プチエンジェル事件じけん

プチエンジェル事件じけん（ぷちえんじぇるじけん）は、2003年ねん（平成へいせい15年ねん）7月がつに東京とうきょう都と赤坂あかさかにあるウィークリーマンション一室いっしつで起おきた、小学しょうがく6年生ねんせいの少女しょうじょ4人にんが誘拐ゆうかい・監禁かんきんされた事件じけん。プチエンジェルとは犯人はんにんが経営けいえいしていた児童じどう買春ばいしゅんデートクラブの名称めいしょうまたは会社かいしゃ名めいである。

経緯けいい

犯人はんにんは無む店舗てんぽ型がたの非合法ひごうほうの未成年みせいねん者しゃデートクラブ「プチエンジェル」を経営けいえい。女子高じょしこう生せい数すう人にんをスカウトとして雇やとい、渋谷しぶやや新宿しんじゅくで「カラオケ5,000円えん、下着したぎ提供ていきょう10,000円えん、裸体らたい撮影さつえい10,000円えん」などと書かかれたチラシを配くばってローティーンの少女しょうじょを勧誘かんゆうし、男性だんせい客きゃくに斡旋あっせん、その他たわいせつビデオの販売はんばいも合あわせて多額たがくの利益りえきを得えていた。また本人ほんにんも過去かこに買春ばいしゅんで逮捕たいほ歴れきがあり執行しっこう猶予ゆうよ中ちゅうだった。

• 2003年ねん7月がつ上旬じょうじゅん、少女しょうじょのうちの1人ひとりが渋谷しぶやで勧誘かんゆうされ、「会あってくれたお礼れい」として犯人はんにんから金かねをもらう。犯人はんにんからは「いつでもおいで」といわれており、以降いこうも携帯けいたい電話でんわで連絡れんらくを取とっていた。
• 同月どうげつ11日にち、犯人はんにんは所有しょゆうしていたフェラーリ2台だいを売却ばいきゃくする。また、犯人はんにんとは別べつの人物じんぶつが赤坂あかさかのウィークリーマンションの部屋へやを契約けいやくする。部屋へやは最上階さいじょうかい11階かいの2LDKで、費用ひようは犯人はんにんが払はらった。
• 翌よく12日にち、犯人はんにんは都内とないの量販りょうはん店てんでポリタンクや鉄てつアレイを購入こうにゅう。この際さいに練炭れんたんや七なな輪りんも購入こうにゅうしたとみられている。
• 13日にち、少女しょうじょ4人にんは犯人はんにんから「部屋へやを1万まん円えんで掃除そうじしてほしい」と誘さそわれ、渋谷しぶや駅前えきまえで待まち合あわせて、タクシーで赤坂あかさかのマンションに連つれて行いかれる。マンションで掃除そうじを始はじめると「ここに来きた意味いみわかるよね」と犯人はんにんの態度たいどが豹変ひょうへん。手錠てじょうと目隠めかくしをされて監禁かんきんされた。2人ふたりが逃にげようとするが失敗しっぱい、手錠てじょうにポリタンクや鉄てつアレイを付つけられて逃にげられないようにされスタンガンで脅おどされた。同日どうじつ深夜しんや 家族かぞくから警察けいさつに捜索そうさく願ねがいが出だされる。
• 15日にち、マスコミで少女しょうじょが行方ゆくえ不明ふめいになったと報道ほうどうされる。
• 16日にち午前ごぜん、警視庁けいしちょうは犯人はんにんの逮捕たいほ状じょうを2002年ねん3月がつに中学ちゅうがく2年ねんの少女しょうじょを買春ばいしゅんした容疑ようぎで請求せいきゅう。捜査そうさ員いんが犯人はんにんの住所じゅうしょ付近ふきんでき込きこみを始はじめる。同日どうじつ朝あさ9時じ頃ごろ、犯人はんにんはリビングでテント状じょうにしたビニールの中なかに入はいり、七輪しちりんで練炭れんたん自殺じさつを図はかり死亡しぼうした。
• 17日にち、物音ものおとが聞きこえなくなったのを見計みはからい、少女しょうじょの1人ひとりが手錠てじょうをはずして脱出だっしゅつ、外そとに出でて近ちかくの花屋はなやに助たすけを求もとめる。駆かけつけた警察官けいさつかんが4人にんを保護ほご、犯人はんにんの死亡しぼうを確認かくにん。事件じけんを受うけて翌日よくじつには渋谷しぶやで一斉いっせい補導ほどうが行おこなわれ、少年しょうねん少女しょうじょ1,500人にん以上いじょうが補導ほどうされた。

その他た

遺書いしょもなく犯人はんにんが自殺じさつしたため犯行はんこうの動機どうきは分わかっていない。その後ごの捜査そうさによって、犯人はんにんが借かりていた埼玉さいたま県けん久喜くき市しのアパートから1,000本ほん以上いじょうのビデオテープと2,000名めいに及およぶ顧客こきゃくリストが押収おうしゅうされた。しかしその多おおくが偽名ぎめいであったことを理由りゆうに捜査そうさは打うち切きられ、その背後はいごにあるとされたデートクラブ絡がらみの疑惑ぎわくは真偽しんぎ不明ふめいのまま終おわっている。

犯人はんにんの父親ちちおやは元もと・朝日新聞あさひしんぶん西部せいぶ本社ほんしゃ社会しゃかい部長ぶちょうであった。

参議院さんぎいん議員ぎいんであった鴻池こうのいけ祥さち肇はじめ（当時とうじ：防災ぼうさい担当たんとう大臣だいじん）は、2003年ねん7月がつ18日にちの衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かいにて、「少女しょうじょ4人にんも、加害かがい者しゃか被害ひがい者しゃか分わからない」という答弁とうべんを行おこなった。鴻池こうのいけは藤井ふじい孝男たかお委員いいん長ちょうから発言はつげんの真意しんいを問といただされ、発言はつげんを撤回てっかいした。

外部がいぶリンク

• 第だい156回かい国会こっかい 衆議院しゅうぎいん予算よさん委員いいん会かい 第だい26号ごう 平成へいせい15年ねん7月がつ18日にち - 国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかん