ベレニケ2世せい

ベレニケ2世せい（プトレマイオス3世せい時代じだいの貨幣かへい）

ベレニケ2世せい

ベレニケ2世せい（希まれ：Βερενίκη Βべーた'、ラテン文字もじ表記ひょうき：Berenice II、紀元前きげんぜん267年ねんまたは266年ねん - 紀元前きげんぜん221年ねん）は、古代こだいエジプト、プトレマイオス朝あさのファラオ・女王じょおう（在位ざいい：紀元前きげんぜん244年ねん - 紀元前きげんぜん221年ねん）。キュレネ王おうメガス（在位ざいい：紀元前きげんぜん276年ねん - 紀元前きげんぜん250年ねん）とシリア王おうアンティオコス1世せいの娘むすめアパメー2世せいの娘むすめ。プトレマイオス3世せいエウエルゲテスの妻つまであり、プトレマイオス朝あさ第だい3代だいの支配しはい者しゃ（共同きょうどう統治とうち者しゃ）。プトレマイオス4世せいフィロパトル、アルシノエ3世せいらの母はは。星座せいざ・かみのけ座ざの伝説でんせつで有名ゆうめいな女性じょせいである。

生涯しょうがい

紀元前きげんぜん250年ねんまたは紀元前きげんぜん249年ねん頃ころ、マケドニアの王子おうじデメトリオス（マケドニア王おうデメトリオス1世せいの末子まっし）と結婚けっこんしたが、すぐに父ちち王おうメガスが没ぼっし、夫おっとがキュレネ王おうとなった。しかし、夫おっとがキュレネに来きてまもなくベレニケの母ははアパメー2世せいと愛人あいじん関係かんけいになったため、怒おこったベレニケは夫おっとを母ははの寝室しんしつで殺害さつがいした。彼女かのじょとデメトリオスとの間あいだに子供こどもはなかった。

その後ご、エジプトのプトレマイオス3世せいエウエルゲテスと再婚さいこんし、彼かれらの間あいだにはプトレマイオス4世せいフィロパトル、メガス (en) 、リュシマコス、アレクサンドロス、アルシノエ3世せい、ベレニケが生うまれた。

ベレニケ2世せいは、紀元前きげんぜん245年ねんから紀元前きげんぜん241年ねんのネメア競技きょうぎ祭さい (ネメアで開催かいさいされていた古代こだいギリシアの4大だい競技きょうぎ祭さいの一ひとつ) や、時期じきは不明ふめいではあるがオリュンピア祭さいに参加さんかしたと言いわれている。

夫おっとの遠征えんせい中ちゅうに顧問こもん団だんと共ともに内政ないせいを管理かんりするなど優すぐれた手腕しゅわんを発揮はっきした。プトレマイオス朝あさは全盛ぜんせい時代じだいを迎むかえたが、彼女かのじょの貢献こうけん度どは非常ひじょうに高たかかったといえる。紀元前きげんぜん221年ねん、夫おっとの死後しごすぐ、息子むすこプトレマイオス4世せいや廷臣ていしんたちの陰謀いんぼうにより殺害さつがいされた。

伝説でんせつ

「かみのけ座ざ」も参照さんしょう

夫おっとのシリア遠征えんせい（第だい三さん次じシリア戦争せんそう）に際さいし、かみのけ座ざの逸話いつわを残のこしている。ベレニケ2世せいは、夫おっとが無事ぶじに戻もどったならば、美うつくしく、かつ美うつくしいゆえに有名ゆうめいであった自分じぶんの髪かみを女神めがみアプロディテに捧ささげると誓ちかった。夫おっとが戻もどると、王妃おうひは髪かみを切きり、女神めがみの神殿しんでんに供そなえた。

翌朝よくあさまでに、髪かみの毛けは消きえていた。王おうと王妃おうひは大変たいへんに怒いかり、神官しんかんたちは死刑しけいを覚悟かくごした。このとき、宮廷きゅうてい天文学てんもんがく者しゃコノン (Conon) は、神かみは王妃おうひの行おこないが大変たいへんに気きに入いり、かつ、髪かみが美うつくしいので大変たいへんに喜よろこび、空そらに上あげて星座せいざにした、と王おうと王妃おうひに告つげ、しし座ざの尾おの部分ぶぶんを指さしした。王おうと王妃おうひは満足まんぞくし、コノンのこのとっさの知恵ちえにより、神官しんかんたちの命いのちは救すくわれたという。この逸話いつわにちなんで、現在げんざいこの領域りょういきはかみのけ座ざ (Coma Berenices) とされている。

ヘスペリデスという街まちは彼女かのじょによって再さい発見はっけんされ、彼女かのじょにちなみベレニケと改名かいめいされた（現在げんざいのベンガジ）。1907年ねんに発見はっけんされた小惑星しょうわくせい (653) ベレニケ (Berenike) もまた、ベレニケ2世せいにちなんで命名めいめいされたものである。