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フォルティ・タワーズ

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フォルティ・タワーズ
Fawlty Towers
ジャンル シチュエーション・コメディ
脚本きゃくほん ジョン・クリーズ
コニー・ブース
監督かんとく ジョン・ハワード・デイビス(だい1シリーズ)
ガイ・スピアーズ(だい2シリーズ)
出演しゅつえんしゃ ジョン・クリーズ
プルネラ・スケイルズ
アンドリュー・サックス
コニー・ブース
製作せいさく
プロデューサー ジョン・ハワード・デイビス(だい1シリーズ)
ダグラス・アージェント(だい2シリーズ)
制作せいさく 英国えいこく放送ほうそう協会きょうかい
放送ほうそう
放送ほうそうこく地域ちいきイングランドの旗 イングランド
放送ほうそう期間きかん1975ねん9月19にち - 1979ねん10月25にち
放送ほうそうぶんやく30ふん
回数かいすう2シリーズ12
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フォルティ・タワーズ』(えいFawlty Towers邦題ほうだい:『Mr.チョンボ危機きき乱発らんぱつ』)はイギリスシチュエーション・コメディ番組ばんぐみ1975ねん1979ねんに、BBC2にて放映ほうえいされた。

イングランド南西なんせいデヴォンしゅうトーキーにあるホテル「フォルティ・タワーズ」を舞台ぶたいにしたドタバタげき。ドタバタげきではあるが、30ふんというかぎられた時間じかんないにいくつもの伏線ふくせん交差こうさして最後さいごのオチにつながっており、ストーリー構成こうせい非常ひじょう緻密ちみつ

2シリーズでけい12のエピソードが制作せいさくされ、そのしつたかさで、2000年代ねんだいはいってからもイギリスのベスト・コメディとして人気にんきたかい。2000年度ねんどBFIの100 Greatest British Television Programmes投票とうひょうではいちかがやいた。

主演しゅえん演出えんしゅつは、もとモンティ・パイソンジョン・クリーズ。また当時とうじつまであったコニー・ブースとも脚本きゃくほんがけている。日本にっぽんでは東京とうきょう12チャンネル(現在げんざいテレビ東京てれびとうきょう)において『Mr.チョンボ危機きき乱発らんぱつ』の邦題ほうだい放映ほうえいされた。

制作せいさく[編集へんしゅう]

制作せいさくまでの経緯けいい[編集へんしゅう]

実際じっさいのモデルになったホテルはトーキー存在そんざいしている。宿やど名前なまえはグレンイーグルズ(Gleneagles)といい、モンティ・パイソンのメンバーが宿泊しゅくはくしていた。もちろんそのなかジョン・クリーズコニー・ブース宿泊しゅくはくしており、そのオーナーの強烈きょうれつ印象いんしょうからつくられた。当時とうじオーナーであったドナルド・シンクレア(Donald Sinclair)はアメリカじんテリー・ギリアムのステーキのかたを「イギリスではそんなかたしない」とケチをつけ、そといてあったエリック・アイドルスーツケースをそのままきっぱなしにして平然へいぜんと「ばくだんだったらどうする?だからきっぱなしにしておいた」といいはなったという。ジョン・クリーズはその、ホテルマンにあるまじき強烈きょうれつ態度たいどに「感激かんげき」してフォルティ・タワーズの原案げんあんおもいたとう。いわく「いままでぼくった人物じんぶつなか素晴すばらしく粗暴そぼうひとだった」とのこと

放送ほうそうからその[編集へんしゅう]

フォルティ・タワーズの構想こうそう当初とうしょBBC上役うわやくには評価ひょうかあたえられなかった。当時とうじモンティ・パイソン人気にんきつよく、その延長線えんちょうせん期待きたいしていたのだが、まったちが路線ろせん難色なんしょくしめしていたらしい。クリーズの構想こうそう評価ひょうかしていたプロデューサーのジョン・ハワード・デイヴィスたすけでなんとか制作せいさくあんとおった。30ぶんかぎられた時間じかんにいろいろなプロットをむためにびょう単位たんい、セリフの1ぎょう単位たんい構想こうそうられてリハーサルにはかなりの時間じかんをかけられ、1975ねん放送ほうそうされた。最初さいしょ評価ひょうかは「まあまあ」くらいで、とく最初さいしょから人気にんきていたわけではないが、かいかさねるごとに人気にんき徐々じょじょがり、だい1シリーズのわりころには大人気だいにんきとなっていた。クリーズはのちに「まったあたらしいなにかがれられるには時間じかんがある程度ていどかかるのだろう」とかたっている。

だい1シリーズの6さい放送ほうそうかえされ、1978ねんまでには17かこく、45の放送ほうそうきょく放映ほうえいされた。あたらしいシリーズの要望ようぼうたかかったが、だい1シリーズの評価ひょうかがあまりにもたかかったので、あたらしいシーズンで評価ひょうかげないために時間じかんけて構想こうそうげ、1979ねんになってようやく放映ほうえいされた。また、このシリーズ放映ほうえい前年ぜんねんジョン・クリーズとコニー・ブースは離婚りこんしている。このだい1、だい2シリーズをとおしてこう評価ひょうかて、イギリスコメディの傑作けっさくとまでわれるようになった。映画えいがのオファーはなんもあったが、クリーズは拒否きょひつづけている。理由りゆうは「30ふんというかぎられた時間じかんにできうるかぎりの伏線ふくせんんで最後さいごにドッとわらわせる『フォルティ・タワーズ』の構成こうせい長時間ちょうじかんのためわらわせるポイントをいくつもこなさなくてはならないコメディ映画えいがにはかない」とかたっている。

キャラクター[編集へんしゅう]

メインキャラクター[編集へんしゅう]

バジル・フォルティ - ジョン・クリーズ
ホテル「フォルティ・タワーズ」のオーナー。神経質しんけいしつ毒舌どくぜつ偏執病へんしゅうびょう・ケチ・外国がいこく人嫌ひとぎらい、恐妻きょうさいのイギリスじん上流じょうりゅう階級かいきゅう仲間入なかまいりをするという意識いしきつよく、ホテル経営けいえい成功せいこうがその第一歩だいいっぽしんじている。ただホテル経営けいえいより自分じぶん階級かいきゅう意識いしきさきっているので、肩書かたがきをきゃくには卑屈ひくつほど丁重ていちょうだが、なりがわるい/言葉ことばづかいがわるい/態度たいどわるく、かつ肩書かたがきをたない一般いっぱんきゃくたいしては態度たいどがとてもスノビッシュ。しかしながら自分じぶんのヘマは非常ひじょうおおく、マネージャーと自分じぶんでは自負じふしているが、お世辞せじにもマネージャーらしくはない。なにかヘマをやるといつもそれをかくそうとするが、すればするほど裏目うらめてしまう。異常いじょうなまでに自尊心じそんしんたかく、間違まちがいを指摘してきされるといき荒立あらだてて激怒げきどする。かつてイギリス陸軍りくぐん入隊にゅうたい朝鮮ちょうせん戦争せんそう従軍じゅうぐんしていたらしく、非常ひじょうにこのことほこりにおもっているが、どうも実際じっさい戦闘せんとう関係かんけいない炊事すいじはんだったらしい。その軍人ぐんじんであったという自負じふしんからかれ陸軍りくぐん礼装れいそうようのレジメンタル模様もようネクタイ愛用あいようしている。またみぎスネに古傷ふるきずがあるらしく、かれはそれを「戦闘せんとう古傷ふるきず」とっている。
シビル・フォルティ - プルネラ・スケイルズ
バジルのつま。よくフロントで友達ともだち電話でんわ無駄話むだばなしをしており、時折ときおりしゃべりながら気味きみわるいほど甲高かんだかわらごえはっしてバジルをいらつかせるが、仕事しごと采配さいはいなにかとドジをするバジルよりよほどマネージャーらしい。すべてにおいて上手じょうず彼女かのじょはバジルをあご使つかっているが、あつかいのむずかしいきゃくになるとおっと性格せいかくくしている彼女かのじょかれらないようにつとめている。夫婦ふうふあいだはあまりうまくいっているとはえず、愛情あいじょう表現ひょうげんおっとからしめされることはほとんどない。わりになにかいいになるとバジルはつよがりをってみたり、「ドラゴン」、「ピラニア」、「マムシの」と独特どくとく表現ひょうげんつまをののしっているが彼女かのじょにはかるくあしらわれる程度ていど結局けっきょく彼女かのじょにはあたまがらない。おっとがホテル経営けいえいはじめたことに不満ふまんがあり、ことあるごとに批判ひはんする。ウィッグを愛用あいようしている。
ポリー・シャーマン - コニー・ブース
「フォルティ・タワーズ」ではたらくウェイトレス。理屈りくつからえばウェイトレスの仕事しごとアルバイトないし契約けいやく社員しゃいん待遇たいぐう程度ていどなのだが、ウェイトレスのほかにもいろいろな仕事しごとをやらされている。性格せいかくてきにどこかズレているフォルティ・タワーズのスタッフのなかもっと正気しょうきなキャラクター。バジルのヘマをたすけないとクビになるかもしれないというおそれから、なにかと尻拭しりぬぐいしている。本業ほんぎょう芸術げいじゅつ学校がっこう学生がくせいらしく、自分じぶんがスケッチした姉妹しまい手術しゅじゅつなど)をで(ホテルの宿泊しゅくはくきゃくにも)ろうとしてとぼしいウェイトレスの収入しゅうにゅうしにしている。
マニュエル - アンドリュー・サックス
バルセロナからスペインじんのウェイター(ちなみに、役者やくしゃのアンドリュー・サックスはドイツまれのユダヤじんである。)ほとんど英語えいごからず、なにかれてもまずかえってくる返事へんじは「Que?(えっ?)」と「Si(はい)」程度ていど。このように英語えいご理解りかいりょく非常ひじょうとぼしいかれではあるが、イギリスじんよりも人件じんけんがかからないという理由りゆうでバジルにやとわれたらしい。自分じぶんのヘマをつくろったりシビルにかくごとをしたりするバジルからはあれこれと混乱こんらんさせるような指図さしずけたり、たりされたり、あげくにバジルがこしたヘマの責任せきにん転嫁てんかされたりしているが、そんな待遇たいぐうでもフォルティ・タワーズではたらけること感謝かんしゃしているという奇特きとくなくらいにひとがよい人物じんぶつ。バジルのかんしゃくがこわいので、状況じょうきょうからないままわれた仕事しごとを(かれなりに理解りかいして)忠実ちゅうじつにこなそうとするのだが、それが状況じょうきょうをかえって悪化あっかさせることおおい。また、ただのネズミを「ハムスター」だといつわってりつけられたが、それをうたがわず愛情あいじょうそそいでそだてているやさしい性格せいかくぬし

そののレギュラー[編集へんしゅう]

テリー - ブライアン・ホール
だい2シリーズに登場とうじょうコックニー方言ほうげんはな非常ひじょうにおおらかなシェフ。あまりにもおおらかで楽天的らくてんてきすぎる仕事しごとぶりがバジルをいらつかせる。
少佐しょうさ」(メジャー) - バラード・バークリー
フォルティ・タワーズに長期間ちょうきかん(ほとんど半永久はんえいきゅうてきに)滞在たいざいしているお年寄としよりのきゃくもと軍人ぐんじんなので「少佐しょうさ」とばれている。戦時せんじちゅう経験けいけんからドイツじん極端きょくたん敵視てきししている。いつもは少々しょうしょうとぼけており温厚おんこう性格せいかくであるが、ドイツじんくとひとわり、敵意てきいをむきしにする。いつも新聞しんぶんさがしており、かれている記事きじの(たいてい当時とうじ頻繁ひんぱんにあったイギリスストライキの)はなしをしている。それ以外いがいはあまりじんはなし理解りかいしていない自分じぶん世界せかいっているひと
ティッブス夫人ふじん - ジリー・フラワー
ギャツビー夫人ふじん - レネー・ロバーツ
おなじくフォルティ・タワーズに長期ちょうき宿泊しゅくはくしているきゃく。いつもほとんど2にん一緒いっしょ行動こうどうしている。ちょっとあいだけたようなろう婦人ふじんたちだが、バジルのことをとてもっており、母親ははおやのようにせっしてくるが、とう本人ほんにん苦手にがてとしている。

エピソード一覧いちらん[編集へんしゅう]

だい1シリーズ(1975ねん[編集へんしゅう]

はなしすうエピソードタイトル
邦題ほうだい
初回しょかい放送ほうそう
(BBC Two)
オープニングの看板かんばん
だい1"A Touch of Class"
上流じょうりゅうへのあこがれ)
1975ねん9がつ19にちFAWLTY TOWERS
ある貴族きぞくのマルベリーきょうがフォルティ・タワーズに宿泊しゅくはくすることになった。高貴こうき人物じんぶつ宿泊しゅくはくがホテルのステータスをげるとおもんだバジルは、宿泊しゅくはくきゃくにいつも以上いじょう尊大そんだい態度たいどせっし、マルベリーきょう歓待かんたい執心しゅうしんする。マルベリーきょう直後ちょくごにやってきたラフな格好かっこう一般人いっぱんじんブラウンにはきゃく以上いじょう無礼ぶれい態度たいどであしらおうとする。そんななか、マルベリーがバジルに、手持てもちのおかねらなくなったので用立ようだててしてほしいとたのんでくるのだが……
だい2"The Builders"
職人しょくにん
1975ねん9がつ26にちFAWLTY TOWER
バジルとシビルが夫婦ふうふかけるあるいままで仕事しごと半年はんとしほったらかしにしていた内装ないそうこうのオライリーから電話でんわがあって今日きょうるという。外出がいしゅつ邪魔じゃまされたくないバジルはシビルにだまってポリーに留守番るすばんをさせてかけたのだが…。
だい3"The Wedding Party"
結婚式けっこんしき
1975ねん10がつ3にちFAW TY TOWER
フォルティ・タワーズにポリーの友人ゆうじんまることになった。この2人ふたりはいわゆる「いまどきの若者わかもの」で人前ひとまえでもはばからずイチャついてばかり、体面たいめん威厳いげんおもんじるバジルの神経しんけい逆撫さかなでさせる。そんなきゃく見下みくだすバジルであったが、ひょんな偶然ぐうぜんちがいからバジルとマニュエルがひょっとしたら親密しんみつすぎる間柄あいだがらではないかとあらぬうたがいをかけられてしまう…。
だい4"The Hotel Inspector"
(ホテル調査ちょうさいん
1975ねん10がつ10日とおかFAW TY TO ER
バジルはシビルの長電話ながでんわからホテルガイドの審査しんさいんひそかにトーキーに滞在たいざいしているとききつける。フォルティ・タワーズにはそれらしい人物じんぶつ2人ふたり滞在たいざいしていたのだが…。
だい5"Gourmet Night"
(グルメのゆうべ)
1975ねん10がつ17にちWA RTY TOWELS
ホテルのステータスをげようとトーキーの著名ちょめいじんまね豪華ごうか夕食ゆうしょくかい企画きかくする。あたらしくはいったギリシアじんシェフ、カートの料理りょうりうで上々じょうじょう、マニュエルともやけになかく、すべてはうまくくとバジルはしんじていたが…。
だい6"The Germans"
(ドイツじん
1975ねん10がつ24にちなし
シビルが入院にゅういんしているにトラブルがあって夫婦ふうふそろって入院にゅういんしてしまうバジル。勝手かって病院びょういんからしたバジルのまえにドイツじんきゃくあらわれた。バジルは「戦争せんそうはなしをするな(Don't mention the war!)」とみなにっているが…。この番組ばんぐみではクリーズは『そらぶモンティ・パイソン』で人気にんきのあったネタ「バカある」をおこなう。

だい2シリーズ(1979ねん[編集へんしゅう]

はなしすうエピソードタイトル
邦題ほうだい
初回しょかい放送ほうそう
(BBC Two)
オープニングの看板かんばん
だい1"Communication Problems"
(リチャーズ夫人ふじん
1979ねん2がつ19にちFAWLTY TOWER
こまったきゃくあらわれた。リチャーズ夫人ふじんはクレームをうだけって(都合つごうわるい)じんことがよくこえない難聴なんちょう、(都合つごうわるい)モノはえない近眼きんがん。そのリチャーズ夫人ふじんがおかねぬすまれたとクレームをつけてきたが…。
だい2"The Psychiatrist"
精神せいしん
1979ねん2がつ26にちWATERRY FOWLS
だい3"Waldorf Salad"
(ウォルドルフ・サラダ)
1979ねん3がつ5にちFLAY OTTERS
レストランがまったのちで、アメリカじん夫婦ふうふがホテルにまりにた。かれらはどうしても食事しょくじをとりたいとい、バジルにおかねわたすが…。
だい4"The Kipper and the Corpse"
(ニシンと死体したい
1979ねん3がつ12にちFATTY OWLS
あるあさルームサービス朝食ちょうしょくってったポリーは、ベッドのうえきゃく死体したい発見はっけんするが…。
だい5"The Anniversary"
結婚けっこん記念きねん
1979ねん3がつ26にちFLOWERY TWATS
今日きょうはバジルとシビルの結婚けっこん記念きねん。そのをいつも気付きづいてくれないと不満ふまんおもっているシビルに気付きづかず、バジルはひそかにシビルの友人ゆうじんたちをせていたのだが…。
だい6"Basil the Rat"
(ネズミのバジル)
1979ねん10がつ25にちFARTY TOWELS
保健所ほけんじょからホテルに検査けんさじんがやってた。そんななか、マニュエルが部屋へやでねずみをっていることが判明はんめいするが…。

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]