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貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほう

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貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほう
日本国政府国章(準)
日本にっぽん法令ほうれい
法令ほうれい番号ばんごう 昭和しょうわ22ねん法律ほうりつだい148ごう
種類しゅるい 刑法けいほう
効力こうりょく 現行げんこうほう
成立せいりつ 1947ねん11月19にち
公布こうふ 1947ねん12月4にち
施行しこう 1947ねん12月4にち
おも内容ないよう 貨幣かへい損傷そんしょう禁止きんしについて
関連かんれん法令ほうれい 刑法けいほう
制定せいてい題名だいめい 補助ほじょ貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほう
条文じょうぶんリンク 貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほう - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
ウィキソース原文げんぶん
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貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほう(かへいそんしょうとうとりしまりほう)は、貨幣かへい損傷そんしょうまたは鋳潰いつぶすことをきんじた日本にっぽん法律ほうりつである。法令ほうれい番号ばんごう昭和しょうわ22ねん法律ほうりつだい148ごう、1947ねん昭和しょうわ22ねん)12月4にち公布こうふされた。

この法律ほうりつ制定せいていまえの、同様どうよう規定きてい昭和しょうわ15ねん6がつ11にち大蔵省おおくらしょうれいだい40ごう補助ほじょ貨幣かへい蒐集しゅうしゅうつぶせまた毀傷きしょう取締とりしまりせきスルけん(ほじょかへいのしゅうしゅういつぶしまたはそんしょうのとりしまりにかんするけん)[1]についてもれる。なお、貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほう施行しこうにこの大蔵省おおくらしょうれい廃止はいししている。

この法律ほうりつ公布こうふ補助ほじょ貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほうとして制定せいていされたが、1988ねん昭和しょうわ63ねん4がつ1にち通貨つうか単位たんいおよ貨幣かへい発行はっこうとうかんする法律ほうりつ附則ふそく14じょうにより「貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほう」と改題かいだいされた。

構成こうせい

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  • だい1こう 貨幣かへいは、これを損傷そんしょうまたつぶしてはならない。
  • だい2こう 貨幣かへいは、これを損傷そんしょうまたつぶす目的もくてきあつめてはならない。
  • だい3こう だい1こうまた前項ぜんこう規定きてい違反いはんしたものは、これを1ねん以下いか懲役ちょうえきまたは20まんえん以下いか罰金ばっきんしょする。

附則ふそく

  • この法律ほうりつは、公布こうふから、これを施行しこうする。
  • 昭和しょうわじゅうねん大蔵省おおくらしょうれいだいよんじゅうごう補助ほじょ貨幣かへいのしゆうしゅうつぶしまた損傷そんしょう取締とりしまりかんする省令しょうれい)は、これを廃止はいしする。

大蔵省おおくらしょうれい表題ひょうだい法令ほうれい番号ばんごう構成こうせい

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補助ほじょ貨幣かへい蒐集しゅうしゅうつぶせまた毀傷きしょう取締とりしまりせきスルけん昭和しょうわ15ねん6がつ11にち大蔵省おおくらしょうれいだい40ごう

  • 地金じがねトシテ販賣はんばいまた使用しようスル目的もくてきヲ以テ補助ほじょ貨幣かへい蒐集しゅうしゅうつぶせまた毀傷きしょうスルコトヲとく
  • 前項ぜんこう規定きてい違反いはんシタルしゃさんがつ以下いか懲役ちょうえきまたひゃくえん以下いか罰金ばっきんしょ

附則ふそく

  • ほんれい公布こうふにちヨリこれ施行しこう

この大蔵省おおくらしょうれい補助ほじょ貨幣かへい損傷そんしょうとう取締とりしまりほう施行しこうともな廃止はいしされた。

本法ほんぽうにおける貨幣かへい定義ていぎ

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本法ほんぽうでいう「貨幣かへい」とは、「通貨つうか単位たんいおよ貨幣かへい発行はっこうとうかんする法律ほうりつ」にさだめる貨幣かへいのことである。どうほう5じょう1こうさだめるひゃくえんひゃくえんじゅうえんじゅうえんえんおよいちえんろく種類しゅるい貨幣かへいおよびどうほう5じょう3こうさだめる記念きねん貨幣かへいは、本法ほんぽう規制きせい対象たいしょうとなる。

したがって、日本銀行にっぽんぎんこうけん(いわゆる紙幣しへい)は本法ほんぽう対象たいしょうがいである。貨幣かへい場合ばあいとはことなり、2015ねん現在げんざい日本にっぽん銀行ぎんこうけん損傷そんしょうすることそれ自体じたいばっする法律ほうりつはない。国立こくりつ印刷いんさつきょくでは「法令ほうれいじょうただちに違法いほう行為こういとはれない」との見解けんかいしめしている。ただし、違法いほうではないが、いたみのはげしい紙幣しへいや、みや印字いんじくわえられた紙幣しへいは、真券しんけんかどうかの判断はんだんがつきにくくなり、ATMや自動じどう販売はんばい使つかえなくなるなどの支障ししょうもありうるため、「みんなで使つかうものですから、大切たいせつ使つかってください」との要望ようぼうしめしている[2]ATM現金げんきん自動じどうあずかはら)などの盗難とうなん抑止よくしようとして、装置そうち過度かど衝撃しょうげきくわえられると紙幣しへい塗布とふ汚損おそんされ識別子しきべつしとなるインクがある[3]

その

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日本にっぽん以外いがいくにでは貨幣かへい加工かこうすることをみとめているくにがある。たとえばアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは貨幣かへい加工かこうみとめられており[4]観光かんこうには硬貨こうか記念きねんメダルに加工かこうするスーベニアメダルマシン(1セント硬貨こうかとう圧延あつえん刻印こくいんする)という機械きかいがよく設置せっちされている。日本にっぽん国内こくない観光かんこうにも同様どうよう機械きかい設置せっちされていることがあるが、併設へいせつされている自動じどう販売はんばい専用せんようのコインを購入こうにゅうして刻印こくいんする。

日本にっぽん国内こくないマジック使用しようするギミック・コインは、一般いっぱん日本にっぽん硬貨こうか以外いがいのコインが使用しようされる。これは、ほん法律ほうりつ日本にっぽん硬貨こうか加工かこうすることきんじられているためである。なお、海外かいがい加工かこうした日本にっぽんひゃくえん硬貨こうかひとしをマジックのタネとして、販売はんばい目的もくてき日本にっぽんもうとしたマジシャンらが関税かんぜいほう(だい69じょうの11だい1こうだい6ごう規定きていする「貨幣かへい偽造ぎぞうひん変造へんぞうひんおよ模造もぞうひん」に該当がいとう)で摘発てきはつ(輸入ゆにゅうしてはいけない貨物かもつ)され、最高裁判所さいこうさいばんしょ上告じょうこく棄却ききゃくされけい確定かくていした[5]れいがある。

かつての日本にっぽんでは、さんかわわたちんとしてのめいぜに思想しそうから、火葬かそうさい遺体いたい硬貨こうかにぎらせたり、棺桶かんおけうち硬貨こうかえられてかれていたが、現在げんざいではおおくの火葬かそうじょう金属きんぞく副葬ふくそうすることをきんじているため、現行げんこう貨幣かへい使用しようすることは基本きほんてきおこなわれなくなり、葬儀そうぎしゃろくぶんぜにしたものを準備じゅんびしておさめることが主流しゅりゅうになっている[6]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 補助ほじょ貨幣かへい蒐集しゅうしゅうつぶせまた毀傷きしょう取締とりしまりせきスルけん昭和しょうわ15ねん6がつ11にち大蔵省おおくらしょうれいだい40ごう - 日本法令にほんほうれい索引さくいんシンプル表示ひょうじトップページちゅう当該とうがい大蔵省おおくらしょうれい情報じょうほうと、国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション_『官報かんぽうない画像がぞうへのリンク。
  2. ^ さつかんするよくある質問しつもん回答かいとう) - 独立どくりつ行政ぎょうせい法人ほうじん国立こくりつ印刷いんさつきょく。「おさつがみとして使つかったり、落書らくがきをしたりすると、なに問題もんだいになるのでしょうか?」より。
  3. ^ たとえば世界せかいおもしろニュース:ピンク紙幣しへいにご用心ようじんざいサンパウロ日本国にっぽんこく総領事館そうりょうじかん - 安全あんぜん対策たいさく情報じょうほう - 被害ひがい事例じれい防犯ぼうはん対策たいさく[1]紙幣しへい盗難とうなん抑止よくし装置そうち[2] アメリカにも同様どうようものがあるようで、映画えいがスピード」に登場とうじょうした
  4. ^ ただし、熔解はきんじられており、インフレで素材そざい価値かち額面がくめんえた硬貨こうか鋳潰いつぶして金属きんぞく素材そざいとすることはできない。
  5. ^ 最高さいこう裁判所さいばんしょ判例はんれい 平成へいせい19(あ)2066 (PDF)
  6. ^ 葬式そうしきろくぶんぜにって?かんろくぶんれる理由りゆう現代げんだい対応たいおう - お葬式そうしきのいろは”. お葬式そうしきのいろは. 2020ねん2がつ19にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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