触媒しょくばいサイクル

触媒しょくばいサイクル (しょくばいサイクル、catalytic cycle) は化学かがく分野ぶんやで現あらわれる用語ようごであり、触媒しょくばいが関与かんよする多た段階だんかいからなる反応はんのう機構きこうを表あらわす。生化学せいかがく、有機ゆうき金属きんぞく化学かがく、物質ぶっしつ科学かがくなどにおいて触媒しょくばいの役割やくわりを説明せつめいするとき、触媒しょくばいサイクルがよくつかわれる。触媒しょくばいサイクルにはしばしばプレ触媒しょくばい (precatalyst) の触媒しょくばいへの変換へんかんが現あらわれる。触媒しょくばいは再さい生産せいさんされるものなので、触媒しょくばいサイクルはたいてい一連いちれんの化学かがく反応はんのうのループとして書かかれる。そのようなループでは、第だい一いち段階だんかいには必かならず反応はんのう物ぶつと触媒しょくばいの結合けつごうが伴ともない、最終さいしゅう段階だんかいには生成せいせい物ぶつと触媒しょくばいの分離ぶんりが伴ともなう。モンサント法ほう、ワッカー法ほう、ヘック反応はんのうなどは触媒しょくばいサイクルを用もちいて説明せつめいされる。

反応はんのう物ぶつ A と反応はんのう物ぶつ B から生成せいせい物ぶつ C ができるまでの触媒しょくばいサイクル

触媒しょくばいサイクルは必かならずしも反応はんのう機構きこうを完全かんぜんに描写びょうしゃするものでなくてよい。たとえば、反応はんのう中ちゅう間あいだ体たいがわかっているが素もと反応はんのうの反応はんのう機構きこうが予想よそうできない場合ばあいがある。