JRせん

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JRせんれい武蔵野線むさしのせん武蔵むさし浦和うらわえき

JRせん(ジェイアールせん)は、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ)の路線ろせん承継しょうけいした旅客りょかく鉄道てつどう会社かいしゃ北海道旅客鉄道ほっかいどうりょかくてつどう東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう四国旅客鉄道しこくりょかくてつどう九州旅客鉄道きゅうしゅうりょかくてつどう)および日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどうJRグループ)の営業えいぎょうする鉄道てつどう路線ろせん総称そうしょうである。

鉄道てつどう路線ろせんではないが、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう営業えいぎょうするバス高速こうそく輸送ゆそうシステム(BRT)である気仙沼けせんぬません大船渡線おおふなとせんBRTや、九州旅客鉄道きゅうしゅうりょかくてつどう事業じぎょう主体しゅたいとなりJR九州きゅうしゅうバス営業えいぎょうするバス高速こうそく輸送ゆそうシステム(BRT)である日田彦山線ひたひこさんせんBRTも、JRせんふく場合ばあいがある[1][2]

JRせん乗車じょうしゃけんひとしでは「旅客りょかく鉄道てつどう会社かいしゃせん」「東日本ひがしにっぽん会社かいしゃせん」「東海とうかい会社かいしゃせん」など、旅客りょかく鉄道てつどう会社かいしゃおよび通用つうよう区間くかんかか略称りゃくしょう社名しゃめい表示ひょうじして発売はつばいすることがある。広義こうぎでは私鉄してつせんふくまれるが、歴史れきしてき経緯けいいから私鉄してつとは区別くべつされ、日本にっぽん国内こくないでは事実じじつじょう私鉄してつせん」の対義語たいぎごとなっている。

国鉄こくてつ事業じぎょう継承けいしょうした7しゃは、それぞれが別個べっこ会社かいしゃ組織そしきであるが、国鉄こくてつ承継しょうけい事業じぎょうしゃとして全国ぜんこくわた連携れんけいしたサービスが発足ほっそく前提ぜんていであり、旅客りょかくおよび荷主にぬし原則げんそくてき会社かいしゃ区域くいき)ごとに別個べっこ契約けいやく都度つどむすなおすようなことなく、統一とういつされた運送うんそう約款やっかんのもと利用りようできる。

JRと関連かんれんがあるがJRせんでないもの[編集へんしゅう]

国鉄こくてつ・JRの特定とくてい地方ちほう交通こうつうせん並行へいこう在来ざいらいせんひとし転換てんかんしただいさんセクター鉄道てつどうは、国鉄こくてつせん・JRせんとしては廃止はいしされたものであり、接続せつぞくするJRせんから乗入のりい列車れっしゃがあったとしても、当然とうぜんJRせんではない。 おな区間くかんでJR貨物かもつだいしゅ鉄道てつどう事業じぎょうしゃとして営業えいぎょうしていてもJRせんとしてなされない。

東京とうきょうモノレールJRバスのようにJR会社かいしゃ子会社こがいしゃ運営うんえいである場合ばあいや、JR会社かいしゃだい一種いっしゅ鉄道てつどう事業じぎょう路線ろせんだい三種さんしゅ鉄道てつどう事業じぎょう路線ろせんであっても事業じぎょうしゃだいしゅ鉄道てつどう事業じぎょうしゃとして運営うんえいしている場合ばあいは、一般いっぱんにJRせんとは認識にんしきされず、運賃うんちん通算つうさんおこなわれない。だい一種いっしゅ鉄道てつどう事業じぎょうれいとしては東海とうかい交通こうつう事業じぎょう城北線じょうほくせん嵯峨野さがの観光かんこう鉄道てつどう嵯峨野観光線さがのかんこうせんだい三種さんしゅ鉄道てつどう事業じぎょうれいとしてはのと鉄道てつどう七尾線ななおせん和倉温泉わくらおんせんえき以北いほくがある。

また、だい一種いっしゅ鉄道てつどう事業じぎょうしゃのJRせん線路せんろ共有きょうゆうして、鉄道てつどう事業じぎょうしゃだいしゅ鉄道てつどう事業じぎょうしゃとして営業えいぎょうしている場合ばあいもある(のと鉄道てつどうななせん和倉温泉わくらおんせんえき以南いなん嵯峨野さがの観光かんこう鉄道てつどう嵯峨野観光線さがのかんこうせん井原いはら鉄道てつどう井原線いはらせん)。この場合ばあいおな線路せんろ走行そうこうするが、運賃うんちんべつてである。(特例とくれい運賃うんちんがJRと同額どうがくとなる区間くかん存在そんざいする。)

JR飯田線いいだせん名鉄めいてつ名古屋なごや本線ほんせん豊橋とよはしえき-平井ひらい信号しんごうじょうあいだにおいて線路せんろ共有きょうゆうしている。双方そうほう単線たんせん供出きょうしゅつして複線ふくせんとしてあつかうため両社りょうしゃともだい一種いっしゅ鉄道てつどう事業じぎょうしゃとなっており、名鉄めいてつ電車でんしゃでこの区間くかん通過つうかする場合ばあい当然とうぜんながらJRせんとはなされない。途中とちゅうにある船町ふなまちえき下地しもじえき名鉄めいてつえきとしては存在そんざいしないことになっている。

関西国際空港かんさいこくさいくうこうへとかうJR関西かんさい空港線くうこうせん南海なんかい空港線くうこうせんりんくうタウンえきから関西かんさい空港くうこうえきあいだでともにだいしゅ鉄道てつどう事業じぎょうしゃとして線路せんろ共有きょうゆうしている。両社りょうしゃ接続せつぞくてんとなるりんくうタウンえき共同きょうどう使用しようえきであるが、関西かんさい空港くうこうえきでは両社りょうしゃホーム改札かいさつ分離ぶんりされているためこの区間くかん南海なんかい電車でんしゃ場合ばあいはJRせんとはなされない。乗車じょうしゃけんについてもりんくうタウンえきから乗車じょうしゃ関西かんさい空港くうこうえきまで普通ふつう乗車じょうしゃけん利用りようする場合ばあいのみ特定とくてい運賃うんちん適用てきようされ、券売けんばい両社りょうしゃそれぞれ用意よういされているもののおな運賃うんちんでおたがいの列車れっしゃ改札かいさつ利用りようできる特例とくれいがあるが、関西かんさい空港くうこうえきから乗車じょうしゃする場合ばあいやその乗車じょうしゃけん場合ばあいはこの特例とくれい適用てきようされない。

所有しょゆうしゃはJRではないがJRせんあつかいされる路線ろせん[編集へんしゅう]

ぎゃくに、路線ろせん所有しょゆうけんべつ会社かいしゃにあっても、JR旅客りょかく6しゃだいしゅ鉄道てつどう事業じぎょうしゃとして列車れっしゃ運行うんこうしている場合ばあいは、一般いっぱんにJRせん認識にんしきされる。

また、東京とうきょうメトロ千代田ちよだせんきた千住せんじゅえき - 綾瀬あやせえきあいだ東京とうきょうメトロの路線ろせんであるが、どう区間くかん当初とうしょ常磐線じょうばんせんとして建設けんせつされ、日暮里にっぽり上野うえの方面ほうめん直通ちょくつうしていた歴史れきしてき経緯けいいなどの関係かんけい常磐線じょうばんせん各駅かくえき停車ていしゃとしての機能きのうたしており、どう区間くかんのJRせん連続れんぞくして利用りようする場合ばあいなど、一部いちぶ例外れいがいのぞ運賃うんちん計算けいさんじょうJRせんとみなされる場合ばあいがある。西日暮里にしにっぽりもしくは北千住きたせんじゅでJRせんから東京とうきょうメトロ千代田ちよだせんえて綾瀬あやせ以降いこう亀有かめあり金町かなまち松戸まつどなどへ場合ばあいや、そのぎゃくなどの場合ばあいはJRとして計算けいさんされる。

鉄道てつどう事業じぎょうしゃにおける案内あんない呼称こしょう[編集へんしゅう]

私鉄してつ各線かくせんえき車内しゃない放送ほうそうにおける乗換のりかえ案内あんないでは頻繁ひんぱんかれる言葉ことばである。たとえば渋谷しぶやえきでは「東急東横とうきゅうとうよこせん東急とうきゅう田園都市線でんえんとしせん」などと会社かいしゃめい路線ろせんめい両方りょうほうべるいいかたおおく、「東急とうきゅうせん」という一括いっかつ案内あんないもちいられることがすくないのにたいし、JRえきへの案内あんない山手やまてせん埼京線さいきょうせんなどとはわず「JRせんはおえです」という表現ひょうげん一括いっかつすることがおおい。また、JR中央ちゅうおうせん各駅かくえき停車ていしゃ快速かいそく共通きょうつうして中央ちゅうおうせんなどとばれるのにたいし、常磐線じょうばんせん常磐ときわ快速かいそくせん常磐ときわ緩行かんこうせんけてうことがおおいようである。

JRだけがこのような一括いっかつ案内あんないをなされるのは、都心としんの1つのターミナルえきではJR路線ろせんかず突出とっしゅつしておおあつまっているケースがおおいということが理由りゆうの1つとしてげられる。しかし、JRの路線ろせんが1つしかないえきでも「JRせん」のみでまされることもおおい。目黒めぐろえきでは、JRも東急とうきゅう路線ろせんが1つだけであるが、東急とうきゅうがわは「東急とうきゅうせん」ではなく「東急とうきゅう目黒めぐろせん」と案内あんないされるのにたいし、JRがわは「JR山手やまてせん」ではなく「JRせん」と案内あんないされる。たいして、JR同様どうよう都心としんおおくの路線ろせん乗換のりかええきかかえる東京とうきょう地下鉄ちかてつ東京とうきょうメトロ)も、1つ1つにたいし「○○せん」と路線ろせんめい案内あんないされることがおおく、「東京とうきょうメトロせん」という一括いっかつ案内あんないはなされない。

また、新幹線しんかんせんもJRの路線ろせんではあるが、「JRせん」という表現ひょうげんもっぱ在来ざいらいせん意味いみもちいられる。たとえば東京とうきょうメトロ東西線とうざいせん大手町おおてまちえき東京とうきょうメトロ丸ノ内線まるのうちせん東京とうきょうえきなどの構内こうない乗換のりかえ案内あんないでは「新幹線しんかんせん・JRせん」などと表記ひょうきしていて、「新幹線しんかんせん」と「JRせん」ははなし、区別くべつしている。しかし、東京とうきょうメトロから新幹線しんかんせんえは車内しゃない放送ほうそう車内しゃない案内あんない表示ひょうじ装置そうちなどでは案内あんないされない。

かつて大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつげん大阪おおさか高速こうそく電気でんき軌道きどう(Osaka Metro))でのぎアナウンスは、梅田うめだえき大阪おおさかえき)では「国鉄こくてつせん(JRせん)〜」、天王寺てんのうじえきでは「環状かんじょうせん関西かんさいせん阪和線はんわせん〜」、新大阪しんおおさかえきでは「国鉄こくてつ新幹線しんかんせん」とアナウンスされていた。これは明治めいじ官設かんせつ鉄道てつどう時代じだいからの国鉄こくてつせんであった東海道本線とうかいどうほんせん国鉄こくてつ (JR) とあらわし、私鉄してつから買収ばいしゅうされて国鉄こくてつせんになった路線ろせんおおほかせんせんめいあらわれいおお証拠しょうこである。現在げんざいはどのえきでも「JRせん」になっている。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ JR時刻じこくひょう』2020ねん5がつごう交通こうつう新聞しんぶんしゃ、2020ねん4がつ20日はつか
  2. ^ 『JR時刻じこくひょう』2023ねん12がつごう交通こうつう新聞しんぶんしゃ、2023ねん11月20にち

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]