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スーパーひかりモデル

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

スーパーひかりモデルは、300けい新幹線しんかんせん開発かいはつのために東海旅客鉄道とうかいりょかくてつどう(JR東海とうかい)が製作せいさくした車両しゃりょうモックアップである。書籍しょせきによっては、ほんモックアップも300けいんでいる。

100けい新幹線しんかんせんをベースにし、いち両分りょうぶん半分はんぶんったものである。

概要がいよう

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日本にっぽん国有こくゆう鉄道てつどう国鉄こくてつ)が100けいの「ひかり」よりもはやくてすぐれた「スーパーひかり(のちののぞみ)」の開発かいはつのため、260 km/h[1]での運転うんてん可能かのう車両しゃりょう開発かいはつし、東海道とうかいどう山陽新幹線さんようしんかんせん東北とうほく上越新幹線じょうえつしんかんせん北陸ほくりく新幹線しんかんせん一部いちぶれることを計画けいかくしていた。しかし、この計画けいかく一旦いったん中止ちゅうしになり、その、JR東海とうかいいだ。1987ねん昭和しょうわ62ねん6がつ日本にっぽん車両しゃりょう豊川とよかわ工場こうじょうほんモックアップが製造せいぞうされ、同月どうげつ11にちから7がつ31にちまで東京とうきょうえき八重洲やえす南口みなみぐちみどりの窓口まどぐちぜんコンコースで展示てんじされた。このほか、同年どうねん10月31にち11月1にち両日りょうじつ開催かいさいされた浜松はままつ工場こうじょう創立そうりつ75周年しゅうねん記念きねん式典しきてんや、1988ねん昭和しょうわ63ねん9月23 - 25にち滋賀しが県立けんりつ文化ぶんか産業さんぎょう交流こうりゅう会館かいかん開催かいさいされた「しが産業さんぎょうフェスティバル」、さらに1989ねん平成へいせい元年がんねん3月18にちから5月21にち静岡しずおか駿府公園すんぷこうえんげん駿府すんぷじょう公園こうえん)で開催かいさいされた市制しせい100周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう地方ちほう博覧はくらんかいSUNPUはく'89」のJR東海とうかいかんでも展示てんじされた。そのほんモックアップは解体かいたいされた。

ほんモックアップの寸法すんぽうは、ながさ12 mはば3.4 m・たかさ3.7 m[2]と、断面だんめん最大さいだい寸法すんぽうかんしては検討けんとうされていたもの(後述こうじゅつ)とことなり実際じっさいの300けいちか数値すうちとなっていた。

スーパーハイデッカー仕様しようで、車窓しゃそうながく、屋根やねまですこびた大型おおがたのパノラマウィンドウで、富士山ふじさん浜名湖はまなこなどの東海道とうかいどううつくしい景色けしき満喫まんきつできるように開発かいはつされた。空気くうき抵抗ていこう低減ていげんのため、車体しゃたいうえ半分はんぶん円筒えんとう断面だんめん[3]とされた。防音ぼうおんスカートやパンタグラフカバーの採用さいよう検討けんとうされていた[4]座席ざせき快適かいてきせい追求ついきゅうして設計せっけいされ、座席ざせき背面はいめんには液晶えきしょうテレビが設置せっちされた。かくイベントにおいて車内しゃない公開こうかいおこなわれた。通常つうじょう座席ざせきしゃ以外いがいでは、ロビーやビジネスよう個室こしつなどの車内しゃない設備せつび検討けんとうされていた。

塗装とそうは、正面しょうめんかって右側みぎがわは、まどまわりとスカートがコバルトブルー・それ以外いがいはホワイトとした、0けいちかけとなった。たいして、正面しょうめんかって左側ひだりがわは、イメージイラストとおなじく、ホワイトを主体しゅたいまど下部かぶにライトブルー・コバルトブルーのストライプをはいし、スカートはコバルトブルーとした、旧来きゅうらい塗装とそうから脱却だっきゃくしたけとなった[5]

実現じつげんいたらなかった経緯けいい

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ほん車両しゃりょう構想こうそう段階だんかいでは、ながさ25,000 mmはば3,000 mm、たかさ3,630 mmと、在来ざいらいせんみのだん面積めんせき縮小しゅくしょうし、座席ざせきよこ4れつ基本きほんとする仕様しようであった。この寸法すんぽうであっても、まど自体じたいおおきいこと、まどばしらほそ補強ほきょうざい必要ひつようとなることから、強度きょうどめん考慮こうりょすると1りょうあたりの質量しつりょう推定すいていで55 t[6]と、100けいの126かたち比較ひかくしてもおも車体しゃたいとなる。じくおも換算かんさんすると13.75 tとなり、270 km/h運転うんてん要求ようきゅうされる11.3 tにとどかなくなる。スーパーハイデッカー構造こうぞうも、てい重心じゅうしんおこなうえでは不利ふりとなる。前面ぜんめん展望てんぼうについては、バードストライク問題もんだいなどから、乗務じょうむいんからは否定ひていてき意見いけんていたという[7]

一方いっぽう当時とうじ航空こうくう業界ぎょうかいでは、45/47体制たいせい崩壊ほうかいして自由じゆうすすめられていた。これに対抗たいこうするため、JR東海とうかい東海道新幹線とうかいどうしんかんせん高速こうそく重点じゅうてん方針ほうしん変更へんこうした。結果けっか高速こうそくさまたげになるスーパーハイデッカーの仕様しよう断念だんねんされ、最高さいこう速度そくど優先ゆうせん仕様しようとした300けい9000番台ばんだいJ0編成へんせい(のちにJ1編成へんせい改造かいぞう)の試作しさくしゃ1990ねん平成へいせい2ねん)に開発かいはつされた。

商品しょうひん

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  • JR東海とうかいから、ほんモックアップをデザインしたオレンジカード限定げんてい販売はんばいされていた。
  • プラレールでも1990ねんから1996ねん平成へいせい8ねん)ごろまで、ほんモックアップをモデルとした「スーパーひかりごう」が発売はつばいされていた。
    • 通常つうじょうラインの製品せいひんのほか、運転うんてんだいしたコントローラから遠隔えんかく操作そうさできる仕様しよう製品せいひん存在そんざいした。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ほんモックアップが製作せいさくされた時期じきには、目標もくひょう速度そくどが270 km/hにげられている。
  2. ^ 交友こうゆうしゃ鉄道てつどうファン』1987ねん8がつごう東京とうきょうえきに"スーパーひかりモデル"(実物じつぶつだいげんる」、p.108。
  3. ^ 円筒えんとう断面だんめんは、後年こうねん500けい採用さいようされた(ただし、500けいした半分はんぶん円筒えんとうじょう)。
  4. ^ プラレール「ぼくがうんてんする スーパーひかりごう製品せいひんパッケージの解説かいせつぶんより。
  5. ^ レイルウエイズグラフィック『新幹線しんかんせんぜん車種しゃしゅコンプリートビジュアルガイド』p.125。
  6. ^ 新幹線しんかんせんエクスプローラ』vol.55、pp.104 - 105。
  7. ^ 新幹線しんかんせんエクスプローラ』vol.51、p.99。

参考さんこう文献ぶんけん

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  • 講談社こうだんしゃ 講談社こうだんしゃデラックスカラー百科ひゃっかシリーズNo.23『JR新幹線しんかんせん』(1988ねん3がつ25にち発行はっこう
  • ネコ・パブリッシング『プラレールのすべて - 生誕せいたん40周年しゅうねん記念きねん完全かんぜん保存ほぞんばん!』
  • ネコ・パブリッシング『プラレールだい図鑑ずかん2004〜2005』
  • エイ出版しゅっぱんしゃ新幹線しんかんせん時代じだい
  • イカロス出版しゅっぱん新幹線しんかんせんエクスプローラ』vol.51(2019ねんはるごう)、p.99「スーパーひかり構想こうそう
  • イカロス出版しゅっぱん新幹線しんかんせんエクスプローラ』vol.55(2020ねんはるごう)、pp.103 - 105「実現じつげんしなかった新幹線しんかんせん だい6かい スーパーひかり」
  • レイルウエイズグラフィック『新幹線しんかんせんぜん車種しゃしゅコンプリートビジュアルガイド』

外部がいぶリンク

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