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MGCP

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

Media Gateway Control Protocol(MGCP)は、IPネットワーク公衆こうしゅう交換こうかん電話でんわもう (PSTN) をつなメディアゲートウェイ制御せいぎょするメディアゲートウェイコントロールプロトコルアーキテクチャ英語えいごばん[1]実装じっそうの1つ(実装じっそうとしてMegaco(H.248)が存在そんざいする)。 基本きほんアーキテクチャとプログラミングインタフェースは RFC 2805 にあり、MGCP 固有こゆう定義ていぎRFC 3435RFC 2705改版かいはん)にある。Simple Gateway Control Protocol (SGCP) の後継こうけいである。

概要がいよう

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MGCPはVoIPあるいはIP電話でんわシステムが公衆こうしゅう交換こうかん電話でんわもう (PSTN) とやりりするさいよび制御せいぎょプロトコルである。 ネットワークがよび制御せいぎょセンターで制御せいぎょされ、はしてんとしては単純たんじゅん制御せいぎょコマンドを実行じっこうする機器きき想定そうていしたPSTN-over-IPモデルを実装じっそうしている。 H.323のように高機能こうきのうなメディアゲートウェイ(H.323の用語ようごでは「ゲートキーパー」)を想定そうていするVoIPモデルとはことなる。

MGCPは、よびセッションない転送てんそうすべきメディアストリームの指定してい調停ちょうていSession Description Protocol (SDP) を使つかい、メディアストリームのフレームReal-time Transport Protocol (RTP) を使つかう。

Media Gateway Control Protocol アーキテクチャのもう1つの実装じっそうとしてMegacoがあり、Internet Engineering Task Force (RFC 3525) と国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう (Recommendation H.248.1) の共同きょうどう規格きかくされている。 どちらのプロトコルも RFC 2805 にある Media Gateway Control Protocol Architecture and Requirements というAPIガイドラインにしたがう。 しかし、プロトコルの文法ぶんぽう前提ぜんていとするコネクションモデルがことなるためりょうプロトコルは互換ごかんである。

アーキテクチャ

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この分散ぶんさんシステムは、1つのコールエージェント(よび制御せいぎょサーバ)、アナログ回路かいろとパケットのあいだ信号しんごう変換へんかんする1つ以上いじょうメディアゲートウェイ (MG)、PSTN接続せつぞくするさいの1つ以上いじょうシグナリングゲートウェイ構成こうせいされる。

コールエージェントはMGCPを使つかってメディアゲートウェイに以下いかのことをらせる。

  • コールエージェントに報告ほうこくすべきイベントはなに
  • 端点たんてん同士どうしをどのように接続せつぞくすべきか
  • はしてんあつか信号しんごう種類しゅるい

MGCPはまた、コールエージェントがメディアゲートウェイじょう端点たんてんぐん現在げんざい状態じょうたい監査かんさするのにも使つかえる。

メディアゲートウェイはMGCPを使つかい、コールエージェントにイベント(フックがOFFになった、ダイヤルされた数字すうじなど)を報告ほうこくする。

メディアゲートウェイとシグナリングゲートウェイは一般いっぱんおな装置そうちじょうにあるが、それは必須ひっすというわけではない。 コールエージェントはシグナリングゲートウェイとはMGCPで通信つうしんせず、SIGTRANプロトコルを使つかう。

発行はっこうされた個々ここのMGCPコマンドにはトランザクションIDが付与ふよされていて、つね応答おうとうがある。

一般いっぱんにメディアゲートウェイは、それがプログラミングをけるコールエージェントのリストで設定せっていされる(ただし、そのリストはコールエージェントが1つか2つかれているのが普通ふつうである)。 原理げんりてきには、イベント通知つうちはゲートウェイの個々ここ端点たんてんごとにことなるコールエージェントにおくることができる(コールエージェントのプログラムで、NotifiedEntity パラメータで設定せっていできる)。 しかし実際じっさいには、ゲートウェイじょうぜん端点たんてんおなじコールエージェントで制御せいぎょされるのがのぞましい。 のコールエージェントは冗長じょうちょうせい確保かくほするためにあり、しゅコールエージェントが故障こしょうしたりゲートウェイとの接続せつぞくれたときにはたらく。 そのような障害しょうがい発生はっせいしたとき、バックアップのコールエージェントがMGをさいプログラムし、そのバックアップのコールエージェントの制御せいぎょ動作どうさするように変更へんこうしなければならない。 このときスプリットブレインシンドロームたような現象げんしょう発生はっせいしうるため、ゲートウェイを現在げんざいどのコールエージェントが制御せいぎょしているかを判断はんだんするのに監査かんさ機能きのう使つかうことができる。

MGCPは、コールエージェントぐんたがいをなんらかの方法ほうほう(おそらく特定とくていのプロトコル)でっており、重大じゅうだい故障こしょうなど必要ひつようおうじて関係かんけいさい構築こうちくできると仮定かていしている。 そのフェイルオーバー機能きのう計画けいかく停止ていし予期よきしない停止ていし両方りょうほう考慮こうりょしている。

プロトコルの概要がいよう

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MGCPのパケットおおくのプロトコルのパケットとはていない。 TCPではなくUDPポート2427を使つかい、データグラムのフォーマットには空白くうはく文字もじ区切くぎりとして使つかっている。 MGCPパケットにはコマンドと応答おうとうがある。

コマンドは4文字もじのコマンドめいはじまり、応答おうとうは3けた数字すうじによる応答おうとうコードではじまる。

コマンドは以下いかのような9種類しゅるいがある。

 AUEP, AUCX, CRCX, DLCX, EPCF, MDCX, NTFY, RQNT, RSIP

つぎの2つのコマンドは、コールエージェントがメディアゲートウェイに(状態じょうたいを)わせる。

 AUEP - Audit Endpoint(端点たんてん監査かんさ)
 AUCX - Audit Connection(コネクション監査かんさ

つぎの3つのコマンドは、コールエージェントがメディアゲートウェイじょうのRTPコネクションを管理かんりする(メディアゲートウェイも自身じしん判断はんだんでコネクションを削除さくじょする場合ばあいにDLCXをおくることができる)。

 CRCX - Create Connection(コネクション生成せいせい)
 DLCX - Delete Connection(コネクション削除さくじょ)
 MDCX - Modify Connection(コネクション変更へんこう

つぎの1つのコマンドは、コールエージェントがメディアゲートウェイにたいしてイベント通知つうち要求ようきゅうする。

 RQNT - Request for Notification(通知つうち要求ようきゅう

つぎの1つのコマンドは、コールエージェントがメディアゲートウェイの符号ふごう設定せってい変更へんこうする。

 EPCF - Endpoint Configuration(端点たんてん構成こうせい設定せってい

つぎの1つのコマンドは、メディアゲートウェイがコールエージェントにたいして、RQNTコマンドで以前いぜんにコールエージェントが要求ようきゅうしたイベントを検出けんしゅつしたことをらせる。

 NTFY - Notify(通知つうち

つぎの1つのコマンドは、メディアゲートウェイがコールエージェントにたいしてさい起動きどうちゅうであることをらせる。

 RSIP - Restart In Progress(さい起動きどうちゅう

実装じっそう

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  • RFC 3435 - Media Gateway Control Protocol (MGCP) Version 1.0 ( RFC 2705置換ちかん
  • RFC 3660 - Basic Media Gateway Control Protocol (MGCP) Packages (informational)
  • RFC 3661 - Media Gateway Control Protocol (MGCP) Return Code Usage
  • RFC 3064 - MGCP CAS Packages
  • RFC 3149 - MGCP Business Phone Packages
  • RFC 3991 - Media Gateway Control Protocol (MGCP) Redirect and Reset Package
  • RFC 3992 - Media Gateway Control Protocol (MGCP) Lockstep State Reporting Mechanism
  • RFC 2805 - Media Gateway Control Protocol Architecture and Requirements
  • RFC 2897 - Proposal for an MGCP Advanced Audio Package

関連かんれん項目こうもく

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出典しゅってん脚注きゃくちゅう

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  1. ^ RFC 2805, Media Gateway Control Protocol Architecture and Requirements, N. Greene, M. Ramalho, B. Rosen, IETF, April 2000

外部がいぶリンク

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この記事きじは2008ねん11月1にち以前いぜんFree On-line Dictionary of Computingから取得しゅとくした項目こうもく資料しりょうもとに、GFDL バージョン1.3以降いこうの「RELICENSING」(さいライセンス) 条件じょうけんもとづいてまれている。