幹線かんせん

幹線かんせん（かんせん）とは、電力でんりょく網もう・配電はいでん網あみ・電気でんき通信つうしん網あみ（電話でんわ網もうなど）・交通こうつう網あみ（道路どうろ網あみ・鉄道てつどう網あみ・航空こうくう網あみなど）で、主要しゅよう地点ちてん間あいだを結むすび網もうの骨格こっかくをなす重要じゅうよう路線ろせん。

配電はいでん網もうにおける幹線かんせん

屋内おくない配電はいでん網もうにおける電力でんりょく幹線かんせん設備せつびとは、一般いっぱん的てきに受変電でん設備せつびの配電はいでん盤ばん（端子たんしではその2次じ側がわ端子たんし）から負荷ふか設備せつびの電灯でんとう分ぶん電でん盤ばんや動力どうりょく制御せいぎょ盤ばん（端子たんしではその1次じ側がわ端子たんし）までをいう^[1]。

幹線かんせん方式ほうしきには、電灯でんとう盤ばんや動力どうりょく盤ばんごとに専用せんようの幹線かんせんで供給きょうきゅうする方式ほうしき（幹線かんせんの本数ほんすうが多おおくなり経済けいざい的てきには不利ふりだが、幹線かんせん事故じこが生しょうじたときに他たの幹線かんせんへの波及はきゅうが少すくない）と電灯でんとう盤ばんや動力どうりょく盤ばんに同どう一いち系統けいとうの大だい容量ようりょう幹線かんせんで供給きょうきゅうする方式ほうしき（遮断しゃだん機き容量ようりょうが大おおきくなるが、幹線かんせんが少すくなくなり経済けいざい性せいや施工しこう性せいでは有利ゆうり）がある^[1]。

幹線かんせん系統けいとうは、一般いっぱん系けい（一般いっぱん建物たてもの負荷ふか）、防災ぼうさい系けい（火災かさい時じに供給きょうきゅうする負荷ふか）、保安ほあん系けい（停電ていでん時ときに電源でんげん供給きょうきゅうが必要ひつような負荷ふか）、重要じゅうよう・最さい重要じゅうよう系けい（サーバー等ひとしの重要じゅうよう負荷ふか）などに分わけられる^[1]。

幹線かんせん設備せつび（幹線かんせんサイズ）の材料ざいりょうを選定せんていする際さいには、使用しようする負荷ふか容量ようりょうに応おうじた許容きょよう電流でんりゅう、電圧でんあつ降下こうか（配線はいせんのリアクタンス、表皮ひょうひ効果こうか、負荷ふか力りょく率りつ等とう）、配線はいせん保護ほご等とうを考慮こうりょして決定けっていされる^[1]。

日本にっぽん

日本にっぽんでは低圧ていあつ幹線かんせんは、単たん相しょう2線せん式しき（100Vまたは200V）、単たん相しょう3線せん式しき（200/100V）、三さん相そう3線せん式しき（200Vまたは400V）、直流ちょくりゅう2線せん式しき（100V）に分わけられる^[1]。

インドネシア

インドネシアでは三さん相そう4線せん式しき（380V/220V）が一般いっぱん的てきで、幹線かんせんはNYYやNYMケーブル（PVC二に重じゅう被覆ひふくケーブル）が多おおかったが、許容きょよう電流でんりゅうが大おおきいXLPE/PVCケーブルが徐々じょじょに普及ふきゅうしてきている^[2]。

フィリピン

フィリピンでは三さん相そう3線せん式しき（220V）が一般いっぱん的てきで、幹線かんせんは耐たい熱ねつIV電線でんせんに該当がいとうするTHHN（90℃耐たい熱ねつ）やTHW（75℃耐たい熱ねつ）の電線でんせんが普及ふきゅうしている^[2]。

交通こうつう網もうにおける幹線かんせん

交通こうつう網もう（道路どうろ網もう・鉄道てつどう網もう・航空こうくう網もうなど）の中なかで主要しゅような路線ろせんを幹線かんせんと呼よび、最もっとも重要じゅうような路線ろせんは本線ほんせんと呼よぶ場合ばあいもある。日本にっぽんの日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう経営けいえい再建さいけん促進そくしん特別とくべつ措置そち法ほう（国鉄こくてつ再建さいけん法ほう）のように法律ほうりつ上じょうの定義ていぎを設もうける場合ばあいもある。

道路どうろ網もうにおける幹線かんせん

道路どうろは主要しゅよう幹線かんせん道路どうろ、幹線かんせん道路どうろ、補助ほじょ幹線かんせん道路どうろ、区画くかく道路どうろなどに分類ぶんるいされる^[3]。これを道路どうろの階層かいそう化かという^[3]。

社会しゃかい基盤きばんの整備せいびにおいては、商業しょうぎょう施設しせつ・業務ぎょうむ施設しせつは幹線かんせん道路どうろに隣接りんせつして立地りっちし、大型おおがたの車両しゃりょうは環境かんきょう対策たいさくを施ほどこした幹線かんせん道路どうろを通行つうこうすることが望のぞましい^[4]。道路どうろの階層かいそう化かが不十分ふじゅうぶんなままだと大型おおがた貨物かもつ車しゃが補助ほじょ幹線かんせん道路どうろなどの下位かい階層かいそうの道路どうろを走行そうこうすることになり環境かんきょうや安全あんぜんの面めんで問題もんだいを引ひき起おこすことがある^[3]。

国鉄こくてつ再建さいけん法ほう上じょうの幹線かんせん

日本にっぽんでは国鉄こくてつ末期まっきの1981年ねん、「日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう経営けいえい再建さいけん促進そくしん特別とくべつ措置そち法ほう」（国鉄こくてつ再建さいけん法ほう）に基もとづいて国鉄こくてつの路線ろせんは幹線かんせんと地方ちほう交通こうつう線せんとに分類ぶんるいされ、異ことなる運賃うんちんを適用てきようすることになった。それまでは、大都市だいとし近郊きんこうなどの一部いちぶを除のぞく全国ぜんこくすべての路線ろせんで同一どういつの運賃うんちん体系たいけいを使用しようしていた。その分類ぶんるいはJRにも引ひき継つがれている。一般いっぱん的てきな時刻じこく表ひょうの索引さくいん地図ちずでは、幹線かんせんは黒くろの太線ふとせんで表あらわされる。なお、路線ろせん名めいとして○○本線ほんせんと名乗なのっていても、地方ちほう交通こうつう線せんに分類ぶんるいされた路線ろせんもある。

幹線かんせん・地方ちほう交通こうつう線せんの区分くぶんは1977 - 1979年度ねんどの平均へいきん輸送ゆそう実績じっせきによって線せん名めい単位たんいで機械きかい的てきに決きめられた。幹線かんせんとなる基準きじゅんは、次つぎのように規定きていされている^[5]。

その路線ろせんのうちに、（イ）1980年ねん3月31日にち時点じてんで人口じんこう10万まん人にん以上いじょうの都市とし（主要しゅよう都市とし）を相互そうごに連絡れんらくし、（ロ）旅客りょかく営業えいぎょうキロが30kmを超こえ、（ハ）全すべての隣接りんせつ駅えき間あいだで旅客りょかく輸送ゆそう密度みつど（1日にち1kmあたりの輸送ゆそう人員じんいん）が4,000人にん以上いじょうである区間くかんを有ゆうする線せん。35線せん（函館本線はこだてほんせん、千歳線ちとせせん、室蘭本線むろらんほんせん、東北本線とうほくほんせん、常磐線じょうばんせん、奥羽本線おううほんせん、羽越本線うえつほんせん、磐越西線ばんえつさいせん、仙石線せんせきせん、仙山線せんざんせん、上越線じょうえつせん、信越本線しんえつほんせん、高崎線たかさきせん、両毛線りょうもうせん、総武本線そうぶほんせん、内房線うちぼうせん、東海道本線とうかいどうほんせん、南武線なんぶせん、武蔵野線むさしのせん、横浜よこはま線せん、相模さがみ線せん、御殿場ごてんば線せん、中央ちゅうおう本線ほんせん、篠ノ井線しののいせん、北陸本線ほくりくほんせん、関西本線かんさいほんせん、阪和線はんわせん、山陽本線さんようほんせん、伯備線はくびせん、山陰本線さんいんほんせん、予讃線よさんせん、高徳線こうとくせん、鹿児島本線かごしまほんせん、長崎本線ながさきほんせん、日豊本線にっぽうほんせん）
その路線ろせんのうちに、1.の条件じょうけんにあてはまる営業えいぎょう線せんと主要しゅよう都市としを連絡れんらくし（ロ）と（ハ）の条件じょうけんを満みたす区間くかんを有ゆうする線せん。9線せん（根室本線ねむろほんせん、水戸線みとせん、湖西線こせいせん、奈良なら線せん、紀勢本線きせいほんせん、福知山線ふくちやません、呉線くれせん、土讃線どさんせん、佐世保線させぼせん）
貨物かもつ輸送ゆそう密度みつどが4,000t以上いじょうである線せん。7線せん（石勝線せきしょうせん、白新線はくしんせん、山手やまて線せん、青梅線おうめせん、宇野線うのせん、宇部線うべせん、美祢線みねせん）

上記じょうきの条件じょうけんを満みたす路線ろせんを幹線かんせん鉄道てつどう網もうと呼よび、上記じょうきの条件じょうけんに満みたないが、輸送ゆそう密度みつど8,000人にん以上いじょうの線せん（15線せん。赤羽線あかばねせん、五日市線いつかいちせん、鶴見線つるみせん、根岸線ねぎしせん、横須賀よこすか線せん、川越線かわごえせん、外房線そとぼうせん、成田なりた線せん、伊東線いとうせん、草津線くさつせん、大阪環状線おおさかかんじょうせん、桜島線さくらじません、片町線かたまちせん、篠栗線ささぐりせん、筑肥線せん）を加くわえて幹線かんせん系けい線区せんくと呼よんだ^[6]。

JR移行いこう後ごに開業かいぎょうした路線ろせんについては、利益りえき予測よそくを元もとにその路線ろせんを管轄かんかつするJRが幹線かんせん・地方ちほう交通こうつう線せんの別べつを決定けっていしている。

富山とやま県けん、石川いしかわ県けんでは、2015年ねん、2024年ねんの北陸ほくりく新幹線しんかんせん開業かいぎょうに伴ともない北陸本線ほくりくほんせんの県内けんない区間くかんは全すべてあいの風ふうとやま鉄道てつどう線せん、IRいしかわ鉄道てつどう線せんに転換てんかんされたためJR在来ざいらい線せんは地方ちほう交通こうつう線せんのみとなっており元々もともとJR線せんの存在そんざいしない沖縄おきなわ県けんを除のぞいた46都道府県とどうふけんで幹線かんせんが存在そんざいしない都道府県とどうふけんとなった。なお、福井ふくい県けんも2024年ねん春はるに北陸ほくりく新幹線しんかんせんの敦賀つるが延伸えんしんに伴ともない北陸本線ほくりくほんせんの大聖寺だいしょうじ駅えき-敦賀つるが駅えき間あいだが第だい三さんセクターであるハピラインふくいに移管いかんされたため、幹線かんせんは敦賀つるが駅えき~深坂ふかさかトンネルの間あいだのみとなった。