磯崎いそざき叡あきら

いそざき さとし 磯崎いそざき叡あきら
生誕せいたん	1912年ねん8月がつ16日にち 東京とうきょう府ふ東京とうきょう市し本郷ほんごう区く丸山まるやま町まち（現げん:東京とうきょう都と文京ぶんきょう区く千せん石せき
死没しぼつ	(1997-06-19) 1997年ねん6月19日にち（84歳さい没ぼつ）
国籍こくせき	日本にっぽん
職業しょくぎょう	日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう総裁そうさい

磯崎いそざき 叡あきら（いそざき さとし、1912年ねん8月がつ16日にち - 1997年ねん6月19日にち）は日本にっぽんの鉄道てつどう官僚かんりょう、第だい6代だい日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう（国鉄こくてつ）総裁そうさい（在任ざいにん1969年ねん-1973年ねん）。永井ながい岩いわ之の丞すすむの孫まご。

作家さっか・三島みしま由紀夫ゆきおの父ちち・平岡ひらおか梓あずさは従兄じゅうけいにあたる。

磯崎いそざきと親交しんこうがあった作家さっかの阿川あがわ弘之ひろゆきより命名めいめいされたニックネームは「ダッコちゃん」。

来歴らいれき・人物じんぶつ

東京とうきょう府ふ東京とうきょう市し本郷ほんごう区く丸山まるやま町まち（現在げんざいの東京とうきょう都と文京ぶんきょう区く千せん石せき）で海軍かいぐんの造船ぞうせん技官ぎかんであった磯崎いそざき清吉せいきちと鐘かね（永井ながい岩いわ之の丞すすむ二女じじょ）の次男じなんとして生うまれる。名前なまえは当時とうじ父ちちが艤装ぎそうに関かかわっていた巡めぐ洋よう戦艦せんかん『比叡ひえい』から一文字ひともじ取とられた。

東京とうきょう府立ふりつ第だい四よん中学校ちゅうがっこう（現在げんざいの東京とうきょう都と立戸たちど山さん高等こうとう学校がっこう）、第一高等学校だいちこうとうがっこうを経へて、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶ卒業そつぎょう後ご、1935年ねん、鉄道てつどう省しょうに入省にゅうしょう。仙台せんだい駅えき助役じょやくなどを経へて1939年ねん1月がつに大臣だいじん官房かんぼう人事じんじ課かに配属はいぞくされ、この時とき、監督かんとく局きょく鉄道てつどう課長かちょうであった佐藤さとう栄作えいさくと親したしくなる。本ほん永えい尚子しょうこと結婚けっこんしてすぐの1941年ねん1月がつに広島ひろしま鉄道てつどう局きょく（現げん：西日本旅客鉄道にしにほんりょかくてつどう広島ひろしま支社ししゃ）運輸うんゆ部ぶ貨物かもつ課長かちょうとなった後のちに、興亜こうあ院いん事務じむ官かんに転てんずる。この時とき、大平おおひら正芳まさよし等とう若手わかて事務じむ官かんで「九きゅう賢けん会かい」を作つくったことが後のちに政界せいかいとのパイプとして役立やくだつこととなる。

敗戦はいせん後ごは鉄道てつどう界かいへ復帰ふっき。下山しもやま定則さだのり総裁そうさい下かでは職員しょくいん課長かちょうとして人員じんいん整理せいりを手てがけ、加賀山かがやま之の雄ゆう総裁そうさい下かでは文書ぶんしょ課長かちょうとして国鉄こくてつスワローズ設立せつりつの推進すいしん役やくとなる。その後ご、広島ひろしま鉄道てつどう管理かんり局長きょくちょう、営業えいぎょう局長きょくちょう、常務じょうむ理事りじ等とうを歴任れきにんするが、十河そごう信二しんじ総裁そうさいと反そりが合あわず 1962年ねんに退任たいにん。ゴルフに明あけ暮くれながら簿記ぼき学校がっこうに通かよって時期じきを待まったという。

翌よく1963年ねん、石田いしだ禮助れいすけ総裁そうさい就任しゅうにんにともない副ふく総裁そうさいとして国鉄こくてつ復帰ふっき。6年間ねんかんの補佐ほさ役やくを務つとめた後のち、石田いしだの推挙すいきょもあって1969年ねん5月27日にち、第だい6代だい国鉄こくてつ総裁そうさいに就任しゅうにんした。

1970年ねん春はるから日本にっぽん生産せいさん性せい本部ほんぶの協力きょうりょくの下した、国鉄こくてつ職員しょくいんの意識いしき改革かいかくなどを目的もくてきとして、生産せいさん性せい向上こうじょう運動うんどう（マル生せい運動うんどう）を始はじめる。しかし、これにより組合くみあい員いんの減少げんしょうした国鉄こくてつ労働ろうどう組合くみあい（国労こくろう）・国鉄こくてつ動力どうりょく車しゃ労働ろうどう組合くみあい（動労どうろう）がマル生せい粉砕ふんさいを決議けつぎしたため労使ろうしの対立たいりつが激化げきかした。そして、1971年ねん10月8日にちに公共こうきょう企業きぎょう体からだ等とう労働ろうどう委員いいん会かい（公労委こうろうい）が管理かんり職しょくから一般いっぱん職員しょくいんに対たいし一部いちぶに不当ふとう労働ろうどう行為こういがあったと認定にんていして救済きゅうさい命令めいれいを出だし、これを受うけて10月11日にち衆議院しゅうぎいん社会しゃかい労働ろうどう委員いいん会かいで遺憾いかんの意いを表明ひょうめいする事態じたいとなった。これにより、労使ろうしの力ちから関係かんけいは一気いっきに労働ろうどう組合くみあい側がわへと傾かたむくことになった。

1973年ねんに上尾あげお事件じけんや首都しゅと圏けん国電こくでん暴動ぼうどうが発生はっせい、責任せきにんを問とう声こえも上あがったものの総裁そうさいに再任さいにんされるが、9月19日にち体力たいりょくの限界げんかいを理由りゆうに辞表じひょうを提出ていしゅつ。9月21日にちに辞任じにんした。後任こうにんには、元もと国鉄こくてつ技師ぎし長ちょう藤井ふじい松太郎まつたろうが就任しゅうにんした。その後ご、早稲田大学わせだだいがく教授きょうじゅを経へて、1976年ねん9月に新しん都市とし開発かいはつセンター（後ごのサンシャインシティ）社長しゃちょうに就任しゅうにん。当時とうじ、工事こうじが中断ちゅうだんしていたため資金しきん集あつめに奔走ほんそうし、入居にゅうきょするテナントを集あつめにも奔走ほんそうした。1986年ねん会長かいちょう、1988年ねん相談役そうだんやくに退しりぞく。

1997年ねん6月がつ19日にちに肺炎はいえんのため慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく病院びょういんで84歳さいで死去しきょした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 磯崎いそざき叡あきら『あの日ひも列車れっしゃは定時ていじだった』日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、1991年ねん6月がつ12日にち、国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん蔵ぞう
• 鉄道てつどうジャーナル1999年ねん11月がつ号ごう別冊べっさつNo.39『日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう 大おおいなる旅路たびじ』（別冊べっさつNo.18改定かいてい再版さいはん）、鉄道てつどうジャーナル社しゃ、1999年ねん11月1日にち、雑誌ざっしコード06552-11
• NHKスペシャル『戦後せんご50年ねんそのとき日本にっぽんは「第だい10回かい・国鉄こくてつ労使ろうし紛争ふんそう～スト権けん奪還だっかんストの衝撃しょうげき～」』NHK、1995年ねん放送ほうそう
  • NHK取材しゅざい班はん『戦後せんご50年ねんそのとき日本にっぽんは 第だい5巻かん』NHK出版しゅっぱん、1996年ねん6月がつ（上記じょうき番組ばんぐみの書籍しょせき化か）

関連かんれん人物じんぶつ

• 金田かねだ正一しょういち - 元もとロッテ監督かんとく。磯崎いそざきは金田かねだの後見人こうけんにん的てき存在そんざいであり、自身じしんの国鉄こくてつ総裁そうさい時代じだいに金田かねだの著書ちょしょ『カネやんの八方破はっぽうやぶれ人生じんせい論ろん』（徳間書店とくましょてん）の推薦すいせん文ぶんを書かいている。