一いち万まん円えん紙幣しへい

日本銀行にっぽんぎんこう券けん 一いち万まん円えん券けん

(日本にっぽん)
価値かち	10,000 円えん
縦たて	76 mm
横よこ	160 mm
偽造ぎぞう防止ぼうし	すかし、超ちょう細密さいみつ画が線せん、ホログラムなど
発行はっこう年ねん	2024-現在げんざい（F号ごう券けん）
表ひょう
デザイン	渋沢しぶさわ栄一えいいち
デザイン年ねん	2024
裏うら
デザイン	東京とうきょう駅えき（丸まるの内うち駅舎えきしゃ）
デザイン年ねん	2024

一いち万まん円えん紙幣しへい（いちまんえんしへい）は、日本銀行にっぽんぎんこう券けんの一ひとつ。額面がくめんは10,000円えんで、歴代れきだいの日本銀行にっぽんぎんこう券けんの中なかで最高さいこう額面がくめんである。紙幣しへい券面けんめんの表記ひょうきは「壱いち万まん円えん」。

現在げんざい発行はっこうされている一いち万まん円えん紙幣しへいは、2004年ねん（平成へいせい16年ねん）発行はっこうのE号ごう券けんと、2024年ねん（令れい和わ6年ねん）から発行はっこうのF号ごう券けんである。

この他ほかにかつて発行はっこうされたC号ごう券けんとD号ごう券けんがあり、これまでに発行はっこうされた一いち万まん円えん紙幣しへいは全部ぜんぶで4種類しゅるい存在そんざいする。いずれも法律ほうりつ上じょう有効ゆうこうである。

一いち万まん円えん札さつ（いちまんえんさつ）、万札まんさつ（まんさつ）、または、一いち万まん円えん券けん（いちまんえんけん）、万まん券けん（まんけん）とも呼よばれる。俗ぞくに、D号ごう券けんとE号ごう券けんの肖像しょうぞうより、諭吉ゆきち券けん（ゆきち）、諭吉ゆきち（ゆきち）とも呼よばれる。

概要がいよう

発行はっこうされた背景はいけいは、第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん敗戦はいせん後ごのインフレーションにより銭ぜにから円えんへと日常にちじょう的てきに使用しようされる通貨つうか単位たんいが切きり替かわり、さらにはかつて国家こっか予算よさんレベルであった万まんの位くらいが商しょう取引とりひきレベルで登場とうじょうし始はじめたためで、1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）の登場とうじょう後ごに高度こうど経済けいざい成長せいちょうの一端いったんを担になうこととなった。

原料げんりょうはミツマタ（三椏みつまた）やマニラ麻まにらあさなどで、このうちミツマタはかつて「局きょく納おさめみつまた」として大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく（現在げんざいの国立こくりつ印刷いんさつ局きょく）と生産せいさん契約けいやくを結むすんで栽培さいばいされていた。2005年ねん（平成へいせい17年ねん）までは、島根しまね県けん、岡山おかやま県けん、高知こうち県けん、徳島とくしま県けん、愛媛えひめ県けん、山口やまぐち県けんの6県けんの農協のうきょうが生産せいさん契約けいやくを結むすび、局きょく納おさめ価格かかくは山口やまぐち県けんを除のぞく5県けんが毎年まいとし輪番りんばんで印刷いんさつ局長きょくちょうと交渉こうしょうして決定けっていされていたが、その後ごの過疎かそ化か、高齢こうれい化か、後継こうけい者しゃ不足ふそくにより生産せいさん量りょうが激減げきげんし、2010年ねん（平成へいせい22年ねん）ごろからはネパールや中国ちゅうごく産さんのミツマタの輸入ゆにゅうで不足ふそく分ぶんを補おぎなうようになった。2016年ねん（平成へいせい28年ねん）時点じてんでも国産こくさんミツマタは、岡山おかやま県けん、徳島とくしま県けん、島根しまね県けんで栽培さいばいされている。

C号ごう券けん

表面ひょうめん

裏面りめん

1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）11月がつ20日はつかの大蔵省おおくらしょう告示こくじ第だい237号ごう「十二月じゅうにがつ一いち日にちから発行はっこうする日本銀行にっぽんぎんこう券けん壱いち万まん円えんの様式ようしきを定さだめる件けん」で紙幣しへいの様式ようしきが定さだめられている。主おもな仕様しようは下記かきの通とおり。

• 日本銀行にっぽんぎんこう券けん
• 額面がくめん 壱いち万まん円えん（10,000円えん）
• 表面ひょうめん 聖徳太子しょうとくたいし
• 裏面りめん 鳳凰ほうおう
• 印章いんしょう 〈表面ひょうめん〉総裁そうさい之の印しるし　〈裏面りめん〉発券はっけん局長きょくちょう
• 銘板めいばん 大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく製造せいぞう
• 記き番号ばんごう仕様しよう
  • 記き番号ばんごう色しょく 黒色こくしょく
  • 記き番号ばんごう構成こうせい 記号きごう：英字えいじ1 - 2文字もじ＋通とおし番号ばんごう：数字すうじ6桁けた＋記号きごう：英字えいじ1文字もじ
• 寸法すんぽう 縦たて84 mm、横よこ174 mm
• 製造せいぞう実績じっせき
  • 印刷いんさつ局きょくから日本銀行にっぽんぎんこうへの納入のうにゅう期間きかん 1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）11月14日にち - 1983年ねん（昭和しょうわ58年ねん）12月2日にち
  • 製造せいぞう枚数まいすう 9,323,050,000枚まい
• 発行はっこう開始かいし日び 1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）12月1日にち
• 支払しはらい停止ていし日び 1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）1月がつ4日にち
• 有効ゆうこう券けん

1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）にB壱いち万まん円えん券けんの発行はっこう方針ほうしんが公表こうひょうされるも、当時とうじは通貨つうかインフレーション発生はっせいに対たいする警戒けいかい感かんが非常ひじょうに根強ねづよく一旦いったんは断念だんねんしていた。1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）頃ごろから神武じんむ景気けいきと呼よばれる飛躍ひやく的てきな経済けいざい成長せいちょうが続つづき、当時とうじの最高さいこう額面がくめんのB千せん円えん券けんが紙幣しへい発行はっこう高だかの85%を占しめるようになった。やがて経済けいざい成長せいちょうと共ともに国内こくない経済けいざいが安定あんていしかつてのようなインフレーションの心配しんぱいもほぼなくなり、更さらなる高額こうがく紙幣しへい発行はっこうの反対はんたい意見いけんも収おさまりを見みせたことから改あらためて一いち万まん円えん紙幣しへいと五ご千せん円えん紙幣しへいの発行はっこうが決定けっていされた。依然いぜんとしてインフレーションや釣銭つりせんの扱あつかい等とうを懸念けねんする声こえがあることも踏ふまえ、当初とうしょは一いち万まん円えん紙幣しへいを先さきに発行はっこう予定よていであったところ、様子ようすを見みながら五ご千せん円えん紙幣しへい（C五ご千せん円えん券けん）から順じゅんに発行はっこうすることとなった。

発行はっこう開始かいし当時とうじの大卒だいそつ初任しょにん給きゅうが1万まん3000円えん程度ていどということもあり、当時とうじはこのような高額こうがく紙幣しへいは発行はっこうする必要ひつようがあるのかという議論ぎろんがなされ、小しょう銭ぜにを扱あつかう業種ぎょうしゅでは釣銭つりせんへの対応たいおうが難むずかしいといった高額こうがく紙幣しへいに対たいする不安ふあんがあったが、折おりしも高度こうど経済けいざい成長せいちょうが始はじまった時期じきでもあり高度こうど経済けいざい成長せいちょうの進展しんてんとともに順調じゅんちょうに流通りゅうつう量りょうが増ふえていった。

B千せん円えん券けんやC五ご千せん円えん券けんと同おなじく肖像しょうぞうは聖徳太子しょうとくたいしであり、表面ひょうめん右側みぎがわに描えがかれている。聖徳太子しょうとくたいしの肖像しょうぞうについては、同おなじ原画げんがを基もとにしているものの各かく券けん種しゅで別べつに彫刻ちょうこくされたものであるため表情ひょうじょうが僅わずかに異ことなっている。裏面りめんには中央ちゅうおうの空白くうはく部分ぶぶんを挟はさんで1対ついの鳳凰ほうおうの図柄ずがらが描えがかれている。裏面りめんに描えがかれた鳳凰ほうおうは、平等院びょうどういん鳳凰堂ほうおうどう内ないの円柱えんちゅうに描えがかれている鳳凰ほうおう模様もようである。大型おおがたの寸法すんぽうの券面けんめんのため、記き番号ばんごうは4ヶ所かしょに印刷いんさつされている。製造せいぞう原価げんかは11円えん27銭ぜに（1951年ねん（昭和しょうわ26年ねん）時点じてん）。

透すかしは奈良なら県けん生駒いこま郡ぐん斑鳩いかるが町まちにある法隆寺ほうりゅうじ夢殿ゆめどのの図柄ずがらである。B号ごう券けん以前いぜんの透すかしよりも精緻せいちで明瞭めいりょうとなったほか、B号ごう券けんとは異ことなりその部分ぶぶんには印刷いんさつがされていないためこれを容易よういに確認かくにんできる。紙幣しへい用紙ようしは三椏みつまたなどを原料げんりょうとするものであるが、洗濯せんたく機きの普及ふきゅうにより誤あやまって洗濯せんたく機きにかけられて紙幣しへいが損傷そんしょうするなどの事象じしょうが多発たはつしたため、用紙ようしの強化きょうかを目的もくてきに尿素にょうそ樹脂じゅしが添加てんかされている。

B号ごう券けんでは製造せいぞう効率こうりつの向上こうじょうのためにB五ご十じゅう円えん券けんを除のぞき縦たて方向ほうこうの寸法すんぽうを同おなじにして、横よこ方向ほうこうの寸法すんぽうのみを額面がくめん金額きんがくが上あがるにつれて8mm間隔かんかくで長ながくしていたが、C号ごう券けんでは券けん種しゅ識別しきべつ性せい向上こうじょうのために額面がくめん金額きんがくが上あがるにつれて縦たて方向ほうこうに4mm、横よこ方向ほうこうに5mmずつ長ながくする形式けいしきに変更へんこうされた。

使用しよう色しょく数すうは、表面ひょうめん10色しょく（内訳うちわけは凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もよう2色しょく、地ち模様もよう6色しょく、印章いんしょう1色しょく、記き番号ばんごう1色しょく）、裏面りめん5色しょく（内訳うちわけは凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もよう1色しょく、地ち模様もよう3色しょく、印章いんしょう1色しょく）となっている。新しん技術ぎじゅつである多色たしょく凹版おうはん印刷いんさつが盛もり込こまれ、凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もようが途中とちゅうから色いろの変かわる2色しょく刷ずりとなっている。地ち模様もようも印刷いんさつ色しょくが大幅おおはばに増加ぞうかし、従来じゅうらいの券けん種しゅと比較ひかくすると幾分いくぶんカラフルな見みた目めの券面けんめんとなっている。

沖縄おきなわの本土ほんど復帰ふっきに伴ともなう通貨つうか交換こうかん（第だい五ご次じ通貨つうか交換こうかん）用ようの特殊とくしゅ記号きごう券けんが存在そんざいし、記き番号ばんごうの英字えいじの組くみ合あわせのうちいくつか特定とくていのものがこれに当あたるが、その現存げんそん数すうは非常ひじょうに少すくない。

D号ごう券けん

表面ひょうめん

裏面りめん

1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）6月がつ25日にちの大蔵省おおくらしょう告示こくじ第だい76号ごう「昭和しょうわ五ご十じゅう九きゅう年ねん十じゅう一いち月がつ一いち日にちから発行はっこうする日本銀行にっぽんぎんこう券けん壱いち万まん円えん、五ご千せん円えん及および千せん円えんの様式ようしきを定さだめる件けん」で紙幣しへいの様式ようしきが定さだめられている。主おもな仕様しようは下記かきの通とおり。

• 日本銀行にっぽんぎんこう券けん
• 額面がくめん 壱いち万まん円えん（10,000円えん）
• 表面ひょうめん 福澤ふくさわ諭吉ゆきち（紙幣しへい面めんの人名じんめい表記ひょうきは新しん字体じたいの「福沢ふくさわ諭吉ゆきち」）
• 裏面りめん 雉
• 印章いんしょう 〈表面ひょうめん〉総裁そうさい之の印しるし（ミニ改あらため刷すり後ごは特殊とくしゅ発光はっこうインキ）　〈裏面りめん〉発券はっけん局長きょくちょう（ミニ改あらため刷すり後ごは特殊とくしゅ発光はっこうインキ）
• 銘板めいばん 大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく製造せいぞう／財務省ざいむしょう印刷いんさつ局きょく製造せいぞう／国立こくりつ印刷いんさつ局きょく製造せいぞう（製造せいぞう時期じきにより3種類しゅるいあり）
• 記き番号ばんごう仕様しよう
  • 記き番号ばんごう色しょく 黒色こくしょく／褐色かっしょく（製造せいぞう時期じきにより2種類しゅるいあり）
  • 記き番号ばんごう構成こうせい 記号きごう：英字えいじ1 - 2文字もじ＋通とおし番号ばんごう：数字すうじ6桁けた＋記号きごう：英字えいじ1文字もじ
• 視覚しかく障害しょうがい者しゃ用よう識別しきべつマーク 丸まる印しるしが横よこに2つ（透すかし・左下ひだりした隅すみ）
• 寸法すんぽう 縦たて76 mm、横よこ160 mm
• 製造せいぞう実績じっせき
  • 印刷いんさつ局きょくから日本銀行にっぽんぎんこうへの納入のうにゅう期間きかん 1983年ねん（昭和しょうわ58年ねん）4月がつ8日にち - 2003年ねん（平成へいせい15年ねん）
  • 製造せいぞう枚数まいすう
    • 11,307,600,000枚まい［記き番号ばんごう：黒色こくしょく］
    • 10,448,100,000枚まい［記き番号ばんごう：褐色かっしょく・大蔵省おおくらしょう銘めい］
    • 1,472,400,000枚まい［記き番号ばんごう：褐色かっしょく・財務省ざいむしょう銘めい］
    • 421,900,000枚まい［記き番号ばんごう：褐色かっしょく・国立こくりつ銘めい］
• 発行はっこう開始かいし日び 1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）11月1日にち
• 支払しはらい停止ていし日び 2007年ねん（平成へいせい19年ねん）4月がつ2日にち
• 有効ゆうこう券けん

C一いち万まん円えん券けんの発行はっこう開始かいしから20年ねん以上いじょうが経過けいかしC号ごう券けんで使用しようされた紙幣しへい製造せいぞう技術ぎじゅつや偽造ぎぞう防止ぼうし技術ぎじゅつが陳腐ちんぷ化かしてきたことや、飛躍ひやく的てきな印刷いんさつ技術ぎじゅつの向上こうじょうを背景はいけいに1980年代ねんだい初はじめ頃ごろから精巧せいこうな偽造ぎぞう券けんが散見さんけんされるようになったことから、偽造ぎぞう防止ぼうし対策たいさく強化きょうかのためにD号ごう券けんが発行はっこうされた。D一いち万まん円えん券けん、D五ご千せん円えん券けん、D千せん円えん券けんの3券けん種しゅ同時どうじの改あらため刷すりであるが、日本にっぽん銀行ぎんこう券けんで3券けん種しゅが同日どうじつに改あらため刷すりされるのは第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん以降いこうでは初はじめてである。またこの頃ころにはATMや両替りょうがえ機き、自動じどう販売はんばい機き（自動じどう券売けんばい機き）といった紙幣しへい取扱とりあつかい機器ききも広ひろく普及ふきゅうし始はじめていたことからこれも念頭ねんとうに置おいたうえで改あらため刷すりが行おこなわれた。

D号ごう券けんでは各かく額面がくめんの人物じんぶつ肖像しょうぞうに文化ぶんか人じんが採用さいようされた。世界せかい的てきな傾向けいこうとして国家こっか元首げんしゅや政治せいじ家かだけでなく、文化ぶんか人じんも紙幣しへい肖像しょうぞうに採用さいようされるようになったことがD号ごう券けんで文化ぶんか人じんが採用さいようされた理由りゆうである。一いち万まん円えん券けんの肖像しょうぞうには啓蒙けいもう思想しそう家いえの福澤ふくさわ諭吉ゆきちが選えらばれ、表面ひょうめん右側みぎがわに肖像しょうぞうが描えがかれている。検討けんとう段階だんかいではラフな着流きながしの和服わふく姿すがたを紙幣しへい肖像しょうぞうとすることに異論いろんもあったが、福澤ふくさわ諭吉ゆきち本人ほんにんが常つねに和服わふくを着用ちゃくようしていたという事実じじつや、本人ほんにんがこの写真しゃしんを気きに入いっていたということなどを踏ふまえそのまま採用さいようされることとなった。なおD号ごう券けん及およびE号ごう券けんの人名じんめい表記ひょうきは「福澤ふくさわ諭吉ゆきち」ではなく「福ぶく沢さわ諭吉ゆきち」と書かかれている。表面ひょうめん周囲しゅういの輪郭りんかく部分ぶぶんの唐草からくさ模様もようについては、肖像しょうぞうの福澤ふくさわ諭吉ゆきちが活躍かつやくした明治めいじ時代じだいの洋風ようふう建築けんちく物ぶつの装飾そうしょくで用もちいられた唐草からくさ模様もようを基もとにしたデザインとなっている。

裏面りめんには中央ちゅうおうの空白くうはくを挟はさんで両側りょうがわに国鳥こくちょうとされる雉のつがいを描えがいており、左側ひだりがわの立たっているものが雄ゆう、右側みぎがわの座すわっているものが雌めすである。また券面けんめん中央ちゅうおうの透すかし部分ぶぶんの正せい円形えんけいの空白くうはくは、雉の卵たまごの形状けいじょうをイメージしたものである。この正せい円形えんけいの空白くうはくの輪郭りんかくは、表裏ひょうり両面りょうめんで位置いちが一致いっちするよう印刷いんさつされている。

初期しょきの記き番号ばんごうは黒色こくしょくで印刷いんさつされていたが、1993年ねん（平成へいせい5年ねん）12月1日にち発行はっこう分ぶんから記き番号ばんごうの色いろを褐色かっしょくに変更へんこうするとともに、「ミニ改あらため刷すり」と呼よばれる一部いちぶ改造かいぞう券けんを発行はっこうした。従来じゅうらいのデザインはそのままに、追加ついかでマイクロ文字もじ、特殊とくしゅ発光はっこうインキ（紫外線しがいせん照射しょうしゃにより発光はっこうするインキであり、表面ひょうめん印章いんしょう「総裁そうさい之の印しるし」のオレンジ色しょく発光はっこうと、裏面りめん印章いんしょう「発券はっけん局長きょくちょう」の赤色あかいろ発光はっこうが確認かくにんできる。）等とうの偽造ぎぞう防止ぼうし技術ぎじゅつが施ほどこされている。なおミニ改あらため刷すり前まえの黒色こくしょく記き番号ばんごうは記き番号ばんごうの組くみ合あわせを全部ぜんぶ使つかい切きっていなかった。

中央ちゅうおう省庁しょうちょう再編さいへん及および独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん化かに伴ともなう製造せいぞう者しゃの名称めいしょう変更へんこうに伴ともない、褐色かっしょく記き番号ばんごうの紙幣しへいの製造せいぞう者しゃ名めいの銘板めいばん表記ひょうきについては、当初とうしょは「大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく製造せいぞう」、2001年ねん（平成へいせい13年ねん）5月14日にち発行はっこう分ぶんから「財務省ざいむしょう印刷いんさつ局きょく製造せいぞう」、2003年ねん（平成へいせい15年ねん）7月がつ1日にち発行はっこう分ぶんから「国立こくりつ印刷いんさつ局きょく製造せいぞう」と3度ど変更へんこうされている。

D一いち万まん円えん券けんの変遷へんせんの詳細しょうさいを整理せいりすると下表かひょうの通とおりとなる。下記かきの4タイプに分わかれる。

発行はっこう開始かいし	記き番号ばんごう色しょく	マイクロ文字もじ	印章いんしょう	銘板めいばん（製造せいぞう者しゃ名めい）	変更へんこう理由りゆう
1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）11月1日にち	黒色こくしょく	なし	特殊とくしゅ発光はっこうなし	大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく製造せいぞう
1993年ねん（平成へいせい5年ねん）12月1日にち	褐色かっしょく	あり	特殊とくしゅ発光はっこうあり		偽造ぎぞう防止ぼうし力りょく向上こうじょうのための様式ようしき変更へんこう（ミニ改あらため刷すり）
2001年ねん（平成へいせい13年ねん）5月がつ14日にち				財務省ざいむしょう印刷いんさつ局きょく製造せいぞう	製造せいぞう者しゃの組織そしき変更へんこう
2003年ねん（平成へいせい15年ねん）7月がつ1日にち				国立こくりつ印刷いんさつ局きょく製造せいぞう	製造せいぞう者しゃの組織そしき変更へんこう

透すかしは肖像しょうぞうと同おなじく福澤ふくさわ諭吉ゆきちであり、従来じゅうらいよりも大型おおがたで白黒しろくろの階かい調ちょうのはっきりしたすき入いれとなっている。視覚しかく障害しょうがい者しゃが触覚しょっかくで容易よういに券けん種しゅを識別しきべつできるよう、表面ひょうめんから見みて左下ひだりした隅すみに識別しきべつマークとして点字てんじの「う」を模もした「丸まる印しるしが横よこに2つ」透すかしにより施ほどこされている。透すかしによる視覚しかく障害しょうがい者しゃ用よう識別しきべつマークは世界せかい初はつである。

寸法すんぽうについては前代ぜんだいのC一いち万まん円えん券けんと比くらべて縦たて方向ほうこう・横よこ方向ほうこうともに小型こがた化かしている。これは世界せかい的てきな紙幣しへいの小型こがた化かの流ながれに合あわせたものであるほか、製造せいぞう能力のうりょくの向上こうじょうや省しょう資源しげん化か、機械きかい等とうでの取扱とりあつかい上じょうの利便りべん性せいなどを考慮こうりょしたものである。同時どうじに改あらため刷すりされたD号ごう券けん3券けん種しゅで比較ひかくすると縦たて方向ほうこうの寸法すんぽうは同おなじで、横よこ方向ほうこうの寸法すんぽうのみを額面がくめん金額きんがくが上あがるにつれて5mmずつ長ながくする形式けいしきとなっている。E一いち万まん円えん券けん以降いこうもこのD一いち万まん円えん券けんのサイズを踏襲とうしゅうしている。

使用しよう色しょく数すうは、表面ひょうめん10色しょく（内訳うちわけは凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もよう2色しょく、地ち模様もよう6色しょく、印章いんしょう1色しょく、記き番号ばんごう1色しょく）、裏面りめん4色しょく（内訳うちわけは凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もよう1色しょく、地ち模様もよう2色しょく、印章いんしょう1色しょく）となっている。複写ふくしゃ機きやイメージスキャナなどでの色いろ分解ぶんかいを困難こんなんにするため、なるべく原色げんしょくを避さけ中間色ちゅうかんしょくを多用たようした印刷いんさつとなっている。

2004年ねん（平成へいせい16年ねん）のE号ごう券けん改あらため刷すりの直前ちょくぜん及および直後ちょくごにD号ごう券けんの偽札にせさつが相次あいついで発見はっけんされた。

E号ごう券けん

表面ひょうめん

裏面りめん

2004年ねん（平成へいせい16年ねん）8月がつ13日にちの財務省ざいむしょう告示こくじ第だい374号ごう「平成へいせい十じゅう六ろく年ねん十じゅう一いち月がつ一いち日にちから発行はっこうを開始かいしする日本銀行にっぽんぎんこう券けん壱いち万まん円えん、五ご千せん円えん及および千せん円えんの様式ようしきを定さだめる件けん」で紙幣しへいの様式ようしきが定さだめられている。主おもな仕様しようは下記かきの通とおり。

• 日本銀行にっぽんぎんこう券けん
• 額面がくめん 壱いち万まん円えん（10,000円えん）
• 表面ひょうめん 福澤ふくさわ諭吉ゆきち（紙幣しへい面めんの人名じんめい表記ひょうきは新しん字体じたいの「福沢ふくさわ諭吉ゆきち」）
• 裏面りめん 平等院びょうどういん鳳凰堂ほうおうどうの鳳凰ほうおう像ぞう
• 印章いんしょう 〈表面ひょうめん〉総裁そうさい之の印しるし（特殊とくしゅ発光はっこうインキ）　〈裏面りめん〉発券はっけん局長きょくちょう
• 銘板めいばん 国立こくりつ印刷いんさつ局きょく製造せいぞう
• 記き番号ばんごう仕様しよう
  • 記き番号ばんごう色しょく 黒色こくしょく／褐色かっしょく（製造せいぞう時期じきにより2種類しゅるいあり）
  • 記き番号ばんごう構成こうせい 記号きごう：英字えいじ1 - 2文字もじ＋通とおし番号ばんごう：数字すうじ6桁けた＋記号きごう：英字えいじ1文字もじ
• 視覚しかく障害しょうがい者しゃ用よう識別しきべつマーク 左下ひだりした隅すみL字じ・右みぎ下隅したすみ逆ぎゃくL字じ（深ふか凹版おうはん印刷いんさつ）
• 寸法すんぽう 縦たて76 mm、横よこ160 mm
• 発行はっこう開始かいし日び 2004年ねん（平成へいせい16年ねん）11月1日にち
• 発行はっこう中ちゅう（製造せいぞうは終了しゅうりょう）
• 有効ゆうこう券けん

D号ごう券けん3券けん種しゅの発行はっこう開始かいしからおよそ20年ねんが経過けいかし、印刷いんさつ技術ぎじゅつの革新かくしんや複写ふくしゃ機きやイメージスキャナ、コンピュータの画像がぞう処理しょりソフトウェアなどの普及ふきゅう・高性能こうせいのう化かを背景はいけいに2002年ねん（平成へいせい14年ねん）頃ごろから偽造ぎぞう券けんの発見はっけんが急増きゅうぞうするようになってきたことや、諸しょ外国がいこくでも新あらたな偽造ぎぞう防止ぼうし技術ぎじゅつを盛もり込こんだ紙幣しへいが1990年代ねんだい末期まっき以降いこう続々ぞくぞくと発行はっこうされており、日本にっぽんだけが旧きゅう世代せだいの紙幣しへいの発行はっこうを続つづけると国際こくさい的てきな偽造ぎぞう団だんによる標的ひょうてきとなる恐おそれがあることを踏ふまえ、E一いち万まん円えん券けん、E五ご千せん円えん券けん、E千せん円えん券けんの3券けん種しゅが同時どうじに改あらため刷すりされた。

E号ごう券けんの中なかでは唯一ゆいいつD号ごう券けんから肖像しょうぞうが変かわらず福澤ふくさわ諭吉ゆきちのままである。これはE号ごう券けんの改あらため刷すりの準備じゅんび期間きかんが短みじかく、当時とうじ全体ぜんたいの6割わり以上いじょうの発行はっこう枚数まいすうを占しめていた一いち万まん円えん紙幣しへいの原版げんばん彫刻ちょうこくの時間じかんを短縮たんしゅくするために取とられた対応たいおうである。そのため表面ひょうめん右側みぎがわに描えがかれている肖像しょうぞうはD号ごう券けんの原版げんばんを流用りゅうようしているが、着物きものの一部分いちぶぶんや背景はいけい部分ぶぶんなど僅わずかながら手直てなおしが行おこなわれている。その他たの輪郭りんかくや地ち模様もようは全まったく新あらたなデザインとなっている。裏面りめんは完全かんぜんに新あらたな図案ずあんとなっており、裏面りめん左側ひだりがわには京都きょうと府ふ宇治うじ市しにある平等院びょうどういん鳳凰堂ほうおうどうの中堂なかどう屋根やね上じょうに取とり付つけられていた国宝こくほうの鳳凰ほうおう像ぞうが描えがかれており、右側みぎがわには地ち模様もようとして宝たから相しょう華はながあしらわれている。

偽造ぎぞう防止ぼうし技術ぎじゅつにはD二に千せん円えん券けんに新あらたに採用さいようされたもののほとんどが採用さいようされたのに加くわえ、新あらたに表ひょうから見みて右側みぎがわに用紙ようしを薄うすくしてすき入いれした「すき入いれバーパターン」と、見みる角度かくどによって像ぞう（金属きんぞく箔はくに刻きざまれた絵柄えがら）が変かわる「ホログラム」が採用さいようされた。E一いち万まん円えん券けんには肖像しょうぞうの右側みぎがわ付近ふきんに縦たて棒ぼうのすき入いれが3本ほん入はいっており、ホログラムの像ぞうは光ひかりの入射にゅうしゃ角かくにより桜花おうか、日本にっぽん銀行ぎんこう行ぎょう章あきら、額面がくめん金額きんがくの「10000」の数字すうじなどが確認かくにんできる。特殊とくしゅ発光はっこうインキについては表面ひょうめんの印章いんしょうおよび地紋じもんの一部いちぶに紫外線しがいせん発光はっこうインクを採用さいようしており、ブラックライトを照射しょうしゃすると表面ひょうめんの印章いんしょう「総裁そうさい之の印しるし」及および表面ひょうめん・裏面りめんの地ち模様もようの一部いちぶがオレンジ色しょくに発光はっこうする。ミニ改あらため刷すり後ごのD号ごう券けんと異ことなり裏面りめんの印章いんしょう「発券はっけん局長きょくちょう」は発光はっこうしない。なおD二に千せん円えん券けんで採用さいようされた光学こうがく的てき変化へんかインクは使用しようされていない。

公式こうしきに発表はっぴょうされていないが、表面ひょうめんと裏面りめんに「ニ」「ホ」「ン」（日本にっぽん）の片仮名かたかながシークレットマーク（暗証あんしょう）として入はいっていることが確認かくにんできるほか、D二に千せん円えん券けんに引ひき続つづいてユーリオンも採用さいようされている。さらにホログラムの上下じょうげにも漢字かんじで「日ひ」「本ほん」の文字もじが刻きざまれている。

記き番号ばんごうは発行はっこう当初とうしょ黒色こくしょくで印刷いんさつされていたが、129億おく6千せん万まん枚まいを発行はっこうして同どう色刷いろずりの記き番号ばんごうの組合くみあわせが枯渇こかつしたため、2011年ねん（平成へいせい23年ねん）7月がつ19日にち発行はっこう分ぶんから褐色かっしょく（暗くらい黄き赤あか）記き番号ばんごうの券けんが発行はっこうされている。記き番号ばんごうの組くみ合あわせの枯渇こかつによる記き番号ばんごうの色いろの変更へんこうは一いち万まん円えん紙幣しへいでは史上しじょう初はつであった。

2024年ねん（令れい和わ6年ねん）7月がつにF一いち万まん円えん券けんが発行はっこうされるのを前まえに、2022年ねん（令れい和わ4年ねん）9月がつまでにE一いち万まん円えん券けんを含ふくむE号ごう券けん3券けん種しゅの製造せいぞうが終了しゅうりょうした。

E一いち万まん円えん券けんの変遷へんせんの詳細しょうさいを整理せいりすると下表かひょうの通とおりとなる。

発行はっこう開始かいし	記き番号ばんごう色しょく	変更へんこう理由りゆう
2004年ねん（平成へいせい16年ねん）11月1日にち	黒色こくしょく
2011年ねん（平成へいせい23年ねん）7月がつ19日にち	褐色かっしょく	記き番号ばんごうの組くみ合あわせ枯渇こかつ

視覚しかく障害しょうがい者しゃが触覚しょっかくで券けん種しゅを識別しきべつできるようにした識別しきべつマークについてはD一いち万まん円えん券けん、D五ご千せん円えん券けん、D千せん円えん券けんで採用さいようされていた透すかしによるものから変更へんこうされ、紙幣しへいの表面ひょうめん下端かたんの左右さゆうに深ふか凹版おうはん印刷いんさつによりインクを盛もり上あげて凸凹おうとつを感かんじられるようにした方式ほうしきが取とられている。E一いち万まん円えん券けんには「左下ひだりした隅すみL字じ・右みぎ下隅したすみ逆ぎゃくL字じ」の識別しきべつマークが施ほどこされている。また国立こくりつ印刷いんさつ局きょくによりスマートフォンで金かね種しゅの判別はんべつ・読よみ上あげができるアプリ「言いう吉よしくん」を提供ていきょうされている。

透すかしは肖像しょうぞうと同おなじく福澤ふくさわ諭吉ゆきちである。紙幣しへい用紙ようしは三椏みつまたやマニラ麻まにらあさなどを調合ちょうごうしたものが用もちいられている。

使用しよう色しょく数すうは、表面ひょうめん14色しょく（内訳うちわけは凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もよう2色しょく、地ち模様もよう10色しょく、印章いんしょう1色しょく、記き番号ばんごう1色しょく）、裏面りめん7色しょく（内訳うちわけは凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もよう1色しょく、地ち模様もよう5色しょく、印章いんしょう1色しょく）となっている。基調きちょうとなる色いろはD号ごう券けんと同どう系統けいとうの色調しきちょうを受うけ継ついでおり、E一いち万まん円えん券けんはD一いち万まん円えん券けんと同おなじく褐色かっしょく系けいの色合いろあいとなっている。

F号ごう券けん

表面ひょうめん

裏面りめん

2023年ねん（令れい和わ5年ねん）12月15日にちの財務省ざいむしょう告示こくじ第だい314号ごう「令れい和わ六ろく年ねん七なな月がつ三さん日にちから日本銀行にっぽんぎんこうが発行はっこうを開始かいしする日本銀行にっぽんぎんこう券けん壱いち万まん円えん、五ご千せん円えん及および千せん円えんの様式ようしきを定さだめる件けん」で紙幣しへいの様式ようしきが定さだめられている。主おもな仕様しようは下記かきの通とおり。

• 日本銀行にっぽんぎんこう券けん
• 額面がくめん 壱いち万まん円えん（10,000円えん）
• 表面ひょうめん 渋沢しぶさわ栄一えいいち
• 裏面りめん 東京とうきょう駅えき（丸まるの内うち駅舎えきしゃ）
• 印章いんしょう 〈表面ひょうめん〉総裁そうさい之の印しるし（特殊とくしゅ発光はっこうインキ）　〈裏面りめん〉発券はっけん局長きょくちょう
• 銘板めいばん 国立こくりつ印刷いんさつ局きょく製造せいぞう
• 記き番号ばんごう仕様しよう
  • 記き番号ばんごう色しょく 黒色こくしょく
  • 記き番号ばんごう構成こうせい 記号きごう：英字えいじ2文字もじ＋通とおし番号ばんごう：数字すうじ6桁けた＋記号きごう：英字えいじ2文字もじ
• 視覚しかく障害しょうがい者しゃ用よう識別しきべつマーク 左右さゆう隅すみに斜線しゃせんの連続れんぞく模様もよう（深ふか凹版おうはん印刷いんさつ）
• 寸法すんぽう 縦たて76 mm、横よこ160 mm
• 発行はっこう開始かいし日び 2024年ねん（令れい和わ6年ねん）7月がつ3日にち
• 発行はっこう中ちゅう
• 有効ゆうこう券けん

2024年ねん（令れい和わ6年ねん）7月がつ3日にちに、偽造ぎぞう抵抗ていこう力りょくの強化きょうかやユニバーサルデザインへの対応たいおうなど目的もくてきとして一いち万まん円えん券けん・五ご千せん円えん券けん・千せん円えん券けんの3券けん種しゅが同時どうじに改あらため刷すりされた。

刷新さっしん後ごの一いち万まん円えん券けんはD一いち万まん円えん券けん・E一いち万まん円えん券けんと同様どうようの褐色かっしょく系けいを基調きちょうとした色合いろあいで、肖像しょうぞうが実業じつぎょう家かの渋沢しぶさわ栄一えいいち、裏面りめんは2012年ねん（平成へいせい24年ねん）に復原ふくげんされたJR東京とうきょう駅えき丸まるの内うち駅えき舎しゃの図柄ずがらである。渋沢しぶさわの肖像しょうぞうは、70歳さいの古希こきに撮影さつえいされた写真しゃしんを原画げんがとしているが、躍動やくどう感かんや若々わかわかしさを表現ひょうげんするため、原画げんがの写真しゃしんとは異ことなり60歳さい代だい前半ぜんはんの姿すがたに改変かいへんした風貌ふうぼうが描えがかれている。また、表面ひょうめんの左下ひだりしたには山桜やまざくらの花はながあしらわれている。一方いっぽう、裏面りめんについては左側ひだりがわに丸まるの内うちオアゾ前ぜん付近ふきんから見みた丸まるの内うち駅舎えきしゃ北きたドームとその左ひだり脇わきに街路がいろ樹じゅの樫かしの木きが、右みぎ下かには東京とうきょう中央ちゅうおう郵便ゆうびん局きょく屋上おくじょうから俯瞰ふかんした丸まるの内うち駅えき舎しゃの全体ぜんたい像ぞうが描えがかれるデザインである。日本銀行にっぽんぎんこう券けんにおいて民間みんかん企業きぎょう（ただし、その前身ぜんしんは日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう（国鉄こくてつ）という公共こうきょう企業きぎょう体たいであり、更さらにその前身ぜんしんは鉄道てつどう省しょうという官庁かんちょうであった。）が管理かんり運営うんえいする営利えいり施設しせつが紙幣しへいの図柄ずがらの題材だいざいとなるのはこれが初はじめてである。

表面ひょうめんの肖像しょうぞう画が・透すかし・額面がくめんの基本きほん的てきなレイアウトは変更へんこうされていないものの、D号ごう券けん・E号ごう券けんでは漢かん数字すうじで額面がくめんが記載きさいされていた箇所かしょにアラビア数字すうじで「10000」と大おおきく描えがかれ、漢かん数字すうじによる額面がくめんの「壱いち万まん円えん」は左上ひだりうえ隅すみに、従来じゅうらい右みぎ上隅うえすみにあった「10000」の額面がくめんは右みぎ下隅したすみに入いれ替かわる形かたちで配置はいちされている。裏面りめんの右みぎ上隅うえすみのアラビア数字すうじも非常ひじょうに大おおきく描えがかれており、従来じゅうらいの日本銀行にっぽんぎんこう券けんとは印象いんしょうが大おおきく異ことなる。

記き番号ばんごうも8桁けたまたは9桁けたの形式けいしきから「AA000001AA」のような形式けいしきの10桁けたに変更へんこうされた。

公表こうひょうされている新あらたな偽造ぎぞう防止ぼうし技術ぎじゅつとしては、高こう精細せいさいすき入いれ模様もようとストライプタイプのホログラムが導入どうにゅうされた。高こう精細せいさいすき入いれは、渋沢しぶさわ栄一えいいちの肖像しょうぞうの透すかしの背後はいごに緻密ちみつな格子こうし模様もようをすき入いれたものである。ホログラムの図柄ずがらは3Dホログラムで、見みる角度かくどによってホログラムの図柄ずがらの渋沢しぶさわ栄一えいいちの肖像しょうぞうの顔かおの向むきが連続れんぞく的てきに変化へんかして回転かいてんしているように見みえるものであり、紙幣しへいの偽造ぎぞう防止ぼうし対策たいさくとして採用さいようされるのは世界せかい初はつである。また、ホログラムにはこの他ほかに複数ふくすうの山桜やまざくらの花はなと富士山ふじさん、額面がくめん金額きんがくの「10000」の数字すうじなどの図柄ずがらが確認かくにんできる。この他ほか、E号ごう券けんでも搭載とうさいされていた、マイクロ文字もじ、特殊とくしゅ発光はっこうインキ、深ふか凹版おうはん印刷いんさつ、潜せん像ぞう模様もよう、パールインク、すき入いれバーパターン等とうの偽造ぎぞう防止ぼうし技術ぎじゅつも引ひき続つづき採用さいようされている。マイクロ文字もじについては、E号ごう券けんと比較ひかくすると大幅おおはばに減へらされており、凹版おうはん印刷いんさつで表裏ひょうり各かく3ヶ所かしょ、合計ごうけい6ヶ所かしょ「NIPPON GINKO」の文字もじが入はいっている程度ていどとなっている。潜せん像ぞう模様もようについては、傾かたむけると表面ひょうめんに「10000」、裏面りめんに「NIPPON」の文字もじが見みえる仕掛しかけになっている。特殊とくしゅ発光はっこうインキについては表面ひょうめんの印章いんしょうおよび地紋じもんの一部いちぶに紫外線しがいせん発光はっこうインクを採用さいようしており、ブラックライトを照射しょうしゃすると表面ひょうめんの印章いんしょう「総裁そうさい之の印しるし」がオレンジ色しょくに発光はっこうする（裏面りめんの印章いんしょう「発券はっけん局長きょくちょう」は発光はっこうしない）他た、表面ひょうめん地ち模様もようの一部いちぶが黄き橙色だいだいいろ～緑色みどりいろ（グラデーション）に、裏面りめんの地ち模様もようの一部いちぶが黄き橙色だいだいいろに発光はっこうする。

視覚しかく障害しょうがい者しゃのための識別しきべつマークは券けん種しゅ識別しきべつ性せい向上こうじょうのため形状けいじょうが変更へんこうされ、左右さゆう隅すみに深ふか凹版おうはん印刷いんさつによる11本ほんの斜線しゃせんの連続れんぞく模様もようが配置はいちされている。また券けん種しゅごとにホログラムや透すかしの位置いちを変かえるなど識別しきべつマーク以外いがいでも区別くべつしやすいよう考慮こうりょされている。

券面けんめんの寸法すんぽうについては変更へんこうすると自動じどう販売はんばい機きやATMなどの紙幣しへい取扱とりあつかい機器ききへの影響えいきょうが大おおきいため、従来じゅうらい通どおりとなっている。

2019年ねん（平成へいせい31年ねん）4月がつ9日にちに改あらため刷すりが発表はっぴょうされ、2021年ねん（令れい和わ3年ねん）9月1日にちより新しん一いち万まん円えん券けんの製造せいぞうが開始かいしされた。発行はっこう予定よてい日びの5年ねんも前まえに改あらため刷すりが発表はっぴょうされ2年ねん半はん以上いじょう前まえから製造せいぞうが開始かいしされたのは、前回ぜんかいのE号ごう券けんへの改あらため刷すり時じに準備じゅんび期間きかんが短みじかかったために自動じどう販売はんばい機きやATMの改修かいしゅうが間まに合あわず半数はんすう程度ていどしか対応たいおうできなかった反省はんせいから、自動じどう販売はんばい機きやATMその他たの新しん紙幣しへいを扱あつかう各種かくしゅ機器ききの改修かいしゅうの際さいにテストを入念にゅうねんにし、障害しょうがいやトラブルが起おきないようにするためとされる。

一いち万まん円えん券けん製造せいぞう開始かいし時じに発表はっぴょうされた新しん一いち万まん円えん券けんの見本みほんのデザインでは、2019年ねん（平成へいせい31年ねん）4月がつの改あらため刷すり発表はっぴょう当時とうじに公表こうひょうされた当初とうしょのラフスケッチからの変更へんこう点てんとして、表面ひょうめんの額面がくめん金額きんがくの大おおきなアラビア数字すうじ「10000」の下したの発行はっこう元もと銀行ぎんこう名めい「日本銀行にっぽんぎんこう」の文字もじの更さらに下したに「BANK OF JAPAN」の発行はっこう元もと銀行ぎんこう名めいの英語えいご表記ひょうきが追加ついかされているほか、視覚しかく障害しょうがい者しゃのための識別しきべつマークの斜線しゃせんが9本ほんから11本ほんに増ふやされている。発行はっこう元もと銀行ぎんこう名めいの表記ひょうきについて、ロろーマ字まじの「NIPPON GINKO」の表記ひょうきは従来じゅうらいの日本銀行にっぽんぎんこう券けんでも採用さいようされている券けん種しゅが多おおかったが、英語えいごの「BANK OF JAPAN」の表記ひょうきは日本銀行にっぽんぎんこう券けん史上しじょう初はつとなる。

使用しよう色しょく数すうは、表面ひょうめん13色しょく（内訳うちわけは凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もよう2色しょく、地ち模様もよう9色しょく、印章いんしょう1色しょく、記き番号ばんごう1色しょく）、裏面りめん8色しょく（内訳うちわけは凹版おうはん印刷いんさつによる主しゅ模様もよう1色しょく、地ち模様もよう6色しょく、印章いんしょう1色しょく）となっている。

2024年ねん7月がつ3日にち、予定よてい通どおり発行はっこう開始かいしした。

その他ほか一いち万まん円えん紙幣しへいに関かんする事項じこう

• 紙幣しへいに表記ひょうきされている「壱いち」は大字だいじであり、過去かこの紙幣しへいではよく採用さいようされていたが、発行はっこう中ちゅうの紙幣しへいで大字だいじが記しるされている紙幣しへいは、当とう券けんと二に千せん円えん紙幣しへい（弐に千せん円えん）のみである。これは日本にっぽんの法令ほうれい上じょう大字だいじを使用しようすることが規定きていされているのが壱いち、弐に、参まいり、拾じつのみであり、この条件じょうけんに該当がいとうする紙幣しへいがここに挙あげたもののみだからである。
• 紙幣しへい流通りゅうつう総そう枚数まいすうに占しめる一いち万まん円えん紙幣しへいの割合わりあいは他た券けん種しゅと比くらべて圧倒的あっとうてきに多おおい89%（2018年ねん（平成へいせい30年ねん）現在げんざい）で、キャッシュレス化かが進すすみつつある2010年代ねんだい以降いこうも一いち万まん円えん紙幣しへいの流通りゅうつう枚数まいすうは継続けいぞく的てきに大おおきく増加ぞうかし続つづけている。最高さいこう額面がくめんの券けん種しゅが大半たいはんを占しめる反面はんめん、五ご千せん円えん紙幣しへいや二に千せん円えん紙幣しへいといった中ちゅう額面がくめん紙幣しへいの流通りゅうつう枚数まいすうが極端きょくたんに少すくないが、このような傾向けいこうは先進せんしん国こくの中なかでは日本にっぽんのみであり日本にっぽん以外いがいではあまり見みられない。なお市中しちゅうでの一いち万まん円えん紙幣しへいの流通りゅうつう金額きんがくは97兆ちょう円えんである（2019年ねん（令れい和わ元年がんねん）5月がつ7日にち現在げんざい）。
• 世界せかいでは、一いち万まん円えん紙幣しへいやそれ以上いじょうの金額きんがくに相当そうとうする程度ていどの最高さいこう額がく紙幣しへい（100米あめりかドル紙幣しへいや200・100ユーロ紙幣しへいなど）は、支払しはらい時じに偽札にせさつかどうかをチェックされたり受うけ取とりを拒否きょひされたりすることも多おおく、キャッシュレス化かの進展しんてんもあって高額こうがく紙幣しへいの廃止はいし論ろんも高たかまってきている。ただしこれらの国くに・地域ちいきではキャッシュレス決済けっさいの普及ふきゅう以前いぜんからの市中しちゅうでの最高さいこう額がく紙幣しへいの使用しようは一般いっぱん的てきではない状況じょうきょうである。例たとえばアメリカでは20ドル紙幣しへいと1ドル紙幣しへい、ユーロ圏けんでは50ユーロ紙幣しへいと20ユーロ紙幣しへいが市中しちゅうでの流通りゅうつう枚数まいすうが多おおい。日本にっぽんのように、先述せんじゅつの通とおり中ちゅう額面がくめん紙幣しへいの流通りゅうつう枚数まいすうが極端きょくたんに少すくない一方いっぽうで流通りゅうつう枚数まいすうの圧倒的あっとうてき多数たすうを一いち万まん円えん紙幣しへいが占しめており、日常にちじょう的てきにも一いち万まん円えん紙幣しへいが差支さしつかえなく使用しようされている状況じょうきょうとは事情じじょうが異ことなることに留意りゅういする必要ひつようがある。なお現在げんざい発行はっこう中ちゅうで世界一せかいいち高額こうがくな紙幣しへいは、日本円にほんえんで10万まん円えん程度ていどに相当そうとうする1,000スイス・フラン紙幣しへいである（現在げんざい発行はっこうされていないが有効ゆうこうな紙幣しへいも含ふくめれば、2014年ねんの発行はっこう停止ていし当時とうじ日本円にほんえんで80万まん円えん程度ていどに相当そうとうした1万まんシンガポールドル紙幣しへい）。
• 小売こうり店てんや飲食いんしょく店てんでは、一いち万まん円えん紙幣しへいで支払しはらうと店員てんいんが「一いち万まん円えん入はいります」と声こえを掛かけることがある。これは釣つり銭せんを巡めぐる客きゃくとのトラブル防止ぼうしのためというのが最大さいだいの理由りゆうとされる。1970年代ねんだいのファストフード店てんに由来ゆらいするという仮説かせつが有力ゆうりょくであり、当時とうじ発行はっこうされていたC一いち万まん円えん券けんとC五ご千せん円えん券けんの肖像しょうぞう画ががいずれも聖徳太子しょうとくたいしであったことから、釣つり銭せんミスを防止ぼうしのためにその慣習かんしゅうが生うまれたという。
  • D号ごう券けん・E号ごう券けんでは五ご千せん円えん紙幣しへいとの肖像しょうぞうは異ことなるが、一いち万まん円えん紙幣しへいは最高さいこう額面がくめんの紙幣しへいなので、この声こえ出だしはレジ精算せいさん時じに高額こうがく紙幣しへいを受うけ取とったときの声こえ出だしを店員てんいんに徹底てっていして意識いしき付つけさせることや、管理かんり責任せきにん者しゃが高額こうがく紙幣しへいによる精算せいさんがあったことを認識にんしきしやすくなるという効果こうかが考かんがえられる。また高額こうがく紙幣しへいということで、五ご千せん円えん紙幣しへいに対たいしても稀まれに同様どうようの対応たいおうを取とる場合ばあいがある。
• 流通りゅうつう紙幣しへいの耐用たいよう年数ねんすうは平均へいきんで4 - 5年ねん程度ていどとされ、使用しよう頻度ひんどが高たかく釣つり銭せんなどのやりとりが多おおい五ご千せん円えん紙幣しへい・千せん円えん紙幣しへいの1 - 2年ねんよりかなり長ながい。
• 日本にっぽんでは、偽造ぎぞう通貨つうかは日常にちじょう的てきに見みかけるほど出回でまわっておらず、偽造ぎぞう通貨つうかが見みつかるとニュースになるほどであり、世界せかい的てきに見みても日本円にほんえんの偽造ぎぞう通貨つうかは非常ひじょうに少すくないが、その中なかでは最もっとも多おおい金かね種しゅは一いち万まん円えん紙幣しへいである。
• 現在げんざい発行はっこうされていない旧きゅう紙幣しへいのC号ごう券けん・D号ごう券けんは現存げんそん数すうが非常ひじょうに多おおいため、珍ちん番号ばんごうやエラーなどの条件じょうけんがない限かぎり古銭こせん商しょうが買かい取とりすることはほぼない。

未み発行はっこう紙幣しへい

B壱いち万まん円えん券けん

1953年ねん（昭和しょうわ28年ねん）に下図したず案あんが公表こうひょうされるも、終戦しゅうせん直後ちょくごの急激きゅうげきなインフレーションによる社会しゃかい的てき混乱こんらんの記憶きおくが生々なまなましい時期じきであったこともあり、インフレーションを助長じょちょうするとの懸念けねんから高額こうがく紙幣しへいの発行はっこうに対たいする反対はんたい意見いけんが非常ひじょうに根強ねづよく、最終さいしゅう的てきに白紙はくしとなり製造せいぞうや発行はっこうには至いたらなかった。表面ひょうめんには笏しゃく無なしの聖徳太子しょうとくたいしの肖像しょうぞうと法隆寺ほうりゅうじ西院さいいん伽藍がらん全景ぜんけい、裏面りめんには鳳凰ほうおうが双そう向むかいする図柄ずがらが描えがかれ、透すかしは法隆寺ほうりゅうじ夢殿ゆめどのであった。再さい検討けんとうの結果けっかのちにC号ごう券けんとして1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）に五ご千せん円えん紙幣しへいが、1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）に一いち万まん円えん紙幣しへいがそれぞれ発行はっこうされている。寸法すんぽうは縦たて84mm、横よこ180mmの大型おおがたの券面けんめんであった。B壱いち万まん円えん券けんで予定よていされていたデザインのうち、法隆寺ほうりゅうじ夢殿ゆめどのの透すかしおよび裏面りめんの鳳凰ほうおうの図案ずあんはC一いち万まん円えん券けんの図柄ずがらとして、笏しゃく無なしの聖徳太子しょうとくたいしの肖像しょうぞうはC五ご千せん円えん券けんの透すかしの図柄ずがらとしてそれぞれ活用かつようされている。

さらに高額こうがくの未み発行はっこう紙幣しへい

D五ご万まん円えん券けん・D拾ひろえ万まん円えん券けん

それぞれ野口のぐち英世ひでよ・聖徳太子しょうとくたいしの肖像しょうぞうのデザインで、D号ごう券けん改あらため刷すりの際さいに発行はっこうが検討けんとうされていた。裏面りめんの図柄ずがらは、五ご万まん円えん券けんが猪苗代湖いなわしろこと磐梯山ばんだいさんの風景ふうけい、拾ひろえ万まん円えん券けんが法隆寺ほうりゅうじ金堂こんどうの鳳凰ほうおうの彫刻ちょうこく、および法隆寺ほうりゅうじと奈良盆地ならぼんちの山並やまなみの風景ふうけいがそれぞれ検討けんとうされていた。なお野口のぐち英世ひでよは後年こうねん、E千せん円えん券けんの肖像しょうぞうとして起用きようされている。

変遷へんせん

概おおむね20年ねん程度ていどの間隔かんかくで改あらため刷すりが行おこなわれ、図柄ずがらを改あらためると同時どうじに最新さいしんの偽造ぎぞう防止ぼうし技術ぎじゅつを導入どうにゅうすることで偽造ぎぞう防止ぼうし力りょくを確保かくほしている。

• 1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）11月20日にち：C一いち万まん円えん券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 1958年ねん（昭和しょうわ33年ねん）12月1日にち：C一いち万まん円えん券けん発行はっこう開始かいし。図柄ずがらは聖徳太子しょうとくたいしと鳳凰ほうおう。
• 1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）6月25日にち：D一いち万まん円えん券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）11月1日にち：D一いち万まん円えん券けん発行はっこう開始かいし。図柄ずがらは福澤ふくさわ諭吉ゆきちと雉。大蔵省おおくらしょう銘めいで記き番号ばんごうは黒色こくしょく。
• 1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）1月がつ4日にち：C一いち万まん円えん券けんの日本銀行にっぽんぎんこうからの支払しはらい停止ていし。
• 1993年ねん（平成へいせい5年ねん）6月24日にち：偽造ぎぞう防止ぼうし力りょくを向上こうじょうしたD一いち万まん円えん券けんの一部いちぶ改造かいぞう券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 1993年ねん（平成へいせい5年ねん）12月1日にち：偽造ぎぞう防止ぼうし力りょくを向上こうじょうしたD一いち万まん円えん券けんの一部いちぶ改造かいぞう券けん発行はっこう開始かいし（ミニ改あらため刷すり）。記き番号ばんごうを褐色かっしょくに変更へんこう。
• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）3月30日にち：銘板めいばん表記ひょうきを変更へんこうしたD一いち万まん円えん券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 2001年ねん（平成へいせい13年ねん）5月14日にち：銘板めいばん表記ひょうきを変更へんこうしたD一いち万まん円えん券けん発行はっこう開始かいし。財務省ざいむしょう銘めいに変更へんこう。
• 2003年ねん（平成へいせい15年ねん）6月13日にち：銘板めいばん表記ひょうきを再さい変更へんこうしたD一いち万まん円えん券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 2003年ねん（平成へいせい15年ねん）7月がつ1日にち：銘板めいばん表記ひょうきを再さい変更へんこうしたD一いち万まん円えん券けん発行はっこう開始かいし。国立こくりつ銘めいに変更へんこう。
• 2004年ねん（平成へいせい16年ねん）8月がつ13日にち：E一いち万まん円えん券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 2004年ねん（平成へいせい16年ねん）11月1日にち：E一いち万まん円えん券けん発行はっこう開始かいし。図柄ずがらは福澤ふくさわ諭吉ゆきちと平等院びょうどういん鳳凰堂ほうおうどう鳳凰ほうおう像ぞう。記き番号ばんごうは黒色こくしょく。表面ひょうめんはD号ごう券けんと同おなじ題材だいざいだがデザインは異ことなる。
• 2007年ねん（平成へいせい19年ねん）4月がつ2日にち：D一いち万まん円えん券けんの日本銀行にっぽんぎんこうからの支払しはらい停止ていし。
• 2011年ねん（平成へいせい23年ねん）4月がつ26日にち：記き番号ばんごうの印刷いんさつ色しょくを変更へんこうしたE一いち万まん円えん券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 2011年ねん（平成へいせい23年ねん）7月がつ19日にち：記き番号ばんごうの印刷いんさつ色しょくを変更へんこうしたE一いち万まん円えん券けん発行はっこう開始かいし。記き番号ばんごうを褐色かっしょくに変更へんこう。
• 2023年ねん（令れい和わ5年ねん）12月15日にち：F一いち万まん円えん券けんの様式ようしきを制定せいてい。
• 2024年ねん（令れい和わ6年ねん）7月がつ3日にち：F一いち万まん円えん券けん発行はっこう開始かいし。図柄ずがらは渋沢しぶさわ栄一えいいちと東京とうきょう駅えき丸まるの内うち駅えき舎しゃ。

参考さんこう文献ぶんけん

• 北きた康かん利とし『福沢ふくさわ諭吉ゆきち 国こくを支ささえて国くにを頼たよらず』講談社こうだんしゃ、2007年ねん3月がつ29日にち。ISBN 978-4-06-213884-0。https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000183681。 
  • 北きた康かん利とし『福沢ふくさわ諭吉ゆきち 国こくを支ささえて国くにを頼たよらず』 （上うえ）、講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ〉、2010年ねん2月がつ13日にち。ISBN 978-4-06-276571-8。https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205282。 
  • 北きた康かん利とし『福沢ふくさわ諭吉ゆきち 国こくを支ささえて国くにを頼たよらず』 （下した）、講談社こうだんしゃ〈講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ〉、2010年ねん2月がつ13日にち。ISBN 978-4-06-276572-5。https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000205283。 
• 植村うえむら峻たかし『紙幣しへい肖像しょうぞうの近きん現代げんだい史し』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2015年ねん6月がつ。ISBN 978-4-64-203845-4。 
• 植村うえむら峻たかし『日本にっぽん紙幣しへいの肖像しょうぞうやデザインの謎なぞ』日本にっぽん貨幣かへい商しょう協同きょうどう組合くみあい、2019年ねん1月がつ。ISBN 978-4-93-081024-3。 
• 利光としみつ三津夫みつお、 植村うえむら峻たかし、田宮たみや健三けんぞう『カラー版ばん 日本にっぽん通貨つうか図鑑ずかん』日本にっぽん専門せんもん図書としょ出版しゅっぱん、2004年ねん6月がつ。ISBN 978-4-93-150707-4。 
• 大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく『日本にっぽんのお金かね 近代きんだい通貨つうかハンドブック』大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく、1994年ねん6月がつ。ISBN 978-4-17-312160-1。 
• 大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく『日本銀行にっぽんぎんこう券けん製造せいぞう100年ねん・歴史れきしと技術ぎじゅつ』大蔵省おおくらしょう印刷いんさつ局きょく、1984年ねん11月。 
• 日本銀行にっぽんぎんこう調査ちょうさ局きょく『図録ずろく日本にっぽんの貨幣かへい 9 管理かんり通貨つうか制度せいど下かの通貨つうか』東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ、1975年ねん。 
• 大内おおうち聡さとし (2004年ねん8月がつ). “新しん日本にっぽん銀行ぎんこう券けんの発行はっこう（改あらため刷すり）について”. 広報こうほう誌し ファイナンス. 財務省ざいむしょう. 2021年ねん9月がつ26日にち閲覧えつらん。
• 向山むかいやま勇いさむ (2019年ねん6月がつ). “新あたらしい紙幣しへい・硬貨こうか発行はっこうの意義いぎと最新さいしん技術ぎじゅつ”. 広報こうほう誌し ファイナンス. 財務省ざいむしょう. 2020年ねん8月がつ14日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2021年ねん9月がつ28日にち閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

• 一いち万まん円えん硬貨こうか（記念きねん貨幣かへいのみ）

外部がいぶリンク

• 現在げんざい発行はっこうされている銀行ぎんこう券けん・貨幣かへい  : 日本銀行にっぽんぎんこう Bank of Japan
• 現在げんざい発行はっこうされていないが有効ゆうこうな銀行ぎんこう券けん - 一いち万まん円えん券けん  : 日本銀行にっぽんぎんこう Bank of Japan
• 新あたらしい一いち万まん円えん札さつについて - 新あたらしい日本にっぽん銀行ぎんこう券けん特設とくせつサイト - 国立こくりつ印刷いんさつ局きょく