炭水化物たんすいかぶつ

白米はくまい、短たん粒つぶ種しゅ、生せい
100 gあたりの栄養えいよう価か
エネルギー	1,496 kJ (358 kcal)
炭水化物たんすいかぶつ	80.3 g
糖類とうるい	0.1 g
食物しょくもつ繊維せんい	0.7 g
脂肪しぼう	0.8 g
タンパク質たんぱくしつ	5.95 g
	単位たんい; µg = マイクログラム (英語えいご版ばん) • mg = ミリグラム; IU = 国際こくさい単位たんい;
	%はアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける; 成人せいじん栄養えいよう摂取せっしゅ目標もくひょう (RDI) の割合わりあい。 ; 出典しゅってん: USDA栄養えいようデータベース（英語えいご）

炭水化物たんすいかぶつ（たんすいかぶつ、英えい: carbohydrates、独どく: Kohlenhydrate）または糖とう質しつ（とうしつ、仏ふつ: glucides、英えい: saccharides）は、単たん糖とうを構成こうせい成分せいぶんとする有機ゆうき化合かごう物ぶつの総称そうしょうである。非常ひじょうに多様たような種類しゅるいがあり、天然てんねんに存在そんざいする有機ゆうき化合かごう物ぶつの中なかで量りょうが最もっとも多おおい^[1]。有機ゆうき栄養素えいようそのうち炭水化物たんすいかぶつ、たんぱく質しつ、脂肪しぼうは、多おおくの生物せいぶつ種しゅで栄養素えいようそであり、「三さん大だい栄養素えいようそ」とも呼よばれている。

栄養えいよう学がく上うえは炭水化物たんすいかぶつは糖とう質しつと食物しょくもつ繊維せんいの総称そうしょうとして扱あつかわれており、消化しょうか酵素こうそでは分解ぶんかいできずエネルギー源げんにはなりにくい食物しょくもつ繊維せんいを除のぞいたものを糖とう質しつと呼よんでいる^[2]。三さん大だい栄養素えいようそのひとつとして炭水化物たんすいかぶつの語かたりを用もちいるときは、主おもに糖とう質しつを指さす。

炭水化物たんすいかぶつの多おおくは分子ぶんし式しきが C_mH_2nO_n で表あらわされ、C_m(H₂O)_n と表あらわすと炭素たんそに水みずが結合けつごうした物質ぶっしつのように見みえるため炭水化物たんすいかぶつと呼よばれ、かつては含水炭素がんすいたんそとも呼よばれた^[1]。後のちに定義ていぎは拡大かくだいし、炭水化物たんすいかぶつは糖とうおよびその誘導体ゆうどうたいや縮ちぢみ合体がったいの総称そうしょうとなり、分子ぶんし式しき C_mH_2nO_n で表あらわされない炭水化物たんすいかぶつもある。そのような例れいとしてデオキシリボース C₅H₁₀O₄ 、ポリアルコール、ケトン、酸さんなどが挙あげられる^[1]。また、分子ぶんし式しきが C_mH_2nO_n ではあっても、ホルムアルデヒド (CH₂O, m = n = 1) は炭水化物たんすいかぶつとは呼よばれない。今日きょうでは総称そうしょうとして糖とう質しつないしは糖とうとよばれる場面ばめんの方ほうが多おおくなっている。

生物せいぶつに必要ひつよう不可欠ふかけつな物質ぶっしつであり、骨格こっかく形成けいせい、貯蔵ちょぞう、代謝たいしゃ等ひとしに広ひろく用もちいられる^[1]。栄養えいよう学がく的てきあるいはエネルギー代謝たいしゃ以外いがいの糖とう質しつの事項じこうについては（例たとえば、化学かがく的てき、分子生物学ぶんしせいぶつがく的てき性質せいしつ）記事きじ糖とうに詳くわしい。

炭水化物たんすいかぶつは主おもに植物しょくぶつの光合成こうごうせいでつくられる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

1グラムにつき4キロカロリーのエネルギーがある。炭水化物たんすいかぶつは単たん糖類とうるい、二に糖類とうるい、多た糖類とうるいに分わけられる。通常つうじょう炭水化物たんすいかぶつは、多た糖類とうるいであるデンプンを多おおく含ふくんでいる。炭水化物たんすいかぶつはもっとも多おおく必要ひつようとされる栄養素えいようそで、日本にっぽんの食生活しょくせいかつ指針ししんで炭水化物たんすいかぶつが多おおく含ふくまれる食品しょくひんが主食しゅしょくとされる^[3]。2003年ねんのWHO/FAOの報告ほうこくでは、2型がた糖尿とうにょう病びょうや肥満ひまんのリスクを減へらすとして、食物しょくもつ繊維せんいの摂取せっしゅ源げんとして野菜やさいや果物くだものと共ともに全ぜん粒つぶ穀物こくもつも挙あげられている^[4]。全ぜん粒つぶ穀物こくもつは血糖けっとう負荷ふかが低ひくく血糖けっとう値ちを急激きゅうげきに上あげにくいという特徴とくちょうがある。食物しょくもつ繊維せんいの重要じゅうよう性せいを報告ほうこくしていたバーキットは、1975年ねんにトロウェルと一緒いっしょに『精製せいせい炭水化物たんすいかぶつと病気びょうき-食物しょくもつ繊維せんいの影響えいきょう』^[5]を出版しゅっぱんし、精白せいはくしていない全ぜん粒つぶ穀物こくもつの重要じゅうよう性せいを訴うったえ、以降いこうこのことは科学かがく的てき研究けんきゅうによって追認ついにん・支持しじされていく^[6]。

砂糖さとうはショ糖とうを主成分しゅせいぶんとする糖とう質しつの結晶けっしょうである。砂糖さとうは炭水化物たんすいかぶつ以外いがいの栄養素えいようそがほとんど含ふくまれておらず、健康けんこうに対たいする悪影響あくえいきょうを示唆しさする研究けんきゅう報告ほうこくも複数ふくすう行おこなわれている。そのため、21世紀せいき初頭しょとうより砂糖さとうの摂取せっしゅ制限せいげんを推進すいしんする動うごきが西欧せいおう諸国しょこくを中心ちゅうしんに活発かっぱつ化かしている^[7]^[8]。2015年ねんにWHOが発表はっぴょうしたガイドラインでは、砂糖さとうの摂取せっしゅ量りょうの増加ぞうかと肥満ひまんおよびう蝕（虫歯むしば）との関連かんれん性せいを指摘してきし、砂糖さとうの摂取せっしゅ量りょうを全ぜん摂取せっしゅエネルギーの10%未満みまんに抑おさえることを強つよく推奨すいしょうしている^[9]。また、更さらなる健康けんこう増進ぞうしんのために5%未満みまんあるいは一いち日にち25g（ティースプーン6杯はい程度ていど）未満みまんに抑おさえることを推奨すいしょうしている^{[注釈ちゅうしゃく 1]}。薬物やくぶつ依存いぞん症しょうとの関連かんれんから砂糖さとう依存いぞん症しょうに関かんする研究けんきゅう報告ほうこくがされており、砂糖さとう依存いぞん症しょうと肥満ひまんとの関連かんれんが示唆しさされる。

果物くだものに含ふくまれる果糖かとうは中性ちゅうせい脂肪しぼうを増ふやす効果こうかが高たかいので、生活せいかつ習慣しゅうかん病びょうにおいて摂取せっしゅ制限せいげんが指導しどうされる場合ばあいがある^[10]。オリゴ糖とうなどの腸ちょう内ないで分解ぶんかいされやすい糖類とうるいは、プロバイオティクスとして知しられ、有用ゆうような腸ちょう内ない細菌さいきんを増ふやす作用さようがある。

農業のうぎょう社会しゃかいの場合ばあい、炭水化物たんすいかぶつを供給きょうきゅうする主食しゅしょくが伝統でんとう的てきに食生活しょくせいかつの中なかで大おおきな役割やくわりを占しめてきた。前ぜん近代きんだいにおいては炭水化物たんすいかぶつを供給きょうきゅうする単一たんいつの主食しゅしょくに頼たよる食生活しょくせいかつを送おくっていたが、経済けいざい成長せいちょうや流通りゅうつうの整備せいびなどによって先進せんしん国こくでは多種たしゅ多様たような食品しょくひんが食卓しょくたくに並ならぶようになり、主食しゅしょくへの依存いぞんは大おおきく減少げんしょうした。一方いっぽう発展はってん途上とじょう国こくにおいてはいまだに穀物こくもつやイモ類るいなどの主食しゅしょくに依存いぞんする食生活しょくせいかつが続つづいているところが多おおい^[11]。

炭水化物たんすいかぶつに分類ぶんるいされるもの[編集へんしゅう]

栄養えいよう表示ひょうじによる分類ぶんるい[編集へんしゅう]

日本にっぽんでは、健康けんこう増進ぞうしん法ほうに基もとづく栄養えいよう表示ひょうじ基準きじゅんで、消費しょうひ者しゃ向むけに販売はんばいされる食品しょくひんに栄養えいよう成分せいぶんを表示ひょうじする際さいには表示ひょうじ方法ほうほうが規定きていされている。「炭水化物たんすいかぶつ」や「糖とう質しつ」及および「食物しょくもつ繊維せんい」の含有がんゆう量りょうの表示ひょうじが認みとめられている。

また、これとは別べつに、状況じょうきょうに応おうじ「糖類とうるい」の含有がんゆう量りょうが表記ひょうきされる場合ばあいがある。例たとえば、「シュガーレス（無む糖とう・ノンシュガー・糖類とうるいゼロの表示ひょうじも同おなじ意味いみ）」「低てい糖とう・従来じゅうらい比ひ糖類とうるい○○%カット」などの表記ひょうきをする場合ばあいに用もちいられることがある。

分類ぶんるいは下記かきの通とおりとなる。

炭水化物たんすいかぶつ^{[注釈ちゅうしゃく 2]}
- 糖とう質しつ（食物しょくもつ繊維せんいではない炭水化物たんすいかぶつ^{[注釈ちゅうしゃく 3]}）
  - 糖類とうるい（単たん糖類とうるい又または二に糖類とうるいであって、糖とうアルコールでないもの）
  - そのほか（デンプンなど）
- 食物しょくもつ繊維せんい

例たとえば、ある食品しょくひんの栄養えいよう成分せいぶん表示ひょうじに、炭水化物たんすいかぶつ、糖とう質しつ、食物しょくもつ繊維せんい、糖類とうるいの含有がんゆう量りょうの記載きさいがあれば、糖とう質しつと食物しょくもつ繊維せんいの量りょうは炭水化物たんすいかぶつの量りょうの内うち数すうであり、更さらに糖類とうるいの量りょうは糖とう質しつの量りょうの内うち数すうである。

化学かがく的てき分類ぶんるい[編集へんしゅう]

より厳密げんみつには、炭水化物たんすいかぶつとは以下いかを包括ほうかつする一般いっぱん名称めいしょうである。

糖とう – アルデヒド基もとまたはケトン基もとを持もつ多た価あたいアルコール（カルボニル基もとを持もつ多た価あたいアルコール）
- 単たん糖とう（類るい）^[1]
- 少しょう糖とう（類るい） – 単たん糖とうが2個こ〜10個こ程度ていどが縮ちぢみ合あわしたもの。オリゴ糖とう（類るい）ともいう^[1]。単たん糖とうの結合けつごうした数かずにより、特とくに二に糖とう、三さん糖とうなどという場合ばあいもある。
- 多た糖とう（類るい） – 単たん糖とうがオリゴ糖とう以上いじょうに結合けつごうしたもの^[1]。このうち、構成こうせいする糖とうが1種類しゅるいのものはホモ多た糖とう、2種類しゅるい以上いじょうのものはヘテロ多た糖とうと言いう^[1]。また、炭水化物たんすいかぶつがタンパク質たんぱくしつや脂質ししつと共有きょうゆう結合けつごうで化合かごうしたものは複ふく合ごう糖とう質しつと呼よばれる^[1]。
糖とうの誘導体ゆうどうたい

構成こうせい炭素たんそ数すうでも分類ぶんるいされる^[1]。

これらが持もつ塩基えんきにより、アルデヒド基もとを持もつアルドースと、ケトン基もとを持もつケトースに分類ぶんるいされる。アルデヒド基もとやケトン基もとがヒドロキシル基もとと結むすびついて環状かんじょうの構造こうぞうを作つくると、その型かたから五ご員いん環たまき（フラノース）と六ろく員いん環たまき（ピラノース）にも分わけられる^[1]。

不ふ斉ひとし炭素たんその立体りったい配置はいちからは、D系列けいれつとL系列けいれつにも区分くぶんされる^[1]。環状かんじょう構造こうぞうを持もつとこれが別べつの不ふ斉ひとしを生しょうじ、αあるふぁ-アノマーとβべーた-アノマーにも分わけることができる^[1]。

炭水化物たんすいかぶつの生理せいり作用さよう[編集へんしゅう]

人体じんたいが炭水化物たんすいかぶつを摂取せっしゅすると、デンプンの場合ばあい唾液だえきで加水かすい分解ぶんかいされ、胃液いえきや膵液で二に糖類とうるいのマルトースまで分解ぶんかいされ、最終さいしゅう的てきに小腸しょうちょうの上皮じょうひ細胞さいぼうに存在そんざいするマルターゼ、スクラーゼ、イソマルターゼ、ラクターゼ、トレハラーゼなどの二に糖類とうるい水すい解かい酵素こうそにより単たん糖類とうるいのグルコース、フルクトース、ガラクトースなどにまで分解ぶんかいされて初はじめて腸管ちょうかんからの吸収きゅうしゅうを可能かのうとする^[12]。これは脂質ししつが脂肪酸しぼうさんやモノグリセリド、タンパク質たんぱくしつがアミノ酸あみのさん、核酸かくさんが塩基えんきや糖とうにまで分解ぶんかいされるのと同おなじであり、これら吸収きゅうしゅうされる状態じょうたいの物質ぶっしつは最終さいしゅう分解ぶんかい産物さんぶつと呼よばれる^[13]。水みずに不溶性ふようせいの脂質ししつ系けい最終さいしゅう分解ぶんかい産物さんぶつと異ことなり、ミセルなどを作つくらず吸収きゅうしゅうされるとそのまま門もん脈みゃく血ちの中なかに溶とけ込こむ^[13]。

体内たいないにおける糖とう質しつの主おもな働はたらきは細胞さいぼうにおいてエネルギー源げんとなる事ことである。血液けつえき中ちゅうに溶とけたグルコースは血糖けっとうと呼よばれ、細胞さいぼうに適宜てきぎ取とり込こまれると内うち呼吸こきゅう（好こう気き呼吸こきゅう）もしくは嫌気いやけ呼吸こきゅうによって各種かくしゅ生体せいたい活動かつどうのエネルギー源げんとなるATPを合成ごうせいする^[14]。

エネルギー源げんとして重要じゅうようであるグルコースは、ホメオスタシスによって体内たいない濃度のうどが調整ちょうせいされる。上昇じょうしょうすると膵臓すいぞうのβべーた細胞さいぼうからインスリンが分泌ぶんぴつされ肝臓かんぞうや^[15]細胞さいぼうが^[16]取とり込こむ動うごきを活発かっぱつにしたり、グリコーゲンや脂肪しぼうへの変換へんかんを促うながす^[16]。逆ぎゃくに低下ていかすると膵臓すいぞうのαあるふぁ細胞さいぼうからグルカゴン、副腎ふくじん皮質ひしつのクロマフィン細胞さいぼうからカテコールアミンが分泌ぶんぴつされ、細胞さいぼう中ちゅうのグリコーゲンが分解ぶんかいして血糖けっとう値ちが上あがる^[15]。

グルコースは植物しょくぶつではデンプンとして体内たいないに蓄たくわえられる。植物しょくぶつの体からだはセルロースという多た糖とうによって構成こうせいされている。セルロースはデンプンと同おなじグルコースの多量たりょう体たいであるが、結合けつごう様式ようしきが異ことなるため、化学かがく的てきに極きわめて強靭きょうじんな構造こうぞうを持もつ。セルロースは細胞さいぼう壁かべの主成分しゅせいぶんとして活用かつようされている。

また、細胞さいぼうの表層ひょうそうには、糖とう鎖くさりと呼よばれる糖とうの多量たりょう体たいが結合けつごうしている。これはタンパク質たんぱくしつに対たいする受容じゅよう体たいほど強つよくは無ないものの、生体せいたい内ないである種しゅの「標識ひょうしき」としてはたらいている。

炭水化物たんすいかぶつの代謝たいしゃ[編集へんしゅう]

詳細しょうさいは「炭水化物たんすいかぶつ代謝たいしゃ」を参照さんしょう

食事しょくじ摂取せっしゅ基準きじゅん[編集へんしゅう]

人間にんげんが1日にちに必要ひつようとする炭水化物たんすいかぶつは総そうエネルギー必要ひつよう量りょうの50%から70%を目標もくひょうにすべきとされる^[17]。

脳のうの代謝たいしゃを考慮こうりょするとグルコースとなる炭水化物たんすいかぶつの最低さいてい必要ひつよう量りょうは100g/日にちと推定すいていされるが、これ以下いかの摂取せっしゅであっても肝臓かんぞうにおける糖とう新生しんせいによりグルコースが供給きょうきゅうされる場合ばあいがある^[18]。

食物しょくもつ繊維せんいの望のぞましい摂取せっしゅ量りょうは、成人せいじん男性だんせいで19g/日にち以上いじょう、成人せいじん女性じょせいで17g/日にち以上いじょうである^[18]。

またWHO/FAOの2003年ねんのレポートで、砂糖さとうは総そうエネルギー必要ひつよう量りょうの10%未満みまんにすべきだと勧告かんこくされている^[19]。

炭水化物たんすいかぶつの摂取せっしゅ基準きじゅん
	標準ひょうじゅん男性だんせい			標準ひょうじゅん女性じょせい
生活せいかつ強度きょうど	低ひくい^{[注釈ちゅうしゃく 4]}	普通ふつう^{[注釈ちゅうしゃく 5]}	高たかい^{[注釈ちゅうしゃく 6]}	低ひくい	普通ふつう	高たかい
18-29（歳とし）	288-400g	331-464g	381-534g	219-306g	256-359g	294-411g
70以上いじょう(歳とし)	200-280g	231-324g	263-368g	169-237g	194-271g	219-306g

一いち日にちのエネルギー必要ひつよう量りょうは、男性だんせいでは2660(kcal)、女性じょせいでは1995(kcal)であり、炭水化物たんすいかぶつのエネルギー量りょうは4 kcal/gであり、仮かりに60%の値ねを当あてはめると、以下いかのとおりとなる。

男性だんせいでは、2660 kcal/日にち x 0.6 / 4 kcal/g =400 g/日ひ（白米はくまい3.3合ごう/日にちに相当そうとう）
女性じょせいでは、1995 kcal/日にち x 0.6 / 4 kcal/g =300 g/日ひ（白米はくまい2.5合ごう/日にちに相当そうとう）

日本にっぽんにおける標準ひょうじゅん的てきな一いち日にちあたりの基礎きそ代謝たいしゃ量りょう（男子だんし:1450 kcal : 女子じょし： 1210kcal）に白米はくまいを主食しゅしょくとして当あてはめると100g辺あたり358kcalで80ｇが炭水化物たんすいかぶつなので、人間にんげんが1日にちに必要ひつようとする炭水化物たんすいかぶつは総そうエネルギー必要ひつよう量りょうの60%を目標もくひょうにされており、以下いかのとおりとなる。

男性だんせいでは、1450 kcal x 0.6 = 870kcal
- 白米はくまい ( 870kcal / 358kcal ) x 100g = 243g
- 白米はくまいの炭水化物たんすいかぶつ ( 870kcal / 358kcal ) x 80g = 194g
女性じょせいでは、1210 kcal x 0.6 = 726kcal
- 白米はくまい ( 726kcal / 358kcal ) x 100g = 203g
- 白米はくまいの炭水化物たんすいかぶつ (726kcal / 358kcal ) x 80g = 162g

日本にっぽんにおける1日にちに必要ひつようとする炭水化物たんすいかぶつの摂取せっしゅ基準きじゅんをもとにした白米はくまいの量りょう : 男子だんし:243g : 女子じょし： 203g

白米はくまいを主食しゅしょくとした摂取せっしゅエネルギー量りょうの例れい
	標準ひょうじゅん男性だんせい			標準ひょうじゅん女性じょせい
生活せいかつ強度きょうど	低ひくい	普通ふつう	高たかい	低ひくい	普通ふつう	高たかい
炭水化物たんすいかぶつの摂取せっしゅエネルギー（総そう摂取せっしゅエネルギーの60%）	978-1170kcal	1170-1360kcal	1360-1560kcal	834-1002kcal	1002-1170kcal	1170-1338kcal
白米はくまいの量りょう	273-326g	326-382g	382-436g	233-280g	280-326g	326-373g
白米はくまいの炭水化物たんすいかぶつの量りょう	218-261g	261-306g	306-348g	186-306g	224-261g	261-298g
白米はくまいの食物しょくもつ繊維せんい	1.9-2.3g	2.3-2.8g	2.8-3.1g	1.6-2.0g	2.0-2.3g	2.3-2.6g

日常にちじょうの生活せいかつ強度きょうどに合あった食事しょくじをする必要ひつようがある。目安めやすは、

総そうエネルギー量りょう(kcal)＝標準ひょうじゅん体重たいじゅう(kg) × 生活せいかつ活動かつどう強度きょうど指数しすう(kcal)
- 生活せいかつ活動かつどう強度きょうど指数しすう
  - 軽けい労働ろうどう（主婦しゅふ・デスクワーク）:25-30 kcal
  - 中ちゅう労働ろうどう（製造せいぞう・販売はんばい業ぎょう・飲食いんしょく店てん）:30-35 kcal
  - 重労働じゅうろうどう（建築けんちく業ぎょう・農業のうぎょう・漁業ぎょぎょう）:35-40 kcal

標準ひょうじゅん体重たいじゅう(kg) = 身長しんちょう(m) × 身長しんちょう(m) × 22（BMI）

日本にっぽんにおける平均へいきん身長しんちょう
国名こくめい	男子だんし	女子じょし	年令ねんれい範囲はんい	調査ちょうさ年ねん
日本にっぽん	171.82 cm	158.84 cm	20-24	2010^[20]

厚生こうせい労働省ろうどうしょうによる栄養素えいようそ配分はいぶんの適正てきせいは、以下いかのとおりとなる。

炭水化物たんすいかぶつ：総そうエネルギー必要ひつよう量りょうの60%
食物しょくもつ繊維せんい：25ｇ以上いじょう

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

^ 2015年ねん時点じてんで砂糖さとうの摂取せっしゅ量りょうが低ひくい母集団ぼしゅうだんに関かんする疫学えきがく研究けんきゅうが不足ふそくしているため、WHOは5%未満みまんないし一いち日にち25g未満みまんへの抑制よくせいは「条件じょうけん付つき」の推奨すいしょうであるとしている。
^ 栄養えいよう表示ひょうじ基準きじゅんにおいて「食品しょくひんの重量じゅうりょうから、たんぱく質しつ、脂質ししつ、灰分かいぶん及および水分すいぶんの量りょうを控除こうじょして算定さんてい」した値ねと規定きていされている。従したがって、体内たいないでの働はたらきが一般いっぱんの炭水化物たんすいかぶつとは異ことなる成分せいぶん、例たとえばクエン酸くえんさんなども炭水化物たんすいかぶつの含有がんゆう量りょうとして表示ひょうじされる事ことに注意ちゅういが必要ひつようである。
^ 正式せいしきには「食品しょくひんの重量じゅうりょうから、たんぱく質しつ、脂質ししつ、食物しょくもつ繊維せんい、灰分かいぶん及および水分すいぶんの量りょうを控除こうじょして算定さんてい」した値ねと規定きていされている。
^ 低ひくい：生活せいかつの大だい部分ぶぶんが座ざ位いで、静的せいてきな活動かつどうが中心ちゅうしんの場合ばあい
^ 普通ふつう：座ざ位い中心ちゅうしんの仕事しごとだが、職場しょくば内ないでの移動いどうや立だて位いでの作業さぎょう・接客せっきゃく等とう、あるいは通勤つうきん・買物かいもの・家事かじ、軽かるいスポーツ等とうのいずれかを含ふくむ場合ばあい
^ 高たかい：移動いどうや立だて位いの多おおい仕事しごとへの従事じゅうじ者しゃ。あるいは、スポーツなど余暇よかにおける活発かっぱつな運動うんどう習慣しゅうかんをもっている場合ばあい

出典しゅってん[編集へんしゅう]

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参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

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監修かんしゅう：佐藤さとう昭夫あきお、佐伯さえき由香ゆか『人体じんたいの構造こうぞうと機能きのう第だい2版はん』（第だい2版はん第だい6刷さつ）医歯薬出版いしやくしゅっぱん、2009年ねん。ISBN 978-4-263-23434-1。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

『炭水化物たんすいかぶつ』 - コトバンク

[10] 2015年ねん時点じてんで砂糖さとうの摂取せっしゅ量りょうが低ひくい母集団ぼしゅうだんに関かんする疫学えきがく研究けんきゅうが不足ふそくしているため、WHOは5%未満みまんないし一いち日にち25g未満みまんへの抑制よくせいは「条件じょうけん付つき」の推奨すいしょうであるとしている。

[13] 栄養えいよう表示ひょうじ基準きじゅんにおいて「食品しょくひんの重量じゅうりょうから、たんぱく質しつ、脂質ししつ、灰分かいぶん及および水分すいぶんの量りょうを控除こうじょして算定さんてい」した値ねと規定きていされている。従したがって、体内たいないでの働はたらきが一般いっぱんの炭水化物たんすいかぶつとは異ことなる成分せいぶん、例たとえばクエン酸くえんさんなども炭水化物たんすいかぶつの含有がんゆう量りょうとして表示ひょうじされる事ことに注意ちゅういが必要ひつようである。

[14] 正式せいしきには「食品しょくひんの重量じゅうりょうから、たんぱく質しつ、脂質ししつ、食物しょくもつ繊維せんい、灰分かいぶん及および水分すいぶんの量りょうを控除こうじょして算定さんてい」した値ねと規定きていされている。

[23] 低ひくい：生活せいかつの大だい部分ぶぶんが座ざ位いで、静的せいてきな活動かつどうが中心ちゅうしんの場合ばあい

[24] 普通ふつう：座ざ位い中心ちゅうしんの仕事しごとだが、職場しょくば内ないでの移動いどうや立だて位いでの作業さぎょう・接客せっきゃく等とう、あるいは通勤つうきん・買物かいもの・家事かじ、軽かるいスポーツ等とうのいずれかを含ふくむ場合ばあい

[25] 高たかい：移動いどうや立だて位いの多おおい仕事しごとへの従事じゅうじ者しゃ。あるいは、スポーツなど余暇よかにおける活発かっぱつな運動うんどう習慣しゅうかんをもっている場合ばあい

[SeikagakuDic908-1-1] ^ ^a ^b ^c ^d ^e ^f ^g ^h ⁱ ^j ^k ^l ^m 生化学せいかがく辞典じてん第だい2版はん、p.908 【糖とう質しつ】

[2] 渡邊わたなべ昌あきら『運動うんどう・からだ図解ずかい栄養えいよう学がくの基本きほん』2016年ねん、92頁ぺーじ。

[3] 『食事しょくじバランスガイド厚生こうせい労働省ろうどうしょう・農林水産省のうりんすいさんしょう決定けっていフードガイド（仮称かしょう）検討けんとう会かい報告ほうこく書しょ』(PDF) 第だい一いち出版しゅっぱん、2005年ねん12月。ISBN 4-8041-1117-4。

[who2003report-4] Report of a Joint WHO/FAO Expert Consultation Report of a Joint WHO/FAO Expert Consultation 2003

[5] BURKITT D.P, TROWELL H.C Refined Carbohydrate Foods and Disease: Some Implications of Dietary Fibre, 1975 . ISBN 978-0121447502

[6] Marquart L, Jacobs DR Jr, Slavin JL. "Whole Grains and Health: An Overview" Journal of the American College of Nutrition Vol.19(90003), 2000, pp289-290. PMID 10875599

[7] Burros, Marian; Warner, Melanie (2006年ねん5月がつ4日にち). “Bottlers Agree to a School Ban on Sweet Drinks (Published 2006)” (英語えいご). The New York Times. ISSN 0362-4331 2021年ねん2月がつ27日にち閲覧えつらん。

[8] “Guidelines on reducing sugar in food published for industry” (英語えいご). GOV.UK. 2021年ねん2月がつ27日にち閲覧えつらん。

[9] “WHO guideline : sugar consumption recommendation” (英語えいご). www.who.int. 2021年ねん2月がつ27日にち閲覧えつらん。

[guidelines-11] 生活せいかつ習慣しゅうかん病びょう予防よぼうのための各かく学会がっかいのガイドラインの整理せいり (PDF) (厚生こうせい労働省ろうどうしょう)

[12] 「食料しょくりょうの世界せかい地図ちず」p78-81　エリック・ミルストーン、ティム・ラング著ちょ　中山なかやま里美さとみ・高田たかだ直也なおや訳やく　大賀おおが圭けい治ち監訳かんやく　丸善まるぜん　平成へいせい17年ねん10月がつ30日にち発行はっこう

[15] 山田やまだ和彦かずひこ、「炭水化物たんすいかぶつの消化しょうか・吸収きゅうしゅう・発酵はっこうとその利用りよう」『栄養えいよう学がく雑誌ざっし』 2001年ねん 59巻かん 4号ごう p.169-176, doi:10.5264/eiyogakuzashi.59.169

[Saeki122-16] 佐藤さとう・佐伯さえき(2009)、p.122-141、第だい6章しょう 2.消化しょうかdigestionと吸収きゅうしゅうabsorption

[Saeki148-17] 佐藤さとう・佐伯さえき(2009)、p.148-151、第だい7章しょう 2.生体せいたい内ないの物質ぶっしつ代謝たいしゃ 1)糖とう質しつ

[Saeki379-18] 佐藤さとう・佐伯さえき(2009)、p.379、第だい17章しょうホメオスタシスと生体せいたいリズム 1.ホメオスタシス 4)血糖けっとう値ちblood suar(blood glucose)調整ちょうせい

[Saeki337-19] 佐藤さとう・佐伯さえき(2009)、p.337、第だい14章しょう内分泌ないぶんぴつ 2.内分泌ないぶんぴつ器官きかんの構造こうぞうと機能きのう 4)肝臓かんぞうのランゲルハンス島とうLangerhans isletの構造こうぞうとホルモン (1)インスリン

[20] 日本人にっぽんじんの食事しょくじ摂取せっしゅ基準きじゅん（2005年版ねんばん） (厚生こうせい労働省ろうどうしょう)

[摂取基準-21] 「日本人にっぽんじんの食事しょくじ摂取せっしゅ基準きじゅん」（2010年版ねんばん）厚生こうせい労働省ろうどうしょう (PDF)

[who2003report2-22] Report of a Joint WHO/FAO Expert Consultation Diet, Nutrition and the Prevention of Chronic Diseases 2003

[26] “体力たいりょく・運動うんどう能力のうりょく調査ちょうさ 2010年度ねんど”. 政府せいふ統計とうけいの総合そうごう窓口まどぐち (2011年ねん10月がつ11日にち). 2012年ねん4月がつ14日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2023年ねん12月13日にち閲覧えつらん。

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[注釈ちゅうしゃく 4]

[注釈ちゅうしゃく 5]

[注釈ちゅうしゃく 6]

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