ナックラヴィー

ナックラヴィー（Nuckelavee）はスコットランド民話みんわに登場とうじょうするフーア（水みず妖）の一種いっしゅ。ケルト人じんの神話しんわにも登場とうじょうする。海中かいちゅうに住すんでいるという。不作ふさくや病やまいの流行りゅうこうや干かんばつをもたらすとされている。

ケンタウロスに似にて馬うまの様ような体からだに人ひとの様ような上半身じょうはんしんがついているが、ブタの様ような鼻面はなづらと長ながく裂さけた口くちを持もち、赤あかい大おおきな一ひとつ目めで燃もえ盛さかる石炭せきたんのように真まっ赤かにぎらぎらしている。前足まえあしの周まわりにはぴらぴらしている肉にく厚あつのひれがあり、鯨くじらのように大おおきな口くちからは煮立にたった薬缶やかんから蒸気じょうきが飛とび出でるように息いきがうねって吐はき出だされている。背中せなかには大男おおおとこの上半身じょうはんしんが乗のっている。足あしはなく両手りょうては地面じめんに届とどくほど長ながい。頭あたまは藁わらをよってこしらえたロープが玉たまになって巻まかれているようで1メートルの幅はばがある。その頭あたまが重おもそうに前後ぜんごに揺ゆれて首くびが支ささえるには重おもそうだったという。 最もっとも気持きもちの悪わるい特徴とくちょうは、皮膚ひふのない剥むき出だしの筋肉きんにくが脈打みゃくうっているという点てんである。黄色きいろい血管けっかんの中なかを黒くろい血ちが流ながれているのが見みえ、太ふとい白しろい筋肉きんにくが伸のびたりよれたりするという。

作物さくもつをしおれさせる毒どくの息いきを吐はくが、皮膚ひふがないので淡水たんすいをかけると追おい返かえすことができる。また、海藻かいそうを焼やいた時ときの煙けむりの臭においも嫌きらうが、これを行おこなうとナックラヴィーは激はげしく怒いかり、モータシーン（Mortasheen）と呼よばれる馬うまの不治ふじの病やまいをばら撒まく。 幾いくつかの報告ほうこくによると、ナックラヴィーは以上いじょうの特徴とくちょうの他ほか、二ふたつの小ちいさな腕うでと巨大きょだいな頭あたまを持もつという。

海坊主うみぼうず（ナックラビー）とも言いう。

参考さんこう文献ぶんけん

• 「人魚にんぎょと結婚けっこんした男おとこ－オークニー諸島しょとう民話みんわ集しゅう」　トムミュア著ちょ　あるば書房しょぼう

関連かんれん項目こうもく

• ケンタウロス

外部がいぶリンク

• Orkney Island information on the Nuckelavee
• Account of the Only ever recorded Encounter with the Nuckelavee