ベルリン会議かいぎ (アフリカ分割ぶんかつ)

ベルリン会議かいぎ

ベルリン会議かいぎ（ベルリンかいぎ、独どく: Kongokonferenz、英えい: Berlin Conference）は、1884年ねん11月15日にちから1885年ねん2月がつ26日にちまでドイツ帝国ていこくの首都しゅとベルリンで開催かいさいされた国際こくさい会議かいぎ。列強れっきょうのコンゴ植民しょくみん地ち化かをめぐる対立たいりつの収拾しゅうしゅうが図はかられるとともに、列強れっきょうによる「アフリカ分割ぶんかつ」の原則げんそくが確認かくにんされた。

会議かいぎに至いたる経緯けいい

ベルギー国王こくおうレオポルド2世せいは、植民しょくみん地ち帝国ていこく形成けいせいの第一歩だいいっぽとして、コンゴ植民しょくみん地ち化かに関心かんしんをよせた。1878年ねん、上うえコンゴ研究けんきゅう委員いいん会かい（のちのコンゴ国際こくさい協会きょうかい）のもとで探検たんけん家かスタンレーをコンゴに派遣はけん、現地げんちの調査ちょうさや交通こうつう網もうの整備せいびにあたらせた。すでにこの段階だんかいでスタンレーは数すう十じゅうの基地きちを設置せっちし、現地げんち勢力せいりょくの長ちょうたちと様々さまざまな取とり決きめを結むすんでいた。こうした急速きゅうそくなベルギーのコンゴ進出しんしゅつに対たいし、以前いぜんより沿岸えんがん部ぶの権益けんえき拡大かくだいを進すすめていたポルトガルが反発はんぱつし、1882年ねんにはコンゴ川がわ河口かこう地域ちいきにおける主権しゅけんを宣言せんげんした。イギリスはこれを支持しじしたが、アフリカ植民しょくみん地ち化かをめぐりイギリスと対立たいりつしていたフランスは、ポルトガルを支持しじせずにベルギーを支持しじする一方いっぽう、自みずから探検たんけん家かピエール・ド・ブラザをアフリカ内陸ないりく部ぶに派遣はけんした。宰相さいしょうビスマルクのもとにあったドイツもポルトガル支持しじを見送みおくった。このように、各国かっこくの思惑おもわくが交錯こうさくするなか、アフリカをめぐる一連いちれんの問題もんだい解決かいけつをめざし国際こくさい会議かいぎがドイツのベルリンで開催かいさいされた。

参加さんか国こく

イギリス、ドイツ、オーストリア＝ハンガリー、ベルギー、デンマーク、スペイン、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく、フランス、イタリア、オランダ、ポルトガル、ロシア、スウェーデン＝ノルウェー、オスマン帝国ていこくの計けい14カ国かこく。

会議かいぎの結果けっかと影響えいきょう

全ぜん7章しょう、38条じょうで構成こうせいされるベルリン協定きょうていが締結ていけつされた。その内容ないようは、コンゴ盆地ぼんちに関かんするもの、奴隷どれい貿易ぼうえきの禁止きんしに関かんするもの、植民しょくみん地ち分割ぶんかつに関かんするものなどである。

コンゴ盆地ぼんち

コンゴ盆地ぼんちの地理ちり的てき範囲はんいを画定かくていさせた上うえで、同どう地域ちいきの自由じゆう貿易ぼうえき（第だい1章しょう）と中立ちゅうりつ化か（第だい3章しょう）、コンゴ川がわ航行こうこうの自由じゆう（第だい4章しょう）が確認かくにんされた。レオポルド2世せい下かにあるコンゴ国際こくさい協会きょうかいはコンゴ盆地ぼんちの統治とうち権けんを認みとめられた。これにより、ベルギー国家こっかでなくベルギー王おうの私財しざいといった形かたちでコンゴは扱あつかわれるようになり、コンゴ国際こくさい協会きょうかいの改組かいそにともなってコンゴ自由じゆう国こくが成立せいりつした。

植民しょくみん地ち分割ぶんかつの原則げんそく確認かくにん

第だい6章しょうにおいて、アフリカ沿岸えんがん部ぶにおける植民しょくみん地ち化かの原則げんそくが確認かくにんされた。以下いかに示しめすのはその原則げんそくの根幹こんかんとなる2つの条項じょうこうである。

• 占領せんりょうが認みとめられる条件じょうけんはヨーロッパ人じんの活動かつどう（通交つうこう・交易こうえき）を保障ほしょうできる実効じっこう支配しはいが行おこなわれていることが必要ひつようである。
• ある地域ちいきを最初さいしょに占領せんりょうした国くにがその地域ちいきの領有りょうゆう権けんをもつという先占せんせん権けんをもつ。（沿岸えんがん部ぶを占領せんりょうした国くにが内陸ないりく部ぶの併合へいごうも認みとめられる）

この協定きょうていの締結ていけつ以後いご、アフリカを植民しょくみん地ち化かする場合ばあいは、ベルリン協定きょうてい調印ちょういん諸国しょこくにその内容ないようを通告つうこくし、会議かいぎで確認かくにんされた原則げんそくを遵守じゅんしゅすることが求もとめられた。この会議かいぎを契機けいきとして列強れっきょうのアフリカ分割ぶんかつは本格ほんかく化かし、列強れっきょう間あいだの調整ちょうせいを通つうじた地図ちず上じょうでの植民しょくみん地ち分割ぶんかつが行おこなわれていった。

参考さんこう文献ぶんけん

• 小田おだ英郎ひでお 『アフリカ現代げんだい史しⅢ 中部ちゅうぶアフリカ』 山川やまかわ出版しゅっぱん社しゃ、1986年ねん

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