光化学こうかがくオキシダント

オゾン。代表だいひょう的てきな光化学こうかがくオキシダント

光化学こうかがくオキシダント（こうかがくオキシダント、英語えいご: photochemical oxidant）は、窒素ちっそ酸化さんか物ぶつや炭化たんか水素すいその光化学こうかがく反応はんのうにおいて生しょうじる、オゾンやパーオキシアシルナイトレートなどの酸化さんか性せい物質ぶっしつ（オキシダント）の総称そうしょうである。オキシダント (oxidant) は酸化さんか剤ざい (oxidizing agent) のこと。強力きょうりょくな酸化さんか作用さようを持もち健康けんこう被害ひがいを引ひき起おこす大気たいき汚染おせん物質ぶっしつであり、光化学こうかがくスモッグの原因げんいんとなる。

生成せいせい

窒素ちっそ酸化さんか物ぶつおよび炭化たんか水素すいそ類るい（揮発きはつ性せい有機ゆうき化合かごう物ぶつ）を主体しゅたいとする一いち次じ汚染おせん物質ぶっしつが、太陽たいよう光線こうせんを受うけて光化学こうかがく反応はんのうを起おこすことによって発生はっせいする二に次じ汚染おせん物質ぶっしつである。

工場こうじょうや自動車じどうしゃから排出はいしゅつされる窒素ちっそ酸化さんか物ぶつの大だい部分ぶぶんを占しめる一酸化いっさんか窒素ちっそは、大気たいき中ちゅうで分子ぶんし状じょう酸素さんそと反応はんのうして二酸化にさんか窒素ちっそとなるが、この反応はんのうは太陽光たいようこうの照射しょうしゃ下かで非ひメタン炭化たんか水素すいそ(NMHC)が存在そんざいすると著いちじるしく加速かそくされる。 二酸化にさんか窒素ちっそは紫外線しがいせんエネルギーの吸収きゅうしゅうで一酸化いっさんか窒素ちっそと原子げんし状じょう酸素さんそに分解ぶんかいされ、生成せいせいした原子げんし状じょう酸素さんそは酸素さんそ分子ぶんしと結合けつごうして強力きょうりょくな酸化さんか性せい物質ぶっしつであるオゾンを生成せいせいする。 また、原子げんし状じょう酸素さんそは炭化たんか水素すいそと作用さようして遊離ゆうり基もと（ラジカル）を生成せいせいし、反応はんのうは連鎖れんさ的てきに進行しんこうする。

これらの反応はんのうによって、オゾン、ペルオキシアシルナイトレート、ペルオキシベンゾイルナイトレートなどの酸化さんか性せい物質ぶっしつ（オキシダント）やアルデヒドなどの還元かんげん性せい物質ぶっしつといった汚染おせん物質ぶっしつ（二に次じ汚染おせん物質ぶっしつ）を生成せいせいする。この二に次じ汚染おせん物質ぶっしつのほとんどがオゾンである。

これら酸化さんか性せい物質ぶっしつのうち、二酸化にさんか窒素ちっそを除のぞいたものを「光化学こうかがくオキシダント」と呼よぶ。

光化学こうかがくオキシダントは光化学こうかがくスモッグの原因げんいんとなる物質ぶっしつであり、高こう濃度のうどでは粘膜ねんまくへの影響えいきょうなどが知しられているほか、農作物のうさくもつなどへの影響えいきょうも報告ほうこくされている。また、オゾンは二酸化炭素にさんかたんそよりもはるかに強力きょうりょくな温室おんしつ効果こうかを持もつと言いわれている。

関連かんれん項目こうもく

• ロンドンスモッグ
• 光化学こうかがくスモッグ

外部がいぶリンク

• そらまめくん - 環境省かんきょうしょう大気たいき汚染おせん物質ぶっしつ広域こういき監視かんしシステム