ティリガン

ティリガン（Tirigan、在位ざいい：紀元前きげんぜん22世紀せいき末すえ頃ごろ？）は、シュメール王おう名めい表ひょうによればグティ人じんの最後さいごの王おう。ウルク第だい5王朝おうちょう最後さいごの王おうウトゥ・ヘガルによって破やぶられ、グティ時代じだいは終おわったとされる。

後代こうだいに作つくられた碑文ひぶんによればティリガンはグティ王おうとなった後のちチグリス川がわの両りょう岸きしを支配しはいし、畑はたけを襲おそい、隊商たいしょうから略奪りゃくだつし、自みずからに刃向はむかえる何者なにものも存在そんざいしないとまで言いった。しかしウルク王おうウトゥ・ヘガルがエンリル神かみとイナンナ女神めがみによってグティ人じんを倒たおすために選えらばれ、彼かれによってティリガンはドゥブルムで敗やぶれ捕虜ほりょとなった。そしてグティ時代じだいは終おわったとされる。

この説話せつわの史実しじつ性せいは明あきらかではない。実際じっさいにはグティ人じんの支配しはい領域りょういきがシュメールの伝説でんせつよりずっと狭せまかったことが最近さいきんの研究けんきゅうでわかっている他ほか、ウトゥ・ヘガルによるグティ人じん放逐ほうちくの説話せつわも同どう時代じだい史料しりょうには登場とうじょうしないなど、グティ人じんの実際じっさいの姿すがたについても議論ぎろんとなっており、その王おうであるティリガンの実像じつぞうもはっきりとはわからない。