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モノクロフィルム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドリス・ウルマン英語えいごばんの『労働ろうどうしゃ』(1925ねん以前いぜん

モノクロームフィルムは、ひかり強弱きょうじゃくのみを記録きろくする白黒しろくろ写真しゃしん写真しゃしんフィルム和製わせい英語えいごで、もっぱらカラー写真しゃしんのカラーフィルムにたいして使つかわれるかたりである。モノクロモノクロームりゃくである。[1][2]もともとはフランス語ふらんすごで「単一たんいつ色彩しきさいえがかれた絵画かいが」である「単色たんしょく」、「単彩たんさい英語えいごばん」を美術びじゅつ用語ようごで、かならずしも白黒しろくろ意味いみしない[2][3]白黒しろくろ写真しゃしんのことは、英語えいごでは black-and-white, フランス語ふらんすごでは noir et blanc と、たんに「くろしろ」を意味いみするかたり[3]文化ぶんかけんにより、くろさきとするのが一般いっぱんてき場合ばあいと、しろさきとするのが一般いっぱんてき場合ばあいがある。日本にっぽんでは一般いっぱんてきには「白黒しろくろ」のじゅんだが、英語えいごなどからのわけであることを重視じゅうしする場合ばあいなどは「黒白くろしろ」とされることもある)。

モノクローム写真しゃしん英語えいご: Monochrome photography)は、写真しゃしんられた対象たいしょうぶつ色彩しきさい記録きろくするのではなく、写真しゃしん生成せいせいされる画像がぞう単一たんいつ色相しきそうをもつもののことである。黒色こくしょく白色はくしょくとのあいだ灰色はいいろ色調しきちょう白黒しろくろ写真しゃしんは、すべてモノクローム写真しゃしんのカテゴリにぞくする[4]現行げんこう白黒しろくろフィルムはパンクロマチックフィルムであり、可視かし光線こうせんのすべてを記録きろくする[5][6]オルソクロマチックフィルムは、可視かし光線こうせんのうち590ナノメートルまん波長はちょう光線こうせん記録きろくする[7]

モノクローム写真しゃしん、とりわけ白黒しろくろ写真しゃしんは、カラー写真しゃしんして、微妙びみょうかつ現実げんじつたいする解釈かいしゃくてき表現ひょうげんであり、リアルさにけるものであるとかんがえられている[4]。モノクローム画像がぞう白黒しろくろ画像がぞう)は、対象たいしょうぶつ表現ひょうげんとして直接ちょくせつすものではなく、現実げんじつから抽象ちゅうしょうされたものであり、灰色はいいろ陰影いんえい色彩しきさい表象ひょうしょうする。色彩しきさいについての情報じょうほうふくまずに明度めいど情報じょうほうのみでしめすことをコンピュータ用語ようごではグレースケール[8]

ほんこうでおもにあつかうのは現行げんこうのパンクロマチックフィルム製品せいひん一覧いちらんとその解説かいせつである。

概要がいよう

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色彩しきさいたよらずに表現ひょうげんするため、題材だいざいをシンプルにつたえることができる。現在げんざいでも表現ひょうげん手法しゅほうひとつとしてもちいられるほか警察けいさつなど業務ぎょうむよう分野ぶんやでもよく使つかわれている。また、現像げんぞう比較的ひかくてき容易よういなことから、これらの処理しょり個人こじんおこな愛好あいこうしゃおおい。1990年代ねんだい後半こうはんにレトロな感覚かんかくけ、モノクロフィルムがはいった使つかいきりカメラ(レンズきフィルム)やAPSフィルム(カラー現像げんぞう処理しょり対応たいおうしたタイプ、富士ふじフイルムより)も発売はつばいされたがすぐにブームは下火したびになり、現在げんざい写真しゃしん急速きゅうそくなデジタルにより販売はんばいりょうりつつある。

一般いっぱんにカラーフィルムとくらべて保存ほぞんせい粒子りゅうしこまかさにすぐれるとされる。ネガフィルム多数たすうであるが、モノクロリバーサルフィルムもある。また、カラー写真しゃしんクロス現像げんぞうのような独特どくとくいろあいになったりする現象げんしょういことから、ネガフィルムをリバーサル現像げんぞうすることもわりと一般いっぱんてきである。

カラーフィルムでは漂白ひょうはく過程かていぎんのぞかれるのにたいして、モノクロフィルムではぎん画像がぞう形成けいせいする。これによってカラーフィルムではられない粒子りゅうしかんがあり、これもモノクロフィルムが根強ねづよ支持しじされる理由りゆうひとつといえる。ぎん粒子りゅうしによるキャリエ効果こうかがあり、プリントの出来できおおきく左右さゆうする。

通常つうじょうのモノクロフィルムの現像げんぞうけはカラーフィルムとはちが薬品やくひん工程こうてい必要ひつようなため、ミニラボしか設備せつびしていない一般いっぱん写真しゃしんてんでは処理しょりすることができず、リバーサルフィルム現像げんぞう同様どうよう大半たいはん集中しゅうちゅう現像げんぞうしょ処理しょりされるが、現在げんざいはモノクロ現像げんぞうおこな現像げんぞうしょりつつある。このような不便ふべんけず手軽てがるにモノクロをたのしむため、カラーネガフィルムとおな方法ほうほう現像げんぞうえき)で現像げんぞう処理しょりができるモノクロフィルムもあるが、カラープリントの仕上しあげをしたさいには、完全かんぜんにニュートラルなグレートーンをるのは困難こんなんである。本来ほんらい比較的ひかくてき簡単かんたん処理しょりできるはずのモノクロフィルムであるが、カラーフィルムが一般いっぱんしそれにわせた設備せつびのみをそろえる現像げんぞうしょえたためにしょうじた逆転ぎゃくてん現象げんしょうである。

最近さいきんのデジタルラボであればモノクロフィルムからカラーよう印画いんがへプリントをすることができる場合ばあいもある。

現在げんざいポリエステルベースのモノクロフィルムは、環境かんきょうにかかわらずほとんど劣化れっかしないつよ耐久たいきゅうりょくつことから、機械きかいてき故障こしょうからのがれられないデジタル写真しゃしんより保存ほぞんせいうえであるとする主張しゅちょうもある。

どのような波長はちょうひかり感光かんこうするかでパンクロマチックとオルソクロマチックに大別たいべつされる。写真しゃしんフィルム#かんしょく性別せいべつこう参照さんしょうされたい。

パンクロマチックとオルソクロマチック

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パンクロマチックフィルムは可視かし光線こうせんのすべてにたいして感度かんどっている一方いっぽう、オルソクロマチックはあおみどりかぎられ、あかたいしては感度かんどたない。

ハロゲンぎん単体たんたいでは紫外線しがいせん青色あおいろこうにしか感度かんどをもっておらず、1873ねんにドイツの科学かがくしゃヘルマン・ヴィルヘルム・フォーゲル英語えいごばんが、色素しきそくわえることによって感度かんどみどりに、その黄色おうしょく橙色だいだいいろまでにひろがる[9]ことを発見はっけんするまで、写真しゃしんようかんざいあおにしか感度かんどっていなかった。赤色あかいろ3ごうくわえることによってオルソクロマチックフィルムが、シアン誘導体ゆうどうたいのピナシアノル (ピナクローム)[9]くわえることによってパンクロマチックフィルムがつくれるようになるが、パンクロかんざい実現じつげんには、かれ死後しごすこしった20世紀せいき初頭しょとうまでたねばならず、1906ねんになって写真しゃしんようかんざい商業しょうぎょうてき提供ていきょうされるようになった[10]。 しかしオルソクロマチックからパンクロマチックへの移行いこう以下いか理由りゆうにより、徐々じょじょにしかこらなかった。

  • オルソクロマチックの2 - 3ばいという費用ひようたか
  • 赤色あかいろとうセーフライトとしてもちいられたオルソクロマチックとちがって暗闇くらやみ現像げんぞうおこなわなければならない[11]
  • 黄色おうしょくあかへの感度かんどたせる処理しょりあおむらさきたいして以前いぜんよりもたか感度かんどあたえてしまい、これの補正ほせいするためのレンズのせいでなが感光かんこう時間じかん要求ようきゅうされた[12][9]

現行げんこうのパンクロマチックフィルム製品せいひん一覧いちらん

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以下いかすべて、日本語にほんごの「モノクロフィルム」がすパンクロマチックフィルム(ちょんせいしょくせいフィルム)[6]製品せいひん一覧いちらんである。オルソクロマチックフィルムはふくまれていない。

コダック

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白黒しろくろフィルムはプロフェッショナルけのみ。あかがい白黒しろくろフィルム、カラー現像げんぞう(C-41)処理しょりタイプも提供ていきょうしている。

2002ねんよりモノクロフィルム(T400CN・げん:BW400CNをのぞく)を製造せいぞうするしん工場こうじょうへの移行いこう(400TMAXは1995ねんよりしん工場こうじょう移行いこう)や物理ぶつり特性とくせい静電気せいでんき低減ていげんほこり付着ふちゃく)の改善かいぜん(HIE・TPは従来じゅうらいのまま)によりだい部分ぶぶんのフィルムで現像げんぞう時間じかん変更へんこうおこなわれ、これにわせて新旧しんきゅう判別はんべつをしやすくするため、すべてのモノクロフィルムのパッケージ(そとばこやパトローネ)と名称めいしょう変更へんこうおこなわれた。ただしプラスX・トライXはその伝統でんとうてき商標しょうひょう継承けいしょうする意味いみはこおよびパトローネに「PLUS-X」「TRI-X」の記述きじゅつがある。

同社どうしゃの「トライX」(TRI-X・げん:400TX)は、ISO感度かんどが100のフィルムが主流しゅりゅう時代じだいから50ねん以上いじょう歴史れきしほこ国際こくさいてき知名度ちめいどたかいモノクロフィルムで、報道ほうどう分野ぶんや夜間やかん舞台ぶたい撮影さつえいほし写真しゃしんなどで多用たようされてきた。こう感度かんどフィルムの代名詞だいめいしでもあったが、2002ねん以降いこう正式せいしき商品しょうひんめいではなくなった。元々もともとトライXとは(XXX)という意味いみで、発売はつばい当初とうしょはISO200であったが、当時とうじのISO100のダブルX(XX)にたいしてXをひとつやしだか感度かんど強調きょうちょうしたネーミングである。日本にっぽんにおいては、ISO100の富士ふじフイルム・ネオパンSSと二分にぶんする勢力せいりょくだったが、富士ふじフイルムがトライXを凌駕りょうがする粒子りゅうし密度みつどのPRESTOを投入とうにゅうしたことでフジ優位ゆういになった。

これらXシリーズとD-76現像げんぞうえきによる処理しょりが、“データじょうの”もっともニュートラルなグレートーンとわれている(ただし、コダック推奨すいしょう手順てじゅん処理しょりするとやや硬調こうちょうになる)。

T-MAXは要求ようきゅうされる粒子りゅうし密度みつど増加ぞうか(=解像度かいぞうど向上こうじょう)から、球形きゅうけい粒子りゅうし使用しようしたしんシリーズとして投入とうにゅうされたが、D-76処理しょりをすると極度きょくど軟調なんちょうになってしまう欠陥けっかんがあった。このため専用せんよう現像げんぞうえき「T-MAX Developer」が発売はつばいされたが完全かんぜん解決かいけつにはいたらず、トライXからの完全かんぜん移行いこう失敗しっぱい(と、日本にっぽん国内こくないにおけるフジ優位ゆうい)の原因げんいんになった。

過去かこにおいて同社どうしゃのモノクロフィルムは、微粒子びりゅうしのパナトミックXをはじめ、ポートレートきのオルソフィルムであったヴェリクローム、さらにレギュラー特性とくせいのコマーシャルなど、すうおおくの個性こせいてきなものが存在そんざいしていた。

現在げんざい日本にっぽん国内こくないでは「プロよう商品しょうひん」とされ、入手にゅうしゅ専門せんもんてんや、いわゆるプロラボのみにかぎられる(実際じっさいには都市としのカメラけい量販りょうはんてんでは簡単かんたん購入こうにゅうでき、また富士ふじおなじくプロようとしているが実際じっさいには一般いっぱん流通りゅうつうさせている)。

カッコないきゅう品名ひんめい

400TX(トライX)のパトローネとそとばこ両方りょうほうとも135)
BW400CNのパトローネとそとばこ両方りょうほうとも135)
  • ISO100
    • 100TMAX(T-MAX100/TMX)
  • ISO125
    • 125PX(プラス-Xパン/PX・プラス-Xパン プロフェッショナル/PXP・販売はんばい終了しゅうりょう
  • ISO320
    • 320TXP(トライ-Xパン プロフェッショナル/TXP)
      ちゅうばん(220サイズ)、シート(4×5inばん、8×10inばん)のみ
  • ISO400
    • 400TMAX(T-MAX400/TMY)
    • 400TX(トライ-Xパン/TX)
    • BW400CN(T-MAXプロ T400CN)
      カラー現像げんぞう(C-41)処理しょり可能かのうタイプ
  • ISO3200
    • P3200TMAX(T-MAX3200/TMZ・販売はんばい終了しゅうりょう
  • あかがい写真しゃしんよう
    • HIE(ハイスピードインフラレッド・販売はんばい終了しゅうりょう
  • 記録きろく複写ふくしゃよう
    • TP(テクニカルパン販売はんばい終了しゅうりょう
      コピー用途ようとでISO100相当そうとう
      複写ふくしゃよう。コントラストがたかなかあいだ調ちょうがほとんどない。
      専用せんよう軟調なんちょう現像げんぞうえきテクニドールを使用しようすればちょう微粒子びりゅうし通常つうじょうコントラスト仕上しあげもできる。ただし、通常つうじょうコントラスト仕上しあげにするさいはISO20相当そうとう撮影さつえいする必要ひつようがある。
      水素すいそぞうかんにより、天体てんたい撮影さつえいにもよく使つかわれた。

富士ふじフイルム

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富士ふじフイルムでは「黒白くろしろフィルム」とぶ。業務ぎょうむよう一般いっぱん(アマチュア)ようは、サイズ(135、120・220、シート)で区別くべつされる。

  • ネオパン
    ネオパン400 PRESTO のパトローネとそとばこ両方りょうほうとも135)
    ネオパン1600 Super PRESTO のパトローネとそとばこ両方りょうほうとも135)
    白黒しろくろフィルムのブランドめいである。「パン」はパンクロマチック(ぜん色感しきかんしょくせい)に由来ゆらいしているが、オルソ特性とくせいのフィルムもある。ISO100の「ネオパンSS」はシリーズのなかひろなが使つかわれている。
    また、ISO400の「ネオパン400 PRESTO」は、日本にっぽん国内こくないもっと入手にゅうしゅしやすくかつもっと使つかわれていたモノクロフィルムである。当初とうしょSS・SSS(ISO200)のじゅん発展はってんがたとしてネオパン400が投入とうにゅうされたが、トライXにくら粒子りゅうしあらいことが指摘してきされ、改良かいりょうがた球形きゅうけい粒子りゅうしとして投入とうにゅうされたものがPRESTOである。この粒子りゅうし技術ぎじゅつをISO100にぎゃく応用おうようした100 PRESTOも発売はつばいされていたが、のち現行げんこう製品せいひんのACROSにってわられている。PRESTOは同様どうよう技術ぎじゅつ採用さいようしながらT-MAXとことなり、旧来きゅうらいのネオパンシリーズとほぼ同等どうとう発色はっしょく特性とくせいしめした。
    標準ひょうじゅんてき仕上しあげでは、ニュートラルなグレートーンより軟調なんちょうりになる。
    かつてはネオパンF(ISO32)、ネオパンS(ISO50。ネオパンSSはSのばい感度かんど意味いみ)、ネオパンSSS(ISO200)とう充実じゅうじつしたラインアップをっていたが、近年きんねんぎんしおフイルム衰退すいたいと、ネオパンACROSの投入とうにゅうにより旧式きゅうしきてい感度かんどフイルムの優位ゆういがなくなったことから、おおくの製品せいひん生産せいさん終了しゅうりょうになった。
    2018ねん4がつ富士ふじフイルムはネオパン100 ACROSと黒白くろしろ印画いんがぜん種類しゅるい販売はんばい終了しゅうりょう発表はっぴょうし、関連かんれん商品しょうひんふくむモノクロフィルム事業じぎょうから一度いちど完全かんぜん撤退てったいしていたが[13]写真しゃしん愛好あいこう若年じゃくねんそうSNSユーザーから販売はんばい再開さいかいのぞこえがったことくわえて、入手にゅうしゅ困難こんなんになった原材料げんざいりょう代替だいたいひん開発かいはつ成功せいこうしたこともあり[14][15]、2019ねんあきにネオパン100 ACROSIIを発売はつばいし、モノクロフィルム事業じぎょう再開さいかいすることとなった[16]

現行げんこう製品せいひん

    • ISO100
      • ネオパン100 ACROSⅡ

生産せいさん終了しゅうりょうひん

    • ISO100
      • ネオパン100 ACROS
      • ネオパンSS
    • ISO400
      • ネオパン400 PRESTO[17]
    • ISO1600
      • ネオパン1600 SuperPRESTO
    • ISO20(オルソクロマチック)
      • ネオパン ORTHO
  • ミニコピーフィルムHRII
    コピー用途ようとでISO32相当そうとう
    複写ふくしゃよう。コントラストがたかなかあいだ調ちょうがほとんどない。
    POTA現像げんぞうえき使用しようすればちょう微粒子びりゅうし通常つうじょうコントラスト仕上しあげもできる。ただし、通常つうじょうコントラスト仕上しあげにするさいはISO6相当そうとう撮影さつえいする必要ひつようがあり、また露出ろしゅつ決定けっていがシビアになる。

コニカミノルタ

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コニカミノルタパン(きゅうコニパン)はパンクロマチック特性とくせい商品しょうひん製造せいぞうしていたが、コニカミノルタの写真しゃしん事業じぎょう終了しゅうりょうとも製造せいぞう中止ちゅうしとなった。また、かつてはカラー現像げんぞう(C-41)処理しょりタイプの「モノクロームセピア調ちょう(ISO400)」も発売はつばいしていた。

  • ISO100
    • PAN100
  • ISO400
    • PAN400
  • INFRARED750
    きゅう「さくらあかがいフィルム」以来いらいなが歴史れきしをもつモノクロの赤外線せきがいせんフィルム

アグフア

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コダック同様どうよう、モノクロフィルムはプロフェッショナルようあつかいのみ。現在げんざい日本にっぽんでは正規せいき販売はんばいされておらず、一部いちぶ販売はんばいてん個別こべつ輸入ゆにゅうしたしな流通りゅうつうしている。大手おおて欧米おうべいメーカーでは唯一ゆいいつ、35mm写真しゃしんようモノクロリバーサルフィルムをカタログにせていた(2005ねん生産せいさん中止ちゅうし)。

  • ISO100
    • Agfapan APX100
  • ISO400
    • Agfapan APX400
  • ISO200
    • Scala 200
      パンクロマチックモノクロリバーサルフィルム。
  • 以下いかは2013ねん2がつ現在げんざい株式会社かぶしきがいしゃパワーショベルより日本にっぽん国内こくないけにAGFA PHOTOブランドで販売はんばいされているフィルムである。なお、フィルムの製造せいぞうはドイツにてAGFAブランドで製品せいひん展開てんかいしているLupus Imaging & Mediaしゃである。くわしくはパワーショベルのAGFAフィルム製品せいひんページを参照さんしょうhttp://www.superheadz.com/agfa/
  • APXシリーズ
    • 35mmサイズでISO100、ISO400のみ。両方りょうほうとも36まいりのみで希望きぼう小売こうり価格かかくは630えんである。
なおAPXシリーズは現在げんざい、ほかのAGFAブランドのフィルム同様どうよう、トイカメラきに販売はんばいされている。

イルフォード

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イルフォード英国えいこくのメーカー(げん社名しゃめいはHarman Technology、ILFORD Photoブランドを継承けいしょう)。事実じじつじょうモノクロ写真しゃしん材料ざいりょう専業せんぎょうどうブランドのカラーネガフィルムも少数しょうすう流通りゅうつうするがOEMひん)。 日本にっぽんではこれまで中外ちゅうがい写真しゃしん薬品やくひんそう代理だいりてんとしてあつかっていたが、2008ねん4がつよりサイバーグラフィックス国内こくないそう代理だいりてんわる[1]。また35mmちょうき(30.5m)や4"x5"など一部いちぶのフィルムにラインナップが追加ついかされた。

  • ISO50
    • PAN F プラス
  • ISO100
    • DELTA100 プロフェッショナル
    • Pan100
  • ISO125
    • FP4 プラス
  • ISO200
    • SFX200
      740nmまでのあかがい感光かんこうせい(Max720nm)をあわあかフィルター使用しよう擬似ぎじあかがい効果こうかられる
  • ISO400
    • HP5 プラス
    • DELTA400 プロフェッショナル
    • Pan400
    • XP2 Super
      カラーネガフィルム現像げんぞう(C-41)処理しょり可能かのうタイプ
  • ISO3200
    • DELTA3200 プロフェッショナル

フォマ・ボヘミアチェコ)は白黒しろくろ感光かんこう材料ざいりょう主体しゅたい生産せいさんつづけている。フォマはその商標しょうひょうである。

  • ISO100
    • fomapan 100
  • ISO200
    • fomapan 200
  • ISO400
    • fomapan 400
  • ISO100
    • FOMAPAN R100 (白黒しろくろリバーサル)

フォトケミカ

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フォトケミカ(Fotokemika, クロアチア)は白黒しろくろ感光かんこう材料ざいりょう主体しゅたい生産せいさんおこなっていた。127サイズの白黒しろくろ赤外線せきがいせんフィルムも製造せいぞうしていたが、2013ねん8がつ印画いんが乳剤にゅうざい塗布とふ設備せつび老朽ろうきゅうにより修理しゅうり不能ふのう[18]となり、それにともなって印画いんがとフィルムの生産せいさん終了しゅうりょうした。

  • ISO25
    • efke KB 25
  • ISO50
    • efke KB 50
  • ISO100
    • efke KB 100
    • efke IR 820 (赤外線せきがいせんフィルム)
    • efke IR 820 AURA (赤外線せきがいせんフィルム)

マコドイツ)は白黒しろくろ感光かんこう材料ざいりょう主体しゅたい現在げんざい有名ゆうめいカメラの「ローライ」ブランドの名前なまえ生産せいさんつづけている。127サイズの白黒しろくろ赤外線せきがいせんフィルムなど個性こせいてきなフィルムも製造せいぞうしている。

  • ISO25
    • Rollei PAN 25
    • Rollei ORTHO 25
    • Rollei ATO 2.1 Supergraphic
  • ISO32
    • Rollei Advanced Technical Pan 1.1
  • ISO80
    • Rollei RETRO 80S
  • ISO100
    • Rollei Retro 100
    • Rollei Retro 100 TONAL
  • ISO200
    • Rollei Superpan 200
  • ISO400
    • Rollei RETRO R3
    • Rollei RETRO 400
    • Rollei RETRO 400S
    • Rollei INFRARED (赤外線せきがいせんフィルム)

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ デジタル大辞泉だいじせんモノクロ』 - コトバンク、2011ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  2. ^ a b デジタル大辞泉だいじせんモノクローム』 - コトバンク、2011ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  3. ^ a b カメラマン写真しゃしん用語ようご辞典じてんモノクローム』 - コトバンク、2011ねん12月9にち閲覧えつらん
  4. ^ a b Langford, p.160.
  5. ^ Langford, p.157.
  6. ^ a b デジタル大辞泉だいじせんパンクロマチックフィルム』 - コトバンク、2011ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  7. ^ Langford, p.158.
  8. ^ デジタル大辞泉だいじせんグレースケール』 - コトバンク、2011ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  9. ^ a b c 大石おおいしきょうカラーぎんしお感光かんこう材料ざいりょう技術ぎじゅつ革新かくしん だい1 分光ぶんこうぞうかん (うえ) 1920 年代ねんだいまで」『日本にっぽん写真しゃしん学会がっかいだい70かんだい5ごう日本にっぽん写真しゃしん学会がっかい、2007ねん、296-298ぺーじdoi:10.11454/photogrst1964.70.295NCID AN001917662018ねん1がつ11にち閲覧えつらん 
  10. ^ Ralph E. Jacobson; Sidney F. Ray; Geoffrey G. Attridge; Norman R. Axford. The Manual of Photography: Photographic and Digital Imaging (9th ed.). Focal Press. p. 208. ISBN 978-0-240-51574-8 
  11. ^ Geo. F. Greenfield, (1912-10). “Practical Panchromatism in the Studio”. Wilson's Photographic Magazine 49: 460-461. https://archive.org/stream/wilsonsphotogra05unkngoog#page/n547/mode/2up 2018ねん1がつ11にち閲覧えつらん. 
  12. ^ "Photography", The Encyclopædia Britannica, 1911, vol. 21, p. 518.
  13. ^ http://ffis.fujifilm.co.jp/information/articlein_0081.html
  14. ^ 白黒しろくろフィルム、販売はんばい再開さいかい今秋こんしゅうしん製品せいひん富士ふじフイルム”. 時事通信じじつうしん(2019ねん6がつ10日とおか作成さくせい). 2019ねん6がつ11にち閲覧えつらん
  15. ^ 富士ふじフイルム、今秋こんしゅうにも黒白くろしろフィルム販売はんばい再開さいかい”. TBSテレビ(2019ねん6がつ10日とおか作成さくせい). 2019ねん6がつ11にち閲覧えつらん
  16. ^ 世界せかい最高さいこう水準すいじゅん粒状りゅうじょうせい立体りったいてきかい調ちょう再現さいげんちょう高画質こうがしつ実現じつげん黒白くろしろフィルム「ネオパン100 ACROS(アクロス)II」しん開発かいはつ 富士ふじフイルム、2019ねん6がつ10日とおか閲覧えつらん
  17. ^ 135サイズ「ネオパン400PRESTO」および120サイズ「フジカラーPRO400」販売はんばい終了しゅうりょうのご案内あんない富士ふじフイルムイメージングシステムズ株式会社かぶしきがいしゃ、2014ねん3がつ6にち閲覧えつらん
  18. ^ コーティング設備せつび老朽ろうきゅうから生産せいさん支障ししょうをきたし製造せいぞう中止ちゅうし発表はっぴょう、efke日本にっぽん代理だいりてんかわうそ商店しょうてん、2014ねん3がつ6にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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