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CCDイメージセンサ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

CCDイメージセンサ(シーシーディーイメージセンサ、えい: CCD image sensor)は固体こたい撮像さつぞう素子そしのひとつで、ビデオカメラデジタルカメラひかり検出けんしゅつなどにひろ使用しようされている半導体はんどうたい素子そしである。たんCCDばれることもおお[1][2][3][4]が、「CCD」という頭字かしらじ自体じたいには、CMOSイメージセンサの「CMOS」の部分ぶぶん同様どうように、「イメージセンサ」という意味いみまったふくまれておらず、実際じっさいにイメージセンサ以外いがいへのCCD(電荷でんか結合けつごう素子そし)の応用おうよう複数ふくすう存在そんざいする。

概要がいよう[編集へんしゅう]

歴史れきし[編集へんしゅう]

CCDは、1969ねんアメリカ電信でんしん電話でんわベル研究所けんきゅうじょにいたウィラード・ボイルジョージ・E・スミスによって、磁気じきバブルメモリ動作どうさ原理げんりから着想ちゃくそうし、半導体はんどうたい応用おうようすることによって発明はつめいされた。

CCD[編集へんしゅう]

通常つうじょう半導体はんどうたい集積しゅうせき回路かいろでは、一般いっぱんに、そのうえつくまれたそれぞれの素子そしあいだ金属きんぞくそうのパターンによる配線はいせんによって、電気でんきてき接続せつぞくされ信号しんごうがやりとりされる。これにたいし、となった素子そしあいだ電荷でんかてき結合けつごう利用りようして、次々つぎつぎ電荷でんか状態じょうたいおくされることにより信号しんごうがやりとりされる素子そしがCharge-Coupled Device(CCD: 電荷でんか結合けつごう素子そし)である。

受光じゅこう素子そしわせて撮像さつぞうデバイスとするほかNTSC必要ひつよう櫛形くしがたフィルタでアナログフィルタにおける遅延ちえんせん相当そうとうするシーケンシャルアクセスの記憶きおく装置そうちなど、色々いろいろ応用おうようがある[5]撮像さつぞうデバイスとしては、配線はいせん面積めんせきられないぶん、受光じゅこう面積めんせきひろくできる、といった利点りてんがある一方いっぽうスミア現象げんしょうなどの弱点じゃくてんもある。

CCDイメージセンサとCMOSイメージセンサ[編集へんしゅう]

イメージセンサ・デバイスのれい

現在げんざいメジャーな固体こたい撮像さつぞうデバイスとして、CCDイメージセンサのほかCMOSイメージセンサがある。ながらくCCDイメージセンサのほうがおお利用りようされてきたが、てい価格かかくひん携帯けいたい電話でんわではCMOSセンサの普及ふきゅうすすんでおり、2004ねん後半こうはんにはそう出荷しゅっか個数こすうでCMOSセンサが上回うわまわった。

より複雑ふくざつ構造こうぞうのためにCMOSセンサにくらべてCCDの製造せいぞうむずかしく、製造せいぞうのできる企業きぎょうかぎられている。また、CMOSセンサにくらべてかなり高価こうか素子そしとなっている(詳細しょうさい後述こうじゅつ)。

イメージセンサの目的もくてき[編集へんしゅう]

撮像さつぞう素子そしはたらきは、被写体ひしゃたいからの光線こうせんレンズなどの光学こうがくけいによって撮像さつぞう素子そし受光じゅこう平面へいめんゆいぞうさせ、そのぞうひかりによる明暗めいあん電荷でんかりょうひかりでん変換へんかんし、それを順次じゅんじして電気でんき信号しんごう変換へんかんすることである。

固体こたい撮像さつぞう素子そしにおいては、1まいシリコン基板きばんうえ形成けいせいされた多数たすう受光じゅこう素子そしならびでひかりでん変換へんかんおこなう。受光じゅこう素子そしひかり照射しょうしゃするとひかりエネルギーによって電荷でんか発生はっせいする。この電荷でんかをCCD素子そしによって外部がいぶ転送てんそうするのがおも動作どうさである。なお、受光じゅこう素子そしとして独立どくりつしたフォトダイオードもちいる場合ばあいと、転送てんそうようCCDそのものを受光じゅこう素子そしとして動作どうささせる場合ばあいがある(後述こうじゅつ)。

原理げんり構造こうぞう[編集へんしゅう]

電圧でんあつ制御せいぎょして電荷でんか転送てんそうする

CCDはMOSキャパシタ近接きんせつしてならべた構造こうぞう基本きほんである。CCDはMOS構造こうぞう半導体はんどうたい素子そし一種いっしゅで、シリコン基板きばん表面ひょうめん酸化さんかまくじょう多数たすう電極でんきょくもうけ、MOS構造こうぞうかく電極でんきょくとなり同士どうしことなる電圧でんあつあたえることによりポテンシャルウェル英語えいごばん電位でんい井戸いど)をつくし、これを利用りようして半導体はんどうたいちゅう電荷でんか保持ほじ転送てんそうできるようにしたものである。

かく電極でんきょくくわえる電圧でんあつ適切てきせつ制御せいぎょすることによりかく素子そし電荷でんかとなり素子そしにいっせいに転送てんそうされる。これによりかく素子そし保持ほじする電荷でんかをバケツリレーしき順次じゅんじ外部がいぶすことができる。ちょうどデジタル回路かいろのパラレル=シリアルシフトレジスタとおな動作どうさであり、アナログりょうあつかえるシフトレジスタともわれる。この性質せいしつ利用りようしていちれつはしから入力にゅうりょくした電荷でんか素子そしすうぶん転送てんそう回数かいすう相当そうとうする遅延ちえんたせて反対はんたいがわはしからせば、遅延ちえんせん(ディレイライン)として動作どうささせることができ、前述ぜんじゅつのようにこのようなCCDの機能きのう利用りようほうはイメージセンサ以外いがいにもいろいろある。

いち次元じげんイメージセンサ[編集へんしゅう]

リニアイメージセンサともいい、フォトダイオードいちれつならべ、これに並列へいれつにCCDを配置はいちしている。1かい露光ろこうでフォトダイオードがひかりでん変換へんかんした電荷でんかかく画素がそ対応たいおうするCCD素子そしにいっせいに転送てんそうし、つづいてCCDに転送てんそうパルスをあた電荷でんか順次じゅんじす。ぜん画素がそ電荷でんか出力しゅつりょくわるとつぎ露光ろこう可能かのうになる。

いち次元じげんイメージセンサはせんじょうぞうしかひかりでん変換へんかんできないので、被写体ひしゃたいとイメージセンサを相対そうたいてき移動いどうさせるか、光学こうがくけいによって同等どうとう相対そうたい移動いどうおこなうことにより被写体ひしゃたい全体ぜんたいをカバーする。ファクシミリ複写ふくしゃイメージスキャナなどで使つかわれる方式ほうしきである。またそういったもののほか、1次元じげんのパターンのみ取得しゅとくできればいという応用おうようおおく、カメラでは「ジャスピンコニカ」や「キヤノンオートボーイ」時代じだいのオートフォーカスようセンサで使つかわれていたというれいがある[6]

次元じげんイメージセンサ[編集へんしゅう]

エリアイメージセンサともいい、格子こうしじょうその配置はいち平面へいめんじょうめたものである。CCDと受光じゅこう素子そし配列はいれつによりいくつかの構造こうぞうがある。

インターラインがた[編集へんしゅう]

インターラインがたCCD撮像さつぞう素子そし構造こうぞう

次元じげんイメージセンサのなかでもインターラインがたCCDイメージセンサは、一般いっぱんてきなビデオカメラやデジタルカメラで多用たようされる。 受光じゅこうのフォトダイオードと電荷でんか転送てんそう垂直すいちょく転送てんそうCCDをいちれつごとに交互こうご配置はいちし、垂直すいちょくCCDれつはし水平すいへい転送てんそうCCDのかく素子そし接続せつぞくして全体ぜんたいとして櫛形くしがた配置はいちした構造こうぞうである。かく転送てんそうようCCDはひかりでん変換へんかんおこなわないように遮光しゃこうまくおおってある。また、かく画素がそのフォトダイオードと画素がそ対応たいおうする垂直すいちょくCCDのかく素子そしあいだにはアナログスイッチとしてはたらくトランスファゲートがかれている。しはいちれいとしてつぎのようにしておこなう。

  1. トランスファゲートをじておく。
  2. フォトダイオードを感光かんこうし、電荷でんか蓄積ちくせきする。
  3. トランスファゲートをひらき、フォトダイオードからかく垂直すいちょく転送てんそうCCDに電荷でんかをいっせいに転送てんそうする。
  4. トランスファゲートをじる。
  5. かく垂直すいちょく転送てんそうCCDの電荷でんかを1回分かいぶん転送てんそうし、かくれつはしにあたる画素がそ電荷でんか水平すいへい転送てんそうCCDに移送いそうする。
  6. 水平すいへい転送てんそうCCDに順次じゅんじ転送てんそうパルスをあたえてぜん水平すいへい画素がそ出力しゅつりょくする。
  7. 5にもどって垂直すいちょく転送てんそうCCDのぜん画素がそすまでかえす。

これによりすべてのぜんエリアの画素がそ順次じゅんじ走査そうさされたことになる。

ビデオカメラ使つかうためには毎秒まいびょう30~60かい露光ろこう転送てんそうしをおこな必要ひつようがあるため、フォトダイオードから垂直すいちょくCCDへの電荷でんか転送てんそう垂直すいちょくせん期間きかんに、また、水平すいへい転送てんそうCCDからのしはかく水平すいへいせん期間きかんおこなわれる。

そのかた[編集へんしゅう]

フルフレーム・トランスファがたCCD撮像さつぞう素子そし構造こうぞう
フレーム・トランスファがたCCD撮像さつぞう素子そし構造こうぞう

ほかに、垂直すいちょく転送てんそうCCDのかく素子そし直接ちょくせつひかりでん変換へんかんおこなうフルフレームトランスファがた構造こうぞう受光じゅこうようCCDと転送てんそうようCCDをち、垂直すいちょくせん期間きかん受光じゅこうようCCDから転送てんそうようCCDに転送てんそうおこなうフレームトランスファがたCCDもある。フルフレームがた転送てんそうようCCDが不要ふようなためひかりたる素子そし面積めんせき比率ひりつ開口かいこうりつ)がおおきく、インターラインがたくらべて感度かんどたかい。一方いっぽう電荷でんか転送てんそうちゅう受光じゅこうしないように機械きかいてきシャッターが必須ひっすとなるため、動画どうが撮影さつえいむずかしい。フレームトランスファがたは、開口かいこうりつたかてんではフルフレームがた同様どうようであるが、転送てんそうようCCDをべつぶん素子そし面積めんせきおおきくなる。

背面はいめん照射しょうしゃがたCCDは回路かいろ受光じゅこう反対はんたいがわにあるため、受光じゅこう面積めんせきひろくすることが出来できどう面積めんせきのチップにくら感度かんどたかい。しかし、背面はいめん照射しょうしゃのためにシリコン基板きばんそうけずとすことにより熱容量ねつようりょう大幅おおはば低下ていかし、くら電流でんりゅうによる発熱はつねつ増加ぞうかする。これによるねつノイズの影響えいきょうおさえるためにはなんらかの冷却れいきゃく装置そうち必要ひつようとなり、撮影さつえい機器きき小型こがたてい価格かかくおおきな障害しょうがいとなっている。

歴史れきし[編集へんしゅう]

CCDは、1969ねんアメリカ電信でんしん電話でんわ[7]ベル研究所けんきゅうじょにいたウィラード・ボイルジョージ・E・スミスによって、磁気じきバブルメモリ動作どうさ原理げんりから着想ちゃくそうし、半導体はんどうたい応用おうようすることによって発明はつめいされた[8]フェアチャイルドセミコンダクターRCAテキサス・インスツルメンツふくむさまざまな会社かいしゃがその発明はつめい採用さいようし、プログラム開発かいはつはじめた。フェアチャイルドが、商用しょうようデバイスに利用りようした最初さいしょ会社かいしゃとなった。1974ねんまでに、500セルのいち次元じげん素子そしとの100x100セルの次元じげんデバイスを発売はつばいした。岩間いわま和夫かずおによるリーダーシップのもと、ソニーは、注目ちゅうもくすべきがく投資とうしふくむCCDへのおおきな開発かいはつ努力どりょくはじめた。結局けっきょく、ソニーは自社じしゃカムコーダーようにCCDを大量たいりょう生産せいさんすることが可能かのうになった[9]

ベル研究所けんきゅうじょでの発明はつめいのち遅延ちえんせんとして、あるいはイメージセンサとしての応用おうよう研究けんきゅうすすみ、1970年代ねんだい後半こうはんには試作しさくカメラが、1980年代ねんだいには実用じつようてきなカラーテレビカメラが製品せいひんされ、半導体はんどうたい加工かこう技術ぎじゅつ進歩しんぽにより撮像さつぞうかん代替だいたいした。1990年代ねんだいにはデジタルスチルカメラ誕生たんじょうし、21世紀せいきはじめにはぎんしおカメラを代替だいたいしつつある。

2006ねん1がつ、ボイルとスミスは、CCDにかんする仕事しごとみとめられ全米ぜんべい技術ぎじゅつアカデミーチャールズ・スターク・ドレイパーしょう受賞じゅしょうした[10]。2009ねん二人ふたりはノーベル物理ぶつりがくしょう受賞じゅしょうした[11]

製造せいぞう[編集へんしゅう]

CCDイメージセンサは、ほかの半導体はんどうたい集積しゅうせき回路かいろ同様どうようシリコンウェハーから製造せいぞうする。半導体はんどうたい集積しゅうせき回路かいろ製造せいぞう基本きほんてきにはわらないが、受光じゅこうめんへの配慮はいりょもとめられ通常つうじょうのモールディングはおこなわれず、サブストレートへの実装じっそうなどで保持ほじされる。

応用おうよう[編集へんしゅう]

  • デジタルカメラ
  • ビデオカメラ
  • カメラづけ携帯けいたい電話でんわ
  • 複写ふくしゃ、ファクシミリ
  • 自動車じどうしゃようカメラ
  • カメラ(上部じょうぶ消化しょうかかん内視鏡ないしきょう

CCDイメージセンサによるカラー撮像さつぞう[編集へんしゅう]

LCD表示ひょうじ素子そし画素がそ配置はいち
たんいたしきカラーカメラのベイヤー配列はいれつ
3いたしきカラーカメラのCCD素子そし空間くうかん配置はいち
3いたしきべつ方式ほうしき緑色みどりいろ解像度かいぞうど優先ゆうせん

おおくのカラー撮影さつえい方式ほうしき同様どうよう、1まいのセンサにRGBのかくいろつくたんいた方式ほうしきと、光学こうがくてきにRGBのかくいろ分離ぶんりしたものをそれぞれのセンサで撮影さつえいするいた(3いた方式ほうしきがある。

たんいた方式ほうしき[編集へんしゅう]

CCDイメージセンサそのものには、ほかの撮像さつぞうかん固体こたい撮像さつぞう素子そし同様どうよういろ識別しきべつ能力のうりょくはない。一般いっぱんてきなCCDの波長はちょうごとの感度かんど特性とくせい分光ぶんこう特性とくせい)はおおむね300nm~800nmでゆるやかなやまがたのピーク特性とくせいち、可視かしこう範囲はんいをカバーしている。したがって、カラー撮影さつえいおこなうためにはカラーフィルタによりひかり三原色さんげんしょくいろ分解ぶんかいおこな必要ひつようがある[12]三原色さんげんしょく分解ぶんかいにはしょくほうによる方法ほうほうげんしょくほうによるものがあり、原理げんりてきには後処理あとしょり単純たんじゅんしょくほういろ再現さいげんせいすぐれ、ひかり通過つうかりょうおおげんしょくほう感度かんどすぐれるとされるが、素子そしレベルの性能せいのう後述こうじゅついろ処理しょり技術ぎじゅつによる差異さいもあるため、製品せいひんレベルでの比較ひかくではその顕著けんちょではない。

カラーフィルタのマスクパターンにもいくつかの方法ほうほうかんがえられる。まず、LCDなどの表示ひょうじ素子そしのように、正方形せいほうけいめられたかく画素がそたいしてRGBそれぞれの受光じゅこう配置はいちする方法ほうほうかんがえられる。画像がぞうデータなどの、かくピクセルごといろがあるモデルと整合せいごうせいいが、かく受光じゅこう細長ほそながくなり、また3ばいのピッチで微細びさい構造こうぞうつくまねばならず、製造せいぞうじょうよろしくない。

一般いっぱん固体こたい撮像さつぞう素子そしでは受光じゅこうごとにマイクロレンズをくので、かく受光じゅこう縦横じゅうおうを1とするか、それにちかいことがのぞましい。したがって正方形せいほうけいめたうえにベイヤー配列はいれつ(Bayer arrangement)[注釈ちゅうしゃく 1]のフィルター(ベイヤーフィルター)をけるという手法しゅほう一般いっぱんてきである。

ベイヤー配列はいれつでは、CCDの総画そうかく素数そすうNにたいして、みどり解像度かいぞうどはN/2、あかおよびあお解像度かいぞうどはN/4になるため、かく画素がそごと周辺しゅうへん画素がそ出力しゅつりょくもちいて補間ほかん演算えんざんおこなうことによりNのRGBのくみつくしている。補間ほかん演算えんざん方式ほうしきにより画質がしつ影響えいきょうけるため、かくカメラメーカーは独自どくじ処理しょり方法ほうほう考案こうあんしている。ここで、みどり画素がそを2ばいもうけているのは、人間にんげん分光ぶんこう感度かんどみどり付近ふきんをピークとしており、みどり解像度かいぞうどかけじょう解像度かいぞうど向上こうじょうさせるためである。

このほか富士ふじフイルムスーパーCCDハニカムやそののパターン(参考さんこう:英語えいごばん)、またフィルタではなくふかさによりいろ識別しきべつするFoveon方式ほうしきなどがある。

いた方式ほうしき[編集へんしゅう]

放送ほうそうようカラーテレビカメラなどでは、高画質こうがしつこう感度かんど要求ようきゅう性能せいのうたすため、3いた方式ほうしき採用さいようすることがある。これは、上述じょうじゅつのような微小びしょう構造こうぞうのフィルタによる方式ほうしき不可能ふかのうだった撮像さつぞうかん時代じだい方式ほうしき同様どうようのもので、RGBかくいろそれぞれに1まいのCCDイメージセンサを用意よういし、ダイクロイックプリズムかく波長はちょうたいし、ミラーあるいはフィルタとしてはたらく)によりかくいろけて感光かんこうさせてRGBそれぞれのいろ信号しんごうす。3いたしきには、RGB均等きんとう方式ほうしきだけでなく、2まい緑色みどりいろよう素子そし水平すいへいに1/2画素がそずらすことでかけじょう水平すいへい解像度かいぞうど向上こうじょうさせる手法しゅほう採用さいようすることもある。この場合ばあいあおあかようのCCDは2しょく共用きょうようとしており解像度かいぞうど低下ていかするが、みどり解像度かいぞうど向上こうじょう補償ほしょうできることをねらう。さらに、みどりCCDを1まいだけにすると2まいCCD方式ほうしきのカラー撮像さつぞう可能かのうである(2いた方式ほうしき)。

その[編集へんしゅう]

実用じつようてきなものではないが、錯視さくし現象げんしょう利用りようしていろ知覚ちかくさせる手法しゅほうがある。ベンハムの独楽こま参照さんしょう

冷却れいきゃくCCD[編集へんしゅう]

冷却れいきゃくすることによりねつ起因きいんするノイズらし、長時間ちょうじかん露光ろこう可能かのうにした。なお、ねつ雑音ざつおんショット雑音ざつおん混同こんどうするきもあるが、まったく別種べっしゅのノイズである。

CCDイメージセンサのサイズ呼称こしょう[編集へんしゅう]

イメージセンサのサイズ呼称こしょうについては2とおりの方式ほうしきがある。これはCMOSイメージセンサについても同様どうようである。

インチ単位たんいによるびサイズ[編集へんしゅう]

3/2インチ、1/1.8インチ、1/2インチなどインチ単位たんいばれるサイズである。このサイズはイメージセンサの撮像さつぞうめん実寸じっすんしめすものではなく、相当そうとうするかんみち撮像さつぞうかん撮像さつぞうめんサイズとひとしいことをあらわす。2/3インチセンサの場合ばあいは(16.9mmではなく)2/3インチ撮像さつぞうかん相当そうとうするたいかく11mm(8.8mm x 6.6mm)、1/1.8インチセンサではたいかく8.93mm(7.18mm x 5.32mm)、1/2インチセンサではたいかく8mm(6.4mm x 4.8mm)が実寸じっすんとなる。これはCCDイメージセンサの初期しょき用途ようとがテレビカメラよう撮像さつぞうかんえるものであったため、レンズなどの光学こうがくけい設計せっけいしたり選択せんたくしたりするさい便宜べんぎ考慮こうりょしてこのような習慣しゅうかんまれたものである。同様どうよう理由りゆうにより、とくことわらないかぎ画面がめん縦横じゅうおう標準ひょうじゅんテレビ画面がめんひとしい4:3が主流しゅりゅうである。

なお日本にっぽんでは計量けいりょうほうにより取引とりひきにおける「インチ」の使用しようみとめられないためブラウン管ぶらうんかんなどと同様どうよう「1/2.5がた」などと表記ひょうきする場合ばあいがあるがおなじことである。

規格きかく名称めいしょう[編集へんしゅう]

特定とくてい規格きかくによりじつサイズが規定きていされているもので、35mmフルサイズ135フィルムをもちいる35mmばん画面がめんサイズにひとしい36mm×24mm)、APS-C(16.7mm×23.4mm)などがある。なお、フォーサーズ・システムについてはやく18.0mm×13.5mm(実際じっさいは17.3mm×13.0mm)の実寸じっすん規定きていされているためこの範疇はんちゅうであるが、そのサイズ自身じしんは「かんみち4/3インチの撮像さつぞうかん」に由来ゆらいしている。

CCDイメージセンサの製造せいぞう[編集へんしゅう]

CCDイメージセンサの製造せいぞう技術ぎじゅつは、半導体はんどうたい部分ぶぶん製造せいぞうプロセス、カラーフィルタやマイクロレンズの生成せいせいなどにおいて一般いっぱんてきCMOSロジック製造せいぞう技術ぎじゅつとはことなる部分ぶぶんおおい。このため主要しゅよう製造せいぞうメーカーは半導体はんどうたいメモリCPUASICなどとはかなりことなる。2004ねんにおける大手おおて製造せいぞうメーカーはソニーシャープ松下電器産業まつしたでんきさんぎょうげんパナソニック)、三洋電機さんようでんき世界せかい市場いちばやく8わりめ、これはCMOSイメージセンサにおいて首位しゅいのソニー、2東芝とうしばとも6、7%程度ていどのシェアしかない状況じょうきょうとは対照たいしょうてきである。このほか、KODAKもCCDイメージセンサを製造せいぞうしている。

このため、デジタルカメラやビデオカメラなどの製品せいひんでは競合きょうごうしているメーカーにCCDイメージセンサを供給きょうきゅうするれいめずらしくない。れいとして、ソニーが広範こうはん供給きょうきゅうおこなっていた事実じじつがはからずもあきらかになった事件じけんがある。

ソニーせいCCD不具合ふぐあい問題もんだい[編集へんしゅう]

ソニーはCCD製造せいぞうにおいて大手おおてであり、ビデオカメラやデジタルカメラを製造せいぞうする会社かいしゃ供給きょうきゅうしていた。2002ねん10がつにCCD素子そしまどとなるガラスばん接着せっちゃくするためにもちいていた接着せっちゃくざい変更へんこうした。

2004ねんはる業務ぎょうむようビデオカメラにおいてCCD素子そしとICパッケージのピンをむすぶボンディングワイヤが破断はだんする不具合ふぐあいつかった。ボンディングワイヤリング装置そうち不適切ふてきせつ設定せっていおこなった状態じょうたい製造せいぞうしていたことが判明はんめいしたため、ソニーせいCCDを使用しようしていた業務ぎょうむようビデオカメラメーカー各社かくしゃリコールおこな事態じたい収拾しゅうしゅうしたとおもわれた。

しかし、2004ねんなつから徐々じょじょに、ふたたびボンディングワイヤが破断はだんする問題もんだい発生はっせいした。これは変更へんこうされた接着せっちゃくざいふくまれるヨウもとがCCDチップとボンディングワイヤがつながっている合金ごうきん侵入しんにゅうし、欠陥けっかんしょうじて合金ごうきん破断はだん発生はっせいするものであった。ボンディングワイヤリング装置そうち設定せっていミスが原因げんいんおもんでいたソニーは、問題もんだいのある接着せっちゃくざいでCCDを製造せいぞうつづけたため、ほん問題もんだい見過みすごしてしまった。

2005ねん10がつ以降いこう、ソニーおよびカメラ製造せいぞうメーカー各社かくしゃからリコール情報じょうほう発表はっぴょうされた。この問題もんだいによって不具合ふぐあいしょうじるCCDは1000まん以上いじょう問題もんだいしょうじうるデジタルカメラ・ビデオカメラは100機種きしゅ以上いじょうおよんだ。なお、ソニー以外いがいのカメラ製造せいぞうメーカーは「ソニーせいCCD」に起因きいんする不良ふりょうであることを明言めいげんしているわけではないが、不具合ふぐあい発生はっせいじょうきょう公表こうひょうされた原因げんいんから同一どういつ原因げんいんであることがみとめうるとされる。

また、富士写真ふじしゃしんフイルムの子会社こがいしゃ富士ふじフイルムマイクロデバイス開発かいはつスーパーCCDハニカム一部いちぶにも同様どうよう不良ふりょう発生はっせいしており、不具合ふぐあい原因げんいんであるヨウ化合かごう物入ものい接着せっちゃくざいをCCD製造せいぞうもちいるのは、当時とうじ一般いっぱんてき方法ほうほうであったともかんがえられる。

本節ほんぶしかんする参考さんこう文献ぶんけん

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 神崎かんざき 洋治ようじ (ちょ), 西井にしい よしたか (ちょ) 「体系たいけいてきまなぶデジタルカメラのしくみ だい2はん日経にっけいBPソフトプレス; だい2はん (2009/1/29) だいかい : CCDの電荷でんかバケツリレーのしくみ デジカメの「しくみ」
  2. ^ 安藤あんどう 幸司こうじ (ちょ)「らくらく図解ずかい CCD/CMOSカメラの原理げんり実践じっせんらくらく図解ずかい CCD/CMOSカメラの原理げんり実践じっせん - 安藤あんどう幸司こうじ - Google ブックス
  3. ^ 加藤かとう俊夫としお 半導体はんどうたい入門にゅうもん講座こうざ(Semiconductor JapanのWebじょう講義こうぎだい16かい イメージセンサ [1]
  4. ^ CCDカメラとは 株式会社かぶしきがいしゃ日本にっぽんローパー
  5. ^ 「CCDのアナログ信号しんごう処理しょり回路かいろへの応用おうようdoi:10.3169/itej1954.30.377
  6. ^ AF35ML(オートボーイスーパー)/AF35ML(オートボーイスーパー) クオーツデート - キヤノンカメラミュージアムに「CCD(電荷でんか結合けつごう素子そし)ラインセンサーを使用しようした三角さんかく測量そくりょう方式ほうしきによるオートフォーカス」とある。2023ねん9がつ8にち閲覧えつらん
  7. ^ 現在げんざいAT&T子会社こがいしゃ
  8. ^ たとえば、つぎ特許とっきょ参照さんしょうのこと。 US3792322A - Buried channel charge coupled devices - Google Patentsアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい3,792,322ごう)とUS3796927A - Three dimensional charge coupled devices - Google Patentsアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい3,796,927ごう)また、特許とっきょ解説かいせつ日本語にほんご)として、以下いか記事きじくわしい CCD: いしくれと砂粒さりゅう世界せかい
  9. ^ たとえば、US419213A - Feed-water heater - Google Patentsアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい419,213ごうUS4194213A - Semiconductor image sensor having CCD shift register - Google Patentsアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい4,194,213ごう)を参照さんしょうのこと。
  10. ^ Charles Stark Draper Award, http://www.nae.edu/NAE/awardscom.nsf/weblinks/CGOZ-6K9L6P?OpenDocument 
  11. ^ Nobel Prize website, https://www.nobelprize.org/prizes/physics/2009/summary/ 
  12. ^ たとえば、US5877807A - Optoelectronic colored image converter - Google Patentsアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい5,877,807ごう
  13. ^ Bryce Bayer, Inventor of a Filter to Make Color Digital Pictures, Dies at 83 - The New York Times

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 米国べいこくメインしゅうポートランド出身しゅっしん考案こうあんしゃBryce Bayer由来ゆらいであり、正式せいしき発音はつおん/ˈbaɪər/(カナ表記ひょうきするならば「バイヤー」もしくは「バイアー」)だが[13]日本語にほんごでは英語えいごみをベースに「ベイヤー」と表記ひょうきされることがおおい。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

  • CMOSイメージセンサ
  • スミア - CCDで発生はっせいするこう輝度きど電荷でんかがあふれることによる垂直すいちょく水平すいへい方向ほうこうひかりじょう