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ヒュー・ゴフ (初代しょだいゴフ子爵ししゃく)

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
初代しょだいゴフ子爵ししゃくヒュー・ゴフ
Hugh Gough, 1st Viscount Gough
1850年ねんのゴフ子爵ししゃく
生誕せいたん 1779年ねん11月3日にち
 アイルランド、ウッズタウン（英語えいご版ばん）
死没しぼつ (1869-03-02) 1869年ねん3月2日にち（89歳さい没ぼつ）
イギリスの旗 イギリス・アイルランド・ダブリン
所属しょぞく組織そしき イギリス陸軍りくぐん
最終さいしゅう階級かいきゅう 陸軍りくぐん元帥げんすい
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初代しょだいゴフ子爵ししゃくヒュー・ゴフ陸軍りくぐん元帥げんすい（英語えいご: Field Marshal Hugh Gough, 1st Viscount Gough, KP, GCB, GCSI, PC、1779年ねん11月3日にち - 1869年ねん3月2日にち）は、イギリスの陸軍りくぐん軍人ぐんじん、貴族きぞく。

フランス革命かくめい戦争せんそう・ナポレオン戦争せんそうに従軍じゅうぐんして戦歴せんれきを積つんだ後のち、阿片あへん戦争せんそうやインドでの諸しょ戦争せんそうの指揮しきをとった。軍人ぐんじんとしての最終さいしゅう階級かいきゅうは元帥げんすい。1846年ねんにゴフ男爵だんしゃく、1849年ねんにゴフ子爵ししゃくに叙じょせられている。

経歴けいれき[編集へんしゅう]

1841年ねん頃ごろのヒュー・ゴフ大将たいしょう
ゴフ子爵ししゃくの肖像しょうぞう画が

1779年ねん11月3日にち、陸軍りくぐん軍人ぐんじんジョージ・ゴフ中佐ちゅうさとその妻つまレティシア（旧姓きゅうせいバンバリー）の四よん男おとことしてアイルランド・ウッズタウン（英語えいご版ばん）に生うまれる[1]。

1794年ねんに少尉しょうい（英語えいご版ばん）として陸軍りくぐんに入隊にゅうたい[2]。その後ご、中尉ちゅういに昇進しょうしんして第だい119歩兵ほへい連隊れんたい（英語えいご版ばん）に配属はいぞくされたが 、1795年ねん6月がつには第だい78歩兵ほへい連隊れんたい（英語えいご版ばん）へ移籍いせきとなった[3]。

南みなみアフリカのケープ植民しょくみん地ちに駐屯ちゅうとんしていたが、フランス革命かくめい戦争せんそうのため、1795年ねん12月に第だい87歩兵ほへい連隊れんたい（英語えいご版ばん）へ移籍いせき。部隊ぶたいは西にしインド諸島しょとうに配置はいちされ、1799年ねんにはギアナのオランダ植民しょくみん地ち（英語えいご版ばん）への遠征えんせいに参加さんかした[4]。1803年ねん6月がつにイギリスへ帰国きこくし、大尉たいい（英語えいご版ばん）、さらに少佐しょうさ(major)へと昇進しょうしんした[4]。

1809年ねん1月がつよりイベリア半島はんとうで戦たたかうアーサー・ウェルズリー（後ごの初代しょだいウェリントン公爵こうしゃく）の軍ぐんに従軍じゅうぐんし、ナポレオン戦争せんそうに参加さんか[4]。1809年ねん7月がつのタラベラの戦たたかい（英語えいご版ばん）では重傷じゅうしょうを負おった。1811年ねん3月がつのバロッサの戦たたかい（英語えいご版ばん）、1811年ねん10月がつのタリファの戦たたかい（英語えいご版ばん）にも参加さんかした。1813年ねん6月がつのヴィトリアの戦たたかいで再ふたたび重傷じゅうしょうを負おう。1813年ねん11月にはニヴェルの戦たたかい（英語えいご版ばん）に参加さんかした[2]。

1815年ねん5月25日にちに中佐ちゅうさ(Lieutenant colonel)に昇進しょうしん[5]。1819年ねん8月がつに大佐たいさ(colonel)に昇進しょうしん[6]。1830年ねん7月がつに少将しょうしょう(Major-General)に昇進しょうしん[7]。

1837年ねんにはインドへ派遣はけんされ、マドラス陸軍りくぐん（英語えいご版ばん）のマイソール師団しだんを指揮しき[4]。

1839年ねんにはじまった阿片あへん戦争せんそうでは中国ちゅうごくに出兵しゅっぺいしたイギリス軍ぐんの司令しれい官かんとなり、広東かんとんの戦たたかい（英語えいご版ばん）、廈門の戦たたかい（英語えいご版ばん）、乍浦の戦たたかい（英語えいご版ばん）、鎮江の戦たたかい（英語えいご版ばん）などを指揮しきしてイギリスの勝利しょうりに貢献こうけんした。南京なんきん条約じょうやくが締結ていけつされて終戦しゅうせんするとインドへ戻もどった[8]。

1841年ねん6月がつ、中将ちゅうじょうに昇進しょうしん[9]。1842年ねん12月には准じゅん男爵だんしゃく位いを与あたえられる[10]。1843年ねん3月がつにインドにおける階級かいきゅうが大将たいしょう(full general)に昇進しょうしんする[11]。

1843年ねん8月がつにインド軍ぐん総そう司令しれい官かん（英語えいご版ばん）に就任しゅうにん。グワーリヤル遠征えんせい（英語えいご版ばん）を指揮しきし、マラーター王国おうこくを破やぶった[8]。第だい一いち次じシク戦争せんそうではマッドキの戦たたかい（英語えいご版ばん）、フィールーズシャーの戦たたかい（英語えいご版ばん）、ソブラーオーンの戦たたかい（英語えいご版ばん）を指揮しきした[8]。

1846年ねん4月がつ7日にちには連合れんごう王国おうこく貴族きぞく爵位しゃくい「中国ちゅうごくにおける鎮江ならびに東ひがしインドにおけるマハラジポレおよびサトレジの初代しょだいゴフ男爵だんしゃく」（Baron Gough of Chinkiang in China and of Maharajpore and the Sutlej in the East Indies）に叙じょせられ[12]、貴族きぞく院いん議員ぎいんに列れっする[13]。

1848年ねんにはじまった第だい2次じシク戦争せんそうでは、ラームナガルの戦たたかい（英語えいご版ばん）やChillianwalaの戦たたかい（英語えいご版ばん）を指揮しきしたが、大砲たいほうの使用しようより歩兵ほへいの正面しょうめん突撃とつげきに偏重へんちょうしたと批判ひはんされ、インド軍ぐん総そう司令しれい官職かんしょくを更迭こうてつされた。しかし後任こうにん人事じんじを受うける前まえの1849年ねん1月がつにゴフはグジュラートの戦たたかい（英語えいご版ばん）でシク王国おうこくに対たいする決定的けっていてきな勝利しょうりを収おさめた[8]。

1849年ねんに帰国きこくし、同年どうねん6月がつには連合れんごう王国おうこく貴族きぞく爵位しゃくい「パンジャブ・グジャラートおよびリムリック市しのゴフ子爵ししゃく」（Viscount Gough of Goojerat in the Punjab and of the City of Limerick）に叙じょせられた[14]。

様々さまざまな連隊れんたいの名誉めいよ連隊れんたい長ちょう（colonel）も務つとめた（第だい99歩兵ほへい連隊れんたい（英語えいご版ばん）[15]、第だい87歩兵ほへい連隊れんたい（英語えいご版ばん）[16]、王立おうりつ近衛このえ騎馬きば連隊れんたい（英語えいご版ばん）[17]）。

1854年ねん6月がつには大将たいしょう(full general)に昇進しょうしん[18]。1862年ねん11月には元帥げんすい(Field Marshal)に昇進しょうしんした[19]。

1869年ねん3月2日にちにアイルランド・ダブリンにおいて89歳さいで死去しきょした[2]。息子むすこのジョージ・ゴフ（英語えいご版ばん）が爵位しゃくいを継承けいしょうした[2][20]。

栄典えいてん[編集へんしゅう]

ゴフ子爵ししゃくの肖像しょうぞう画が

爵位しゃくい/準じゅん男爵だんしゃく位い[編集へんしゅう]

1842年ねん12月23日にちに以下いかの準じゅん男爵だんしゃく位いを新規しんきに叙じょされた[2][20]

1846年ねん4月がつ25日にちに以下いかの爵位しゃくいを新規しんきに叙じょされた[2][20]。

  • 中国ちゅうごくにおける鎮江ならびに東ひがしインドにおけるマハラジポレおよびサトレジの初代しょだいゴフ男爵だんしゃく (1st Baron Gough of Chinkiang in China and of Maharajpore and the Sutlej in the East Indies)
    (勅許ちょっきょ状じょうによる連合れんごう王国おうこく貴族きぞく爵位しゃくい)

1849年ねん6月15日にち以下いかの爵位しゃくいを新規しんきに叙じょされた[2][20]。

  • パンジャブ・グジャラートおよびリムリック市しの初代しょだいゴフ子爵ししゃく (1st Viscount Gough of Goojerat in the Punjab and of the City of Limerick)
    (勅許ちょっきょ状じょうによる連合れんごう王国おうこく貴族きぞく爵位しゃくい)

勲章くんしょう[編集へんしゅう]

その他た[編集へんしゅう]

紋章もんしょう[編集へんしゅう]

ゴフ陸軍りくぐん元帥げんすいの紋章もんしょう。

4分割ぶんかつされたエスカッションのうち、1st・4th部分ぶぶんにはインド・中国ちゅうごく方面ほうめんにおける戦功せんこうから「ユニオン・フラッグを掲かかげて草くさ上じょうに立たつライオン」が描えがかれる。2nd・3rd部分ぶぶんには、ゴフ家か本来ほんらいの家紋かもんが描えがかれるが、タリファ要塞ようさい（英語えいご版ばん）やカルロス3世せい勲章くんしょう（スペイン語ご版ばん）といった種々しゅじゅのオーグメンテイションで彩いろどられている。紋章もんしょうのサポーターにはライオンと中国ちゅうごく龍りゅうが採用さいようされ、各々おのおの『パンジャブ（Punjab）』、『中国ちゅうごく（China）』の文字もじの刻きざまれた首輪くびわをはめている。クレスト部分ぶぶんも、伝統でんとう的てきなゴフ家かのイノシシの頭あたまに加くわえ（中央ちゅうおう）、中国ちゅうごく旗き・ユニオンフラッグのバナーを持もつライオン・パッサント（左ひだり）、第だい87歩兵ほへい連隊れんたい（英語えいご版ばん）の連隊れんたい旗き・へし折おられたグランダルメの鷲わし旗はたをともに握にぎりしめた腕うで（右みぎ）が描えがかれる。

紋章もんしょうに描えがかれるモットーには、グジュラートの戦たたかい（英語えいご版ばん）を示しめす『Goojerat』の文字もじや、『道みちを開あけよ（Faugh a Ballagh）』の言葉ことばが刻きざまれる[20]。

家族かぞく[編集へんしゅう]

陸軍りくぐん軍人ぐんじんエドワード・スティーブンス(Edward Stephens)大将たいしょうの娘むすめフランセスと結婚けっこんし、彼女かのじょとの間あいだに2男なん4女じょを儲もうけた[2]。長男ちょうなんは早世そうせいしたため、次男じなんジョージ（英語えいご版ばん）が爵位しゃくいを継承けいしょうした[2]。三さん女じょフランセスはサー・パトリック・グラント（英語えいご版ばん）元帥げんすいと結婚けっこんした[24]。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ Lundy, Darryl. “Lt.-Col. George Gough” (英語えいご). thepeerage.com. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m Lundy, Darryl. “Field Marshal Hugh Gough, 1st Viscount Gough of Goojerat” (英語えいご). thepeerage.com. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  3. ^ "No. 13784". The London Gazette (英語えいご). 2 June 1795. p. 570. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  4. ^ a b c d Heathcote(1999) p. 148
  5. ^ "No. 17018". The London Gazette (英語えいご). 3 June 1815. p. 1044. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  6. ^ "No. 17505". The London Gazette (英語えいご). 12 August 1819. p. 1442. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  7. ^ "No. 18709". The London Gazette (英語えいご). 23 July 1830. p. 1535. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  8. ^ a b c d Heathcote(1999), p. 149
  9. ^ "No. 19989". The London Gazette (英語えいご). 18 June 1841. p. 1583. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  10. ^ "No. 20173". The London Gazette (英語えいご). 2 December 1842. p. 3565. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  11. ^ "No. 20201". The London Gazette (英語えいご). 3 March 1843. p. 732. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  12. ^ "No. 20592". The London Gazette (英語えいご). 7 April 1846. p. 1279. 2014年ねん1月がつ18日にち閲覧えつらん。
  13. ^ UK Parliament. “Mr Hugh Gough” (英語えいご). HANSARD 1803–2005. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  14. ^ "No. 20984". The London Gazette (英語えいご). 5 June 1849. p. 1832. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  15. ^ "No. 19809". The London Gazette (英語えいご). 31 December 1839. p. 2723. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  16. ^ "No. 19962". The London Gazette (英語えいご). 19 March 1841. p. 732. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  17. ^ Heathcote(1999), p. 150
  18. ^ "No. 21564". The London Gazette (英語えいご). 22 June 1854. p. 1931. 2014年ねん1月がつ18日にち閲覧えつらん。
  19. ^ "No. 22679". The London Gazette (英語えいご). 10 November 1862. p. 5343. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  20. ^ a b c d e Heraldic Media Limited. “Gough, Viscount (UK, 1849)” (英語えいご). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2016年ねん7月がつ20日はつか閲覧えつらん。
  21. ^ "No. 17061". The London Gazette (英語えいご). 16 September 1815. p. 1878. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  22. ^ "No. 18850". The London Gazette (英語えいご). 13 September 1831. p. 1893. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  23. ^ "No. 20028". The London Gazette (英語えいご). 15 October 1841. p. 2539. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。
  24. ^ Lundy, Darryl. “Hon. Frances Maria Gough” (英語えいご). thepeerage.com. 2014年ねん9月がつ6日にち閲覧えつらん。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • Heathcote, Tony (1999). The British Field Marshals, 1736–1997: A Biographical Dictionary. Barnsley: Leo Cooper. ISBN 0-85052-696-5 

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]

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軍ぐん職しょく
先代せんだい
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1846年ねん - 1869年ねん
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爵位しゃくい創設そうせつ 初代しょだい准じゅん男爵だんしゃく
(シノンおよびドランジャンの)
1842年ねん - 1869年ねん 		次代じだい
ジョージ・ゴフ（英語えいご版ばん）
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