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新幹線しんかんせん鉄道てつどう保有ほゆう機構きこう

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新幹線しんかんせん鉄道てつどう保有ほゆう機構きこう(しんかんせんてつどうほゆうきこう)とは、かつて存在そんざいした日本にっぽん特殊とくしゅ法人ほうじん1987ねん昭和しょうわ62ねん)4がつ1にち設立せつりつ1991ねん平成へいせい3ねん)10がつ1にち解散かいさん[1]

1991ねん平成へいせい3ねん)10がつから1997ねん平成へいせい9ねん)までは、日本国にっぽんこく政府せいふ鉄道てつどう整備せいび関係かんけい補助ほじょきん交付こうふおよ新幹線しんかんせん譲渡じょうと代金だいきんからの特定とくてい財源ざいげん交付こうふおこなうため、鉄道てつどう整備せいび基金ききん(てつどうせいびききん)という名称めいしょう特殊とくしゅ法人ほうじんとして運営うんえいされていた。

概要がいよう

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1987ねん国鉄こくてつ分割ぶんかつ民営みんえいにおいて「新幹線しんかんせん鉄道てつどう保有ほゆう機構きこうほう」にもとづき、日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう経営けいえいしていた新幹線しんかんせん鉄道てつどう東北新幹線とうほくしんかんせん上越新幹線じょうえつしんかんせん東海道新幹線とうかいどうしんかんせんおよ山陽新幹線さんようしんかんせん)にかか旅客りょかく鉄道てつどう事業じぎょう経営けいえいする旅客りょかく鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃ当該とうがい事業じぎょうかか経営けいえい基盤きばん均衡きんこうはかるとともに、これによりこれらの施設しせつかか利用りようしゃ負担ふたん適正てきせいはかるため、当該とうがい新幹線しんかんせん鉄道てつどうかか鉄道てつどう施設しせつ一括いっかつして保有ほゆうし、旅客りょかく鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃ東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどうおよ西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう以下いかJR本州ほんしゅう3しゃしるす)にけることを目的もくてきとして設立せつりつされた。

1987ねんから1991ねんまでのあいだ東北新幹線とうほくしんかんせんおよ上越新幹線じょうえつしんかんせん現在げんざいは、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう保有ほゆう)、東海道新幹線とうかいどうしんかんせん現在げんざい東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう保有ほゆう)、山陽新幹線さんようしんかんせん現在げんざい西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう保有ほゆう)の鉄道てつどう施設しせつ一括いっかつして保有ほゆうしていた。なお、当時とうじ鉄道てつどう事業じぎょうほうだい59じょう規定きていにより、だい三種さんしゅ鉄道てつどう事業じぎょうしゃとはなされなかった。

廃止はいし

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当初とうしょ新幹線しんかんせん鉄道てつどう保有ほゆう機構きこうは30年間ねんかん存続そんぞくし、保有ほゆうしていた施設しせつは30ねんにJR本州ほんしゅう3しゃ譲渡ゆずりわたされる予定よていであったが、民営みんえいのJR本州ほんしゅう3しゃ営業えいぎょう実績じっせき予想よそう以上いじょう好調こうちょうで、株式かぶしき上場じょうじょう視野しやはいってきたことで状況じょうきょう一変いっぺんする。

1990ねん平成へいせい2ねん)に運輸省うんゆしょうがJR株式かぶしき基本きほん問題もんだい検討けんとう懇談こんだんかい発足ほっそくさせ、各種かくしゅ検討けんとうかさねていったが、そのなか東京とうきょう証券しょうけん取引とりひきしょから「新幹線しんかんせん鉄道てつどう保有ほゆう機構きこう収益しゅうえき調整ちょうせいべんとして恣意しいてき使つかわれかねず、また30ねん譲渡じょうと条件じょうけんさだまっていないなど、投資とうし保護ほごじょう問題もんだいがある」として「新幹線しんかんせんは、上場じょうじょうまえかくJR会社かいしゃ譲渡じょうとすることが適当てきとう」という意見いけん提示ていじがあったことで、新幹線しんかんせん鉄道てつどう保有ほゆう機構きこう解体かいたい決定的けっていてきとなった[2]

日本国有鉄道清算事業団にほんこくゆうてつどうせいさんじぎょうだん保有ほゆうしていたJR本州ほんしゅう3しゃ株式かぶしき売却ばいきゃくにより、当該とうがい旅客りょかく鉄道てつどう株式会社かぶしきがいしゃ経営けいえい責任せきにん一層いっそう明確めいかく事業じぎょう運営うんえいかか自主じしゅせい強化きょうかはかるとともに、日本国有鉄道清算事業団にほんこくゆうてつどうせいさんじぎょうだん債務さいむ償還しょうかんとう確実かくじつかつ円滑えんかつ実施じっしし、もって日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう改革かいかくほうさだめる日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう改革かいかく進展しんてんはかるためとして「新幹線しんかんせん鉄道てつどうかか鉄道てつどう施設しせつ譲渡じょうととうかんする法律ほうりつ」の成立せいりつともな1991ねん9月27にちにJR本州ほんしゅう3しゃ新幹線しんかんせん施設しせつ譲渡じょうと契約けいやくわし、保有ほゆうする施設しせつ譲渡じょうとしたことにより、1991ねん10月に解散かいさんした。

新幹線しんかんせん施設しせつ譲渡じょうと資産しさん総額そうがくは9ちょう1,767おくえんとされ、各社かくしゃ配分はいぶんはJR東日本ひがしにっぽんが3ちょう1,070おくえん、JR東海とうかいが5ちょう957おくえん、JR西日本にしにほんが9,741おくえんとなっている。残存ざんそんリース期間きかん26ねんぶんのリースりょう合計ごうけい8ちょう1,000おくえんたいしてやく1ちょうえん上積うわづみがおこなわれ[3]整備せいび新幹線しんかんせん建設けんせつ財源ざいげんとなった。

これらの財源ざいげんおよび権利けんり義務ぎむ鉄道てつどう整備せいび基金ききん継承けいしょうされたが、1997ねん鉄道てつどう整備せいび基金ききん船舶せんぱく整備せいび公団こうだん統合とうごう運輸うんゆ施設しせつ整備せいび事業じぎょうだんとなり、その日本鉄道建設公団にほんてつどうけんせつこうだん運輸うんゆ施設しせつ整備せいび事業じぎょうだん合併がっぺいした独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん鉄道てつどう建設けんせつ運輸うんゆ施設しせつ整備せいび支援しえん機構きこう継承けいしょうされている。

経営けいえいしゃからの評価ひょうか

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JR東日本ひがしにっぽん会長かいちょう社長しゃちょうつとめた松田まつだ昌士まさたけは、「JR東日本ひがしにっぽん場合ばあい新幹線しんかんせん保有ほゆう機構きこうのおかげで、会社かいしゃ発足ほっそくして不安定ふあんていあいだに、固定こていてき金額きんがく一定いっていがくでずーっとはしれたわけです。変動へんどうしないというのは非常ひじょう経営けいえいじょうやりやすいので、新幹線しんかんせん保有ほゆう機構きこう成功せいこうだったとおもっています。[4]」とべ、これが松田まつだ委員いいんつとめた道路どうろ公団こうだん民営みんえいにおける日本にっぽん高速こうそく道路どうろ保有ほゆう債務さいむ返済へんさい機構きこう構想こうそうつながった。

一方いっぽうで、国鉄こくてつ分割ぶんかつ民営みんえいさいしては松田まつだならんで「国鉄こくてつ改革かいかくさん人組にんぐみ」の1人ひとりかぞえられ、民営みんえいJR東海とうかい社長しゃちょう会長かいちょう歴任れきにんした葛西かさい敬之たかゆきは、上述じょうじゅつのような経営けいえいへの介入かいにゅう可能かのうせいや30ねん譲渡じょうと条件じょうけん未定みていであるてんのみならず、鉄道てつどう敷地しきちまでも(バブル高騰こうとうした)時価じか評価ひょうかしてリースりょう算定さんてい基準きじゅんくわえたこと[5]新幹線しんかんせん設備せつび自社じしゃ保有ほゆうでないためJR会社かいしゃがわでは減価げんか償却しょうきゃく計上けいじょうできない一方いっぽう保有ほゆう機構きこうでもリースりょう全額ぜんがく債務さいむ返済へんさいてられるため、新幹線しんかんせん維持いじ更新こうしん投資とうし借入金かりいれきんたよらざるをなくなること[6]などをげ、新幹線しんかんせん保有ほゆう機構きこう欠陥けっかん制度せいどであったとしている。

また、JR東海とうかい初代しょだい社長しゃちょう須田すだひろしとう機構きこうからの請求せいきゅうしょて「毎年まいとしすうせんおくえんもの請求せいきゅうしょなのにペラ1まい無味むみ乾燥かんそう請求せいきゅうしょだ」という談話だんわ当時とうじ鉄道てつどうジャーナル掲載けいさいされている。

理事りじちょう

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  • いしがつ昭二しょうじ - 1987ねん4がつ1にち - 1990ねん3がつ31にち
  • 福田ふくだみのる - 1990ねん4がつ1にち -

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 「JR年表ねんぴょう」『JR気動車きどうしゃ客車きゃくしゃ編成へんせいひょう '92年版ねんばん』ジェー・アール・アール、1992ねん7がつ1にち、187ぺーじISBN 4-88283-113-9 
  2. ^ 葛西かさい敬之たかゆき 2007, p. 303.
  3. ^ https://www.ikkyo-tekken.org/studies/1994/1994_311.pdf
  4. ^ 松田まつだ昌士まさたけ高速こうそく道路どうろをどのようにつくっていくか 道路公団どうろこうだん経営けいえい実態じったい不明ふめい 中間なかま整理せいりをさらに見直みなおしていく」『週刊しゅうかん東洋とうよう経済けいざい』2002ねん9がつ14にちごう東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ、2002ねん
  5. ^ 葛西かさい敬之たかゆき 2007, pp. 224–225.
  6. ^ 葛西かさい敬之たかゆき 2007, pp. 220–223.

参考さんこう文献ぶんけん

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