セント・ジェームズ・パーク (ロンドン)

セント・ジェームズ・パーク(St James's Park)
セント・ジェームズ・パーク(St James's Park)
	ブルー・ブリッジから東側ひがしがわのホース・ガーズ方面ほうめんの眺ながめ
所在地しょざいち	ロンドン、シティ・オブ・ウェストミンスター
座標ざひょう	北緯ほくい51度ど30分ふん6秒びょう西経せいけい0度ど7分ふん55秒びょう / 北緯ほくい51.50167度ど西経せいけい0.13194度ど座標ざひょう: 北緯ほくい51度ど30分ふん6秒びょう西経せいけい0度ど7分ふん55秒びょう / 北緯ほくい51.50167度ど西経せいけい0.13194度ど
面積めんせき	23ヘクタール (57エーカー)
設立せつりつ	1603
運営うんえい者しゃ	王立おうりつ公園こうえん
アクセス	セント・ジェームズ・パーク駅えき、グリーン・パーク駅えき、ヴィクトリア駅えき、ウェストミンスター駅えき
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セント・ジェームズ・パーク(英語えいご: St James's Park)はロンドン中央ちゅうおう部ぶ、シティ・オブ・ウェストミンスターにある23ヘクタールの公園こうえんである。この公園こうえんは小しょうヤコブ(英語えいごでは聖ひじりジェームズとなる)に捧ささげられたハンセン病はんせんびょう療養りょうよう所しょにちなんで名なづけられたセント・ジェームズ地域ちいきの最南端さいなんたんにある。セント・ジェームズ・パークはロンドン中央ちゅうおう部ぶにある公園こうえん群ぐんの中なかでも一番いちばん東側ひがしがわにあるもので、ここから西側にしがわへグリーン・パーク、ハイド・パーク、ケンジントン・ガーデンズがほぼ切きれ目めなくつながっている^[1]^[2]^[3]。

セント・ジェームズ・パークの西側にしがわにはバッキンガム宮殿きゅうでんが、北側きたがわにはザ・マルが、東側ひがしがわにはホース・ガーズが、南側みなみがわにはバードケイジ・ウォークがある。中央ちゅうおう部ぶにヴィクトリア・メモリアルを擁ようするクイーンズ・ガーデンズのところでグリーン・パークと接せっしており、この記念きねん塔とうの向むかいにはバッキンガム宮殿きゅうでんの入いり口くちがある。セント・ジェームズ宮殿きゅうでんはザ・マルをはさんで向むかい側がわにある。一番いちばん近ちかいロンドン地下鉄ちかてつの駅えきはセント・ジェームズ・パーク駅えき、グリーン・パーク駅えき、ヴィクトリア駅えき、ウェストミンスター駅えきである^[2]。

セント・ジェームズ・パークはイギリス指定してい公園こうえん・庭園ていえん登録とうろく制度せいどにおけるグレード1登録とうろく公園こうえんである^[4]。

特徴とくちょう[ソースを編集へんしゅう]

セント・ジェームズ・パークには小ちいさな湖みずうみであるセント・ジェームズ湖みずうみがあり、ウェスト島とうとダック島とうのふたつの島しまが浮うかんでいる。後者こうしゃの島しまの名前なまえはこの湖みずうみの水辺みずべに住すむカモからつけられた。1664年ねんにロシアの大使たいしからチャールズ2世せいにペリカンが贈おくられており、それ以来いらいペリカンのコロニーが湖みずうみの大おおきな特色とくしょくになっている^[5]。ペリカンの翼つばさはほとんど刈かり込こみしてあるが、食たべ物ものめあてにロンドン動物どうぶつ園えんまで飛とんでいくペリカンが目撃もくげきされたこともある^[6]。湖みずうみにかかるブルー・ブリッジを中心ちゅうしんにすると、西側にしがわには木立こだちに囲かこまれたバッキンガム宮殿きゅうでんがある。東側ひがしがわにはダック島とうの北きたにスワイア噴水ふんすいがあり、湖みずうみの向むこうにはホース・ガーズ・パレードのグラウンドやホース・ガーズ、旧きゅう戦争せんそう省しょう、ホワイトホール・コートなどが後うしろに見みえる。ダック島とうの南みなみにはペリカン・ロックにティファニー噴水ふんすいがあり、湖みずうみの向むこうに外務がいむ・英えい連邦れんぽう省しょう、ロンドン・アイ、シェル・タワー、ザ・シャードがある^[2]。公園こうえんには大おおきな砂場すなばのついた子こども用ようの遊あそび場ばもある^[7]。

来歴らいれき[ソースを編集へんしゅう]

1532年ねんにヘンリー8世せいはイートン・カレッジからタイバーン川かわが流ながれてくる沼沢しょうたく地ち一帯いったいを購入こうにゅうした。トマス・ウルジー枢機卿すうききょうからヘンリー8世せいが買収ばいしゅうしたヨーク・プレイスの西側にしがわの地域ちいきだった。その後ご、ホワイトホールと改称かいしょうされることになるヨーク・プレイスを王おうにふさわしい邸宅ていたくにするための土地とち購入こうにゅうであった。1603年ねんにジェームズ1世せいがイングランド王おうとして即位そくいするにあたり、公園こうえんの排水はいすいと造園ぞうえんが命めいじられ、ラクダ、ワニ、ゾウといったエキゾチックな動物どうぶつはこの公園こうえんに、鳥とりのほうは鳥類ちょうるい園えんで飼かわれることになった^[8]。

イングランド共和きょうわ国こく時代じだい、チャールズ2世せいはフランスに亡命ぼうめいしていたが、その際さいチャールズはフランスの王宮おうきゅうが備そなえる手ての込こんだ庭園ていえんに感銘かんめいを受うけ、即位そくい後ごにおそらくフランスの造園ぞうえん家かアンドレ・モレを雇やとってもっと整形せいけいされたスタイルの庭園ていえんになるよう再さい設計せっけいさせた。古ふるい設計せっけい図ずからわかるように、775メートル×38メートルの運河うんがが創つくられた。王おうは公園こうえんを大衆たいしゅうに開放かいほうし、賓客ひんきゃくやネル・グウィンのような愛人あいじんをもてなすためにも使用しようした。この頃ころの公園こうえんは、第だい2代だいロチェスター伯はくジョン・ウィルモットが詩し「セント・ジェームズ・パークでの散策さんさく」("A Ramble in St James's Park")で書かいているような、行いきずりのセックスを求もとめる出会であいの場所ばしょとして悪名あくめいを馳はせるようになった^[9]。

17世紀せいき末まつから18世紀せいき初頭しょとうになると、公園こうえんで牝めす牛うしが放牧ほうぼくされ、ザカリアス・コンラッド・フォン・ウッフェンバッハが1710年ねんに記しるしているように、「ラクタリアン」で新鮮しんせんな牛乳ぎゅうにゅうが買かえるようになった^[10]。18世紀せいきにはさらなる変化へんかがあり、ホース・ガーズ・パレードのために運河うんがの一部いちぶが干拓かんたくされ、1761年ねんには王妃おうひとなるシャーロット・オブ・メクレンバーグ＝ストレリッツが使つかうため、ザ・マルの西にしの端はしに現在げんざいのバッキンガム宮殿きゅうでんにあたるバッキンガム・ハウスが購入こうにゅうされた。

1826–27年ねんの間あいだに、のちにジョージ4世せいとなる摂政せっしょう王おう太子たいしジョージの依頼いらいでさらなる改築かいちくが行おこなわれ、これは建築けんちく家かで造園ぞうえん家かのジョン・ナッシュが監督かんとくした。運河うんがはもっと自然しぜんな形状けいじょうの湖みずうみになり、整形せいけいされた大おおきな通とおりは新あたらしくロマン主義しゅぎふうの趣味しゅみにあったうねる小径しょうけいに変更へんこうされた。同時どうじにバッキンガム・ハウスが宮殿きゅうでんを作つくるため拡張かくちょうされ、入いり口くちにはマーブル・アーチが作つくられる一方いっぽう、ザ・マルは大おおきな行列ぎょうれつ用ようの道みちになった。60年ねん後ごの1887年ねんに一般人いっぱんじんの通行つうこうができるようになった。マーブル・アーチは1851年ねんにオックスフォード・ストリートとパーク・レーンの交差点こうさてんにある現在げんざいの場所ばしょに移うつされ、1906年ねんから1924年ねんの間あいだにヴィクトリア・メモリアルが建設けんせつされた。

作品さくひんへの登場とうじょう[ソースを編集へんしゅう]

ニール・ゲイマンとテリー・プラチェットの作品さくひん『グッド・オーメンズ』(1990)では、天使てんしアジラフェールと悪魔あくまクロウリーがよくセント・ジェームズ・パークに来きてカモにえさをやっている。

ギャラリー[ソースを編集へんしゅう]

アンドレ・モレによるチャールズ2世せいの時代じだいの公園こうえん設計せっけい図ず。18世紀せいきから19世紀せいきの改築かいちくでは、この設計せっけい図ずに見みえるまっすぐな運河うんがからもっと自然しぜんな形かたちの湖みずうみが作つくられ、東側ひがしがわはホース・ガーズ・パレードのため土どが盛もられた。
1745年ねん頃ごろにセント・ジェームズ・パークに集あつまるファッショナブルな人々ひとびと。
1833年ねん頃ごろのグリーン・パークとセント・ジェームズ・パーク。
ダック島とうのコテージ。
セント・ジェームズ・パークの湖みずうみから北側きたがわの眺ながめ。後うしろにバッキンガム宮殿きゅうでんが見みえる。