ヒッパルコス星ほし表ひょう

ヒッパルコス星ほし表ひょう（ヒッパルコスせいひょう、Hipparcos Catalogue）は、118,218星ほしが収録しゅうろくされている星ほし表ひょうである。ヒッパルコス全ぜん天てん星図せいずとも呼よばれる。略称りゃくしょうはHIPとされることが多おおい。

概要がいよう

1988年ねんに打うち上あげられた欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん（ESA）の位置いち天文てんもん衛星えいせいヒッパルコス（Hipparcos）による4年間ねんかんの恒星こうせいの観測かんそく結果けっかを元もとに編集へんしゅうされ、1997年ねん6月がつに発行はっこうされた。過去かこの地上ちじょう観測かんそくから得えられたよりもはるかに高こう精度せいどかつ網羅もうら的てきな年とし周しゅう視差しさなどのデータを含ふくんでいるのが特徴とくちょうである。限界げんかい等級とうきゅうは12.4等とうであるが、十分じゅうぶんに観測かんそくされ精度せいども高たかいのは9等とう星ほし程度ていどより明あかるい星ほしである。

9等級とうきゅうより明あかるい星ほしの位置いちの観測かんそく精度せいどは、天球てんきゅう上じょうの場所ばしょによってばらつきはあるが平均へいきんで0.77mas（赤あか経けい）および0.64mas（赤あか緯ぬき）である。また9等級とうきゅうより明あかるい星ほしの年とし周しゅう視差しさの精度せいどは平均へいきん0.97masで、これはおよそ100pcの距離きょりにある星ほしの距離きょりを10%の精度せいどで測定そくていできることに対応たいおうする。 距離きょりの誤差ごさが10%以下いかの星ほしは20853個こで、20%以下いかの星ほしは49399個こであった。固有こゆう運動うんどうの精度せいどは平均へいきんで0.88mas/年としおよび0.74mas/年とし（赤あか緯ぬき方向ほうこう）である。 1997以降いこうも衛星えいせい姿勢しせいや観測かんそく装置そうちのキャリブレーションなどについての解析かいせきが継続けいぞくされ、様々さまざまな効果こうかを含ふくんだ再さい解析かいせきが行おこなわれた。その結果けっかが2007年ねんにHipparcos Newとして公開こうかいされている。

これと同時どうじにティコ星ほし表ひょうが編纂へんさんされており、ヒッパルコス・ティコ星ほし表ひょうとまとめて称しょうされることも多おおい。しかし、ティコ星ほし表ひょうはヒッパルコス衛星えいせいの姿勢しせい確認かくにん・制御せいぎょ用ようの補助ほじょ観測かんそく装置そうちによる観測かんそくデータを用もちいた星ほし表ひょうであるため、ヒッパルコス星ほし表ひょうはティコ星ほし表ひょうよりもはるかに位置いちの精度せいどが高たかい。ただし、ティコ星ほし表ひょうやそれを再さい解析かいせきしたティコ第だい二に星ほし表ひょうはヒッパルコス星ほし表ひょうより暗くらい星ほしを含ふくむはるかに多数たすうの星ほしを収録しゅうろくしているため、用途ようとによっては大変たいへん有用ゆうようである。

ヒッパルコス星ほし表ひょうにより、地球ちきゅうからの距離きょりが測定そくていされた恒星こうせいの数かずが大おおきく増加ぞうかした。また、データは公開こうかいされており入手にゅうしゅが比較的ひかくてき容易よういである。そのため、様々さまざまな利用りようがされており、その価値かちは高たかい。2007年ねんまでに得えられた多数たすうの研究けんきゅう成果せいかについてヒッパルコス衛星えいせいのプロジェクトマネージャーであったMichael Perrymanがまとめた本ほんが出版しゅっぱんされている。

なお、ヒッパルコス衛星えいせいもヒッパルコス星ほし表ひょうもともに綴つづりは『Hipparcos』であるが、古代こだいギリシアの天文学てんもんがく者しゃヒッパルコスの名前なまえにちなんで名なづけられており、本来ほんらいの由来ゆらいとは綴つづりが異ことなっている。

関連かんれん項目こうもく

• 宇宙うちゅうの距離きょり梯子はしご
• ティコ星ほし表ひょう

外部がいぶリンク

• 欧州おうしゅう宇宙うちゅう機関きかん、ヒッパルコス計画けいかく - ウェイバックマシン（2007年ねん6月がつ30日にちアーカイブ分ぶん）