.168.1.1/32のくだりつけ、その転送てんそうさきはルータ自身じしんであることから、自身じしんてられたパケットであることを判別はんべつする。192.168.1.2あてのパケットを受信じゅしんすると、ルータは経路けいろひょう検索けんさくし、ether0から192.168.1.2にけてパケットを送出そうしゅつする。10.1.1.2あてのパケットを受信じゅしんすると、同様どうようにether1から10.1.1.2にけてパケットを送出そうしゅつする。 172.16.1.1あてのパケットを受信じゅしんすると、ルータは最長さいちょう一致いっちする172.16/16のくだりつけ、10.1.1.2が172.16.1.1へといた経路けいろであると判別はんべつし、ether1から10.1.1.2にけてパケットを送出そうしゅつする。 10.255.255.255あてのパケットを受信じゅしんする。このアドレスはブロードキャストアドレスとばれ、10/8のネットワークに接続せつぞくされたすべての装置そうち宛先あてさきとするアドレスである。ether1から10/8のネットワークに接続せつぞくされたすべての装置そうちけてパケットを送出そうしゅつする。 7.7.7.7あてのパケットを受信じゅしんする。このアドレスは経路けいろひょうには存在そんざいしないため、defaultのくだり最長さいちょう一致いっちし、ネクストホップである192.168.1.2にかってパケットを送出そうしゅつする。192.168.1.2はデフォルトゲートウェイデフォルトルートなどとばれ、通常つうじょう端末たんまつからてより中心ちゅうしん位置いちするルータが設定せっていされる。

経路けいろひょう構築こうちくはルータの管理かんりしゃ手動しゅどう設定せっていする場合ばあいと、RIPOSPFなどのルーティングプロトコルもちいて自動じどう設定せっていする場合ばあいがある。前者ぜんしゃ静的せいてき経路けいろ後者こうしゃ動的どうてき経路けいろなどともばれる。経路けいろひょうパソコンなどにも存在そんざいし、Windowsであれば「route print」、UNIXけいであれば「netstat -r」または「ip route」でることができる。

断片だんぺんさい構築こうちく

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プロトコル転送てんそうする単位たんい最大さいだいちょうを、MTU最大さいだい転送てんそう単位たんいMax Transfer Unit)とぶ。IPパケットの最大さいだいちょうは65535オクテットであるが、IPパケットを伝送でんそうすべきデータリンクそうのMTUは、IPの最大さいだいちょうくらべるとみじか場合ばあいおおく、たとえば通常つうじょうイーサネットのMTUは1500オクテットである。

断片だんぺん英語えいごFragmentationフラグメントフラグメンテーションともばれる[13][14])は、IPパケットがパケットを送出そうしゅつする伝送でんそうのMTUよりもなが場合ばあい発生はっせいする。断片だんぺんおこな装置そうちはIPパケットを伝送でんそうのMTUにおさまるながさに分割ぶんかつし、分割ぶんかつされたパケットのIPヘッダは、全長ぜんちょう分割ぶんかつされたながさになり、断片だんぺん位置いちには分割ぶんかつされた位置いちしるされ、最後さいごのパケット以外いがい継続けいぞくフラグが設定せっていされる。識別子しきべつし分割ぶんかつされたすべてのパケットに分割ぶんかつまえのパケットのそれがうつされる。

断片だんぺんしたパケットのさい構築こうちく英語えいごReassemblyさい構成こうせいともばれる[15])は、パケットの宛先あてさきである装置そうちおこなう。ある識別子しきべつしつパケットの断片だんぺん受信じゅしんした宛先あてさきは、さらにおな識別子しきべつしつパケットの断片だんぺん受信じゅしんし、それぞれの断片だんぺん位置いちから断片だんぺんまえのパケットをさい構築こうちくする。

IPヘッダのフラグの禁止きんしビットを設定せっていすれば、パケットの断片だんぺん禁止きんしできる。この場合ばあい断片だんぺんわりにICMP宛先あてさき到達とうたつ不可ふか通知つうちがパケットの送信そうしんもとかえされる。送信そうしんもとはこれを利用りようして宛先あてさきいた経路けいろ最小さいしょうMTUを調査ちょうさすることができ、そのような動作どうさ経路けいろMTU探索たんさくばれる。

断片だんぺん帯域たいいきやルータの負荷ふか無駄むだ(オーバーヘッド)をしょうじ、スループットの低下ていかとなるためこのまれない。経路けいろMTU探索たんさくおこないMTUを調整ちょうせいするとよい。なお、IPv6では経路けいろじょうのルータで断片だんぺんさい構築こうちくおこなうことはなく、送信そうしんホストのみでおこなわれる。

IPv4アドレスの枯渇こかつ

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IPv4のグローバルアドレスが枯渇こかつしてしまい、新規しんきにIPv4のグローバルアドレスをてることができなくなるため、インターネットじょう公開こうかいされたIP機器きき増設ぞうせつすることが不可能ふかのうになる問題もんだいである。すでにIANA(Internet Assigned Numbers Authority)の管理かんりするIPv4アドレスは2011ねん2がつ3にち枯渇こかつした。また、AFRINICのぞくRIR(地域ちいきインターネットレジストリ)の管理かんりするアドレスも2020ねん8がつにはすべて枯渇こかつした。

この枯渇こかつ問題もんだい対策たいさくとして、IPv6普及ふきゅうすすめられている。

RFC仕様しよう

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  • RFC 791 - Internet Protocol
  • RFC 950 - Internet Standard Subnetting Procedure
  • RFC 1112 - Host Extensions for IP Multicasting
  • RFC 1518 - An Architecture for IP Address Allocation with CIDR
  • RFC 1519 - Classless Inter-Domain Routing (CIDR): an Address Assignment and Aggregation Strategy
  • RFC 1597 - Address Allocation for Private Internets
  • RFC 1817 - CIDR and Classful Routing
  • RFC 2101 - IPv4 Address Behaviour Today

出典しゅってん

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関連かんれん項目こうもく

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