フリードリヒ・ヘッベル

フリードリヒ・ヘッベル

クリスティアン・フリードリヒ・ヘッベル （Christian Friedrich Hebbel、1813年ねん3月18日にち - 1863年ねん12月13日にち）は、ドイツの劇げき作家さっか・詩人しじん・小説しょうせつ家か。

生涯しょうがい

北きたドイツ、ホルシュタイン州しゅう（当時とうじはデンマーク領りょう ）のヴェッセルブーレン（Wesselburen）に生うまれた。家いえが貧まずしかったため独学どくがくで教養きょうようを身みにつけ創作そうさくを試こころみた。1835年ねん女性じょせい作家さっかアマーリエ・ショッペ（Amalie Schoppe）の伝手つてでハンブルクにやって来きた。彼かれはある船大工ふなだいくの家いえに寄寓きぐうしたが、その船大工ふなだいくの義理ぎりの娘むすめエリーゼ・レンズィング（Elise Lensing）は彼かれを献身けんしん的てきに支ささえた。エリーゼに支ささえられて処女しょじょ作さく『ユーディット』を完成かんせい。その後ご各地かくちを旅行りょこうし、ウィーンで知しり合あった女優じょゆうクリスティーネ・エングハウス（Christine Enghaus）と結婚けっこんしたが、それまで尽つくしてくれ、二人ふたりの子こまで生うんだエリーゼを裏切うらぎる形かたちとなった。劇げき作家さっかとしては『ゲノフェーファ』、『マリア・マグダレーネ』、『ヘロディアスとマリアンネ』、『ギュゲスとその指輪ゆびわ』、『ニーベルンゲン』三さん部ぶ作さくなどを次々つぎつぎと完成かんせいし、19世紀せいきドイツ最大さいだいの悲劇ひげき作家さっかとされるほか、叙情詩じょじょうしや短編たんぺん小説しょうせつ、そして日記にっきも評価ひょうかが高たかい。生地きじヴェッセルブーレンにはヘッベル博物館はくぶつかん（Hebbel-Museum）があり、ヘッベル協会きょうかいの本部ほんぶ（Hebbel-Gesellschaft）が置おかれている。

日本語にほんご訳やく

• 『ユーディット』

板垣いたがき邦くに器き訳わけ、アカギ叢書そうしょ、赤城あかぎ正蔵しょうぞう、1914

中島なかじま清きよし訳わけ、新潮社しんちょうしゃ、1915年ねん

中島なかじま清きよし 訳やく、泰西たいせい戯曲ぎきょく選集せんしゅう、新潮社しんちょうしゃ、1924年ねん

吹田すいた順助じゅんすけ、世界せかい名作めいさく文庫ぶんこ、春陽しゅんよう堂どう、1932年ねん

吹田すいた順助じゅんすけ 訳やく、岩波いわなみ文庫ぶんこ、岩波書店いわなみしょてん、1951年ねん（『ミケランジェロ』併録へいろく）

• 『ミケランジェロ』
• 『ゲノヴェーヴァ』

吹田すいた順助じゅんすけ 訳やく、岩波書店いわなみしょてん、1924年ねん

吹田すいた順助じゅんすけ 訳やく、世界せかい名作めいさく文庫ぶんこ、春陽しゅんよう堂どう、1933年ねん

吹田すいた順助じゅんすけ 訳やく、岩波いわなみ文庫ぶんこ、岩波書店いわなみしょてん、1942年ねん

• 『マリーア・マグダレーナ』

吹田すいた順助じゅんすけ 訳やく、警醒けいせい社しゃ、1910年ねん

黒田くろだ幹みき一いち訳わけ、アカギ叢書そうしょ、赤城あかぎ正蔵しょうぞう、1915年ねん

吹田すいた順助じゅんすけ 訳やく、世界せかい名作めいさく文庫ぶんこ、春陽しゅんよう堂どう、1932年ねん

鼓つづみ常良つねよし訳わけ、岩波いわなみ文庫ぶんこ、岩波書店いわなみしょてん、1941年ねん

• 『アグネス・ベルナウエル』

吹田すいた順助じゅんすけ 訳やく、岩波いわなみ文庫ぶんこ、岩波書店いわなみしょてん、1940年ねん、1950年ねん

• 『ギューゲスと彼かれの指輪ゆびわ』

吹田すいた順助じゅんすけ 編へん、郁いく文ぶん堂どう対訳たいやく叢書そうしょ、郁いく文ぶん堂どう、1913年ねん

吹田すいた順助じゅんすけ 訳やく、岩波いわなみ文庫ぶんこ、岩波書店いわなみしょてん、1953年ねん（『紅玉こうぎょく』併録へいろく）

• 『紅玉こうぎょく』
• 『我わが幼年ようねん時代じだい』

佐久間さくま政一郎まさいちろう注ちゅう訳やく、郁いく文ぶん堂どう対訳たいやく叢書そうしょ、郁いく文ぶん堂どう、1922年ねん

大畑おおはた末吉すえきち訳わけ、岩波いわなみ文庫ぶんこ、岩波書店いわなみしょてん、1942年ねん

• 『ヘローデスとマリアムネ』

上村うえむら清延きよのぶ訳わけ、独逸どいつ文學ぶんがく叢書そうしょ、岩波書店いわなみしょてん、1928年ねん

短篇たんぺん集しゅう

• 『紅玉こうぎょく ‐ヘッベル短篇たんぺん集しゅう 他た六ろく篇へん‐』

石いし中ちゅう象ぞう治ち訳わけ、改造かいぞう社しゃ文庫ぶんこ、改造かいぞう社しゃ、1938年ねん

• 『ヘッベル短篇たんぺん集しゅう(理髪りはつ師しチッタアライン、アンナ、妙みょうな晩ばん、仕立屋したてやシュレゲル、山番やまばん小屋こやの一夜いちや、マツテオ、牝めす牛うし、ルビイ‐童話どうわ‐ 収録しゅうろく)』　

実吉さねよし捷郎はやお訳わけ、岩波いわなみ文庫ぶんこ、岩波書店いわなみしょてん、1940年ねん、1971年ねん(改版かいはん)

研究けんきゅう書しょ

• 『内うちなる声こえの軌跡きせき：劇げき作家さっかヘッベルの青春せいしゅんと成熟せいじゅく』、谷口たにぐち茂しげる編著へんちょ、冨山とやま房ぼう、1992年ねん

ヘッベルの日記にっきの抄訳しょうやくに訳者やくしゃの研究けんきゅう解説かいせつ

参考さんこう文献ぶんけん

• 吹田すいた順助じゅんすけ『ヘッベル』（ 岩波書店いわなみしょてん）
• 岡田おかだ朝雄あさお・リンケ珠子たまこ『ドイツ文学ぶんがく案内あんない　増補ぞうほ改訂かいてい版ばん』 朝日出版社あさひしゅっぱんしゃ　2000 (ISBN 4-255-00040-9)、64-65頁ぺーじ、366頁ぺーじ（翻訳ほんやく文献ぶんけん）
• Günther Dietel: Reiseführer für Literaturfreunde. I: Bundesrepublik Deutschland einschl. Berlin . Frankfurt/M-Berlin: Ullstein 1965. S.305-306 (zu Wesselburen) und 136 (zu Hamburg).