(Translated by https://www.hiragana.jp/)
トニー・ベン - Wikipedia コンテンツにスキップ

トニー・ベン

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
トニー・ベン(1967ねん)

アンソニー・ネイル・ウェッジウッド・ベン(Anthony Neil Wedgwood Benn, 1925ねん4がつ3にち - 2014ねん3月14にち)、通称つうしょうトニー・ベン(Tony Benn)は、イギリス政治せいじ作家さっかである。労働党ろうどうとう所属しょぞくだい2だいスタンズゲイト子爵ししゃくであるが、後述こうじゅつ経緯けいいによりかれ1だいあいだ限定げんていでこの爵位しゃくい放棄ほうきされていた。

来歴らいれき

[編集へんしゅう]
1967ねん12月11にちコンコルド公式こうしき発表はっぴょうでモーリス・パポンと握手あくしゅするトニー・ベン

もと軍人ぐんじん自由党じゆうとうから労働党ろうどうとうてんじ、労働党ろうどうとう政権せいけんインド大臣だいじんなどをつとめたウィリアム・ベン英語えいごばん(1877ねん - 1960ねん)の次男じなんとしてまれる[1]パブリック・スクール名門めいもんウェストミンスターこう卒業そつぎょうし、25さい庶民しょみんいん議員ぎいんはつ当選とうせんした[1]

一方いっぽうちちウィリアムは1942ねんに「スタンズゲイト子爵ししゃく」にじょせられ、庶民しょみんいんから貴族きぞくいん移籍いせきしていた[1]叙爵じょしゃく時点じてんではこの爵位しゃくい継承けいしょうしゃはウィリアムの長男ちょうなん、トニーのあにであるマイケル・ベンであったが、マイケルは1944ねんだい世界せかい大戦たいせん戦死せんししていた[1]。そのため次男じなんのトニーが継承けいしょうしゃとなったが、トニーは貴族きぞくせい貴族きぞくいん廃止はいしすべきとのかんがえをっていた。そこで、庶民しょみんいん議員ぎいんになるとスタンズゲイト子爵ししゃく喪失そうしつ法案ほうあんわたし法案ほうあんとして提出ていしゅつしたが、これは否決ひけつされた[1]

ちちウィリアムが1960ねん死去しきょすると、子爵ししゃく継承けいしょうあらためて問題もんだいになった。トニーはふたた爵位しゃくいしを議会ぎかいねがたがみとめられず、だい2だいスタンズゲイト子爵ししゃくとなり、貴族きぞく身分みぶんとなったことから庶民しょみんいん議員ぎいん資格しかく喪失そうしつした[1]。このとき、トニーが喪失そうしつした議席ぎせきをめぐって補欠ほけつ選挙せんきょおこなわれたが、これにトニー自身じしん出馬しゅつばし、保守党ほしゅとう候補こうほに40%ちか大差たいさをつけて再選さいせんした。

こうした状況じょうきょうけ、労働党ろうどうとうはトニーの主張しゅちょう全面ぜんめんてき支援しえんし、1961ねん爵位しゃくい放棄ほうき可能かのうとする法案ほうあん提出ていしゅつした[1]。その庶民しょみんいん貴族きぞくいん合同ごうどう委員いいんかい設置せっちされ、1963ねん成立せいりつ貴族きぞくほうで、先代せんだい貴族きぞく死去しきょから12かげつ以内いないとどがあれば、世襲せしゅう爵位しゃくいを1だいかぎりで放棄ほうきできることとなった[注釈ちゅうしゃく 1][1]。これにより、トニーは爵位しゃくい正式せいしき放棄ほうきし、同年どうねん選挙せんきょ再選さいせん以後いご郵政ゆうせい長官ちょうかん、エネルギー担当たんとうしょう産業さんぎょうしょうなどを歴任れきにんし、2001ねんまではん世紀せいきあまりにわたり庶民しょみんいん議員ぎいんとして活動かつどうつづけることとなった[1]。なお、この制度せいどはまた、成立せいりつしたそのとしアレック・ダグラス=ヒューム首相しゅしょう(その前提ぜんていとして庶民しょみんいん議員ぎいん)となるさいにももちいられた[1]

トニーが2014ねん死去しきょすると、トニーの長男ちょうなんスティーヴンは爵位しゃくい継承けいしょう復活ふっかつさせてだい3だいスタンズゲイト子爵ししゃくとなった[1]

2008ねん、グラストンベリー・フェスティバルで講演こうえんするベン
2005ねん3がつのロンドンでの反戦はんせんデモに参加さんかしようとしているベン

脚注きゃくちゅう

[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく

[編集へんしゅう]
  1. ^ 戦前せんぜん日本にっぽんでは、高橋たかはし是清これきよ同様どうよう問題もんだいたいし、家督かとくとそれにともなう子爵ししゃく息子むすこ高橋たかはしただしけんゆずり、自身じしん隠居いんきょしてゆう爵者ではなくなるという対応たいおうをとっている。

出典しゅってん

[編集へんしゅう]
  1. ^ a b c d e f g h i j k 君塚きみづか直隆なおたか貴族きぞくとはなにか ノブレス・オブリージュのひかりかげ新潮しんちょう選書せんしょ、2023ねん、p202-204