Internet Protocol (インターネット・プロトコル 、IP ) はインターネット において基本 きほん 的 てき に利用 りよう されている通信 つうしん プロトコル である[1] 。
Internet Protocol は、インターネット上 じょう のホスト へデータを送信 そうしん するための通信 つうしん プロトコル である[2] 。IPの利用 りよう により、各 かく ネットワークごとの環境 かんきょう の違 ちが いを意識 いしき せずに宛先 あてさき へデータを送信 そうしん できる(#機能 きのう )。IPを用 もち いて接続 せつぞく された世界 せかい 規模 きぼ の情報 じょうほう 通信 つうしん 網 もう がインターネット (the Internet)である。イントラネット でも利用 りよう される。他 た プロトコルとの関係 かんけい 性 せい という観点 かんてん では、OSI参照 さんしょう モデル のネットワーク層 そう にほぼ対応 たいおう する機能 きのう を持 も つ。またインターネット・プロトコル・スイート の中核 ちゅうかく をなしている。
IPでは各 かく ホストコンピュータに一意 いちい の番号 ばんごう /番地 ばんち であるIPアドレス を割 わ り当 あ て(アドレッシング)、伝達 でんたつ したいデータをパケット へ格納 かくのう し(カプセル化 か )、IPアドレスで指定 してい されたホストへパケットを送信 そうしん する(#仕組 しく み )。なお、パケット送出 そうしゅつ 手順 てじゅん を指定 してい するがその到達 とうたつ は保証 ほしょう しないため、その保証 ほしょう が必要 ひつよう な場合 ばあい は上位 じょうい のプロトコルとしてTCP などを利用 りよう することになる(#信頼 しんらい 性 せい )。
歴史 れきし 的 てき には、ヴィントン・サーフ とロバート・カーン が1974年 ねん に発表 はっぴょう した Transmission Control Program のコネクションレス のデータグラムサービス部分 ぶぶん がIPである。コネクション指向 しこう の部分 ぶぶん は Transmission Control Protocol (TCP) となった。現在 げんざい 広 ひろ く利用 りよう されているIPは32ビットのアドレス空間 くうかん を持 も つ「IPv4 」と128ビットのアドレス空間 くうかん を持 も つ「IPv6 」である[3] (#バージョンと歴史 れきし )。
誤解 ごかい に基 もと づく俗称 ぞくしょう としてIPアドレスを「IP」と呼 よ ぶことがある。
IPは2つの側面 そくめん から理解 りかい できる。1つはIP層 そう でのデータ転送 てんそう モデル、もう1つはプロトコルスタックの層 そう を跨 また いだデータ転送 てんそう 手順 てじゅん である。
IPは、パケットのヘッダ部分 ぶぶん に記 しる された宛先 あてさき アドレスに基 もと づいてネットワーク内 ない でパケットを転送 てんそう することによってデータを送信 そうしん する。
パケット (英 えい : packet )[4] はIPにおける送受信 そうじゅしん 単位 たんい である[5] 。パケットはヘッダとペイロードからなり[6] 、ヘッダの情報 じょうほう に基 もと づいて宛先 あてさき アドレスの経路 けいろ へと送 おく られる[7] 。ヘッダ (英 えい : header )[8] はメタデータの集合 しゅうごう であり、バージョン番号 ばんごう ・送信 そうしん 元 もと アドレス・宛先 あてさき アドレスなど、送受信 そうじゅしん に必要 ひつよう な情報 じょうほう が含 ふく まれている。ペイロード (英 えい : payload )[9] はパケットのヘッダ以外 いがい の部分 ぶぶん であり[10] 、IPで転送 てんそう するコンテンツが主体 しゅたい で、場合 ばあい によりメタデータも含 ふく んでいる。
パケットは送信 そうしん 元 もと から宛先 あてさき へ直接 ちょくせつ 送 おく られるのではなく、いくつものホスト (gateway) を経由 けいゆ する。Gatewayはヘッダの宛先 あてさき アドレスを確認 かくにん し、宛先 あてさき への経路 けいろ 上 じょう にある次 つぎ のGateway(あるいは宛先 あてさき そのもの)へとパケットを転送 てんそう する。これを繰 く り返 かえ すことでパケットは最終 さいしゅう 的 てき に宛先 あてさき アドレスに到達 とうたつ する[11] 。
経路 けいろ 上 じょう に転送 てんそう 可能 かのう サイズ上限 じょうげん があった場合 ばあい はパケットが弾 ひ かれる可能 かのう 性 せい がある。IPではパケット長 ちょう 制限 せいげん が無 な い代 か わりに、フラグメント化 か 機能 きのう (パケットを小 しょう パケットへ分割 ぶんかつ する機能 きのう )を提供 ていきょう してこの制約 せいやく を回避 かいひ する。
IPはプロトコルスタックの1層 そう をなす[12] 。すなわち上層 じょうそう から転送 てんそう 対象 たいしょう と宛先 あてさき アドレスを受 う け取 と り、リンク層 そう へパケットを渡 わた す[13] 。
IPでは、各々 おのおの のLAN で通信 つうしん 可能 かのう な範囲 はんい をセグメント と呼 よ び、セグメント内 ない のコンピュータをホスト と呼 よ ぶ。同 おな じセグメントに属 ぞく するホスト同士 どうし はそのLANで使用 しよう されている通信 つうしん プロトコルをデータリンク層 そう とし、その上 うえ のネットワーク層 そう で稼動 かどう する。
つまり同 おな じセグメントに属 ぞく するホスト同士 どうし は(IP以前 いぜん からそうであったように)直接 ちょくせつ 通信 つうしん する。IPはセグメントの外 そと と通信 つうしん することが可能 かのう であり、そして何 なに も変更 へんこう せずに(全 まった く同 おな じ機器 きき /ソフトウェア構成 こうせい で)セグメント内 ない とセグメント外 がい との区別 くべつ なく通信 つうしん が可能 かのう となることである。そのため、LAN内 ない の通信 つうしん にあえてIPを使 つか うイントラネット を採用 さいよう することで、インターネット用 よう のソフトウェア資産 しさん やノウハウをそのままLAN内 ない 通信 つうしん に利用 りよう することができる。
同 おな じセグメント内 ない の通信 つうしん [ 編集 へんしゅう ]
同 おな じセグメント内 ない のホスト同士 どうし の通信 つうしん では、そのLANで使 つか われているプロトコルを使 つか って通信 つうしん する。そのためIPの各 かく 実装 じっそう では、そのLANで使 つか われているプロトコルから完全 かんぜん に独立 どくりつ することはできない。
まず、送信 そうしん 先 さき となるIPアドレスを持 も つホストにデータリンク層 そう のデータとして送信 そうしん するために必要 ひつよう な情報 じょうほう を収集 しゅうしゅう しなければならない。例 たと えばイーサネット であれば、送信 そうしん 先 さき のIPアドレスを持 も つホストのインターフェースが持 も っているMACアドレス が対象 たいしょう となる。そのためにブロードキャスト もしくはマルチキャスト によってその特定 とくてい のIPアドレスを持 も つホストに返答 へんとう を要求 ようきゅう する。そのIPアドレスを持 も っているホストはそれに対 たい してMACアドレスを返答 へんとう する。
一般 いっぱん にブロードキャストは負荷 ふか が高 たか くLAN内 ない の通信 つうしん を阻害 そがい するため、こうして得 え られたMACアドレスは今後 こんご 同 おな じIPアドレスに送信 そうしん するときには再度 さいど ブロードキャストせずに、キャッシュ に控 ひか えておく。
IPの実装 じっそう では、こうしたアドレス解決 かいけつ と実際 じっさい の送受信 そうじゅしん 部分 ぶぶん だけはデータリンク層 そう のプロトコルに依存 いぞん することになる。しかしこの依存 いぞん 部分 ぶぶん は、実際 じっさい にそのデータリンク層 そう のプロトコル を使 つか うホストでのみ必要 ひつよう になるため、世界中 せかいじゅう に存在 そんざい する各 かく セグメントとの通信 つうしん の際 さい には問題 もんだい にならない。異 こと なるデータリンク層 そう のプロトコル を使 つか うセグメントに分 わ かれたホスト同士 どうし の通信 つうしん の場合 ばあい は、後述 こうじゅつ するゲートウェイがこれを解決 かいけつ する。
異 こと なるセグメント同士 どうし の相互 そうご 通信 つうしん [ 編集 へんしゅう ]
セグメントとセグメントの間 あいだ 、あるいはセグメントとWANの間 あいだ にはルーティング を行 おこ なうための特別 とくべつ なホストであるルータ設置 せっち される。ルータにはあらかじめ、自身 じしん が繋 つな がれているそれぞれのセグメントにいるホストのIPアドレスを教 おし えてある。これはルーティングテーブル と呼 よ ばれる。ルータは、一方 いっぽう のセグメントのホストから他方 たほう のセグメントのホストにパケットが送 おく られようとしているとき、いったん受信 じゅしん 側 がわ のホストの代 か わりにパケットを前者 ぜんしゃ のLANのプロトコルで受 う け取 と る。ルーティングテーブルを参照 さんしょう してどのセグメントに送 おく ればいいかを選択 せんたく し、そのパケットを後者 こうしゃ のLANのプロトコルで後者 こうしゃ のホストに送 おく る。ルータはルーティングテーブルにより、どのIPアドレスに送 おく るにはどのセグメントに送 おく ればよいかを把握 はあく している。経路 けいろ の一部 いちぶ が破壊 はかい されても、このルーティングテーブルを書 か き換 か えるだけで破壊 はかい 箇所 かしょ を迂回 うかい することが可能 かのう になる。
ルータと似 に ているが、ルーティングテーブルを持 も たず、異 こと なるLANのプロトコルを変換 へんかん して互 たが いに中継 ちゅうけい するブリッジ と呼 よ ばれるものがある。しかしブリッジはIPより下位 かい の層 そう (OSI参照 さんしょう モデルのデータリンク層 そう )の機器 きき であり、IPとは関係 かんけい なく動作 どうさ する。
また特 とく に、異 こと なるプロトコルを用 もち いるセグメント同士 どうし の間 あいだ をつなぐルータはゲートウェイ(門 もん )と呼 よ ばれる。本来 ほんらい 、ゲートウェイはOSI参照 さんしょう モデルのネットワーク層 そう におけるブリッジに相当 そうとう するルータの基本 きほん 機能 きのう の一部 いちぶ だが、セグメントのほとんどがイーサネットになっているため、特 とく にセグメントとWANとの間 あいだ にあるルータだけがゲートウェイであることが多 おお い。またルータが把握 はあく していないIPアドレスは(ルーティング処理 しょり の一環 いっかん として)全 すべ てデフォルトゲートウェイ と呼 よ ばれる特別 とくべつ なゲートウェイに送 おく られる。デフォルトゲートウェイは通常 つうじょう WANとの接続 せつぞく 部分 ぶぶん にあるため、未知 みち のIPアドレスへのパケットは全 すべ てWAN側 がわ (外 そと の世界 せかい )のルータにパケットを送信 そうしん することになる。そしてWANのルータが送信 そうしん 先 さき となるIPアドレスの存在 そんざい するセグメントのゲートウェイにパケットを送信 そうしん し、ゲートウェイが送信 そうしん 先 さき となるIPアドレスを持 も つホストにパケットを送信 そうしん することで世界中 せかいじゅう のホストと通信 つうしん が行 おこ なわれる。
Internet Protocol は、ホストのアドレッシング[14] とデータグラム(パケット)の送信 そうしん 元 もと ホストから宛先 あてさき ホストまでの1つまたは複数 ふくすう のIPネットワークをまたいだルーティングを担当 たんとう する。このために、ホストの識別 しきべつ と論理 ろんり 的 てき 位置 いち サービスの提供 ていきょう という2つの機能 きのう を持 も つアドレッシング体系 たいけい を定義 ていぎ している。これは、標準 ひょうじゅん データグラムと標準 ひょうじゅん アドレッシング体系 たいけい を定義 ていぎ することでなされる。
データグラムの構成 こうせい [ 編集 へんしゅう ]
UDP からリンク層 そう プロトコルのフレームまで、アプリケーションのデータをカプセル化 か する例 れい
データグラムはヘッダとペイロードで構成 こうせい される。IPヘッダには、送信 そうしん 元 もと IPアドレス、宛先 あてさき IPアドレス、データグラムのルーティングや転送 てんそう に必要 ひつよう なメタデータが含 ふく まれる。ペイロードは転送 てんそう すべきデータである。このようにデータ・ペイロードにパケットのヘッダを付与 ふよ して入 い れ子 こ 状 じょう に構成 こうせい していくことをカプセル化 か と呼 よ ぶ。
IPアドレッシングとルーティング [ 編集 へんしゅう ]
IPアドレッシングとは、各 かく ホストにIPアドレスを割 わ り当 あ てる方法 ほうほう であり、IPホストアドレス 群 ぐん を分割 ぶんかつ ・グループ化 か してサブネットワークを形成 けいせい する方法 ほうほう である。IPルーティング は全 すべ てのホストが行 おこな うが、最 もっと も重要 じゅうよう な部分 ぶぶん はルータ が担 にな っており、経路 けいろ を決定 けってい するのに Interior Gateway Protocol (IGP) または Exterior Gateway Protocol (EGP) を使用 しよう する。
提供 ていきょう しない機能 きのう [ 編集 へんしゅう ]
IPは「独立 どくりつ した単一 たんいつ パケットを、送信 そうしん 元 もと から宛先 あてさき へ、ネットワークのネットワークを介 かい して、送 おく ること」のみを上手 うま くシンプルに扱 あつか うよう設計 せっけい されている[15] 。ゆえに意図 いと 時 じ に提供 ていきょう しない機能 きのう がある[16] 。
データ信頼 しんらい 性 せい (data reliability)/ 再送 さいそう (retransmission)
流量 りゅうりょう 制御 せいぎょ (flow control)
順序 じゅんじょ 制御 せいぎょ (sequencing)
すなわち、送出 そうしゅつ に焦点 しょうてん を合 あ わせているのでACKチェックや再送 さいそう をおこなわない。また単一 たんいつ パッケージ管理 かんり を扱 あつか うので複数 ふくすう パケットに跨 またが る流量 りゅうりょう 制御 せいぎょ や順序 じゅんじょ 制御 せいぎょ には関与 かんよ しない。
IPの設計 せっけい 原理 げんり は、ネットワーク基盤 きばん はどのネットワーク要素 ようそ や伝送 でんそう 媒体 ばいたい をとっても本質 ほんしつ 的 てき に信頼 しんらい できないと仮定 かてい しており、また、リンクやノードの可用性 かようせい の面 めん でも一定 いってい でないと仮定 かてい している。ネットワークの状態 じょうたい を追跡 ついせき し維持 いじ する集中 しゅうちゅう 監視 かんし 機能 きのう や性能 せいのう 測定 そくてい 機能 きのう は存在 そんざい しない。ネットワークを単純 たんじゅん 化 か するため、知的 ちてき な部分 ぶぶん は意図 いと 的 てき に各 かく データ転送 てんそう の端点 たんてん であるノードに担 にな わせ、これをエンドツーエンド原理 げんり と呼 よ ぶ。転送 てんそう 経路 けいろ の途中 とちゅう に位置 いち するルーター は、宛先 あてさき アドレスのルーティングプレフィックスにマッチする最 もっと も近 ちか いゲートウェイにパケットを転送 てんそう するだけである。
このような設計 せっけい の結果 けっか 、IPはベストエフォート 式 しき 配送 はいそう のみを提供 ていきょう し、「信頼 しんらい できない」と見 み なされている[誰 だれ によって? ] 。ネットワークアーキテクチャとしては「コネクションレス」プロトコルであり、コネクション指向 しこう の転送 てんそう モードとは対照 たいしょう 的 てき である。信頼 しんらい 性 せい がないため、データが壊 こわ れたり (英語 えいご 版 ばん ) 、パケットを消失 しょうしつ したり、パケットが複製 ふくせい されたり、パケットの順序 じゅんじょ が入 い れ替 か わって受信 じゅしん されたりする。ルーティングはパケット毎 ごと に動的 どうてき に行 おこな われ、ネットワークは以前 いぜん のパケットが通 とお った経路 けいろ についても状態 じょうたい 情報 じょうほう を保持 ほじ しない。そのため一部 いちぶ のパケットが他 た より長 なが い経路 けいろ を通 とお ることがあり、受信 じゅしん 側 がわ でパケットを受信 じゅしん する順序 じゅんじょ がおかしくなる可能 かのう 性 せい がある。
信頼 しんらい 性 せい のないIPv4で唯一 ゆいいつ 確 たし かなのは、IPパケットのヘッダには誤 あやま りがないという点 てん である。ルーティングするノードは、パケットのチェックサム を計算 けいさん する。もしチェックサムが合 あ わない場合 ばあい 、そのノードはそのパケットを捨 す てる。そのノードは送信 そうしん 元 もと にも宛先 あてさき にも捨 す てたことを通知 つうち しないが、Internet Control Message Protocol (ICMP) でそのような通知 つうち をすることも可能 かのう である。一方 いっぽう 、IPv6ではルーティングの高速 こうそく 化 か を優先 ゆうせん してチェックサム計算 けいさん をやめた。
上位 じょうい 層 そう プロトコル は、この信頼 しんらい 性 せい 問題 もんだい への対処 たいしょ を担 にな う。例 たと えば、アプリケーションにデータを渡 わた す前 まえ にデータをキャッシュして正 ただ しい順序 じゅんじょ に並 なら べ替 か えたりする。
信頼 しんらい 性 せい 問題 もんだい に加 くわ え、動的 どうてき 性質 せいしつ とインターネットおよびその構成 こうせい 要素 ようそ の多様 たよう 性 せい に関連 かんれん し、データ転送 てんそう 経路 けいろ のうちどれが適当 てきとう かは全 まった く保証 ほしょう できない。技術 ぎじゅつ 的 てき 制約 せいやく の1つとして、リンクごとにデータパケットのサイズ上限 じょうげん が異 こと なる。アプリケーションは適切 てきせつ な伝送 でんそう 特性 とくせい を使 つか うことを保証 ほしょう しなければならない。この責任 せきにん の一端 いったん は、IPとアプリケーションの中間 ちゅうかん に位置 いち する上位 じょうい 層 そう プロトコル群 ぐん にもある。ローカルなリンクにおける Maximum Transmission Unit (MTU) のサイズを調 しら べるファシリティがあり、IPv6の場合 ばあい は宛先 あてさき までの経路 けいろ 全体 ぜんたい を考慮 こうりょ したMTUサイズを調 しら べるファシリティもある。IPv4には元 もと のデータグラムを自動的 じどうてき に断片 だんぺん 化 か する機能 きのう がある。この場合 ばあい 、IPは断片 だんぺん 化 か されたパケット群 ぐん の到着 とうちゃく 順序 じゅんじょ を正 まさ しく保 たも つ必要 ひつよう がある[17] 。
例 たと えば Transmission Control Protocol (TCP) はセグメントサイズをMTUより小 ちい さく調整 ちょうせい するプロトコルである。User Datagram Protocol (UDP) と Internet Control Message Protocol (ICMP) はMTUサイズを無視 むし するので、必要 ひつよう ならIPが断片 だんぺん 化 か を行 おこな う[18] 。
1974年 ねん 5月 がつ 、Institute of Electrical and Electronic Engineers (IEEE) が "A Protocol for Packet Network Intercommunication" と題 だい した論文 ろんぶん を公表 こうひょう した[19] 。この論文 ろんぶん で筆者 ひっしゃ ヴィントン・サーフ とロバート・カーン は、ノード間 あいだ のパケット交換 こうかん を使 つか ってリソースを共有 きょうゆう するインターネットワーキング・プロトコルを記述 きじゅつ した。このモデルの中心 ちゅうしん となる制御 せいぎょ コンポーネントが "Transmission Control Program" (TCP) で、コネクション指向 しこう のリンクとデータグラムサービスの両方 りょうほう を含 ふく んでいた。モノリシックな Transmission Control Program は後 のち にモジュール化 か され、コネクション指向 しこう 層 そう の Transmission Control Protocol とインターネットワーキング(データグラム)層 そう の Internet Protocol に分 わ けられた。このモデルが一般 いっぱん に TCP/IP と呼 よ ばれ、正式 せいしき にはインターネット・プロトコル・スイート と呼 よ ばれている。
Internet Protocol はインターネット を定義 ていぎ する要素 ようそ の1つである。インターネット層 そう におけるインターネットワーキング・プロトコルで2012年 ねん 現在 げんざい 主 おも に使 つか われているのはIPv4 である。この4という番号 ばんごう はプロトコルのバージョン番号 ばんごう で、全 すべ てのIPデータグラムの先頭 せんとう に書 か かれている。IPv4は RFC 791 (1981) で記述 きじゅつ されている。
IPアドレスの不足 ふそく が発生 はっせい することが予測 よそく されることから開発 かいはつ されたIPv4の後継 こうけい がIPv6 である。バージョン4からの最大 さいだい の変更 へんこう 点 てん はアドレッシング体系 たいけい である。IPv4は32ビット のアドレス(約 やく 40億 おく 、4.3×109 )を使 つか っていたが、IPv6では128ビット のアドレス(約 やく 3.4×1038 )を使 つか っている。IPv6の採用 さいよう はゆっくりとしていたが、2008年 ねん 6月 がつ 、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく 連邦 れんぽう 政府 せいふ がバックボーンレベルのみではあるが全 ぜん システムでIPv6をサポートしてみせた[20] 。
IPのバージョン0から3まではIPv4の開発 かいはつ 途中 とちゅう のバージョンで、1977年 ねん から1979年 ねん までに使 つか われた[21] 。バージョン5は実験 じっけん 的 てき なストリーミング用 よう プロトコル Internet Stream Protocol (英語 えいご 版 ばん ) で使 つか われた。バージョン6から9までは、IPv4の後継 こうけい として提案 ていあん された各種 かくしゅ プロトコルである。このうちバージョン6とされた SIPP (Simple Internet Protocol Plus) が IPv6 として採用 さいよう されることになった。7から9は IP/IX (RFC 1475 )、PIP (RFC 1621 )、TUBA (TCP and UDP with Bigger Addresses, RFC 1347 ) である。
他 ほか にも IPv9や IPv8 を名乗 なの ったプロトコルが提案 ていあん されたことがあるが、全 まった く支持 しじ されていない[22] 。
1994年 ねん 4月 がつ 1日 にち 、IETF はエイプリルフール のジョークとしてIPv9を発表 はっぴょう したことがある[23] 。
IPは様々 さまざま な攻撃 こうげき に対 たい して脆弱 ぜいじゃく である。網羅 もうら 的 てき な脆弱 ぜいじゃく 性 せい アセスメントが対策 たいさく の提案 ていあん と共 とも に2008年 ねん に公表 こうひょう され[24] 、その後 ご IETF 内 うち で対策 たいさく を検討 けんとう 中 ちゅう である[25] 。
^ ASCII.jpデジタル用語 ようご 辞典 じてん ,デジタル大辞泉 だいじせん ,IT用語 ようご がわかる辞典 じてん ,パソコンで困 こま ったときに開 ひら く本 ほん ,ブランド用語 ようご 集 しゅう ,DBM用語 ようご 辞典 じてん ,世界 せかい 大 だい 百科 ひゃっか 事典 じてん 内 ない 言及 げんきゅう . “IPとは? 意味 いみ や使 つか い方 かた ”. コトバンク . 2023年 ねん 5月 がつ 17日 にち 閲覧 えつらん 。
^ "The function or purpose of Internet Protocol is to move datagrams through an interconnected set of networks." IPv4 specification.
^ IPv4 アドレスの枯渇 こかつ に際 さい して http://www.wide.ad.jp/News/2011/20110204.html
^ IPv4における "internet datagram" 、IPv6における "packet "
^ "The internet protocol provides for transmitting blocks of data called datagrams from sources to destinations" IPv4 specification.
^ "packet an IPv6 header plus payload." IPv6 specification.
^ "The internet modules use the addresses carried in the internet header to transmit internet datagrams toward their destinations." IPv4 specification.
^ IPv4における "internet header" 、IPv6における "IPv6 header "
^ IPv4における "data portion" 、IPv6における "payload "
^ "the IPv6 payload, i.e., the rest of the packet following this IPv6 header" IPv6 specification.
^ "This is done by passing the datagrams from one internet module to another until the destination is reached." IPv4 specification.
^ " Internet protocol interfaces on one side to the higher level host-to-host protocols and on the other side to the local network protocol." IPv4 specification.
^ "This protocol is called on by host-to-host protocols in an internet environment. This protocol calls on local network protocols to carry the internet datagram to the next gateway or destination host." IPv4 specification.
^ "The internet protocol implements two basic functions: addressing and fragmentation." IPv4 specification.
^ "specifically limited in scope to ... deliver a package of bits ... from a source to a destination over an interconnected system of networks. ... The internet protocol treats each internet datagram as an independent entity unrelated to any other internet datagram." IPv4 specification." IPv4 specification.
^ "The internet protocol is specifically limited in scope ... There are no mechanisms to ..." IPv4 specification.
^ Siyan, Karanjit. Inside TCP/IP , New Riders Publishing, 1997. ISBN 1-56205-714-6
^ Basic Journey of a Packet
^ Vinton G. Cerf, Robert E. Kahn, "A Protocol for Packet Network Intercommunication", IEEE Transactions on Communications, Vol. 22, No. 5, May 1974 pp. 637-648
^ CIO council adds to IPv6 transition primer , gcn.com
^ RFC 750 : "ASSIGNED INTERNET MESSAGE VERSIONS". Sep 28, 1978
^ China disowns IPv9 hype Theregister.com
^ RFC 1606 : A Historical Perspective On The Usage Of IP Version 9 . April 1, 1994.
^ Security Assessment of the Internet Protocol (IP)(archived version)
^ Security Assessment of the Internet Protocol version 4 (IPv4)
RFC
RFC 791 - Internet Protocol
RFC 1112 - Host Extensions for IP Multicasting
RFC 1518 - An Architecture for IP Address Allocation with CIDR
RFC 1519 - Classless Inter-Domain Routing (CIDR): an Address Assignment and Aggregation Strategy
RFC 1817 - CIDR and Classful Routing
RFC 2101 - IPv4 Address Behaviour Today
その他 た