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芸道げいどう

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

芸道げいどう(げいどう)は、芸能げいのう技芸ぎげい日本にっぽん独自どくじのかたちで体系たいけいしたもののことをす。

通常つうじょうは、各種かくしゅ武芸ぶげいである日本にっぽん武術ぶじゅつ江戸えど公家くげ家職かしょく由来ゆらいする有職故実ゆうそくこじつ礼式れいしき、そのほか能楽のうがく歌舞伎かぶき人形浄瑠璃にんぎょうじょうるりなどの芸能げいのう邦楽ほうがく蹴鞠けまり歌道かどう香道こうどう書道しょどうぼんにわ煎茶せんちゃどう茶道さどう華道かどうなどをはじめとして、伝統でんとう工芸こうげいてき手工業しゅこうぎょう古典こてん園芸えんげいなど、ひろく技術ぎじゅつ伝承でんしょうする分野ぶんやにおいてこうした観念かんねんられる。

由来ゆらい

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元来がんらいみち」という言葉ことば日本語にほんごにおいて「体系たいけい」という意味いみをもち、王朝おうちょう時代じだいから管弦かんげんのことを「糸竹いとたけみち」と表現ひょうげんするなどの用例ようれいがあることをみてもわかるように、げいについて「みち」もしくは「みち」で表現ひょうげんされる内容ないよう最初さいしょ単純たんじゅんに「げい体系たいけい」というほどの意味いみであったとおもわれる。

これが中世ちゅうせいから近世きんせいにかけて、さまざまなげい体系たいけいされ伝授でんじゅ形式けいしきととのえてゆくにつれて、たん芸能げいのう技芸ぎげい体系たいけいというにとどまらず、それをめぐる思想しそう哲学てつがくてき背景はいけい、さらに修行しゅぎょう日常にちじょう生活せいかつにおいてこうした形而上けいじじょうてき問題もんだいをいかにかし、みずからのげいたかめてゆくかという問題もんだいふくめられてゆくようになって成立せいりつしたのが、芸道げいどうという観念かんねんである。その成立せいりつかんしては中世ちゅうせいさかんになった秘伝ひでんせつ伝授でんじゅ思想しそう確立かくりつと、けいおもんじるぜん発想はっそうおおきな影響えいきょうあたえたとるのが通説つうせつである。

特徴とくちょう

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芸能げいのう技芸ぎげい技術ぎじゅつてき問題もんだいとしてのみとらえることをせず、しばしば実生活じっせいかつげい世界せかい混同こんどうさせて、常住坐臥じょうじゅうざがげいたかめるための契機けいきであり、修行しゅぎょうであるとかんがえ、しかのみならず当人とうにん倫理りんりせい道徳どうとくせいがそのままげいにあらわれるがゆえに、げい向上こうじょう同時どうじ人格じんかく向上こうじょうでなければならない、とするところに芸道げいどう特徴とくちょうがある。またげい系統けいとうてき伝承でんしょうおもんじ、先人せんじんをうやまうことがあつく、とく直接ちょくせつ師弟してい関係かんけい大切たいせつにするなど、水平すいへい方向ほうこうてきなひろがりよりも垂直すいちょく方向ほうこうてきなつらなりを優先ゆうせんする。こうしたかんがえかたは、日本にっぽん独自どくじげいという観念かんねん確立かくりつ心境しんきょう境地きょうちとく重視じゅうしする芸術げいじゅつかん尊重そんちょうげいけいのたしかな伝承でんしょうげいげいにとどまらず思索しさくせいつことによる内容ないよう深化しんかなど、さまざまな効果こうかをもたらしたが、一方いっぽうげい世界せかいにおける事大じだい主義しゅぎ神秘しんぴ主義しゅぎ普遍ふへんせい否定ひていつう代表だいひょうされる特殊とくしゅ閉鎖へいさせいむことにもなった。

外国がいこくじんにはこうした日本にっぽん固有こゆう芸道げいどう観念かんねん興味深きょうみぶかくうつるらしく、ドイツじん哲学てつがくしゃオイゲン・ヘリゲルが、東北大学とうほくだいがく在任ざいにんちゅう洋弓ようきゅうアーチェリー)とはちがった日本にっぽん弓道きゅうどう修業しゅうぎょう仕方しかた感銘かんめいけて『ゆみぜん』をあらわしたのを嚆矢こうしとして、欧米おうべい世界せかいにさまざまに紹介しょうかいされている。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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