詩人しじん

『貧乏びんぼう詩人しじん』、(画がカール・シュピッツヴェーク 1839年ねん）

詩人しじん（しじん）とは、詩しを書かき、それを発表はっぴょうする者もの。また、それを職業しょくぎょうにしている者もの。

後者こうしゃでも詩しだけで生活せいかつしている人ひとはほとんどおらず、多おおくの場合ばあい、評論ひょうろん、随筆ずいひつ、翻訳ほんやく、小説しょうせつ、音楽おんがく、絵画かいが、演劇えんげき、漫画まんが、歌うたの作詞さくしなど他たの分野ぶんやの創作そうさく活動かつどうを並行へいこうして行いっていたり、あるいは（文学ぶんがくと縁遠えんどおい）他たの職業しょくぎょうを持もったりする。たとえば高村たかむら光太郎こうたろうは彫刻ちょうこく家かとしても多数たすうの作品さくひんを残のこしているし、草野くさの心こころ平ひらたにはバーや居酒屋いざかやの経営けいえいをしていた時期じきがある。アルチュール・ランボーは10代に残のこした業績ぎょうせきによって詩人しじんと呼よばれているが、詩作しさくを止とめた後のちは貿易ぼうえき商しょうなど他たの仕事しごとをした。

ボブ・ディラン、パティ・スミスなど、シンガーソングライターが詩人しじんとしても高たかい評価ひょうかを得え、詩集ししゅうを出だすまでに至いたる例れいもある。

詩しを書かく者もの以外いがいに対たいしても「詩人しじん」という言葉ことばが使つかわれることがある。新しん明解めいかい国語こくご辞典じてん第だい六ろく版はん（三省堂さんせいどう）にもそのような広義こうぎの意味いみが書かかれているし、三好みよし達治たつじは『詩しを読よむ人ひとのために』（至文しぶん堂どう、1952年ねん）の中なかで「誰だれかもいったように」と前書まえがきした上うえで「詩しを読よみ詩しを愛あいする者ものは既すでに彼かれが詩人しじん」であると書かいている。

歌うたの歌詞かしの作者さくしゃは一般いっぱんに作詞さくし家かと呼よばれる。また短歌たんかを書かく者ものは歌人かじん、俳句はいくを書かく者ものは俳人はいじんと呼よぶ。

詩人しじんの例れい

• 叙事詩じょじし作者さくしゃとしてホメーロス、ダンテ・アリギエーリなど。
• 漢詩かんし作者さくしゃとして李白りはく、杜もり甫はじめなど。
• 象徴しょうちょう主義しゅぎの詩人しじんとしてフランスではシャルル・ボードレール、ポール・ヴェルレーヌ、アルチュール・ランボー、ステファヌ・マラルメ、ポール・ヴァレリー、他たにアイルランドのウィリアム・バトラー・イェイツ、ドイツのライナー・マリア・リルケなど。
• 戦後せんご日本にっぽんの詩人しじんとして、荒地あれち派はの鮎川あいかわ信夫しのぶ、田村たむら隆一りゅういちや金子かねこ光晴みつはる、吉本よしもと隆明たかあき、谷川たにがわ俊太郎しゅんたろうなど。
• 俳句はいくの作者さくしゃとして、松尾まつお芭蕉ばしょう、正岡子規まさおかしき
• 短歌たんかの作者さくしゃとして、石川いしかわ啄木たくぼく、与謝野よさの晶子あきこ、萩原はぎはら慎一郎しんいちろうなど。

詳細しょうさいは詩人しじん一覧いちらんを参照さんしょう。

関連かんれん項目こうもく

• 詩人しじん一覧いちらん
• 形而上けいじじょう詩人しじん
• 桂冠詩人けいかんしじん
• 吟遊詩人ぎんゆうしじん
• 歌人かじん
• 俳人はいじん
• ポエトリーリーディング
• Filí - スコットランドとアイルランドで活躍かつやくしていた詩人しじんや吟遊詩人ぎんゆうしじんの総称そうしょう。