改札かいさつ

改札かいさつ（かいさつ）は、主おもに鉄道てつどうにおいて駅員えきいんや乗務じょうむ員いん等ひとしの係員かかりいんや代行だいこう機械きかい（自動じどう改札かいさつ機き等ひとし）により旅客りょかく（乗客じょうきゃく）の乗車じょうしゃ券けんの効力こうりょくを確認かくにんした上うえで既すんで使用しように改あらためる行為こういである。元来がんらい、乗車じょうしゃ券けん使用しよう開始かいし（乗車じょうしゃ）の際さいに行おこなわれる入鋏にゅうきょう・押印おういんを指さしたが、現在げんざいでは途中とちゅうにおける乗車じょうしゃ券けんの効力こうりょく確認かくにんについても改札かいさつ（車内しゃない改札かいさつ）と呼よばれる。

概説がいせつ

日本にっぽんの多おおくの鉄道てつどうでは、旅客りょかくの運賃うんちんは乗車じょうしゃ券けんを事前じぜんに発売はつばい（出札しゅっさつ）することで収受しゅうじゅし、旅客りょかくは購入こうにゅうした乗車じょうしゃ券けんの有効ゆうこう範囲はんい内ないで乗車じょうしゃできる制度せいどを採とっている。その制度せいどにおいて、発売はつばいされた乗車じょうしゃ券けん（未み使用しよう）を乗車じょうしゃ開始かいしの際さいに検査けんさの上うえ、既すんで使用しよう（使用しよう開始かいし）に改あらためる行為こういである。具体ぐたい的てきには次つぎの通とおり。

係員かかりいんによる
- 入鋏にゅうきょう
  駅えきによって鋏やっとこ痕こんが異ことなる改札かいさつ鋏やっとこで券けんの一部いちぶが切落きりおとされる。
- 押印おういん
  日付ひづけ、駅名えきめいなどのスタンプが押おされる。
機械きかいによる
- 印字いんじ
  時刻じこくなどが印字いんじされる（別途べっと磁気じきにも時刻じこく・乗車じょうしゃ駅えきが記録きろくされる）
- 開ひらき孔あな
  券けんに小ちいさな穴あなが開あけられる（別途べっと磁気じきにも時刻じこく・乗車じょうしゃ駅えきが記録きろくされる）

鉄道てつどう駅えきでは原則げんそく的てきに改札かいさつ済ずみの旅客りょかくしか立たち入いれない区域くいき（改札かいさつ内ない、ラッチ内ない（ラチ内ない）又または（狭義きょうぎの）構内こうない^[1] と呼よぶ）を設もうけて管理かんりしている。航空こうくうにおける搭乗とうじょう手続てつづき、船舶せんぱくにおける乗船じょうせん手続てつづき、映画えいが館かん等ひとしの娯楽ごらく施設しせつのもぎり（半はん券けん回収かいしゅう）に似にている。路線ろせんバスでも高速こうそくバスなど長距離ちょうきょり路線ろせんの多おおくで同様どうようのシステムを採とる事例じれいがある。乗車じょうしゃ券けんは基本きほん的てきに旅行りょこう終了しゅうりょうの駅えき（下車げしゃ駅えき）にて回収かいしゅう（集しゅう札さつ）される。

一方いっぽう、ヨーロッパの殆ほとんどの鉄道てつどう駅えきには改札かいさつ口こうは設もうけられていない^[2]。ヨーロッパの鉄道てつどうでは信用しんよう乗車じょうしゃ方式ほうしきを採用さいようして、車内しゃない改札かいさつを行おこなうのが一般いっぱんである。その分ぶん不正ふせい乗車じょうしゃが発覚はっかくした際さいの罰金ばっきん額がくを高たかく設定せっていして不正ふせい乗車じょうしゃを防ふせいでいる。

なお、バスにおいても検札けんさつが行おこなわれる場合ばあいがあり、シンガポールのバスでは不定期ふていきに検札けんさつが行おこなわれており、有効ゆうこうな乗車じょうしゃ券けんを所持しょじしていない場合ばあい（紛失ふんしつした場合ばあいも含ふくむ）、罰金ばっきんが課かされる。

改札かいさつ口こう

鉄道てつどう駅えきの駅えき構内こうないには、実際じっさいに列車れっしゃを利用りようする旅客りょかくのみ立入たちいることの出来できる場内じょうないと、誰だれもが立入たちいれる場外じょうがいがあるが、その両者りょうしゃが仕切しきられている場所ばしょを改札かいさつ口こう（かいさつぐち）と呼よび、駅えき係員かかりいんが改札かいさつ口こうに立たって改札かいさつを行おこなう。この改札かいさつ口こうは鉄道てつどう用語ようごでラッチまたはラチ（英語えいご：Latchに由来ゆらい）と呼よばれ、柵しがらみや仕切じきり板ばんとともに改札かいさつ係員かかりいんが入はいる専用せんようのブースが設置せっちされている（有人ゆうじん改札かいさつ口こうの画像がぞうを参照さんしょう）。このブースのことを同様どうようにフネ（係員かかりいんが入はいった状態じょうたいの外見がいけんを「舟ふね」に見立みたてての意い）と呼よぶ。

日本にっぽんの鉄道てつどう駅えき

日本にっぽんでは前述ぜんじゅつどおり、駅えき係員かかりいんが改札かいさつ口こうに立たって改札かいさつを行おこなう場合ばあいが多おおかったが、係員かかりいんの代かわりに機械きかいが改札かいさつを行おこなう自動じどう改札かいさつ機き導入どうにゅうが大都市だいとし圏けんだけでなく地方ちほう都市とし圏けんにも広ひろがりつつある。自動じどう改札かいさつ機きが設置せっちされた場合ばあいでも、対応たいおうしないきっぷや精算せいさんのために兼けん掌てのひら窓口まどぐちが設置せっちされることが多おおい。

入場にゅうじょう時じには、きっぷに使用しよう開始かいし（入場にゅうじょう済ずみ）であることを示しめす印しるしが入いれられる。係員かかりいんによる有人ゆうじん改札かいさつではそのための道具どうぐとして、日本にっぽんでは鉄道てつどう創業そうぎょう以来いらい長ながらく改札かいさつ鋏やっとこ（かいさつばさみ、かいさつきょう）という専用せんようの鋏やっとこで独特どくとくの切込きりこみを入いれてきたが、1990年代ねんだいを境さかいに順次じゅんじ、駅名えきめいや鉄道てつどう事業じぎょう者しゃ名なと日付ひづけを示しめすスタンプ式しき改札かいさつ印しるし（入鋏にゅうきょう印しるし、スタンパー、もしくは製品せいひん名めいのチケッターとも呼よばれる）が導入どうにゅうされ、これに切替きりかえられた鉄道てつどう事業じぎょう者しゃが多おおい。また同どう時期じきに普及ふきゅうが進すすんだ自動じどう改札かいさつ機きではきっぷが改札かいさつ機きに投入とうにゅうされた際さい、券面けんめんに穴あなを空あける。いずれの場合ばあいも、使用しよう開始かいし（入場にゅうじょう済ずみ）であることを示しめすためにきっぷに改札かいさつ鋏やっとこ等とうで印しるしをつけることを入鋏にゅうきょう（にゅうきょう）と言いう。出場しゅつじょう時じには、原則げんそくとしてきっぷを回収かいしゅうする。

なお少数しょうすう派はではあるが、事業じぎょう者しゃ・駅えきによっては、改札かいさつ口こうにおける入場にゅうじょう時じの改札かいさつを省略しょうりゃくして出場しゅつじょう時じの集しゅう札さつや運賃うんちん収受しゅうじゅのみを行おこなうところや、入場にゅうじょう時じに集しゅう札さつや運賃うんちん収受しゅうじゅをしてしまい出場しゅつじょう時じの動作どうさを省略しょうりゃくするところなど、様々さまざまなケースが存在そんざいし、その運用うんよう形態けいたいは必かならずしも一律いちりつでは無ない。前者ぜんしゃは土佐とさくろしお鉄道てつどう中村なかむら駅えき、広島電鉄ひろしまでんてつ広ひろ電でん宮島口みやじまぐち駅えき、京福電気鉄道けいふくでんきてつどう四条大宮しじょうおおみや駅えきなどや四国旅客鉄道しこくりょかくてつどう（JR四国しこく）の小規模しょうきぼな駅えきで、後者こうしゃは都電とでん荒川線あらかわせん王子駅前おうじえきまえ電でん停とま等とうで採用さいようされている。

異ことなる鉄道てつどう事業じぎょう者しゃの経営けいえいする路線ろせん間あいだ乗換のりかえ、一部いちぶの鉄道てつどう事業じぎょう者しゃでは自社じしゃ線せん間あいだ乗換のりかえ（主おもに幹線かんせんとロろーカル線かるせん）、新幹線しんかんせん停車駅ていしゃえきにおける新幹線しんかんせん・在来ざいらい線せん相互そうごの乗換のりかえ、一部いちぶの有料ゆうりょう特急とっきゅうホーム等ひとしでは、中間ちゅうかん改札かいさつ（連絡れんらく改札かいさつとも）を設もうけている。主おもな目的もくてきは、前ぜん2者しゃでは事業じぎょう者しゃ間あいだでの有効ゆうこうな乗車じょうしゃ券けん類るい保有ほゆう確認かくにんと乗換のりかえに伴ともなう精算せいさん、後こう2者しゃでは特急とっきゅう券けん類るいの保有ほゆう確認かくにんまたは非ひ保有ほゆう者しゃによる入場にゅうじょう制限せいげんである。

一部いちぶのバスターミナルや港湾こうわん・空港くうこうにおける旅客りょかくターミナル等ひとしでも、改札かいさつ口こうを設置せっちしている。

無人むじん駅えきや電でん停とま等ひとしでは、改札かいさつ口こうによる改札かいさつが出来できないため、代かわりに車掌しゃしょうが改札かいさつ・集あつまり札さつ業務ぎょうむを代行だいこうする場合ばあいが多おおい。その他た、無人むじん駅えきに乗車じょうしゃ証明しょうめい書しょ発券はっけん機きを設置せっちして、着駅ちゃくえきもしくは乗換のりかえ駅えきの中なか間あいだ改札かいさつで精算せいさんをする場合ばあいもある。さらに路線ろせんが一いち駅えき間あいだのみのピストン輸送ゆそうで一方いっぽうの駅えきで本線ほんせんと接続せつぞくしている盲腸もうちょう線せんでは、接続せつぞく駅えきにもう一方いっぽうの駅えきの券売けんばい機きと改札かいさつを併設へいせつしてもう一方いっぽうの終着駅しゅうちゃくえきを無人むじん駅えきとしていることがあり、東武鉄道とうぶてつどう大師線だいしせんや西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう（JR西日本にしにほん）和田岬線わだみさきせん（山陽本線さんようほんせん支線しせん）等とうで見みられる。

また、通勤つうきん通学つうがく時間じかん帯たいなどの時間じかんや繁忙はんぼう期きに一時いちじ的てきに乗客じょうきゃくが集中しゅうちゅうする場合ばあいには、臨時りんじ改札かいさつ口こうと称しょうする改札かいさつを設もうける場合ばあいもある。但ただし臨時りんじ改札かいさつ口こうと言いっても、人ひとが通とおれるだけの隙間すきまを空あけて集しゅう札さつのみを行おこなうものから、渋谷しぶや駅えきハチ公はちこう臨時りんじ改札かいさつのように、恒常こうじょう的てきに自動じどう改札かいさつ機きを設置せっちし、直すぐ近ちかくに自動じどう券売けんばい機きがないこと以外いがいは通常つうじょうの改札かいさつ口こうと変かわらない運用うんようをするものまで様々さまざまである。

ラッシュアワー等とうで駅えき構内こうないに収容しゅうようできない恐おそれがある程ほど混雑こんざつした場合ばあいには、時間じかんを区切くぎって改札かいさつ業務ぎょうむを一時いちじ停止ていしし、通路つうろを閉鎖へいさする改札かいさつ止どめ（かいさつどめ）が行おこなわれることもある。

ヨーロッパの鉄道てつどう駅えき

先述せんじゅつのようにヨーロッパ諸国しょこくの鉄道てつどうではプラットホームへ出でるために通とおる改札かいさつ口こうが駅えき構内こうないに設もうけられないことが多おおい^[2]。きっぷに日付ひづけが印字いんじされていなければ駅えき等とうに備そなえ付つけられた刻印こくいん機きで利用りよう客きゃくが日付ひづけを刻印こくいんするシステムが一般いっぱん的てきに取とられている^[2]。例たとえば、オーストリアの公共こうきょう交通こうつう機関きかんでは改札かいさつ口こう又または車内しゃないでの乗車じょうしゃ券けんへの刻印こくいんが義務付ぎむづけられている^[3]。

一方いっぽう、地下鉄ちかてつや大都市だいとし近郊きんこう路線ろせんでは主しゅとして自動じどう改札かいさつ機きによる改札かいさつ口こうが設もうけられている^{[注ちゅう 1]}。

フランスのパリと近郊きんこう都市とし圏けんのメトロの駅えきでは、入場にゅうじょう時じに自動じどう改札かいさつ機きにきっぷを通とおすのみで出場しゅつじょう時じの集しゅう札さつは行おこなわれていない。

列車れっしゃ別べつ改札かいさつ

列車れっしゃ別べつ改札かいさつ（れっしゃべつかいさつ）は駅えきの改札かいさつ口こうの出入でいりを常時じょうじ行おこなわず、1本ほんか2本ほんの列車れっしゃの発着はっちゃくごとに行おこなう方式ほうしきである。この場合ばあい、発車はっしゃ時刻じこくの数すう分ふん前まえから発車はっしゃ間際まぎわまで改札かいさつを行おこない、他たの時間じかんは改札かいさつ口こうが閉とじられている。不正ふせい乗車じょうしゃの防止ぼうし、乗降じょうこうホームの閉鎖へいさによる安全あんぜん管理かんり・コスト対策たいさく、旅客りょかくの誤あやま乗の（乗のり間違まちがえ）防止ぼうしが主しゅ目的もくてきとされる。このような方式ほうしきは北海道ほっかいどうに多おおく、稚内わっかない駅えき^{[注ちゅう 2]}や網走あばしり駅えき、新得しんとく駅えき等とうで見みられる。この場合ばあい、忘わすれ物もの等とうを除のぞき写真しゃしん撮影さつえいや送迎そうげい等とうの目的もくてきであっても原則げんそくとしてホームに立入たちいることは出来できない。列車れっしゃ別べつ改札かいさつ方式ほうしきは主おもに列車れっしゃ本数ほんすうの少すくない駅えきで行おこなわれることが多おおいが、当然とうぜんながら本数ほんすうが増ふえれば方式ほうしきそのものが困難こんなんとなるため、地下鉄ちかてつなど都市とし内ない鉄道てつどうでは行おこなわれない事例じれいがほとんどである。また博多南はかたみなみ駅えきやガがーラ湯沢らゆざわ駅えきのように、自動じどう改札かいさつ機き設置せっち駅えきでも採用さいようしている例れいがあり、この場合ばあいは改札かいさつが開始かいしされるまで実質じっしつ的てきに乗車じょうしゃ券けん類るい投入とうにゅうが出来できない状態じょうたいとなる。

日本にっぽんでは、鉄道てつどう草創そうそう期きは列車れっしゃ本数ほんすうが少すくない事ことから各かく列車れっしゃの発着はっちゃくごとに改札かいさつを行おこなっていたが、電車でんしゃにより頻発ひんぱつ運転うんてんが可能かのうとなった区間くかんでは待合室まちあいしつの混雑こんざつなど実施じっしが困難こんなんになり、順次じゅんじ廃はいされた。例たとえば上野うえの駅えき（いわゆる国電こくでんを除のぞく）では1954年ねんまで^[4]、名古屋なごや駅えきでは1960年ねんまで^[5]^[6]実施じっししていた。現在げんざいでは北海道ほっかいどう・東北とうほく地方ちほうの一部いちぶの駅えき、ケーブルカー等とうで各かく列車れっしゃ発車はっしゃ時刻じこくの5 - 20分ふん前まえから改札かいさつが行おこなわれている程度ていどである^{[注ちゅう 3]}。また、大阪おおさか近郊きんこうでは福知山線ふくちやませんの主要しゅよう駅えき（宝塚たからづか駅えき・伊丹いたみ駅えきなど）で1986年ねんの全線ぜんせん電化でんかまで実施じっししており、大都市だいとし近郊きんこうでは比較的ひかくてき遅おそくまで実施じっしされていた例れいである。

韓国かんこくでは、韓国かんこく鉄道てつどう公社こうしゃ (KORAIL) の長距離ちょうきょり列車れっしゃでは列車れっしゃ別べつ改札かいさつが基本きほんで、韓国かんこく高速こうそく鉄道てつどう (KTX) 運行うんこう区間くかんの駅えきに自動じどう改札かいさつ機きが導入どうにゅうされた時点じてんでも変化へんかは無なかった。そのため、改札かいさつ開始かいし放送ほうそうがある前まえに自動じどう改札かいさつ機きに乗車じょうしゃ券けんを入いれると、エラーメッセージが出でて改札かいさつが閉しまる。しかし、トラブル多発たはつにより自動じどう改札かいさつ機きの使用しようは中止ちゅうしされ、事実じじつ上じょうの信用しんよう乗車じょうしゃ方式ほうしきとなっているため、一部いちぶ地方ちほう駅えきを除のぞいて、列車れっしゃ別べつ改札かいさつは行おこなわれていない。

車内しゃない改札かいさつ

日本にっぽんの車内しゃない改札かいさつ

列車れっしゃ内うちで乗務じょうむ員いんが旅客りょかくの乗車じょうしゃ券けん類るいを検査けんさ・確認かくにんすることは特とくに車内しゃない改札かいさつ（しゃないかいさつ）と呼よばれる。国鉄こくてつ時代じだい中期ちゅうき頃ごろまで長ながらく「検札けんさつ（けんさつ）」と称しょうされていたため、一般いっぱん旅客りょかくを中心ちゅうしんに現在げんざいでも検札けんさつと通称つうしょうされることも多おおい。かつて、検札けんさつや車内しゃない改札かいさつでは、乗務じょうむ員いんが乗車じょうしゃ券けん類るいに検札けんさつ鋏やっとこで刻印こくいん及およびパンチを入いれるのが通例つうれいだったものの、現在げんざいでは車内しゃない改札かいさつ担当たんとう係員かかりいんの所属しょぞくや日付ひづけ等とうが記載きさいされた、駅えき改札かいさつ用ようと同おなじ若もしくは類似るいじしているスタンプ式しきの車内しゃない改札かいさつ印しるしを押印おういんするのが一般いっぱん的てきとなっている。

普通ふつう列車れっしゃや自由じゆう席せき車両しゃりょうの改札かいさつ

普通ふつう列車れっしゃ（快速かいそく列車れっしゃを含ふくむ）の普通ふつう車しゃ自由じゆう席せきなどでは、車内しゃない改札かいさつは省略しょうりゃくされることが多おおい（とりわけ大都市だいとし近郊きんこう）。特急とっきゅう列車れっしゃ（新幹線しんかんせんを含ふくむ）であっても混雑こんざつが激はげしい場合ばあいは省略しょうりゃくすることがある。理由りゆうとして、混雑こんざつの激はげしい車内しゃないではその実行じっこうが困難こんなんとなること、自動じどう改札かいさつ機きが導入どうにゅうされている地域ちいきでは有効ゆうこうな乗車じょうしゃ券けん類るいがなければ出場しゅつじょう出来できないこと、また、乗車じょうしゃカード^{[注ちゅう 4]}の普及ふきゅうに伴ともない入場にゅうじょう記録きろくの確認かくにんが困難こんなんであること^{[注ちゅう 5]}、地方ちほうの線区せんくではワンマン運転うんてんが行おこなわれていることなどによることが挙あげられる。

2021年ねん3月がつまで首都しゅと圏けんで運行うんこうされていた座席ざせき定員ていいん制せいライナーである湘南しょうなんライナー等ひとしにおいてはドアカットで車両しゃりょう入口いりくちを限定げんていした上うえで係員かかりいんがライナー券けんを入口いりくちで確認かくにんし、無む札さつ客きゃくを乗車じょうしゃさせることが無ないようにしていた。

東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）の首都しゅと圏けんの快速かいそく・普通ふつう列車れっしゃ自由じゆう席せきグリーン車しゃではSuicaグリーン券けん利用りよう者しゃには座席ざせきに着席ちゃくせきした上うえで、購入こうにゅうに使用しようしたSuicaを天井てんじょうのグリーン券けん情報じょうほう読取よみと部ぶにタッチして緑みどりにした場合ばあいに限かぎり、車内しゃない改札かいさつを省略しょうりゃくしているが^[7]^[8]、紙片しへんのグリーン券けん利用りよう者しゃ等とうには車内しゃない改札かいさつを行おこなっている^{[注ちゅう 6]}。

指定してい席せき車両しゃりょうの改札かいさつ

座席ざせき指定してい制せいを採用さいようする特急とっきゅう・快速かいそく・普通ふつう列車れっしゃでは指定してい券けんの確認かくにんのため、車内しゃない改札かいさつが行おこなわれるのが原則げんそくである。但ただし、乗務じょうむ員いんの携帯けいたい端末たんまつに座席ざせきの予よ約やく状況じょうきょうを送信そうしんするシステムの導入どうにゅうが進すすんでからは、その状況じょうきょうは変かわりつつある。

JR東日本ひがしにっぽんでは、「ひたち」「あずさ」「成田なりたエクスプレス」などの首都しゅと圏けん近郊きんこうの特急とっきゅう列車れっしゃの多おおくでは、予あらかじめ座席ざせき指定してい券けん（指定してい席せき特急とっきゅう券けん・指定してい席せきグリーン券けん）を購入こうにゅうした段階だんかいでその情報じょうほうが乗務じょうむ員いんの持もつ携帯けいたい端末たんまつに送おくられ（DoPa網あみを使用しよう）、普通ふつう車しゃ及およびグリーン車しゃの指定してい席せき車両しゃりょうの車内しゃない改札かいさつは行おこなわない方向ほうこうに進すすめている^{[注ちゅう 7]}。乗務じょうむ員いんは車内しゃない改札かいさつの代かわりに携帯けいたい端末たんまつの指定してい席せき予よ約やく情報じょうほうと乗客じょうきゃくの着席ちゃくせき状じょう況きょうを照てらし合あわせて、一致いっちしていれば正規せいきの乗客じょうきゃくであると推定すいていして通過つうかする。指定してい券けんが発行はっこうされていない席せきに乗客じょうきゃくが着席ちゃくせきしている場合ばあいなどに限かぎって車内しゃない改札かいさつを行おこなう。但ただし東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう（JR東海とうかい）から直通ちょくつうする篠ノ井線しののいせん特急とっきゅう「ワイドビューしなの」は情報じょうほう端はし末まつが対応たいおうしていない為ため、無条件むじょうけんで車内しゃない改札かいさつを行おこなう。

同様どうように、近畿日本鉄道きんきにほんてつどうの特急とっきゅう^{[注ちゅう 8]}、京成電鉄けいせいでんてつ「スカイライナー」、東武鉄道とうぶてつどう本線ほんせん系統けいとう、小田急おだきゅうロマンスカー、南海電気鉄道なんかいでんきてつどう、名古屋鉄道なごやてつどう^[9] の特急とっきゅう等とうでも指定してい席せきの予よ約やく状況じょうきょうが車掌しゃしょうの携帯けいたい端末たんまつに送信そうしんされ、予約よやくされていない席せきに着席ちゃくせきしている客きゃくに対たいしてのみ車内しゃない改札かいさつを行おこなうなど簡略かんりゃく化かしている。乗客じょうきゃくからは「睡眠すいみんを邪魔じゃまされない」などの理由りゆうで概おおむね好評こうひょうであるため、車内しゃない改札かいさつを省略しょうりゃく又または簡略かんりゃく化かする動うごきは広ひろまっている。

北海道旅客鉄道ほっかいどうりょかくてつどう（JR北海道ほっかいどう）のグリーン車しゃの一部いちぶやuシート、東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう（JR東海とうかい）373系けい、九州旅客鉄道きゅうしゅうりょかくてつどう（JR九州きゅうしゅう）885系けい、787系けいで運用うんようされる特急とっきゅう列車れっしゃ・ホームライナーのように、座席ざせきにチケットホルダーが装備そうびされており、乗客じょうきゃくはチケットホルダーに指定してい券けんを入いれ、車掌しゃしょうがその指定してい券けんを確認かくにんすることで車内しゃない改札かいさつを完了かんりょうさせている事例じれいもある。

JR四国しこくの特急とっきゅう列車れっしゃでは、通常つうじょうの車内しゃない改札かいさつのほか、途中とちゅう駅えきからの乗客じょうきゃくの改札かいさつも兼かねて、終点しゅうてんの手前てまえの区間くかん^{[注ちゅう 9]}で自由じゆう席せきの乗客じょうきゃくに対たいして自由じゆう席せき特急とっきゅう券けんを回収かいしゅうする。また、一部いちぶ特急とっきゅう列車れっしゃでは、一定いってい条件じょうけんを満みたした指定してい席せきの乗客じょうきゃくには車内しゃない改札かいさつを省略しょうりゃくしている。

山形やまがた新幹線しんかんせん・秋田あきた新幹線しんかんせんも含ふくむ^{[注ちゅう 10]}新幹線しんかんせんでは、自動じどう改札かいさつ機きに投入とうにゅうされた指定してい席せき特急とっきゅう券けんから指定してい席せきの座席ざせき情報じょうほうを読よみ取とる機能きのうを付つけており、改札かいさつ機きに特急とっきゅう券けんが投入とうにゅうされるとその座席ざせき情報じょうほうが乗務じょうむ員いんの携帯けいたい端末たんまつに伝達でんたつされるようになっている。JR東日本ひがしにっぽん、JR西日本にしにほん、JR九州きゅうしゅうでは早はやくから、その情報じょうほうを元もとに車内しゃない改札かいさつを省略しょうりゃくして来きたが、長ながらくJR東海とうかいだけは車内しゃない改札かいさつを続つづけて来きた。

東海道とうかいどう・山陽新幹線さんようしんかんせんでは、現在げんざいは指定してい席せき車両しゃりょうに限かぎり車内しゃない改札かいさつを廃止はいしした^{[注ちゅう 11]}が、以前いぜんはJR東海とうかいとJR西日本にしにほんとで対応たいおうが分わかれていた。JR西日本にしにほんが管轄かんかつする山陽新幹線さんようしんかんせんでは、山陽新幹線さんようしんかんせん内ないで完結かんけつする列車れっしゃと九州きゅうしゅう新幹線しんかんせんに直通ちょくつうする列車れっしゃ（ひかりレールスターやみずほなど）に限かぎり車内しゃない改札かいさつを省略しょうりゃくしていたが、JR東海とうかいが管轄かんかつする東海道新幹線とうかいどうしんかんせんおよび同線どうせんに乗のり入いれる山陽新幹線さんようしんかんせんの列車れっしゃでは、全ぜん車両しゃりょうを対象たいしょうに2016年ねん3月がつ25日にちまで車内しゃない改札かいさつが行おこなわれていた。

JR東海とうかいでもJR東日本ひがしにっぽん・JR西日本にしにほんと同様どうように携帯けいたい端末たんまつは導入どうにゅうしており、その携帯けいたい端末たんまつによる確認かくにんも実施じっししてはいたが、車内しゃない改札かいさつの完全かんぜん廃止はいしに否定ひてい的てきであった。車掌しゃしょうは携帯けいたい端末たんまつの他ほかに各かく車両しゃりょうの着席ちゃくせき状じょう況きょうを記しるしたカードを所持しょじしており、チェックの無ない席せきに座すわっている乗客じょうきゃくに改札かいさつし、終了しゅうりょう後ご、座席ざせき番号ばんごうを確認かくにんしてどの駅えきまで乗のるのか書かきした。

JR東海とうかいが車内しゃない改札かいさつを継続けいぞくして来きたのは、路線ろせん・列車れっしゃの利用りよう者しゃ層そうの性格せいかくにも起因きいんしている。東海道新幹線とうかいどうしんかんせんは東名とうめい阪ばん3大都市だいとし圏けんの移動いどうを旅客りょかく流動りゅうどうのメインとしており、以下いかの理由りゆうから車内しゃない改札かいさつが全廃ぜんぱい出来できなかった要因よういんとされる^[10]。

乗客じょうきゃくの約やく7割わりはビジネス目的もくてきでその数かずが圧倒的あっとうてきに多おおく、また乗客じょうきゃくの入替いれかわりが頻繁ひんぱんである。さらに運行うんこう間隔かんかくも短みじかいため、指定してい席せき券けんを持もっていても予定よていよりも早はやく駅えきに到着とうちゃくしたら列車れっしゃ変更へんこう手続てつづきを行おこなわずに先行せんこうする列車れっしゃに乗車じょうしゃするなど、指定していした列車れっしゃ以外いがいに乗車じょうしゃして乗車じょうしゃ後ごに指定してい券けんを買かうつもりで空あいた指定してい席せきに座すわったり、また予定よていの列車れっしゃに乗のっても座席ざせきが空あいていれば他たの座席ざせきに移動いどう（窓側まどがわ・通路つうろ側がわの移動いどう、あるいは隣席りんせきに他たの乗客じょうきゃくがいない席せきへ等ひとし）したりする等ひとしの行為こういが多おおく、車内しゃない改札かいさつをしなければ指定してい席せき料金りょうきんを取とり逃にがしてしまう。
フルムーンやジャパンレールパスなどの「のぞみ」が利用りようできない企画きかく乗車じょうしゃ券けんで「のぞみ」に誤あやま乗のする乗客じょうきゃくが多おおく、その乗客じょうきゃくから乗車じょうしゃ券けん・特急とっきゅう券けんの料金りょうきん等とうを収受しゅうじゅする必要ひつようがある。
テロ対策たいさくで車内しゃない巡回じゅんかいの側面そくめんもある。

しかし、エクスプレス予約よやくの利用りよう者しゃが増ふえたことやシステムの改良かいりょうにより車内しゃない改札かいさつ省略しょうりゃくが可能かのうとなったことから、JR東海とうかいでも2016年ねん3月がつ26日にちダイヤ改正かいせいから指定してい席せき車両しゃりょうに限かぎり原則げんそくとして車内しゃない改札かいさつを廃止はいしする意向いこうを示しめし^[11]^[12]^[13]、予定よてい通どおり指定してい席せき車両しゃりょうに限かぎり原則げんそくとして廃止はいしされた。

この車内しゃない改札かいさつの省略しょうりゃく事例じれいで進すすんだものとしては、小田急電鉄おだきゅうでんてつの特急とっきゅうロマンスカーでの携帯けいたい電話でんわによるインターネットサービスを利用りようし特急とっきゅう券けんをチケットレス化かした「ロマンスカー@クラブ」が挙あげられる。詳細しょうさいは当該とうがい項目こうもくを参照さんしょうされたい。また、近畿日本鉄道きんきにほんてつどうの特急とっきゅうは「近鉄きんてつ特急とっきゅうチケットレスサービス」、南海電気鉄道なんかいでんきてつどうの特急とっきゅうは「南海なんかい鉄道てつどう倶楽部くらぶ」というインターネット予よ約やくサービスを行おこない、その後ご名古屋なごや鉄道てつどう^[9] など他社たしゃでも広ひろがっている。

機動きどう改札かいさつ

JR西日本にしにほんでは、管理かんり駅えきに所属しょぞくする社員しゃいんなどを被ひ管理かんり駅えき（主おもに無人むじん駅えき）や列車れっしゃ内ないなどに派遣はけんして改札かいさつを行おこなうことを機動きどう改札かいさつ（きどうかいさつ）と呼よぶ。近畿きんき圏けんに自動じどう改札かいさつ機きを導入どうにゅうする際さい、費用ひよう対たい効果こうか等とうの資料しりょうを収集しゅうしゅうするためにJR西日本にしにほん全ぜん支社ししゃから社員しゃいんを動員どういんし、アーバンネットワーク内うちを走行そうこうする全ぜん列車れっしゃの全ぜん車両しゃりょうで全ぜん停車駅ていしゃえき間あいだごとに全ぜん乗客じょうきゃくに対たいして車内しゃない改札かいさつを行おこなった。この期間きかん、乗客じょうきゃくは乗車じょうしゃから降車こうしゃまで各駅かくえきごとに車内しゃない改札かいさつを受うけた。1車両しゃりょうに数すう人にんの係員かかりいんが乗車じょうしゃしていたため、分担ぶんたんミス等とうにより1区間くかんで複ふく数すう回かいの改札かいさつを受うけることもあった。これがマスコミに報道ほうどうされた時ときに「機動きどう改札かいさつ」という語かたりが使用しようされた。

また同社どうしゃのワンマン列車れっしゃ車内しゃないでも不正ふせい乗車じょうしゃ防止ぼうしのために不定期ふていきに乗務じょうむしていることもあり、制服せいふく・私服しふく（スーツ）着用ちゃくよう問とわず「機動きどう改札かいさつ」という腕章わんしょうをしている。車掌しゃしょうが担当たんとうしている場合ばあいもあるが、ドアの開閉かいへいや案内あんない放送ほうそうの実施じっしなどは運転うんてん士しが行おこなう。

乗車じょうしゃ人員じんいん報告ほうこく簿ぼ


主要しゅよう駅えきに設置せっちされているノリホを回収かいしゅうするノリホ入いれ

また、車内しゃない改札かいさつ等とうで車掌しゃしょうが列車れっしゃの乗客じょうきゃくの乗車じょうしゃ人数にんずうなどを把握はあくし、運転うんてん上じょう主要しゅような駅えきで報告ほうこくする乗車じょうしゃ人員じんいん報告ほうこく簿ぼを作成さくせいする。略りゃくして乗のり簿ぼ（乗のりぼ）から、内部ないぶでは「のりほ」・「ノリホ」と呼よぶ。表記ひょうきは、ひらがな・カタカナどちらでも構かまわないが通例つうれいカタカナが使つかわれ、発音はつおんはあがり調子ちょうしである。

これを元もとにして、ダイヤ作成さくせいや列車れっしゃ編成へんせい組成そせいなどの参考さんこうにされる。

ヨーロッパの車内しゃない改札かいさつ

ヨーロッパ諸国しょこくの鉄道てつどうでは信用しんよう乗車じょうしゃ方式ほうしきを採用さいようしているため、多おおくの場合ばあい改札かいさつ口こうが駅えきに設もうけられていないことから、列車れっしゃ頻度ひんどが高たかく混雑こんざつする場合ばあいも多おおい地下鉄ちかてつ・トラム・大都市だいとし近郊きんこう路線ろせんの（JR快速かいそく・普通ふつう列車れっしゃに相当そうとうする）列車れっしゃなどでは、抜打ぬきうちで検札けんさつ員いんによる車内しゃない改札かいさつが行おこなわれ、優等ゆうとう列車れっしゃなど長距離ちょうきょり列車れっしゃ・大都市だいとし近郊きんこう以外いがいのローカル列車れっしゃでは、ほぼ必かならず乗務じょうむ員いんによる車内しゃない改札かいさつが行おこなわれ適切てきせつな乗車じょうしゃ券けんが購入こうにゅうされていない時ときには罰金ばっきんが請求せいきゅうされる。

ロンドン地下鉄ちかてつでは下車げしゃ時じの乗越のりこし精算せいさんシステムが無なく確実かくじつに目的もくてき地ちまでの乗車じょうしゃ券けんを購入こうにゅうすることとされており乗のり越こすと罰金ばっきんが科かせられるシステムとなっている^[14]。

また、オーストリアの公共こうきょう交通こうつう機関きかんでは検札けんさつ員いんによる車内しゃない改札かいさつによる確認かくにん時じに誤あやまった乗車じょうしゃ券けんを持もっていると罰金ばっきんが科かせられる^[3]。

改札かいさつ鋏やっとこ・改札かいさつスタンプ・途中とちゅう下車げしゃ印しるし


駅えき改札かいさつの鋏やっとこ痕こんの例れい（小田急電鉄おだきゅうでんてつはるひ野の駅えき）		車内しゃない改札かいさつの鋏やっとこ痕こんの例れい

「改札かいさつ鋏やっとこ」も参照さんしょう

改札かいさつ鋏やっとこ（かいさつばさみ・かいさつきょう）とは、主おもに改札かいさつ口こうで入場にゅうじょうする際さいにきっぷに使用しよう開始かいし（使用しよう済ずみ）であることを示しめす印しるしを入いれるための道具どうぐである。なお、車内しゃない改札かいさつでは、車内しゃないで乗車じょうしゃ券けんを購入こうにゅうするか乗車じょうしゃ変更へんこうを行おこなう乗客じょうきゃくに発行はっこうする補充ほじゅう券けんでは、主おもに穴あなをあける概算がいさん鋏やっとこが用もちいられるほか、旧きゅう国鉄こくてつ・JRの優等ゆうとう列車れっしゃ等とうの車内しゃないでは開ひらけ孔あなせずにきっぷ紙面しめんに花形はながたの凹凸おうとつを付つける改札かいさつ鋏やっとこがかつては多用たようされた。

鋏やっとこと称しょうしているが、一般いっぱん的てきなそれと異ことなりパンチャーと同様どうように「穴あなを開あける」程度ていどのもので「ものを切きる」用途ようとには使用しようできないものだった。

一部いちぶの鉄道てつどう事業じぎょう者しゃで改札かいさつ口こうに人員じんいんを配置はいちしない駅えきでは、券面けんめんに「入鋏にゅうきょう省略しょうりゃく」と標記ひょうきしこの手間てまを省はぶいていた事例じれいもある。また、現在げんざいでも定期ていき券けんのように乗車じょうしゃ券けんを係員かかりいんがチェックするだけで入場にゅうじょうを許可きょかすることがある場合ばあいにも券面けんめんに「入鋏にゅうきょう省略しょうりゃく」と標記ひょうきしている（西武せいぶ多摩川線たまがわせん等ひとし）。

1990年代ねんだい以降いこう合理ごうり化かや自動じどう改札かいさつ機きの導入どうにゅうに伴ともない、改札かいさつ鋏やっとこから入場にゅうじょう日び・駅名えきめいが記載きさいされている改札かいさつスタンプに変更へんこうをしている。自動じどう改札かいさつが導入どうにゅうされていない駅えきから入場にゅうじょうし自動じどう改札かいさつのある駅えきで出場しゅつじょうする場合ばあい、入場にゅうじょう時じに改札かいさつ鋏やっとこを入いれてしまうと出場しゅつじょう時じに自動じどう改札かいさつ機きに詰つまってしまうことで保守ほしゅの面めんでは好このましくないことや、改札かいさつ鋏やっとこを入いれることによって乗車じょうしゃ券けんに記録きろくされている磁気じき情報じょうほうが破損はそんし自動じどう改札かいさつ機きを利用りよう出来できなくなる恐おそれがあることから改札かいさつスタンプに変更へんこうされているが、自動じどう改札かいさつが導入どうにゅうされていない路線ろせんではこの限かぎりでは無ない。車内しゃない改札かいさつでも改札かいさつ鋏やっとこから日付ひづけ等とうの記載きさいのあるスタンプに変かわっている。また新幹線しんかんせん駅えきにおいても地方ちほう路線ろせんの無人むじん駅えきから乗車じょうしゃし新幹線しんかんせん改札かいさつを抜ぬける際さいに乗車じょうしゃ券けんに入場にゅうじょう記録きろくが記録きろくされていない場合ばあいに自動じどう改札かいさつを通過つうか出来できないことを考慮こうりょし、有人ゆうじん窓口まどぐちにて改札かいさつスタンプによる入場にゅうじょう記録きろくを行おこなう例れいがある。

一方いっぽう、台湾たいわん鉄路てつろ管理かんり局きょくも2008年ねん2月がつより車内しゃない改札かいさつ（驗けん票ひょう、乗車じょうしゃ券けんの車内しゃない查驗）がスタンプに変更へんこうと発表はっぴょうした^[15]。

なお、自動じどう改札かいさつ機きでは乗車じょうしゃ券けんに穴あなを開あけるが、回数かいすう乗車じょうしゃ券けんには乗車じょうしゃ駅えきの証明しょうめいのため駅名えきめい・乗車じょうしゃ日びの印字いんじを、新幹線しんかんせん改札かいさつ口こうなどで設置せっちされている機械きかいでは新幹線しんかんせんに乗車じょうしゃした駅名えきめい・乗車じょうしゃ日時にちじを記載きさいするものもある。


途中とちゅう下車げしゃ印いんが押印おういんされた乗車じょうしゃ券けんの例れい（金額きんがくの左側ひだりがわの駅名えきめい印しるしが途中とちゅう下車げしゃ印しるし）		無効むこう印しるしが押印おういんされた特急とっきゅう券けんの例れい

また、途中とちゅう下車げしゃに際さいして乗車じょうしゃ券けんに途中とちゅう下車げしゃ駅えきを証明しょうめいするため、途中とちゅう下車げしゃ印しるしがある。旧きゅう国鉄こくてつ・JRでは、途中とちゅう下車げしゃ印いんは楕円だえん形がたの内側うちがわに駅名えきめいを記しるしたものと定さだめているが、矩形くけい内側うちがわに駅名えきめいを記しるした駅名えきめい小しょう印しるしで代用だいようしている場合ばあいがみられる。ただしこれは誤用ごようである。1990年代ねんだい以降いこう、JRの駅えきで途中とちゅう下車げしゃの際さいに途中とちゅう下車げしゃ印しるしを押印おういんしないことが多おおくなったが、通常つうじょう押印おういんしない場合ばあいでも利用りよう者しゃの申もうし出でで押印おういんする。

他たに、きっぷを無効むこうにする処理しょりのための無効むこう印しるしがあり、きっぷを記念きねん品ひんにする目的もくてき等とうのために、集しゅう札さつ時ときにきっぷを回収かいしゅうする代かわりに使用しようされることがある。近年きんねんでは、「無効むこう」の代かわりに「乗車じょうしゃ記念きねん」と記しるされたスタンプもある。無人むじん駅えきで下車げしゃする場合ばあいにその旨むねを申もうし出でると、無効むこう印しるしの代かわりとして、車掌しゃしょう（ワンマン列車れっしゃの場合ばあいは運転うんてん士し）がサインもしくは印鑑いんかんを押印おういんした上うえで当該とうがい列車れっしゃの列車れっしゃ番号ばんごうを記入きにゅうする。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

^ 先述せんじゅつのパリと近郊きんこう都市とし圏けんのメトロとRER・ロンドン地下鉄ちかてつ等ひとし。
^ 早朝そうちょう深夜しんや時間じかん帯たいは無人むじん。
^ 大都市だいとし圏けんでは竜ヶ崎りゅうがさき駅えき、西大垣にしおおがき駅えき、鞍馬くらま駅えき、博多南はかたみなみ駅えきなど僅わずか。
^ 磁気じきまたはIC方式ほうしきのプリペイド乗車じょうしゃカード類るい、モバイルSuica等ひとしのおサイフケータイ等とうを含ふくむ。
^ 但ただし、実際じっさいには近鉄きんてつなどでICカード入場にゅうじょう記録きろくを確認かくにん出来できる携帯けいたい端末たんまつを導入どうにゅうしている事業じぎょう者しゃもある。
^ なお、JR東日本ひがしにっぽんの車掌しゃしょうでは無なく、JR東日本ひがしにっぽんサービスクリエーション所属しょぞくグリーンアテンダントが車内しゃない改札かいさつを行おこなっている。
^ 但ただし、不正ふせい乗車じょうしゃ防止ぼうしなどの観点かんてんから、抜打ぬきうちで車内しゃない改札かいさつを実施じっしすることがある。
^ 例外れいがいで、名めい阪ばん甲かぶと特急とっきゅうでは近鉄きんてつ名古屋なごや行ゆきは鶴橋つるはし駅えき発車はっしゃ後ごに、大阪おおさか難波なんば行ゆきは近鉄きんてつ名古屋なごや駅えき発車はっしゃ後ごに、それぞれ車内しゃない改札かいさつを行おこなっている。
^ 例れい：児島こじま - 岡山おかやま間あいだ、坂出さかいで - 高松たかまつ間あいだ、今治いまばり - 伊予北条いよほうじょう - 松山まつやま間あいだ、土佐山田とさやまだ - 後免ごめん - 高知こうち間あいだ。
^ 但ただし、両りょう新幹線しんかんせんの一部いちぶ駅えきでは、モバイルSuica特急とっきゅう券けん用ようの自動じどう改札かいさつ機きしか設置せっちされておらず、紙かみの特急とっきゅう券けんで乗車じょうしゃした場合ばあい、検札けんさつが行おこなわれる。
^ 自由じゆう席せき車両しゃりょうでは継続けいぞく。

出典しゅってん

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