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かみ使

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
伊勢神宮いせじんぐうはないにされているかみ使であるにわとり

かみ使(しんし)は、神道しんとうにおいてかみ使者ししゃ使つかい)もしくはかみ眷族けんぞく神意しんい代行だいこうして現世げんせい接触せっしょくするものかんがえられる特定とくてい動物どうぶつのことである。「かみ使つかい(かみのつかい)」「つかわしめ」「御先おさき(みさき)」などともいう。ときには、かみそのものとかんがえられることもある。その対象たいしょうになった動物どうぶつ哺乳類ほにゅうるいから、鳥類ちょうるい爬虫類はちゅうるい想像そうぞうじょう生物せいぶつまで幅広はばひろい。

特定とくてい動物どうぶつかみ意志いしつたえるという説話せつわ日本にっぽん神話しんわなかにもられる。『日本書紀にほんしょき』のけいぎょう天皇てんのうには、伊吹山いぶきやま荒神こうじん(あらぶるかみ)が大蛇おろち化身けしんして日本にっぽんたけたかしまえあらわれたのを、みことは「大蛇おろち荒神こうじん使つかいだろう」とったという記述きじゅつがある。『』のすめらぎごく天皇てんのう(4ねん正月しょうがつじょう)には、姿すがたえないがさるごえがしたため、人々ひとびとが「伊勢大いせおおしん使つかい」として、そのこえ吉凶きっきょうはんじたという記述きじゅつがある。またどうたかしかみ天皇てんのうでは、大物おおもの主神しゅしん自身じしんへび姿すがたつまおとずれるくだりがある[1]

平安へいあん中期ちゅうき成立せいりつの『扶桑ふそう略記りゃっき』の記述きじゅつとして、伊勢神宮いせじんぐう近辺きんぺんしろせんおんな(しらとうめ)=白狐びゃっこ射殺しゃさつしたもの配流はいるになったとあり、古代こだいではれいきつね信仰しんこうがあったとみられる[2]

時代じだいくだると、かみ使とされる動物どうぶつは、そのかみ神話しんわにおける記述きじゅつ神社じんじゃ縁起えんぎもとづいて固定こていされるようになり、その神社じんじゃ境内けいだい飼育しいくされるようにもなった。さらには、稲荷いなり神社じんじゃきつねのように、本来ほんらいかみ使であるものがまつられるようにもなった。これは、かみとは無関係むかんけいに、その動物どうぶつ自体じたいなんらかの霊的れいてき存在そんざいられていたものとかんがえられる。

かみ使とされる動物どうぶつには、以下いかのようなものがある。

動物どうぶつ かみ
ねずみ 大黒天だいこくてん
うし 天満てんまみや ※天神てんじん信仰しんこう参照さんしょうのこと。
とら あさまもる孫子まごこてら
はち 二荒ふたあらさん神社じんじゃ
うさぎ 住吉すみよし大社たいしゃ岡崎おかざき神社じんじゃ調しらべ神社じんじゃ恩智おんじ神社じんじゃ
かめ 松尾まつお大社たいしゃ 
かに 金刀比羅宮ことひらぐう 
うなぎ 三嶋みしま大社たいしゃ
へび 弁才天べんざいてん大神神社おおみわじんじゃ
海蛇うみへび 出雲いずも大社たいしゃ
白蛇しろへび 諏訪すわ神社じんじゃ
きつね 稲荷いなり神社じんじゃ ※稲荷いなりしん参照さんしょうのこと。
鹿しか 春日大社かすがたいしゃ鹿島かしま神宮じんぐう
さる 日吉ひよし大社たいしゃ浅間あさま神社じんじゃ
がらす 熊野くまの三山さんざん厳島いつくしま神社じんじゃ
づる 諏訪すわ大社たいしゃ
ばと 八幡宮はちまんぐう
さぎ 氣比けひ神宮じんぐう
にわとり 伊勢神宮いせじんぐう熱田あつた神宮じんぐう石上いしがみ神宮じんぐう
おおかみ 武蔵むさし御嶽おんたけ神社じんじゃ三峰みつみね神社じんじゃなど奥多摩おくたま秩父ちちぶ地方ちほう神社じんじゃ
こい 大前おおまえ神社じんじゃ
いのしし まもるおう神社じんじゃ和気わき神社じんじゃ
りゅう 神泉苑しんせんえん恩智おんじ神社じんじゃ
ムカデ 毘沙門天びしゃもんてん
カエル 二見ふたみきょうだま神社じんじゃ

参考さんこう画像がぞう

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その

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  • ことわざとして、「さる山王さんのう(さんのう、日吉ひよし神社じんじゃ別称べっしょう)の使者ししゃ[3]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ はし古墳こふん#由来ゆらい 参照さんしょう
  2. ^ せき裕二ゆうじ寺社じしゃかたはた正体しょうたい祥伝社しょうでんしゃ新書しんしょ 2018ねん ISBN 978-4-396-11553-1 p.38.
  3. ^ 鈴木すずき棠三広田ひろた栄太郎えいたろうへん故事こじことわざ辞典じてん』(東京とうきょうどう出版しゅっぱん、36はん1968ねん)p.391.

関連かんれん項目こうもく

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