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JR

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JRグループ
JR-GROUP
創立そうりつ 1987ねん
国籍こくせき 日本の旗 日本にっぽん
中核ちゅうかく企業きぎょう
主要しゅよう業務ぎょうむ 鉄道てつどう事業じぎょう
しめぎあきら JRマーク
前身ぜんしん 日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ
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JR(ジェイアール、Japan Railways)は、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ)の分割ぶんかつ民営みんえいにより1987ねん発足ほっそくした鉄道てつどう事業じぎょうしゃ統一とういつてき総称そうしょう。6つの旅客りょかく鉄道てつどう会社かいしゃと1つの貨物かもつ鉄道てつどう会社かいしゃなどから構成こうせいされる。全体ぜんたいとしてJRグループJR-GROUP)ともばれる。

国鉄こくてつえい文字もじ略称りゃくしょうが「JNR (Japanese National Railways)」であったことから、「国有こくゆう」をあらわすNをのぞいて「JR」とした、と説明せつめいされることもあるが、実際じっさいには「NR」(Nは日本にっぽん=Nihon、Nipponの頭文字かしらもじ)などのあん検討けんとうされていた[1][注釈ちゅうしゃく 1]

JRグループ[編集へんしゅう]

JRグループには、6つの旅客りょかく鉄道てつどう会社かいしゃと1つの貨物かもつ鉄道てつどう会社かいしゃ鉄道てつどう研究けんきゅう機関きかん公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん)やコンピュータシステム担当たんとうする会社かいしゃがあり、旅客りょかく鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃおよ日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃかんする法律ほうりつ(JR会社かいしゃほう)を設立せつりつ根拠こんきょとする会社かいしゃと、対象たいしょうがい会社かいしゃ混在こんざいしている。そのうち旅客りょかく鉄道てつどう事業じぎょう担当たんとうする会社かいしゃは、それぞれJRバスJRホテルグループぞくする会社かいしゃのほか、えきビル飲食いんしょくてんなどを運営うんえいする各種かくしゅ子会社こがいしゃ関連かんれん会社かいしゃ傘下さんかおさめている[注釈ちゅうしゃく 2]。また、貨物かもつ鉄道てつどう事業じぎょう担当たんとうするJR貨物かもつかんしても、臨海りんかい鉄道てつどう会社かいしゃ物流ぶつりゅう会社かいしゃなどを傘下さんかおさめている。

JRグループ
事業じぎょう領域りょういき 法人ほうじんめい 種別しゅべつ 通称つうしょう コーポレートカラー 本社ほんしゃ おも事業じぎょう区域くいき
旅客りょかく鉄道てつどう 北海道旅客鉄道ほっかいどうりょかくてつどう 株式会社かぶしきがいしゃ JR北海道ほっかいどう 萌黄もえぎ 北海道ほっかいどう札幌さっぽろ 北海道ほっかいどう、および青森あおもりけん津軽つがる地方ちほう一部いちぶ[注釈ちゅうしゃく 3]
東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう JR東日本ひがしにっぽん みどり 東京とうきょう渋谷しぶや 東北とうほく関東かんとう甲信越こうしんえつ、および静岡しずおかけん東部とうぶ一部いちぶ
東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう JR東海とうかい だいだい 愛知あいちけん名古屋なごや
東京とうきょうみなと
東京とうきょうから京都きょうと経由けいゆ大阪おおさかまでをむす東海道新幹線とうかいどうしんかんせんリニア中央ちゅうおう新幹線しんかんせん、および東海とうかい[注釈ちゅうしゃく 4]長野ながのけん南部なんぶ山梨やまなしけん南部なんぶ神奈川かながわけん西部せいぶ
西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう JR西日本にしにほん あお 大阪おおさか大阪おおさか 北信越ほくしんえつ[注釈ちゅうしゃく 5]三重みえけん伊賀いが地区ちく関西かんさい中国ちゅうごく福岡ふくおかけん[注釈ちゅうしゃく 6]
四国旅客鉄道しこくりょかくてつどう JR四国しこく 水色みずいろ 香川かがわけん高松たかまつ 四国しこく
九州旅客鉄道きゅうしゅうりょかくてつどう JR九州きゅうしゅう あか 福岡ふくおかけん福岡ふくおか 九州きゅうしゅう
貨物かもつ鉄道てつどう 日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどう JR貨物かもつ コンテナブルー[注釈ちゅうしゃく 7] 東京とうきょう渋谷しぶや 日本にっぽん全域ぜんいき
情報処理じょうほうしょり 鉄道てつどう情報じょうほうシステム JRシステム エンジ 東京とうきょう渋谷しぶや
研究けんきゅう機関きかん 鉄道てつどう総合そうごう技術ぎじゅつ研究所けんきゅうじょ 公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん 鉄道てつどう総研そうけん
JR総研そうけん
薄紫うすむらさき 東京とうきょう国分寺こくぶんじ
かつてJRグループだった企業きぎょう
事業じぎょう領域りょういき 法人ほうじんめい 種別しゅべつ 通称つうしょう コーポレートカラー 本社ほんしゃ おも事業じぎょう区域くいき 備考びこう
鉄道てつどう電話でんわ 鉄道てつどう通信つうしん
日本にほんテレコム
株式会社かぶしきがいしゃ JR通信つうしん グレー[注釈ちゅうしゃく 8] 東京とうきょうみなと 日本にっぽん全域ぜんいき 2001ねん、JRグループとの資本しほん関係かんけい解消かいしょう
2015ねんソフトバンクモバイル(げん:ソフトバンク、もと日本にほんテレコム子会社こがいしゃのジェイフォン)吸収きゅうしゅう合併がっぺいされた、ソフトバンクテレコム前身ぜんしん(→ソフトバンクテレコム#歴史れきし)。

かく事業じぎょうしゃ法人ほうじん総称そうしょうとしてはJRグループともばれるが、このグループはおおむ以下いかの3しゅ分類ぶんるいされる独自どくじ資本しほん体制たいせい依拠いきょした法人ほうじん総称そうしょうで(次項じこう#民営みんえいから現在げんざいまでの状況じょうきょう」も参照さんしょう)、なおかつ資本しほん体制たいせいかかわらず経営けいえいはそれぞれ独立どくりつしており、グループを代表だいひょうして各社かくしゃ統括とうかつする持株もちかぶ会社かいしゃおよび統括とうかつ会社かいしゃ存在そんざいしない[注釈ちゅうしゃく 9]が、上場じょうじょう完全かんぜん民営みんえいまでは鉄道てつどう建設けんせつ運輸うんゆ施設しせつ整備せいび支援しえん機構きこう(JRTT、分割ぶんかつ民営みんえい当初とうしょは、日本国有鉄道清算事業団にほんこくゆうてつどうせいさんじぎょうだん)が株式かぶしき保有ほゆうおこなっている。

発足ほっそく当初とうしょ会社かいしゃ相互そうごあいだ株式かぶしき関係かんけい存在そんざいしなかったが、のち純粋じゅんすい民間みんかん会社かいしゃとなった4しゃあいだでは株式かぶしきいがおこなわれている。保有ほゆう割合わりあいはおおむね1%未満みまんだが、JR九州きゅうしゅうたいしてのほか3しゃからの出資しゅっしは2020ねん以降いこう1%をえている[2][3]

このような分散ぶんさんてきなグループ体制たいせい起因きいんして、営業えいぎょう施策しさく経営けいえい戦略せんりゃくとうにおいて各社かくしゃ独自どくじせいきわめてつよいのが特徴とくちょうであるが、一方いっぽうきゅう国鉄こくてつからいだ鉄道てつどうネットワークの一体いったいせいにも利用りようきゃくへの利便りべんせいという観点かんてんからある程度ていど配慮はいりょされている。2しゃ以上いじょうのJR営業えいぎょうエリアにまたがる列車れっしゃ相互そうごれ、運賃うんちん乗車じょうしゃけん制度せいど事実じじつじょう共通きょうつう観光かんこう振興しんこう国鉄こくてつ時代じだいからつづデスティネーションキャンペーン)、震災しんさいのようなだい規模きぼ災害さいがい復旧ふっきゅう要員よういん派遣はけん[4]といった様々さまざま分野ぶんやで、広域こういきてき連携れんけい協調きょうちょう協力きょうりょく体制たいせい構築こうちくしている。

JRのえきなどに掲示けいじされるデスティネーションキャンペーン青春せいしゅん18きっぷのポスター、そして交通こうつう新聞しんぶんしゃ発行はっこうの『JR時刻じこくひょう』には、「JR-GROUP」のロゴが使用しようされている[注釈ちゅうしゃく 10]。ただし、この場合ばあいのJRグループは旅客りょかく鉄道てつどう各社かくしゃ意味いみし、貨物かもつ総研そうけん・システムはふくまれない[よう出典しゅってん]。ただし、2017ねん12月に実施じっしされた国鉄こくてつ民営みんえい30周年しゅうねん記念きねんツアーの企画きかくには、寝台しんだい特急とっきゅう「カシオペア」牽引けんいんする機関きかんしゃ提供ていきょうするかたちでJR貨物かもつ参加さんかしている[5][6]

JR東日本ひがしにっぽん東海とうかい西日本にしにほん九州きゅうしゅうが、鉄道てつどうノウハウ(とりわけ高速こうそく鉄道てつどう)の国際こくさい進出しんしゅつ目的もくてき一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん国際こくさい高速こうそく鉄道てつどう協会きょうかい(IHRA)を2014ねん平成へいせい26ねん)4がつ1にち東京とうきょうみなと設立せつりつした。こちらは出資しゅっししたJR大手おおて4しゃほか、JR総研そうけん、さらにJR方式ほうしき高速こうそく鉄道てつどう採用さいようした台湾たいわん高速こうそく鉄路てつろ公司こうしなども会員かいいんとしている(のちにJR北海道ほっかいどう加盟かめいし、四国しこくのぞくすべての旅客りょかく会社かいしゃ参加さんかしている)。

JRけい社員しゃいん健康けんこう保険ほけん組合くみあいは、おおむね「JRグループ健康けんこう保険ほけん組合くみあい」の加入かにゅうとなる。

JRグループ各社かくしゃ傘下さんか吹奏楽すいそうがくだん加盟かめいする「JRグループ音楽おんがく連盟れんめい」は、JR北海道ほっかいどう音楽おんがくクラブ(休部きゅうぶちゅう)、JR東日本ひがしにっぽん吹奏楽すいそうがく連盟れんめい(JR東日本ひがしにっぽん東北とうほく吹奏楽すいそうがくだん・JR東日本ひがしにっぽん東京とうきょう吹奏楽すいそうがくだん)、JR東海とうかい音楽おんがくクラブ、JR西日本にしにほんバンド連盟れんめい、JR四国しこく吹奏楽すいそうがく、JR九州きゅうしゅう吹奏楽すいそうがくだん会員かいいん。2016ねん11月から定期ていき演奏えんそうかい開始かいしした。かく楽団がくだん国鉄こくてつ時代じだいからのかく管理かんりきょくごとの吹奏楽すいそうがくだん前身ぜんしん

民営みんえいから現在げんざいまでの状況じょうきょう[編集へんしゅう]

JRの位置(日本内)
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JRグループ旅客りょかく各社かくしゃ 本社ほんしゃ支社ししゃ

 うすきみどり:北海道ほっかいどう  緑色みどりいろ:東日本ひがしにっぽん  橙色だいだいいろ:東海とうかい
 青色あおいろ;西日本にしにほん  水色みずいろ;四国しこく  赤色あかいろ:九州きゅうしゅう

JR貨物かもつJR総研そうけんJRシステム割愛かつあい

JRグループ各社かくしゃは、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう改革かいかくほう昭和しょうわ61ねん法律ほうりつだい88ごう)(だい6じょうだい2こう旅客りょかく会社かいしゃ)、だい8じょうだい2こう貨物かもつ会社かいしゃ))の規定きていにより、1987ねん4がつ1にち発足ほっそくした。運営うんえいとうについては、旅客りょかく鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃおよ日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃかんする法律ほうりつ(JR会社かいしゃほう)にさだめられた。「JR」という呼称こしょうは、同年どうねん2がつ20日はつかめられたものである。

JR発足ほっそく当初とうしょは、国鉄こくてつから移行いこうした日本国有鉄道清算事業団にほんこくゆうてつどうせいさんじぎょうだんぜん株式かぶしき保有ほゆうする特殊とくしゅ会社かいしゃであった。なお、どう事業じぎょうだん解散かいさんともな1998ねん10月22にち以降いこう日本鉄道建設公団にほんてつどうけんせつこうだん(JRCC)国鉄こくてつ清算せいさん事業じぎょう本部ほんぶ2003ねん10月1にち以降いこう独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん鉄道てつどう建設けんせつ運輸うんゆ施設しせつ整備せいび支援しえん機構きこう(JRTT)が株式かぶしき継承けいしょうした。

2001ねん6月27にちにJR会社かいしゃほう改正かいせいされ、本州ほんしゅう旅客りょかく3しゃ(JR東日本ひがしにっぽん、JR東海とうかい、JR西日本にしにほん)がどうほう対象たいしょうからはずされ、純粋じゅんすい民間みんかん会社かいしゃ特殊とくしゅ会社かいしゃ実現じつげんした。それにともない、一部いちぶ経営けいえいかんする部分ぶぶん認可にんかせいから解放かいほうされ、いわゆる「普通ふつう会社かいしゃ」になったが、その一方いっぽうで、国鉄こくてつ改革かいかく趣旨しゅしのっとった事業じぎょう運営うんえいおこなわれるよう「本州ほんしゅう3しゃ配慮はいりょすべき指針ししん」の公表こうひょう事業じぎょう経営けいえいへの指導しどうおよ助言じょげん勧告かんこくおよ命令めいれい国土こくど交通こうつう大臣だいじんおこなうことができるむねが、改正かいせい附則ふそく明記めいきされた。

その本州ほんしゅう3しゃ株式かぶしきについては順次じゅんじ民間みんかんへの売却ばいきゃくおこなわれ、2002ねん6がつにはJR東日本ひがしにっぽん2004ねん3がつにはJR西日本にしにほん2006ねん4がつにはJR東海とうかいぜん株式かぶしき売却ばいきゃく完了かんりょうし、上場じょうじょうしている本州ほんしゅう3しゃ名実めいじつともに「完全かんぜん民営みんえい」が実現じつげんした。

一方いっぽう、いわゆる三島みしま(さんとう)会社かいしゃばれる本州ほんしゅう以外いがい旅客りょかく3しゃ(JR北海道ほっかいどう、JR四国しこく、JR九州きゅうしゅう)およびJR貨物かもつ独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん鉄道てつどう建設けんせつ運輸うんゆ施設しせつ整備せいび支援しえん機構きこう(JRTT)がぜん株式かぶしき保有ほゆうする特殊とくしゅ会社かいしゃであり、また、もともと採算さいさんきびしい路線ろせんおおく、経営けいえい努力どりょくだけでは限界げんかいがあることが当初とうしょより想定そうていされていたため、固定こてい資産しさんぜい減免げんめんおよび三島みしま会社かいしゃかんしては経営けいえい安定あんてい基金ききん運用うんようおもにJRTTへの高金利こうきんりによる貸付かしつけであり、実質じっしつてき補助ほじょきん)により損失そんしつ補填ほてんしているが、バブル崩壊ほうかい以後いごてい金利きんり状態じょうたい基金ききん運用うんようつづいているとう経営けいえい環境かんきょうきびしい状況じょうきょうにあった。

2015ねん6がつ10日とおかにJR会社かいしゃほう改正かいせいされ、2016ねん4がつ1にちよりJR九州きゅうしゅうどうほう適用てきようから除外じょがいされた。これにより同社どうしゃ法令ほうれいじょう特殊とくしゅ会社かいしゃから民間みんかん会社かいしゃ移行いこうした。同社どうしゃ株式かぶしきは2016ねん10がつ25にち東京とうきょう証券しょうけん取引とりひきしょ上場じょうじょう[7]、JRTTが保有ほゆうしていた同社どうしゃ株式かぶしきすべ売却ばいきゃくされた。これにより、同社どうしゃ経営けいえいきびしいとられていた三島みしま会社かいしゃからははじめて「完全かんぜん民営みんえい」をたすこととなった[8]。なお、同社どうしゃ経営けいえい安定あんてい基金ききんあつかいについては、借入金かりいれきん返済へんさい新幹線しんかんせん設備せつび使用しようりょう一括いっかつ前払まえばらいなどにてられ、国庫こっこ返納へんのうせずにすべくずされた[9]固定こてい資産しさんぜい軽減けいげん措置そち改正かいせいJR会社かいしゃほう施行しこうから3ねんの2019年度ねんど廃止はいしされた。

なお、2016ねん時点じてんでその3しゃ北海道ほっかいどう四国しこく貨物かもつ)については依然いぜんとしてきびしい経営けいえいじょうきょうつづいており、上場じょうじょう民間みんかんへの株式かぶしき売却ばいきゃく目途もくとっていない。

社名しゃめい表記ひょうきについて[編集へんしゅう]

てつ」のについて、ロゴ文字もじかぎり「鉃」(金偏かねへん)という採用さいようした[10][注釈ちゅうしゃく 11]。JR四国しこくのぞき、JRグループでは各社かくしゃとも社名しゃめいロゴに「鉃」(金偏かねへん本来ほんらいは「鏃(やじり)」の)を使用しようしている[注釈ちゅうしゃく 12]。これは「かねうしなう」につながる「てつ」のけるためのゲンかつぎであり、背景はいけいにはJRは国鉄こくてつ赤字あかじ原因げんいん発足ほっそくしたという経緯けいいがある[11]。かつては、近畿日本鉄道きんきにほんてつどうひとしにも同様どうようれいがあった。

JRグループにおける各社かくしゃ略称りゃくしょうは、分割ぶんかつ民営みんえいまえ国鉄こくてつ時代じだい原案げんあんつくられており、それらをもとに決定けっていされ、1987ねん2がつ20日はつか発表はっぴょうされた。1987ねん4がつ1にちしん体制たいせい発足ほっそくさいし、呼称こしょうとしての「JRグループ」・「JR○○」を前面ぜんめんした結果けっか、「JR」の定着ていちゃくはスムーズにすすんだ[注釈ちゅうしゃく 13]

コーポレートカラー[編集へんしゅう]

JRグループにおける各社かくしゃコーポレートカラーは、分割ぶんかつ民営みんえいまえ国鉄こくてつ時代じだい原案げんあんつくられており、それらをもと決定けっていされ、1987ねん昭和しょうわ62ねん)2がつ20日はつか発表はっぴょうされた。

ロゴ(JRマーク)[編集へんしゅう]

JRマークなどのロゴデザインは、1964ねん東京とうきょうオリンピックポスタートヨタロゴ、アサヒビールロゴとう考案こうあんした日本にっぽんデザインセンター製作せいさくした[12]

JRマークは、鉄道てつどう車両しゃりょう両方向りょうほうこう進行しんこうすることが可能かのうであるため、どちらにうごいても違和感いわかんのないようにつくられている。高速こうそく走行そうこう視認しにんせい考慮こうりょされ、ふとくてよこひろがるシンプルないちぴつき(レールはつながっている)の形状けいじょうには、スピードかんめられている。また、しん会社かいしゃ安定あんていかんつくすために「R」のななめのささえをくわえることで、大地だいちるイメージが付与ふよされている[12]

JRマークはわずかな例外れいがいのぞき、各社かくしゃ鉄道てつどう車両しゃりょう掲出けいしゅつされている。電車でんしゃ気動車きどうしゃについては制御せいぎょしゃ側面そくめん・まれに前面ぜんめん部分ぶぶん機関きかんしゃ側面そくめん客車きゃくしゃでは緩急かんきゅうしゃ側面そくめんなどにこのマークがある。民営みんえい当初とうしょ各社かくしゃ車体しゃたい色合いろあいにわせて、白色はくしょく黒色こくしょくまたは灰色はいいろといった彩色さいしきのJRマークを掲出けいしゅつしていたが、JR九州きゅうしゅうだけは一貫いっかんしてコーポレートカラーである赤色あかいろのJRマークを掲出けいしゅつしており、ED76EF81など、車体しゃたい赤色あかいろである交流こうりゅうもちいおよび交流こうりゅう直流ちょくりゅう両用りょうよう電気でんき機関きかんしゃについては、赤地あかじしろ縁取へりとりをくわえたJRマークを使用しようした。また、JR東海とうかいでも1988ねん以降いこうクロ381かたち10番台ばんだい落成らくせい皮切かわきりに特急とっきゅうがた車両しゃりょう中心ちゅうしんにコーポレートカラーであるオレンジしょくのJRマークを掲出けいしゅつするようになった。その現在げんざいいたるまでに様々さまざまいろのJRマークが車両しゃりょう掲出けいしゅつされている。

なお、JRマークは「ジェイアアル」という呼称こしょうで1999ねん12月3にち商標しょうひょう登録とうろく完了かんりょうしている[14]各社かくしゃごとにロゴが商標しょうひょう登録とうろくされており、かくJR旅客りょかく各社かくしゃのロゴは、ぜん旅客りょかく各社かくしゃ共同きょうどう権利けんり申請しんせいし、所有しょゆうしている模様もよう

また、JR貨物かもつでは、JRマークのしたに「FREIGHT」の文字もじくわえたロゴや、1990年代ねんだい後半こうはん以降いこう独自どくじの「JRF」マークを制定せいていしている[注釈ちゅうしゃく 14]所有しょゆうするコンテナ機関きかんしゃ使用しようしており、こちらも商標しょうひょう登録とうろくされている。

このほか1998ねんまで存在そんざいした日本国有鉄道清算事業団にほんこくゆうてつどうせいさんじぎょうだん(JNRSC)では、1988ねん2がつ4にち事業じぎょうだん識別しきべつようマークを制定せいていしており[15]、JRマークをもと改変かいへんした「JNR」のマークがデザインにふくまれていた。

製作せいさく経緯けいい[編集へんしゅう]

1986ねん11月28にち参議院さんぎいんほん会議かいぎ国鉄こくてつ改革かいかく関連かんれん8ほう可決かけつ成立せいりつしたことにともない、しん会社かいしゃのマークと社名しゃめいロゴにコーポレートカラーなど、しん会社かいしゃ必要ひつようとするデザイン課題かだい国鉄こくてつプロジェクトチームと電通でんつうとのあいだはなわれていた。その製作せいさく相応ふさわしいクリエイターということで、日本にっぽんデザインセンターにデザイン製作せいさく依頼いらいみ、チーフディレクターのかじ祐輔ゆうすけ中心ちゅうしんとしたプロジェクトチームがげられた[12]

マークのデザインあんは「JRグループ(Japan Railway Company)」または「NRグループ(Nippon Railway Company)」で、それ以外いがいにもはばひろいデザインあんもとめられた。かくデザイナーによってこされたデザインは100あん以上いじょうえ、「JR」「NR」をったもの、レールの頭文字かしらもじ「R」をデザインしたもの、6つの旅客りょかく会社かいしゃのレールをデザインしたもの、レールをとりがはばたくイメージで表現ひょうげんしたものなど多様たようなアプローチが提案ていあんされたが、1987ねん1がつ14にちには3あんしぼられた。国鉄こくてつ総裁そうさい杉浦すぎうらたかしはその3あん自宅じたくかえって3日間にちかんかんがいたすえしん会社かいしゃグループのJRをもっともシンプルにデザインしたものに決定けっていし、最終さいしゅうてきには永井ながい一正かずまさ監修かんしゅうけて完成かんせいした。デザインが決定けっていしてから民営みんえいまでは2かげつはんしかなく、7しゃ社名しゃめいロゴおよび各社かくしゃカラー・アプリケーションの開発かいはつ・マニュアル制作せいさく記者きしゃ発表はっぴょうようキット・各社かくしゃ切符きっぷなど膨大ぼうだい制作せいさくぶつをこの期間きかん仕上しあげることがもとめられた[12]

国鉄こくてつでは、民営みんえい初日しょにちの4がつ1にち特急とっきゅう一部いちぶ山手やまてせんだけにでもJRマークをけた車輌しゃりょうはしらせたいとかんがえていた。日本にっぽんデザインセンターは、民営みんえい初日しょにちから全国ぜんこく列車れっしゃ機関きかんしゃ運転うんてんだいきの車両しゃりょうにマーク展開てんかいすることを提案ていあん全国ぜんこくやく1まん輛におよ多彩たさい型式けいしき車両しゃりょうごとにデザインをこし、3月31にち最終さいしゅう列車れっしゃからよく4がつ1にち始発しはつまでのあいだ職員しょくいんでJRマークを貼付ちょうふするという計画けいかくだった。そのためにだれにでも短時間たんじかん作業さぎょうできるよう工夫くふうした「JRマーク車両しゃりょう貼付ちょうふ指示しじしょ」が制作せいさくされた。この指示しじしょは110ページにおよぶものだったが、時間じかん切迫せっぱくしていたため、図面ずめん指示しじ山本やまもと洋司ようじによる手書てがきだった[12]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ 一方いっぽうで、JR東日本ひがしにっぽん傘下さんかにあった日本にっぽんレストランエンタプライズげんJR東日本ひがしにっぽんクロスステーション)の略称りゃくしょうは「NRE(Nippon Restaurant Enterprise)」となっていた。
  2. ^ いちれいげると、羽田空港はねだくうこう輸送ゆそうにな東京とうきょうモノレールもJR東日本ひがしにっぽんグループの一員いちいんである。
  3. ^ 1987ねん4がつ1にちから1988ねん3がつ13にちまでは青函せいかん連絡れんらくせん青森あおもり桟橋さんばし、1988ねん3がつ13にちからは海峡線かいきょうせんちゅう小国おぐにえき - りゅう定点ていてんあいだ、2016ねん3がつ26にちからは北海道ほっかいどう新幹線しんかんせんしん青森あおもりえき - 新中小国しんなかおぐに信号しんごうじょうあいだ新中小国しんなかおぐに信号しんごうじょう以北いほく海峡かいきょうせん共用きょうよう)が該当がいとう
  4. ^ 岐阜ぎふけん愛知あいちけん三重みえけん伊賀いが地区ちくのぞく)・静岡しずおかけん東部とうぶ一部いちぶのぞく)が該当がいとう
  5. ^ 北陸ほくりく富山とやまけん石川いしかわけん福井ふくいけん新潟にいがたけん西部せいぶ)と長野ながのけん北西ほくせい該当がいとう
  6. ^ 山陽新幹線さんようしんかんせん小倉こくらえき博多はかたえきおよび博多南線はかたみなみせん博多南はかたみなみえき該当がいとう
  7. ^ 国鉄こくてつ時代じだい名称めいしょうからあお22ごうともいう。
  8. ^ 当初とうしょ灰色はいいろの「JR」ロゴを使用しようしていた。日本にほんテレコム→ソフトバンクの商標しょうひょう登録とうろくだい3126644ごうだったが、2016ねん3がつ29にち権利けんり消滅しょうめつした。
  9. ^ 日本にっぽん持株もちかぶ会社かいしゃ設立せつりつ可能かのうとなったのはJR発足ほっそくから10ねんの1997ねんである。類似るいじ事例じれいとして、2005ねん日本道路公団にほんどうろこうだん(JH)より民営みんえいされて発足ほっそくした高速こうそく道路どうろ会社かいしゃ主要しゅよう3しゃふくNEXCO各社かくしゃあいだでもおなじくグループ全体ぜんたい統括とうかつする会社かいしゃ存在そんざいしていない。一方いっぽうNTTグループは1999ねんさい編成へんせい持株もちかぶ会社かいしゃ形式けいしき採用さいようした。
  10. ^ コーポレートカラーは黒色こくしょく
  11. ^ 会社かいしゃ登記とうきじょう文字もじは、いずれも「てつ」である。
  12. ^ 発足ほっそく当初とうしょはJR四国しこくのJR各社かくしゃ同様どうよう金偏かねへんの「鉃」を使用しようしていた。
  13. ^ なお、発足ほっそく当初とうしょは「○○せん」「○○鉄道てつどう」「○○会社かいしゃせん」の呼称こしょう存在そんざいした。
  14. ^ ただしJR FREIGHTのロゴやJRFマークは近年きんねん撤去てっきょすすんでいる。

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ 時刻じこくひょう」はこうしてつくられるP.125 交通こうつう新聞しんぶんしゃ新書しんしょ ISBN 978-4-330-37713-1、2013ねん
  2. ^ “JRひがし東海とうかい、トヨタかぶ 125おくえんぶん取得しゅとく 交通こうつう問題もんだい協業きょうぎょう視野しや. 日刊にっかん工業こうぎょう新聞しんぶん. (2016ねん6がつ28にち). https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00433637 
  3. ^ “JR上場じょうじょうしゃ株式かぶしき拡大かくだい 九州きゅうしゅうへの出資しゅっし、3しゃ1%ちょう. 日刊にっかん工業こうぎょう新聞しんぶん. (2020ねん6がつ25にち). https://www.nikkan.co.jp/articles/view/00562300 
  4. ^ インフラ復旧ふっきゅう 危機きき対応たいおう物語ものがたり(5)東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう〔JR東日本ひがしにっぽん過去かこ震災しんさいかした鉄道てつどういん一体いったいかんWEDGE REPORT(2011ねん5がつ20日はつか
  5. ^ JR発足ほっそく30周年しゅうねん記念きねん「JR7しゃ共同きょうどう企画きかく スペシャルツアー」の発売はつばいについてJR貨物かもつプレスリリース(2017ねん10がつ17にち
  6. ^ “JRグループ、JR発足ほっそく30周年しゅうねん記念きねん「JR7しゃ共同きょうどう企画きかく スペシャルツアー」を発売はつばい. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん. (2017-10-17にち). オリジナルの2019ねん3がつ11にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190311104819/https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP460509_X11C17A0000000/ 2019ねん3がつ11にち閲覧えつらん 
  7. ^ 九州旅客鉄道きゅうしゅうりょかくてつどう株式会社かぶしきがいしゃ株式かぶしき売出うりだしの実施じっしについて』(PDF)(プレスリリース)鉄道てつどう運輸うんゆ機構きこう、2016ねん9がつ15にちhttp://www.jrtt.go.jp/08-2Press/pdf/H28/pressh280915.pdf2016ねん9がつ15にち閲覧えつらん 
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  11. ^ 参考さんこうリンク
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  15. ^ 国鉄こくてつ清算せいさん事業じぎょうだん 〜11ねんはんのあゆみ〜』日本国有鉄道清算事業団にほんこくゆうてつどうせいさんじぎょうだん、1998ねん10がつ21にち、33ぺーじ 

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]