ふちゃぎ

ふちゃぎ（吹上ふきあげ餅もち）は、沖縄おきなわ県けんで食しょくされる餅もちの一種いっしゅ。餅もち粉こに水みずを加くわえ、こねて蒸むしたものに、塩茹しおゆでした小豆あずきをまぶしつけたものである。形かたちは小判こばん型がた、もしくは俵たわら型がたをしている。北陸ほくりく地方ちほうでささげ餅もちと呼よばれるものと同種どうしゅの食品しょくひんである。

旧暦きゅうれきの8月がつ15日にち（十五夜じゅうごや）に、豊作ほうさくを祈願きがんしてヒヌカン（火ひの神かみ）と仏壇ぶつだん、神棚かみだなに供そなえた後のちに食たべる縁起物えんぎものである。小豆あずきには魔除まよけけの意味合いみあいがあり、小豆あずきをつぶさずにまぶすことで当年とうねんの災難さいなん避さけを祈願きがんする。餅もちには沖縄おきなわの通例つうれいに従したがい、搗つき餅もちではなく練ねり餅もち（他府県たふけんでは一般いっぱんに団子だんごと呼よばれるもの）が用もちいられる。

近年きんねんは餅もちや小豆あずきに砂糖さとうで甘味あまみをつけた「甘あまふちゃぎ」や、紅べに芋いもの粉こなを混まぜて芋いもの風味ふうみを持もたせた「紅べに芋いもふちゃぎ」なども市販しはんされている。

ふちゃぎと同様どうように厄除やくよけの意味いみがある縁起物えんぎものとして、強飯こわいい（かしちー）がある。沖縄おきなわ県けんでは、旧暦きゅうれき6月がつに作つくられる六ろく月がつ強飯こわいいと、旧暦きゅうれき8月がつに作つくられる八はち月がつ強飯こわいいがあり、六ろく月がつ強飯こわいいはもち米まいだけで作つくる。旧暦きゅうれき6月がつは沖縄おきなわ県けんでは米べいの収穫しゅうかく時期じきであり、豊年ほうねん満作まんさくを感謝かんしゃしてヒヌカンや仏壇ぶつだんに供そなえられる。また、八はち月がつ強飯こわいいはもち米まいと小豆あずきで作つくる赤飯せきはんで、同おなじくヒヌカンや仏壇ぶつだんに供そなえられる。

関連かんれん項目こうもく