三 さん 畳 じょう 紀 き (さんじょうき、英 えい :Triassic period)は、約 やく 2億 おく 5190万 まん 年 ねん 前 まえ から約 やく 2億 おく 130万 まん 年 ねん 前 まえ [1] までにあたる中生代 ちゅうせいだい 最初 さいしょ の地質 ちしつ 時代 じだい の一 ひと つ。後期 こうき 、中期 ちゅうき 、前期 ぜんき の3つの世 よ に区分 くぶん される。トリアス紀 き (トリアスき)とも呼 よ ばれる。
開始 かいし および終了 しゅうりょう の時期 じき は、研究 けんきゅう 者 しゃ やその学説 がくせつ によって、いずれも互 たが いに1000万 まん 年 ねん 前後 ぜんこう の年代 ねんだい 差 さ がみられる[注釈 ちゅうしゃく 1] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き のアンモナイト(アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく ネバダ州 しゅう 産出 さんしゅつ )
エンクリヌス・リリイフォルミス(ドイツ/ムッシェルカルク層 そう 産出 さんしゅつ )
名称 めいしょう は、南 みなみ ドイツ で発見 はっけん されたこの紀 き の地層 ちそう において、二 に 畳 じょう 紀 きの (ペルム紀 き )の上層 じょうそう に、上位 じょうい より、
と堆積 たいせき 条件 じょうけん の異 こと なる3層 そう が重畳 ちょうじょう していたことに由来 ゆらい する。
ドイツの地質 ちしつ 学者 がくしゃ フリードリヒ・フォン・アルベルティ (英語 えいご 版 ばん )が1834年 ねん に命名 めいめい した[2] [3] 。
ヨーロッパにおいて、ブンテルは浅 あさ い凹地に堆積 たいせき した色 いろ 鮮 あざ やかな堆積 たいせき 物 ぶつ を含有 がんゆう する系列 けいれつ 、ムッシェルカルクは貝類 かいるい 化石 かせき をともなう石灰岩 せっかいがん 系列 けいれつ で、コイパーは、厳 きび しい乾燥 かんそう を示 しめ す岩塩 がんえん と石膏 せっこう の層 そう をともなう大陸 たいりく の堆積 たいせき 物 ぶつ の系列 けいれつ として知 し られてきたが、今日 きょう では第 だい 4の系列 けいれつ としてレエティクが含 ふく まれ、三 さん 畳 じょう 紀 き 最新 さいしん の地層 ちそう に位置 いち づけられている[4] 。
しかし、実際 じっさい にはドイツ 周辺 しゅうへん の海 うみ 成層 せいそう は三 さん 畳 じょう 紀中 きちゅう 期 き に属 ぞく する年代 ねんだい のものに限 かぎ られるため、三 さん 畳 じょう 紀 き 全体 ぜんたい を通 とお しての編 へん 年 ねん にはアルプス山脈 あるぷすさんみゃく 、ヒマラヤ山脈 ひまらやさんみゃく 、および北 きた アメリカ大陸 あめりかたいりく 北部 ほくぶ における海 うみ 生 せい 動物 どうぶつ の化石 かせき に富 と む地層 ちそう も併用 へいよう され、これらを標準 ひょうじゅん として国際 こくさい 的 てき な時期 じき 区分 くぶん が設定 せってい されている[5] 。
古生代 こせいだい 末 まつ 、ほとんど全 すべ ての大陸 たいりく が合体 がったい し、三 さん 畳 じょう 紀 き には北極 ほっきょく から南極 なんきょく に至 いた るパンゲア大陸 たいりく と呼 よ ばれる超 ちょう 大陸 たいりく が形成 けいせい された[2] 。また、山地 さんち をくずして内陸 ないりく 部 ぶ に広大 こうだい な平野 へいや をつくる陸地 りくち の平原 へいげん 化 か 現象 げんしょう がおおいに進行 しんこう した。内陸 ないりく 部 ぶ の平野 へいや には乾燥 かんそう 気候 きこう の影響 えいきょう で砂漠 さばく 化 か の進行 しんこう がいちじるしく、赤色 あかいろ の砂 すな が堆積 たいせき していった[6] 。砂漠 さばく のところどころにはオアシス が点在 てんざい した[6] 。
パンゲア大陸 たいりく の周囲 しゅうい には、パンサラッサ と称 しょう されるひとつながりの巨大 きょだい な海洋 かいよう と、大陸 たいりく の東側 ひがしがわ にはテチス海 うみ と呼 よ ばれる湾 わん 状 じょう の海 うみ が広 ひろ がり、一部 いちぶ は珊瑚礁 さんごしょう となっていた。
古生代 こせいだい 終期 しゅうき に寒冷 かんれい 化 か した気候 きこう も、三 さん 畳 じょう 紀 き を通 つう じて気温 きおん は徐々 じょじょ に上昇 じょうしょう していったものと推定 すいてい される。ペルム紀 き に30パーセントほどあった酸素 さんそ 濃度 のうど も10パーセント程度 ていど まで低下 ていか し、ジュラ紀 じゅらき 頃 ころ までの約 やく 1億 おく 年間 ねんかん 、低 てい 酸素 さんそ 状態 じょうたい が続 つづ いた。
三 さん 畳 じょう 紀 き は、広大 こうだい な大 だい テチス地 ち 向 こう 斜 はす の発展 はってん がみられた時期 じき と考 かんが えられている[4] 。この地 ち 向 こう 斜 はす から、2億 おく もの年月 としつき を経 へ たのち、アルプス・ヒマラヤ造山 つくりやま 帯 たい など新 しん 期 き 造山 つくりやま 帯 たい と称 しょう される若 わか い山脈 さんみゃく が形成 けいせい されていくものとみられている[4] 。
ベレムナイト(推定 すいてい 図 ず )
ペルム紀 き 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ の後 のち 、空席 くうせき になったニッチ (生態 せいたい 的 てき 地位 ちい )を埋 う めるように、海 うみ 生 せい 生物 せいぶつ では、古生代 こせいだい 型 がた の海 うみ 生 せい 動物 どうぶつ にかわって、新 あたら しい分類 ぶんるい 群 ぐん がつぎつぎに出現 しゅつげん した。六 ろく 放 ひ サンゴ やさまざまな翼 つばさ 形 がた (よくけい)二枚貝 にまいがい などが発展 はってん するようになり[2] 、アンモナイトは、中生代 ちゅうせいだい まで生 い き残 のこ った数 すう 種 しゅ をもとにセラタイト型 がた が爆発 ばくはつ 的 てき に増 ふ えた[7] 。また、類縁 るいえん するベレムナイト が著 いちじる しく多数 たすう にわたって現 あらわ れた[4] 。棘皮動物 きょくひどうぶつ のうちウニ類 るい は古生代 こせいだい においてはまだ十分 じゅうぶん な発達 はったつ をとげなかったが、中生代 ちゅうせいだい には急激 きゅうげき に進化 しんか しはじめ、多 おお くの種 たね を生 しょう じた[3] [注釈 ちゅうしゃく 2] 。このような新 あたら しい種 たね の出現 しゅつげん によって、三 さん 畳 じょう 紀 き 後期 こうき にはいったん損 そこ なわれた生物 せいぶつ 多様 たよう 性 せい を再 ふたた び回復 かいふく した[2] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き の海 うみ 成層 せいそう の示 しめせ 準 じゅん 化石 かせき として重要 じゅうよう なものとしては、セラタイト型 がた アンモナイト、翼 つばさ 形 がた 二枚貝 にまいがい (ダオネラ、ハロビア、モノティス等 とう )のほか、原生動物 げんせいどうぶつ の放散 ほうさん 虫 ちゅう 、貝 かい 蝦 えび (エステリア )、ウミユリ (棘皮動物 きょくひどうぶつ )の一種 いっしゅ エンクリヌス・リリイフォルミス[注釈 ちゅうしゃく 3] があり、歯 は 状 じょう の微 ほろ 化石 かせき コノドント は生物 せいぶつ 学 がく 上 じょう の位置 いち づけが未 み 解決 かいけつ の部分 ぶぶん もあるが、層 そう 位 い 学 がく 的 まと にはきわめて重要 じゅうよう である[2] [3] 。なお、ダオネラは、現在 げんざい のホタテガイ に近 きん 縁 えん する絶滅 ぜつめつ 種 しゅ であり、ダオネラ頁岩 けつがん は堆積 たいせき 学 がく 的 てき 見地 けんち からも重視 じゅうし される[3] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き 後期 こうき に生息 せいそく していた原 はら 竜 りゅう 脚 あし 類 るい 、テコドントサウルス
最古 さいこ のカメ、オドントケリス の化石 かせき 実測 じっそく 図 ず
これに対 たい し陸上 りくじょう の動植物 どうしょくぶつ はペルム紀中 きちゅう に大 だい 変革 へんかく を終 お えており、P-T境界 きょうかい においては海 うみ 生 せい 生物 せいぶつ におけるほどの劇的 げきてき な変化 へんか をともなっていない[2] [3] 。ペルム紀 き においてすでに主 しゅ 竜 りゅう 類 るい などをはじめとする爬虫類 はちゅうるい が水中 すいちゅう のみならず陸上 りくじょう 生活 せいかつ に適 てき したものが増加 ぞうか し、三 さん 畳 じょう 紀 き には体躯 たいく の大 おお きなものも出現 しゅつげん して繁栄 はんえい した[3] 。主 しゅ 竜 りゅう 類 るい の中 なか から三 さん 畳 じょう 紀中 きちゅう 期 き にはエオラプトル やヘレラサウルス などの恐竜 きょうりゅう や翼 つばさ 竜 りゅう 、ワニ が出現 しゅつげん 、また主 しゅ 竜 りゅう 類 るい に近 ちか い系統 けいとう からカメ 類 るい が現 あらわ れた[8] 。爬虫類 はちゅうるい はまた、肺 はい 呼吸 こきゅう を完全 かんぜん にし、種類 しゅるい によっては皮膚 ひふ をウロコ や硬 かた い甲羅 こうら でおおうことによって乾燥 かんそう した陸地 りくち への生活 せいかつ に適応 てきおう していった[6] 。
この時代 じだい の恐竜 きょうりゅう (初期 しょき 恐竜 きょうりゅう )は、陸生 りくせい 脊椎動物 せきついどうぶつ のなかにあって特 とく に大型 おおがた であったわけではなく、初期 しょき 恐竜 きょうりゅう と併存 へいそん していた恐竜 きょうりゅう 以外 いがい の爬虫類 はちゅうるい のなかに、それよりもはるかに大 おお きく、個体 こたい 数 すう の多 おお い種 たね もあったと推定 すいてい される[8] 。中 なか でもこの時代 じだい にワニ類 るい を輩出 はいしゅつ したクルロタルシ類 るい は繁栄 はんえい の絶頂 ぜっちょう にあり、陸上 りくじょう 生態 せいたい 系 けい において支配 しはい 的 てき 地位 ちい を占 し めていた。三 さん 畳 じょう 紀 き の恐竜 きょうりゅう 化石 かせき は特 とく に南 みなみ アメリカ大陸 あめりかたいりく で多数 たすう 検出 けんしゅつ されており、北米 ほくべい ・アフリカ ・ヨーロッパ などでも確認 かくにん されている[8] 。湿地 しっち 帯 おび などにのこされた爬虫類 はちゅうるい の足跡 あしあと 化石 かせき が多 おお く発見 はっけん されるようになるのも三 さん 畳 じょう 紀 き に入 はい ってからであり、これにより、肉食 にくしょく 種 しゅ が植物 しょくぶつ 食 しょく 種 しゅ を捕食 ほしょく するシステムが成立 せいりつ していたことが推測 すいそく される[3] 。カメは、現存 げんそん 種 しゅ には歯 は のある種 しゅ はないものの、オドントケリス やプロガノケリス など初期 しょき のカメには顎 あご に歯 は があったことが確認 かくにん されている[4] 。また、四肢 しし は現在 げんざい のゾウガメ に類似 るいじ しており、陸上 りくじょう 生活 せいかつ 者 しゃ であると考 かんが えられている[8] 。三 さん 畳 じょう 紀 き のワニ類 るい もまた陸上 りくじょう 生活 せいかつ 者 しゃ であり、全長 ぜんちょう は1メートルにおよばなかった[8] 。
非 ひ 哺乳類 ほにゅうるい の単 たん 弓 ゆみ 類 るい が最後 さいご に繁栄 はんえい したのも三 さん 畳 じょう 紀 き だった。初頭 しょとう には大型 おおがた ディキノドン類 るい リストロサウルス や最後 さいご の大型 おおがた テロケファルス類 るい モスコリヌス に加 くわ え、小型 こがた のトリナクソドン のようなキノドン類 るい が多種 たしゅ 多様 たよう な爬虫類 はちゅうるい と共存 きょうぞん した。前期 ぜんき にはカンネメイエリア やキノグナトゥス がさらなる大型 おおがた 化 か と多様 たよう 化 か を達成 たっせい し、中期 ちゅうき 〜後期 こうき にかけても大型 おおがた 種 しゅ では植物 しょくぶつ 食 しょく のプラケリアス 、雑食 ざっしょく のエクサエレトドン やディアデモドン 、肉食 にくしょく のトルシキノドン が変 か わらぬ繁栄 はんえい を見 み せ、小型 こがた 種 しゅ ではトラベルソドン類 るい やイクチドサウルス類 るい が生態 せいたい 系 けい の隙間 すきま を埋 う めた[9] 。
こうした三 さん 畳 じょう 紀 き 特有 とくゆう の生物 せいぶつ 相 しょう は、南米 なんべい ロス・コロラドス層 そう を見 み るに、三 さん 畳 じょう 紀中 きちゅう 盤 ばん から末期 まっき にかけて概 おおむ ね維持 いじ されていた[10] 。ただし竜 りゅう 脚 あし 形 がた 類 るい や新 しん 獣 しし 脚 あし 類 るい の台頭 たいとう など、留意 りゅうい すべき点 てん もある。
なお最初 さいしょ の哺乳類 ほにゅうるい が現 あらわ れたのも三 さん 畳 じょう 紀 き であった[4] 。哺乳類 ほにゅうるい は、中生代 ちゅうせいだい を通 つう じて小型 こがた であり、大 おお きくてもネコ か小型 こがた 犬 けん ほどの大 おお きさであり多 おお くの種 たね はドブネズミ かハツカネズミ の大 おお きさほどしかなかった[8] 。
これらの内 うち 、一部 いちぶ の系統 けいとう では歩行 ほこう /走行 そうこう と呼吸 こきゅう を並行 へいこう して行 おこな うことが出来 でき るようになっていた。これにより、後代 こうだい の生物 せいぶつ には真 しん の恒温 こうおん 性 せい を獲得 かくとく することになる[11] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き には、従前 じゅうぜん は陸上 りくじょう でしかみられなかった爬虫類 はちゅうるい であったが、三 さん 畳 じょう 紀 き に入 はい ってその一部 いちぶ が海 うみ に進出 しんしゅつ した[8] 。イクチオサウルス などの魚 さかな 竜 りゅう や、泳 およ ぐのに特 とく 化 か したひれ状 じょう の足 あし をもつプラコドン などの鰭 ひれ 竜 りゅう 類 るい (Sauropterygia )、タラットサウルス 類 るい 、板 いた 歯 は 目 め などがそれである[4] [8] 。
魚類 ぎょるい のうち、サメ のなかまはペルム紀 き 末 まつ の大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ によって打撃 だげき を受 う け、その繁殖 はんしょく は限定 げんてい 的 てき であったが、硬骨魚 こうこつぎょ 類 るい は海中 かいちゅう において顕著 けんちょ に繁殖 はんしょく した[12] 。両生類 りょうせいるい は、中期 ちゅうき に体長 たいちょう 5メートルを越 こ すと推定 すいてい されるマストドンサウルス があり、これは史上 しじょう 最大 さいだい 級 きゅう の両生類 りょうせいるい の一 ひと つと考 かんが えられている。両生類 りょうせいるい には、分 ぶん 椎 しい 目 め のアファネランマ に代表 だいひょう されるトレマトサウルス類 るい のように海水 かいすい に適応 てきおう した種 たね さえあったが、三 さん 畳 じょう 紀 き を通 つう じてその多 おお くは衰退 すいたい していった[13] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き の植生 しょくせい 想像 そうぞう 図 ず
陸上 りくじょう の植物 しょくぶつ ではシダ植物 しょくぶつ や裸子植物 らししょくぶつ が著 いちじる しく分布 ぶんぷ 域 いき を広 ひろ げ[2] 、ボルチア やアメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく アリゾナ州 しゅう におけるアラウカリオキシロン の珪化森林 しんりん にみられるようにマツ やスギ の遠祖 えんそ となる針葉樹 しんようじゅ が現 あらわ れた[6] 。種子 しゅし 植物 しょくぶつ でありながら独立 どくりつ した精子 せいし をつくるイチョウ類 るい やソテツ類 るい 、ベネティティス類 るい も多 おお かった。湿地 しっち 帯 たい には、現在 げんざい のシダ植物 しょくぶつ のヒカゲノカズラ科 か の類縁 るいえん 種 しゅ である古代 こだい リンボク が豊富 ほうふ にのこり、シダ やトクサ も密 みつ に分布 ぶんぷ した[4] 。また、古生代 こせいだい 後期 こうき からひきつづき、ゴンドワナ植物 しょくぶつ 群 ぐん とアンガラ植物 しょくぶつ 群 ぐん とが植生 しょくせい を競 きそ いあっていた[2] 。
三 さん 畳 じょう 紀 き の終 お わりに、再 ふたた びやや小規模 しょうきぼ な大量 たいりょう 絶滅 ぜつめつ があった。海洋 かいよう ではアンモナイトの多 おお くの種 たね が姿 すがた を消 け し、魚 さかな 竜 りゅう などの海洋 かいよう 棲爬虫類 はちゅうるい も打撃 だげき を受 う けた。陸上 りくじょう ではキノドン類 るい 、ディキノドン類 るい の大半 たいはん の種 たね といった大量 たいりょう の単 たん 弓 ゆみ 類 るい (哺乳類 ほにゅうるい 型 がた 爬虫類 はちゅうるい )が絶滅 ぜつめつ した[8] 。三 さん 畳 じょう 紀 き の終末 しゅうまつ を生 い き延 の びた恐竜 きょうりゅう など陸生 りくせい 脊椎動物 せきついどうぶつ は、繁殖 はんしょく 様式 ようしき (卵 たまご など)や生活 せいかつ 様式 ようしき から乾燥 かんそう にとくに強 つよ いタイプのものと考 かんが えられる[8] 。また、爬虫類 はちゅうるい も単 たん 弓 ゆみ 類 るい 同様 どうよう に大型 おおがた 動物 どうぶつ を中心 ちゅうしん に多 おお くの種 たね が絶滅 ぜつめつ した。まだ比較的 ひかくてき 小型 こがた だった恐竜 きょうりゅう は、三 さん 畳 じょう 紀 き 末期 まっき には竜 りゅう 脚 あし 類 るい のような大型 おおがた 種 しゅ も出現 しゅつげん し、そののち急速 きゅうそく に発展 はってん していく。絶滅 ぜつめつ の原因 げんいん としては、直径 ちょっけい 3.3 - 7.8km程度 ていど の隕石 いんせき の落下 らっか [14] あるいは、中央 ちゅうおう 大西洋 たいせいよう マグマ分布 ぶんぷ 域 いき (Central Atlantic Magmatic Province)における火山 かざん 活動 かつどう との関連 かんれん が指摘 してき されている[15]
[16]
[17] 。こうした環境 かんきょう の変化 へんか を経 へ る中 なか で、獣 しし 弓 ゆみ 類 るい は生態 せいたい 系 けい の脇役 わきやく へと姿 すがた を変 か え、かつて覇権 はけん を誇 ほこ ったクルロタルシ類 るい は姿 すがた を消 け していった。そして敏捷 びんしょう で呼吸 こきゅう 効率 こうりつ の良 よ い恐竜 きょうりゅう が生態 せいたい 系 けい の主役 しゅやく を担 にな うようになる[18] 。なお恐竜 きょうりゅう の先駆 さきが けとして登場 とうじょう したシレサウルス類 るい もまた、子孫 しそん 筋 すじ にニッチを明 あ け渡 わた していた。
三 さん 畳 じょう 紀 き の地層 ちそう を三 さん 畳 じょう 系 けい という。
三 さん 畳 じょう 紀 き には大 だい 規模 きぼ な海 うみ 進 すすむ はなかったとみられており、そのため、安定 あんてい 陸 りく 塊 かたまり においては陸 りく 成層 せいそう や台地 だいち 玄武岩 げんぶがん が卓越 たくえつ し、海 うみ 成層 せいそう の分布 ぶんぷ はほとんどみられない[2] 。一方 いっぽう 、テチス海域 かいいき だった地域 ちいき および大洋 たいよう 周囲 しゅうい の変動 へんどう 帯 おび ないし準 じゅん 安定 あんてい 地域 ちいき だった地域 ちいき には、しばしば珊瑚礁 さんごしょう 由来 ゆらい の石灰岩 せっかいがん や層状 そうじょう チャート をふくんだ三 さん 畳 じょう 系 けい 海 うみ 成層 せいそう もみられる[2] 。
日本 にっぽん の三 さん 畳 じょう 系 けい は、ふるくは分布 ぶんぷ 範囲 はんい はきわめて狭小 きょうしょう であるとみなされてきたが、一時期 いちじき 古生代 こせいだい に属 ぞく すと考 かんが えられてきた外 そと 帯 たい (太平洋 たいへいよう 側 がわ )のチャート層 そう や石炭 せきたん 岩 がん からコノドント化石 かせき が見 み つかり、これによって三 さん 畳 じょう 紀 き の地 ち 史 し が大 おお きく解明 かいめい された。すなわち、従来 じゅうらい 古生代 こせいだい 後期 こうき の地層 ちそう とされてきた海洋 かいよう 性 せい の石灰岩 せっかいがん やチャート 、また、海底 かいてい 火山岩 かざんがん のうちのかなりの部分 ぶぶん が三 さん 畳 じょう 紀 き に形成 けいせい された地層 ちそう であるとみなされるようになった[2] 。一方 いっぽう 、内 うち 帯 たい (日本海 にほんかい 側 がわ )および外 そと 帯 たい 一部 いちぶ には、三 さん 畳 じょう 紀 き にすでに付加 ふか された古生代 こせいだい の地層 ちそう と三 さん 畳 じょう 紀 き 前後 ぜんこう に形成 けいせい された花崗岩 かこうがん および広域 こういき 変成岩 へんせいがん が分布 ぶんぷ して、これらを基盤 きばん として三 さん 畳 じょう 紀 き 後期 こうき における陸棚 りくだな 性 せい ・瀕 ひん 海 うみ 性 せい の厚 あつ い堆積 たいせき 物 ぶつ が比較的 ひかくてき 小 しょう 範囲 はんい に点在 てんざい する。その多 おお くは炭層 たんそう をふくみ、産出 さんしゅつ 化石 かせき はシベリア 方面 ほうめん の種 たね との共通 きょうつう 性 せい を示 しめ している[2] 。
北上 ほくじょう 山地 さんち 南部 なんぶ の太平洋 たいへいよう 沿岸 えんがん にある宮城 みやぎ 県 けん 南 みなみ 三陸 さんりく 町 まち 皿 さら 海 うみ 集落 しゅうらく には三 さん 畳 じょう 系 けい 後期 こうき ノリアン階 かい の貝 かい 化石 かせき 産地 さんち があり、集落 しゅうらく 名 めい を採 と って「皿貝 さらがい 動物 どうぶつ 群 ぐん 」あるいは「皿貝 さらがい 化石 かせき 群 ぐん 」と称 しょう される。ここでは、モノティスと称 しょう される翼 つばさ 形 がた 二枚貝 にまいがい の検出 けんしゅつ が特徴 とくちょう 的 てき である[3] 。
^ 速水 はやみ 格 かく は約 やく 2億 おく 4200万 まん 年 ねん 前 まえ から約 やく 2億 おく 800万 まん 年 ねん 前 まえ までの約 やく 3400万 まん 年間 ねんかん を想定 そうてい しているが、重慶 たーちん 自然 しぜん 博物館 はくぶつかん (中華人民共和国 ちゅうかじんみんきょうわこく )製作 せいさく の図録 ずろく 『掘 ほ りたて恐竜 きょうりゅう 展 てん 展覧 てんらん 会 かい 図録 ずろく 』では2億 おく 4800万 まん 年 ねん 前 まえ から2億 おく 600万 まん 年 ねん 前 まえ までと説明 せつめい している。なお、約 やく 2億 おく 5100万 まん 年 ねん 前 まえ に始 はじ まり、約 やく 1億 おく 9960万 まん 年 ねん 前 まえ までとしているのは仲田 なかた 崇志 たかし である。
^ オーストリア共和 きょうわ 国 こく チロル州 しゅう のセント・カシンは、キダリスと称 しょう されるウニ化石 かせき の産地 さんち として著名 ちょめい である。
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