ビールジョッキ

ビールジョッキは、ビール飲用いんように特とく化かしたジョッキ。別称べっしょう、ビアジョッキ。厚手あつでのガラス製せいが一般いっぱん的てきだが、陶器とうきのものも親したしまれている。中なかには木製もくせいのものも存在そんざいする。ビールだけでなく、同類どうるいの発泡はっぽう酒しゅや第だい三さんのビールも喉越のどごしが軽かるいため、ビールジョッキで飲のまれる。

概要がいよう[編集へんしゅう]

厚手あつでの飲のみ口こうは味覚みかくにも影響えいきょうし、薄手うすでのコップでは味あじわえない爽快そうかいな味あじとなる。一般いっぱん的てきに使用しよう者しゃが口くちを半開はんびらきにした（唇くちびるの力ちからを抜ぬいた）時じと同おなじ厚あつさが好このまれる傾向けいこうにあり、逆ぎゃくにワインのように繊細せんさいに味あじわいたい場合ばあいにはワイングラスのように薄手うすでのグラスが好このまれる。

英語えいごでビアマグ（英えい: Beer mug）または、タンカード（英えい: Tankard）と呼よばれ、大おおきめの物ものは、ビアスタイン（英えい: Beer stein）と呼よばれている。

語源ごげんとなったビアジャグ（Beer jug）は、1Lから4L入はいるピッチャーを意味いみする。ただし現代げんだいのビアジョッキの容量ようりょうは、片手かたてで持もって飲のめることを前提ぜんていとしたものが多おおく、日本にっぽんの大だいジョッキで700ml前後ぜんこう、ドイツのオクトーバーフェストで用もちいられるマースと呼よばれるジョッキで1000mlとなっている^[1]。

日本にっぽんのラガー・ビールは、味あじわいがあり、なおかつ喉越のどごしが良よい事ことで世界せかい的てきにも知しられている。その日本にっぽんのラガービールを飲のむ上じょうで、ジョッキに注そそいで盛大せいだいに飲のむ事ことは、一般いっぱん的てきなビールを飲のむ日本人にっぽんじんが好このむ飲のみ方かたである。ジョッキは主おもに円筒えんとう形がたをしており、側面そくめんには大おおきな取とっ手てがついている。これを片手かたてないし両手りょうてで持もって、大おおいに飲のみ合あうのである。

夏なつには良よく冷ひえた生なまビールをなみなみと注そそいで、これを飲のみ干ほす事ことで涼りょうを取とる習慣しゅうかんも見みられ、エアコンの普及ふきゅうする以前いぜんの1970年代ねんだい頃ころまでは、仕事しごと帰がえりに屋上おくじょうビアホールなどでビール片手かたてに涼りょうを取とる人ひともしばしば見みられた。中なかには中ちゅうジョッキで2～3杯はいは立たて続つづけに飲のむ人ひともいる。

中ちゅう生せい (ちゅうなま) ・生せい中ちゅう（なまちゅう）は中ちゅうサイズのジョッキに注そそがれた生なまビールを指さし、居酒屋いざかやなどで最もっとも一般いっぱん的てきな飲のみ方かたである。小しょうサイズは小生しょうせい（生なま小しょう）、大だいサイズは大生おおう（生なま大だい）である。ビールジョッキは大おおきさの規定きていがなく、小しょうジョッキは 200ml～300ml 程度ていど、中ちゅうジョッキは 350ml～500ml 程度ていど、大だいジョッキは 700ml～800ml 程度ていどが一般いっぱん的てきである。（大だい・中なか・小しょう：七なな五ご三さんと例たとえると覚おぼえやすい）

イギリス[編集へんしゅう]

英国えいこくで好このまれるジョッキは、パイント・グラス（英えい: pint glass）と呼よばれ、1パイント（568ml）の物ものと、その半分はんぶん（ハーフパイント284ml）の物ものであるが、日本にっぽんのラガービールより濃こくて風味ふうみの強つよいラガーや、更さらに味あじの濃こいビター、濃厚のうこうな風味ふうみが楽たのしめる黒くろビールであるため、日本にっぽんの「喉越のどごし良よく飲のめるラガー」との事情じじょうの違ちがいもみられる。英国えいこくでは、パブでジョッキに注そそいだビールを片手かたてにちびりちびりと飲のみながら、談笑だんしょうすることが好このまれる傾向けいこうもある。

英国えいこくでは生なまビールを英えい式しき計量けいりょうで販売はんばいしなければならない。英国えいこくの法律ほうりつでは1パイント（568ml）のビールが実際じっさいに1パイントであることを保証ほしょうするために一定いっていの手順てじゅんを規定きていしている。これは所謂いわゆる「計量けいりょうディスペンサー」（計量けいりょう検定けんてい済ずみポンプ）を使用しようすることで保証ほしょうされるが、より一般いっぱん的てきには認定にんていされた1パイント・グラスを使用しようすることで保証ほしょうされている。この他ほかの計量けいりょう検定けんていされた何なんらかの手段しゅだんを使用しようせずに容量ようりょうの決きまっていないグラスでビールを販売はんばいすることは違法いほうである。ハーフパイント（284ml）のグラスもあり、同おなじ法律ほうりつで規定きていされている。

扱あつかい方かた[編集へんしゅう]

最もっとも一般いっぱん的てきなガラス製せいビールジョッキの場合ばあい、まずはジョッキを綺麗きれいに洗浄せんじょうし、泡あわ立だちを妨さまたげる埃ほこりの付着ふちゃくを防ふせぐために布ぬので拭ふいたりせず自然しぜん乾燥かんそうさせる。完全かんぜんに水みずが切きれたらこれを冷蔵庫れいぞうこに入いれ、冷ひやす。厚手あつでのジョッキは冷ひやすことで常温じょうおんに置おいても温あたたまりにくくなり、注そそがれたビールの保冷ほれい効果こうかを期待きたいできる。飲食いんしょく店てんでは、あえて一定いっていの水分すいぶんを残のこしたまま凍こおらせいっそう保冷ほれい効果こうかを高たかめてビールを注そそいで出だすところも多おおい。