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せん

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

せん(つりせん)とは、商品しょうひんうとき、商品しょうひんよりたか額面がくめん金銭きんせん支払しはらった場合ばあい差額さがくぶん金銭きんせんぞく(おつり)とばれる。

概要がいよう

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せんは、商品しょうひん支払しはらわれた対価たいか余剰よじょう部分ぶぶんきゃくかえすこと、およびこれによって支払しはらわれた金銭きんせんである。とく高額こうがく紙幣しへいなどにたいし、小額しょうがく紙幣しへいおよび硬貨こうか[注釈ちゅうしゃく 1]などのわせによって差額さがくひとしい所定しょてい金額きんがくとされる。

ただ、せんおおくの場合ばあいにおいて、きゃく自身じしんがそれまでっていた貨幣かへいよりも小額しょうがく紙幣しへいしょうぜに貨幣かへい)になりがちで、これは財布さいふなか小額しょうがく紙幣しへいしょうぜに増加ぞうかさせ、物理ぶつりてき財布さいふ許容きょよう容積ようせきめ、はこびの便びんそこなう傾向けいこうがある。このため、適時てきじ両替りょうがえによってよりおおきな額面がくめん貨幣かへい交換こうかんしてもらったり、あるいはもの小額しょうがくけた貨幣かへい必要ひつようさい積極せっきょくてき支払しはらいに使つかわれる。

こういったシステムは、秤量ひょうりょう貨幣かへいのような額面がくめん設定せっていされず貴金属ききんぞくそのものの価値かち通用つうようしていた時代じだいには、その貨幣かへい文字通もじどおきりづかいしてせんとすることもおこなわれた[1]。しかし、地金じがね価値かちではなく額面がくめんでその価値かち決定けっていされる種類しゅるい貨幣かへい名目めいもく貨幣かへい)では、ってしまった時点じてん貨幣かへいとしての価値かちそこなわれるうえ、せんとしても代金だいきんとしても意味いみさなくなるため、少額しょうがく貨幣かへいわせて支払しはらわれる様式ようしきわった。

せん計算けいさん

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せん計算けいさんは、きゃく支払しはらった金額きんがく商品しょうひん価格かかくえる場合ばあいに、減法げんぽうによってもとめられる。この計算けいさんふるくは人間にんげん自身じしん思考しこう能力のうりょく使つかった暗算あんざんおよび機械きかいしきふく計算けいさんそろばん歯車はぐるましき計算けいさんなど)によって算出さんしゅつされたが、今日きょうでは自動じどう販売はんばいから自動じどうされたキャッシュレジスターにみられるように、自動じどう装置そうちによって支払しはらわれる紙幣しへい貨幣かへいこう用意よういされるようつくられた機器きき利用りようされている。

このようにせん計算けいさん減算げんざん基本きほんであるが、なかには加算かさんによってせんがく計算けいさんするひともいる。れいとして、3,800えん商品しょうひんたいしてきゃくが5,000えんさつした場合ばあい店員てんいんは3,800えん商品しょうひんに100えん硬貨こうかを2まい、1,000えんさつを1まい加算かさん」して、3,800えん+1,200えんきゃくからった5,000えんひとしいということでせんがく計算けいさんする。欧米おうべい商店しょうてんおお見受みうけられる。またざんくらべてざん苦手にがてひとがこの方法ほうほうることがある。

せん予測よそくして、計算けいさんしやすい、あるいは少額しょうがく貨幣かへいりやすいことをかんがえて支払しはら金額きんがくめるといったこともおこなわれる。れいとして、920えん商品しょうひん購入こうにゅうしたさいに、1,000えんさつのみで支払しはらうとせんは80えんであるが、50えん硬貨こうか1まいと10えん硬貨こうか3まい最低さいてい4まい貨幣かへいによりはらわれることになる。これをけるために、あらかじめ10えん硬貨こうか2まいくわえて1,020えん支払しはらうことにより、せんをきりのよい100えんにするということがおこなわれる。これにより、硬貨こうかが1まいになることが期待きたいできるほか、財布さいふにある10えん硬貨こうか2まい使つかってしまうこともできる。

しょうぜにらすための支払しはらいとして、5えん硬貨こうかや50えん硬貨こうか、500えん硬貨こうかでおりをもら方法ほうほう支払しはらひともいる。れいとして、680えんものをしたとき、1,180えん支払しはらい、500えん硬貨こうか1まいでおりをもらう、730えん支払しはらい、50えん硬貨こうか1まいでおりをもらうなどだ。さらにはしょうぜに状況じょうきょう次第しだいでは1,230えん支払しはらい、550えんのおりをもらう、1,200えん支払しはらい、520えんのおりをもらうというケースもある。

また、そのぎゃくで5えん硬貨こうか、50えん硬貨こうか、500えん硬貨こうかを2まい以上いじょうちたくない場合ばあいは、440えんものをして、40えんがないときは550えん支払しはらう。これにより、50えんだま消費しょうひできる。

ただし、しょうぜにらすための支払しはらかた場合ばあいによると店員てんいん困惑こんわくするケースもあるので注意ちゅうい必要ひつようである。

せん準備じゅんび

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みせ営業えいぎょうおこなうにさいしては、あらかじせん準備じゅんびしておかなければならない。このせんようあらかじ準備じゅんびされているおかねのことを釣銭つりせん準備じゅんびきんという。

釣銭つりせん準備じゅんびきんすくないと営業えいぎょうさいしてきゃく迷惑めいわくけることになりこのましくないが、ぎゃくおおすぎると企業きぎょう資金繰しきんぐりに悪影響あくえいきょうあたえ、防犯ぼうはんじょう問題もんだいこすことになる。おおくの企業きぎょう店舗てんぽ釣銭つりせん準備じゅんびきん手間てまかる問題もんだいとなっている。このためせん準備じゅんび提供ていきょうすることそのものが事業じぎょうとしてつものとなっている[2]

また、せん計算けいさんわたがく間違まちがえることにより、げと現金げんきん出入でいりが一致いっちしないという問題もんだいもあり、コンビニエンスストアでは1てんあたり月額げつがく3,000えんほど発生はっせいするという[3]。こうした問題もんだい店舗てんぽがわにとって電子でんしマネーを採用さいようする理由りゆうの1つともなっている。

商店しょうてんによってはストックされている釣銭つりせん準備じゅんびきん少額しょうがく貨幣かへい限度げんどがあり、商品しょうひんいをつづけていくと少額しょうがく貨幣かへい不足ふそくすることもある。この場合ばあいには、銀行ぎんこうなど両替りょうがえしょう少額しょうがく貨幣かへい調達ちょうたつされるが、それでもわない場合ばあいは、しばしば、より小額しょうがく額面がくめん貨幣かへいわせでせん支払しはらったり、または顧客こきゃくたいしてしょうぜにでの支払しはらいをもとめることがおこなわれる。

とく駄菓子だがしのような少額しょうがく商品しょうひん主体しゅたいとしてあつかうところでは、あまりに額面がくめんおおきな紙幣しへい支払しはらおうとすると、あまりそういった支払しはらいを想定そうていした用意よういいため、いとわれることもある。

電子でんしマネーとう普及ふきゅう

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せんとしてわたされる少額しょうがく貨幣かへいまりすぎるとわずらわしいという側面そくめんもあり、実体じったいのある貨幣かへいから実体じったい電子でんしデータに金銭きんせん価値かちえた電子でんしマネーなど、せん必要ひつようではないシステムの導入どうにゅうはじまっており、またプリペイドカードのように、カードに記録きろくされた額面がくめん金銭きんせんデータ)から商品しょうひん購入こうにゅう対価たいかき、そののこりをデータとして記録きろくする様式ようしきられる。

自動じどう販売はんばいにおける対応たいおう

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自動じどう販売はんばい自動じどう券売けんばいなどの機械きかいにおいても、せん計算けいさんしてはらもど機能きのういているものがおおい。しかし機種きしゅによっては、技術ぎじゅつてき問題もんだいなどからせんはらもど機能きのうく、一定いってい硬貨こうかのみしかれる能力のうりょくいものや、商品しょうひん価格かかく上回うわまわ額面がくめん現金げんきんとうじられたことを検知けんちして販売はんばいできるだけでせんかえ能力のうりょくがないものもある。

自動じどう販売はんばいにおいても、あらかじめせん準備じゅんびしておく。このさい硬貨こうか紙幣しへい額面がくめんべつ機械きかい収容しゅうようするようになっていることがあり、その場合ばあい店員てんいん駅員えきいんれるべき場所ばしょ間違まちがえてせんよう硬貨こうか紙幣しへい機械きかい投入とうにゅうすると、機械きかいまさしくせん計算けいさんしてもてくるせんがく間違まちがったものとなる[注釈ちゅうしゃく 2]。また機械きかいによっては、きゃく投入とうにゅうした現金げんきん自動的じどうてき分別ふんべつして収納しゅうのうし、つぎきゃくせん利用りようできるようになっているものがある。

自動じどう販売はんばいにおいては、ガムや粘着ねんちゃくテープなどをせん返却へんきゃくこう仕掛しかけておき、他人たにんせんをくっつけてぬす犯罪はんざいおこなわれることがあり、返却へんきゃくこうなにかがまっていないか、返却へんきゃくされたせんがくただしいかを確認かくにんすることが対策たいさくとしておこなわれている。

出典しゅってん

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 1988ねんの「通貨つうか単位たんいおよ貨幣かへい発行はっこうとうかんする法律ほうりつ」(条文じょうぶん施行しこう以前いぜん補助ほじょ貨幣かへい臨時りんじ補助ほじょ貨幣かへい)とばれていた。現在げんざいは「貨幣かへい」としょうする。
  2. ^ 投入とうにゅうあやまりによるせん間違まちがいが実際じっさい発生はっせいしたれい: 博多はかたえきおよ和白わじろえき自動じどう券売けんばいのつりせんあやまりについて (PDF)

出典しゅってん

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  1. ^ 三上みかみ隆三りゅうぞう江戸えど貨幣かへい物語ものがたり東洋とうよう経済けいざい新聞しんぶんしゃ、1996ねん
  2. ^ セブン&アイなど3しゃせんサービスを提供ていきょうする合弁ごうべん会社かいしゃ設立せつりつ”. ITMedia (2007ねん5がつ11にち). 2016ねん10がつ12にち閲覧えつらん
  3. ^ コンビニが電子でんしマネーを採用さいようする理由りゆう 日経にっけいビジネスAssocie 2008ねん11月12にち

関連かんれん項目こうもく

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