クレオパトラ7世せい

クレオパトラ7世せいフィロパトル
Κλεοπάτρα Ζぜーた' Φιλοπάτωρ
クレオパトラ7世せい頭部とうぶ（紀元前きげんぜん40年ねん頃ごろ、ベルリン美術館びじゅつかん蔵くら）
古代こだいエジプト ファラオ
統治とうち期間きかん	紀元前きげんぜん51年ねん - 紀元前きげんぜん30年ねん，プトレマイオス朝あさ
共同きょうどう統治とうち者しゃ	プトレマイオス12世せい（紀元前きげんぜん51年ねん） プトレマイオス13世せい（紀元前きげんぜん51年ねん - 紀元前きげんぜん47年ねん） プトレマイオス14世せい（紀元前きげんぜん47年ねん - 紀元前きげんぜん44年ねん） プトレマイオス15世せいカエサリオン（紀元前きげんぜん44年ねん - 紀元前きげんぜん30年ねん）
前ぜん王おう	プトレマイオス12世せい
次つぎ王おう	アウグストゥス（ローマ皇帝こうてい）
ファラオ名めい (五ご重じゅう称号しょうごう) ホルス名めい:  Wer(et) neb(et), neferu akh(et) seh 翻こぼし字じ: wr(.t)-nb(.t)-nfr.w Ax(.t)-zH 翻訳ほんやく: The great Lady of perfection, excellent in counsel ホルス名めい(2):Weret, tut en ites 翻こぼし字じ：wr.t-twt.n-it=s 翻訳ほんやく：The great one and the (very) image of her father 誕生たんじょう名めい: Qlupadra netjeret meret ites 翻こぼし字じ: qlwpdrA, nTr.t-mr(.t)-it=s 翻訳ほんやく: The goddess Cleopatra, who is beloved of her father
配偶はいぐう者しゃ	プトレマイオス13世せい プトレマイオス14世せい マルクス・アントニウス
子女しじょ	プトレマイオス15世せいカエサリオン アレクサンドロス・ヘリオス クレオパトラ・セレネ2世せい プトレマイオス・ピラデルポス
父ちち	プトレマイオス12世せい
母はは	クレオパトラ5世せい/6世せいもしくは別べつの女性じょせい
出生しゅっしょう	紀元前きげんぜん69年ねん アレクサンドリア
死去しきょ	紀元前きげんぜん30年ねん（満まん39歳さい没ぼつ） 、アレクサンドリア
埋葬まいそう地ち	不明ふめい。タップ・オシリス・マグナ神殿しんでん? クレオパトラの墓はか?
記念きねん物ぶつ	ハトホル神殿しんでん

クレオパトラ7世せいフィロパトル（ギリシア語ご: Κλεοπάτρα Ζぜーた' Φιλοπάτωρ, ラテン語らてんご: Cleopatra VII Philopator, 紀元前きげんぜん69年ねん - 紀元前きげんぜん30年ねん、古代こだいエジプトプトレマイオス朝あさファラオ（女王じょおう）。

一般いっぱん的てきに「クレオパトラ」と言いえば彼女かのじょを指さすことが多おおく、プトレマイオス朝あさの最後さいごの女王じょおうで、ガイウス・ユリウス・カエサルやマルクス・アントニウスらとのロマンスで知しられる。王朝おうちょう自体じたいがアレクサンドロス3世せいの部下ぶかプトレマイオス1世せいによる支配しはいから始はじまったため、クレオパトラもギリシア系けいである。

「クレオパトラ」は、古代こだいギリシア語ごクレオパトロス（父ちちの栄光えいこう）の女性じょせい形がたである。「絶世ぜっせいの美女びじょ」として知しられ、世界せかい三さん大だい美人びじんの一人ひとりである。ただし、クレオパトラの肖像しょうぞうは治世ちせい当時とうじ、アントニウスが発行はっこうしたとされている硬貨こうかに横顔よこがおが残のこされているのみであり、この評価ひょうかは後世こうせいの作つくり話ばなしだとの説せつがある（#人物じんぶつ節ふしを参照さんしょう）が、妹いもうとのアルシノエ4世せいの復元ふくげん図ずから姉あねのクレオパトラも美うつくしかったとする説せつもある。

なお、アレクサンドリアを襲おそった365年ねんのクレタ地震じしんのため、当時とうじの史料しりょうは残のこっておらず、プルタルコスやスエトニウスら後世こうせいの歴史れきし家かによる記録きろくに負おうが、その正確せいかく性せいには疑問ぎもんが残のこる。

出自しゅつじ

紀元前きげんぜん32年ねん頃ころ鋳造ちゅうぞうされた銀貨ぎんか。左ひだりがクレオパトラ、右みぎが裏面りめんのアントニウス

父ちちは紀元前きげんぜん80年ねん - 紀元前きげんぜん58年ねんおよび紀元前きげんぜん55年ねん - 紀元前きげんぜん51年ねんのファラオであるプトレマイオス12世せい（アウレテス）。プトレマイオス朝あさ末期まっきの王家おうけの系図けいずに不備ふびがあるため、母ははは特定とくていできていない。

クレオパトラ5世せい、クレオパトラ6世せい、あるいは氏名しめい不ふ詳しょうの女性じょせいの説せつがある。クレオパトラ5世せいはプトレマイオス12世せいのきょうだいまたはいとこであり、ベレニケ4世せいを産うんだことは分わかっているが、クレオパトラが生うまれた紀元前きげんぜん69年ねん頃ごろ以降いこうの記録きろくがない。

クレオパトラ6世せいは紀元前きげんぜん58年ねんにプトレマイオス12世せいがエジプトから追放ついほうされた後のちにエジプトを統治とうちした人物じんぶつであるが、5世せいと同どう一人物いちじんぶつとする説せつと5世せいの長女ちょうじょとする説せつがある。ストラボンはプトレマイオス12世せいの娘むすめをベレニケ4世せい、クレオパトラ7世せい、アルシノエ4世せいとしており、前説ぜんせつの場合ばあいこれと一致いっちする。後こう説せつはポルピュリオスの記述きじゅつによるもので、この場合ばあいプトレマイオス12世せいの追放ついほうに関連かんれんしたため系図けいずから抹消まっしょうされたと考かんがえられる。

他たの人物じんぶつとして、歴史れきし家かヴェルナー・フスは、紀元前きげんぜん69年ねん頃ごろにプトレマイオス12世せいはクレオパトラ5世せいと離婚りこんしてメンフィスの有力ゆうりょくな家系かけいの女性じょせいと結婚けっこんしており、この女性じょせいがクレオパトラ7世せいの母ははとしている。

弟おとうとにプトレマイオス13世せい、プトレマイオス14世せいがおり、何いずれもクレオパトラと結婚けっこんして共同きょうどう統治とうちを行おこなっている。

生涯しょうがい

即位そくいまでのエジプトの状況じょうきょう

共和きょうわ政せいローマはエジプト産さんの穀物こくもつを必要ひつようとしており、セレウコス朝ちょうシリアの攻撃こうげきを受うけたプトレマイオス6世せいがローマに助たすけを求もとめて以降いこう、プトレマイオス朝あさはその影響えいきょう下かに入はいっていた。エジプトは当時とうじ有数ゆうすうの小麦こむぎ生産せいさん地ちであり、その販売はんばいをプトレマイオス朝あさが独占どくせんしていた。後ごのアウグストゥス時代じだいには、毎年まいとしローマ市しの4ヶ月かげつ分ぶんを賄まかなっていたという。更さらにはパピルス、ガラス、織物おりもの生産せいさん地ちでもあった。これらのことから、プトレマイオス朝あさは当時とうじ世界せかいでも最もっとも裕福ゆうふくであったと推測すいそくする学者がくしゃもいる。

プトレマイオス11世せいは、紀元前きげんぜん80年ねんにルキウス・コルネリウス・スッラによって玉座ぎょくざに上のぼったものの同年どうねん中ちゅうに民衆みんしゅうに殺害さつがいされ、11世せいの従兄弟いとこでクレオパトラの父ちちであるプトレマイオス12世せいがローマに無断むだんで即位そくいした。12世せいは地位ちいの安定あんていのためグナエウス・ポンペイウスを頼たよったが、直接ちょくせつ介入かいにゅうを渋しぶられたため、紀元前きげんぜん60年ねんに三さん頭とう政治せいじが始はじまると、その一角いっかくであるカエサルを買収ばいしゅうし、やっと正式せいしきに王位おういが認みとめられた。しかしこの買収ばいしゅうにかかった費用ひようを増税ぞうぜいでまかなったため、紀元前きげんぜん58年ねんに反乱はんらんが起おこり、ポンペイウスを頼たよってローマ市しへ亡命ぼうめいした。このとき一いち人にんの娘むすめを伴ともなったとされ、その場合ばあいクレオパトラである可能かのう性せいを主張しゅちょうする近年きんねんの研究けんきゅう者しゃがいる。(アテネで発見はっけんされた石碑せきひに刻きざまれた"Liviaの王女おうじょ"についての文面ぶんめんがあり、それが若わかきクレオパトラである可能かのう性せいを主張しゅちょうするもの。)

アレクサンドリアではクレオパトラ6世せいやその死後しごベレニケ4世せいが摂政せっしょうの座ざについたが、紀元前きげんぜん57年ねん、ローマで12世せいの復位ふくい計画けいかくが立たてられた。これをポンペイウス派はが行おこなう陰謀いんぼうもあったものの頓挫とんざし、結局けっきょく紀元前きげんぜん55年ねん、シリア属ぞく州しゅう担当たんとうプロコンスル（前ぜん執政しっせい官かん）アウルス・ガビニウスと共ともにアレクサンドリアに舞まい戻もどった12世せいは、ベレニケ4世せいを処刑しょけいし復位ふくいした。しかしながら、亡命ぼうめい中ちゅうの生活せいかつ費ひと政界せいかい工作こうさく費ひで莫大ばくだいな借金しゃっきんを背負せおうことになった。この戦たたかいに参加さんかした、若わかきマルクス・アントニウスはベレニケ4世せいの夫おっとであるアルケラウスの戦死せんしの際さいに、王おうに相応ふさわしい葬そういをしたとして評価ひょうかされた。この時期じきに、クレオパトラとアントニウスは出会であっているという説せつもある。

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ『アントニウスとクレオパトラの出会であい』（1740年代ねんだい）ナショナル・ギャラリー (ワシントン)

即位そくい

紀元前きげんぜん51年ねん、クレオパトラが18歳さいの時ときに父ちちが逝去せいきょすると、父ちちの遺言ゆいごんによって弟おとうとのプトレマイオス13世せいと共同きょうどうで王位おういに就ついた。

プトレマイオス朝あさはギリシア系けいであったが、紀元前きげんぜん217年ねんのラフィアの戦たたかい以降いこう、エジプト人じんの存在そんざい感かんが増まし、ギリシア人じんのエジプト化かが進すすんでいた。一方いっぽう、歴代れきだい王おうは統治とうちに無む関心かんしんで、エジプト人じんによる反乱はんらんも起おこっていた。クレオパトラはエジプト人じんとの宥和ゆうわのため、自みずからエジプト文化ぶんかを取とり込こもうとしていたとも考かんがえられている。プルタルコスによれば、彼女かのじょの声こえは甘あまく楽器がっきのようで、多数たすうの言語げんごを自在じざいに操あやつり、これまでの王おうたちとは違ちがってエジプト語ごも習得しゅうとくしていたという。クレオパトラは古ふるくから民衆みんしゅうに親したしまれていたイシスと同一どういつ視しして描えがかれることもあり、そのことからも、宥和ゆうわ政策せいさくを採とっていたことが推測すいそくされる。プトレマイオス2世せいの妻つまアルシノエ2世せいがイシスとして描えがかれていた前例ぜんれいがあり、それを再現さいげんしたのではないかとも考かんがえられている。

ローマ内戦ないせん

「ローマ内戦ないせん (紀元前きげんぜん49年ねん-紀元前きげんぜん45年ねん)」も参照さんしょう

紀元前きげんぜん49年ねん3月がつ3日にち、キケロよりアッティクスへ

先日せんじつの君きみの手紙てがみからすると、まだ彼かれらが会談かいだんして和解わかいする可能かのう性せいを信しんじているようだね。しかしその可能かのう性せいは低ひくいと思おもう。もし会談かいだんがあったとしても、ポンペイウスがなんらかの協定きょうていを結むすぶとは思おもえないんだよ。

—キケロ『アッティクス宛あて書簡しょかん』8.15.3

この頃ころにはカエサルとポンペイウスの対立たいりつは避さけられないものになっていた。紀元前きげんぜん49年ねん1月がつ1日にちにカエサルがその軍団ぐんだんを解散かいさんしなければ追放ついほう処分しょぶんにすることが元老げんろう院いんで決議けつぎされていたが、カエサルはこれを無視むしして軍ぐんを率ひきいてルビコン川かわを渡わたった。ポンペイウスはローマ市しを捨すて、さらに両りょう執政しっせい官かんと共ともにギリシアへと渡わたっていった。アッピアノスによれば、レバント（東部とうぶ地中海ちちゅうかい沿岸えんがん地方ちほう）のほぼ全すべての国くにがポンペイウスを支援しえんし、中なかには王おう自みずから参戦さんせんする国くにもあったという。クレオパトラも60隻せきの船ふねを供出きょうしゅつしたが、戦闘せんとうには参加さんかしなかった。ポンペイウスはデュッラキウムに本陣ほんじんを据すえて軍勢ぐんぜいを集あつめ、一方いっぽうのカエサルはヒスパニアのポンペイウス派はを潰つぶして回まわり、ローマ市しへ帰還きかんすると翌年よくねんの執政しっせい官かんに選出せんしゅつされた。

カエサルはポンペイウスに攻撃こうげきを仕掛しかけたが一時いちじ敗退はいたいし（デュッラキウムの戦たたかい）、それをポンペイウスが追撃ついげきしたもののカエサルに撃退げきたいされ（ファルサルスの戦たたかい）、海うみへと逃のがれた。

同おなじ頃ごろクレオパトラは、妹いもうとアルシノエ4世せいとも対立たいりつしていただけでなく、共同きょうどう統治とうちを嫌きらったプトレマイオス13世せいによって紀元前きげんぜん48年ねんにアレクサンドリアから追放ついほうされた。アッピアノスによれば、追放ついほうされたクレオパトラはシリアで軍勢ぐんぜいを集あつめ、対たいする13世せいはペルシウム付近ふきんで彼女かのじょを待まち受うけていたが、そこへポンペイウスが逃のがれてきたという。

ポンペイウスを追撃ついげきするカエサルはアレクサンドリアを訪おとずれ、エジプト人じんを信用しんようしていなかった彼かれは、追放ついほうされていたクレオパトラを召喚しょうかんした。カエサルは52才さい、クレオパトラは21才さいであった。

カエサルとの出会であい

絨毯じゅうたんの中なかからカエサルの前まえへ現あらわれるクレオパトラ
"Cléopâtre et César"　ジャン＝レオン・ジェローム画が、1886年ねん

プルタルコスによると、カエサルに召喚しょうかんされた女王じょおうは、シチリア人じんのアポロドロスという者ものと夜陰やいんに乗じょうじて忍しのび込こみ、寝具しんぐ袋ぶくろに入はいった彼女かのじょを友人ゆうじんに縛しばらせ、カエサルの元もとに運はこばせたといい、この大胆だいたんなクレオパトラに魅みせられたカエサルは、きょうだいであるプトレマイオス13世せいとの仲なかを取とり持もったという。寝具しんぐではなく絨毯じゅうたんに包つつんで届とどけさせたと説明せつめいされることが多おおい（古代こだいエジプトでは、贈おくり物ものや賄賂わいろとして宝物ほうもつを絨毯じゅうたんに包つつんで渡わたす習慣しゅうかんがあり、クレオパトラは宝物ほうもつではなく自みずからの身体しんたいを贈おくったのだとする）が、史料しりょうでは確認かくにんできない。

しかし、クレオパトラがカエサルの愛人あいじんとなったことを知しったプトレマイオス13世せいは「怒いかり心頭しんとうに発はっし、王冠おうかんをはずし、地面じめんに叩たたきつけた」といわれる。結局けっきょくカエサルはローマに敵対てきたいするプトレマイオス13世せいを攻せめ殺ころし、アルシノエ4世せいを捕とらえることに成功せいこうした。クレオパトラはもう一人ひとりの弟おとうとプトレマイオス14世せいと結婚けっこんし、共同きょうどう統治とうちという形かたちで復位ふくいしたが、実質じっしつは彼女かのじょ一人ひとりによる統治とうちで、紀元前きげんぜん47年ねんにカエサルの子こカエサリオンを産うんでいる。クレオパトラは、カエサリオンを産うむことでローマによるプトレマイオス朝あさの属ぞく州しゅう化か防止ぼうしや、自己じこの地位ちい安定あんていを計はかったのではないかとも考かんがえられる。

紀元前きげんぜん46年ねん7月がつ、カエサルはローマ市しへ戻もどり、凱旋がいせん式しきを4度どにわたって挙行きょこうした。この頃ころ完成かんせいしたカエサルのフォルムにはクレオパトラの黄金おうごん像ぞうが立たてられたが、これはウェヌス神殿しんでんのすぐ側がわであり、問題もんだい視しされた。クレオパトラは、プトレマイオス14世せいとカエサリオンと共ともにカエサルのティベリス川がわ沿ぞいの別荘べっそうに滞在たいざいし、カエサルとのスキャンダルが噂うわさされた。この間あいだキケロらローマの有力ゆうりょく者しゃと面会めんかいしたようである。

紀元前きげんぜん44年ねん6月がつ13日にち、キケロよりアッティクスへ

カエサルの別荘べっそうにいた時ときの女王じょおうの傲慢ごうまんさときたら、思おもい出だしたくもない。だから私わたしはもう一切いっさい関かかわりたくない。

—キケロ『アッティクス宛あて書簡しょかん』15.15

カエサル死後しご

カエサルは紀元前きげんぜん47年ねんに独裁どくさい官かん任期にんきを10年ねん延長えんちょうされ、さらに紀元前きげんぜん44年ねん2月がつには永久えいきゅう独裁どくさい官かんとなっていたが、同年どうねん3月がつ15日にちに暗殺あんさつされた。クレオパトラの希望きぼうとは裏腹うらはらに、カエサリオンは彼かれの後継こうけい者しゃとはなりえず、カエサルは実みの大だい甥おい（カエサルの妹いもうとの孫まごで姪めいの子こ）で養子ようしのガイウス・オクタウィウス・トゥリヌス（オクタウィアヌス、後ごのアウグストゥス）を後継こうけい者しゃと定さだめていた。クレオパトラは帰国きこくしたが、すぐにプトレマイオス14世せいが逝去せいきょした。彼女かのじょによる毒殺どくさつ説せつもあるが、彼かれの後のちはカエサリオンに継つがせた（プトレマイオス15世せい）。

紀元前きげんぜん42年ねんのフィリッピの戦たたかいでは、第だい二に回かい三さん頭とう政治せいじ側がわでは無なく、ローマ東方とうほう地区ちくへ勢力せいりょくを広ひろげていたマルクス・ユニウス・ブルトゥスらの勢力せいりょくを支援しえんした。戦たたかいはブルトゥスらが敗北はいぼくし、三さん頭とう政治せいじ側がわのマルクス・アントニウスはクレオパトラ7世せいに出頭しゅっとうを命めいじた。これに対たいして、クレオパトラ7世せいはアプロディーテーのように着飾きかざり、香こうを焚たいてムードをつくってタルソスへ出頭しゅっとうした。逆ぎゃくにアントニウスを自みずからの宴席えんせきへ招待しょうたいするなどし、瞬またたく間まにアントニウスを魅惑みわくしたといわれる。エフェソスにいたアルシノエ4世せいは紀元前きげんぜん41年ねんにアントニウスによって殺ころされた。

アントニウスはオクタウィアヌスの姉あねオクタウィアと離婚りこんし、クレオパトラと結婚けっこんした。紀元前きげんぜん39年ねんには双子ふたごの男女だんじょのアレクサンドロス・ヘリオスとクレオパトラ・セレネ、紀元前きげんぜん36年ねんにはもう一人ひとりの男おとこの子こプトレマイオス・ピラデルポスが誕生たんじょうしている。アレクサンドリアから帰かえってこないアントニウスはローマでの評判ひょうばんを落おとす一方いっぽうだった。アントニウスの場合ばあいも、カエサルとの間あいだに子こを作つくったのと同おなじ理由りゆうが考かんがえられるが、今回こんかいはプトレマイオス朝あさの領土りょうどをも獲得かくとくしている。

アントニウスは紀元前きげんぜん36年ねんにクレオパトラの支援しえんを得えてパルティア遠征えんせいを行おこなったが、惨敗ざんぱいを喫きっした。

アントニウスは紀元前きげんぜん34年ねんに執政しっせい官かんに選出せんしゅつされたが初日しょにちに辞任じにんし、アルメニア王国おうこく（アルタクシアス朝あさ）に復讐ふくしゅうするためニコポリスに現あらわれると、国王こくおうアルタウァスデス2世せいを騙だまして捕虜ほりょとした。アルメニアを占領せんりょうしたアントニウスは大量たいりょうの財宝ざいほうと捕虜ほりょと共ともにアレクサンドリアに凱旋がいせんし、クレオパトラとの間あいの子こらに、東方とうほう世界せかいを分割ぶんかつして与あたえることを約束やくそくした。

プルタルコスによれば、アントニウスがローマ市民しみんに人気にんきのあったオクタウィアを離縁りえんしたこと、あまりにもエジプト風ふうに染そまってしまったことをオクタウィアヌスによってプロパガンダに利用りようされ、クレオパトラはローマの敵てきに仕立したてて上あげられていったという。クレオパトラはカエサリオンをカエサルの後継こうけい者しゃとして宣伝せんでんし、アントニウスもその保護ほご者しゃとしての立場たちばを強調きょうちょうしていた。それに対たいしてオクタウィアヌスは、彼かれらとの対立たいりつが決定的けっていてきになると、後継こうけい者しゃは自分じぶんであることを強調きょうちょうし、執政しっせい官かんとしてクレオパトラという外敵がいてきを排除はいじょする立場たちばを明確めいかくにしたといい、同どう時代じだいの記録きろくでは、豊ゆたかなエジプトの女王じょおうの脅威きょういに立たち向むかうオクタウィアヌスという東西とうざい対決たいけつの形かたちが見みられるという。

グエルチーノ『クレオパトラとオクタウィアヌス』（1640年ねん）クンストパラスト美術館びじゅつかん（デュッセルドルフ）

アクティウムの海戦かいせん

詳細しょうさいは「アクティウムの海戦かいせん」を参照さんしょう

紀元前きげんぜん31年ねんにアンヴラキコス湾わんに集結しゅうけつしたオクタウィアヌス軍ぐんとクレオパトラ・アントニウス連合れんごう軍ぐんであったが、古代こだいの記録きろくによれば、9月2日にち、突如とつじょとしてクレオパトラが戦線せんせん離脱りだつし、アントニウスも味方みかたを置おいてそれを追おったために敗北はいぼくしたことになっており、あたかも全ぜん責任せきにんはクレオパトラにあるかのようである。この海戦かいせんに関かんして様々さまざまな説せつがあるが、学者がくしゃも東西とうざいどちらを専せん門もんにしているかで意見いけんが分わかれている。しかし、東側ひがしがわの圧倒的あっとうてきな経済けいざい力りょくを背景はいけいに、有能ゆうのうな指揮しき官かんであったアントニウスとクレオパトラが、何なにも出来できずに敗退はいたいしたとするのは不可解ふかかいであると言いえる。

同どう時代じだい人じんでかろうじて信頼しんらい出来でかそうなホラティウスの『エボディ』などからは、オクタウィアヌスが勝利しょうりしたことは読よみ取とれるものの、オクタウィアヌス本人ほんにんによる『業績ぎょうせき録ろく』にすらアクティウムに関かんする記述きじゅつはなく、その存在そんざいすら疑うたがわれるほどで、ただクレオパトラが敵視てきしされていたことだけは分わかるという。当時とうじの東西とうざいの経済けいざい格差かくさからいって、内乱ないらんの続つづいたイタリアを立たて直なおすため、アントニウスを単独たんどくで支ささえることが可能かのうであったエジプトを奪うばう必要ひつようがあり、クレオパトラが敵視てきしされたのではないかとも考かんがえられる。対たいしてアントニウスとクレオパトラは、海上かいじょう封鎖ふうさを続つづけ敵てきが自滅じめつを待まつ消極しょうきょく策さくを採とっていたものの、それに対たいする危機きき感かんから団結だんけつした西方せいほうが予想よそう外がいに手強てごわく、封鎖ふうさを破やぶられたのではないかとする説せつもある

最期さいご

「クレオパトラ7世せいの死し」も参照さんしょう

クレオパトラの死し（瀕死ひんしのクレオパトラ）
グイド・カニャッチ、1658年ねん

クレオパトラの死し
レジナルド・アーサー 1892年ねん

帰国きこくしたクレオパトラ7世せいはオクタウィアヌスとの外交がいこう交渉こうしょうを試こころみるものの、条件じょうけん面めんなどで折おり合あいがつかず失敗しっぱいに終おわった。この結果けっか、カエサリオンを国外こくがいへ逃にがすことを決意けついし、実行じっこうに移うつした。しかし、ローマ軍ぐんはアレクサンドリアにまで到達とうたつし、アントニウスは残存ざんそんする全ぜん軍ぐんを率ひきいて決戦けっせんを挑いどむが、海軍かいぐんの寝返ねがえりなどで失敗しっぱいした。そして、紀元前きげんぜん30年ねん8月がつ1日にち、アントニウスはクレオパトラ7世せいが自分じぶんを裏切うらぎったと思おもい込こんでいたところに届とどけられたクレオパトラ7世せい死去しきょの報告ほうこく（ただし、これは誤報ごほう）に接せっして自殺じさつを図はかる。それを知しったクレオパトラ7世せいの指示しじにより、アントニウスは瀕死ひんしの状態じょうたいでクレオパトラ7世せいのところにつれてこられたが、息いきを引ひき取とった。

8月がつ29日にち、オクタウィアヌスは捕虜ほりょとなったクレオパトラ7世せいが自殺じさつすることを警戒けいかいし、厳重げんじゅうな監視かんし下かに置おいていたが、クレオパトラ7世せい自身じしんはオクタウィアヌスに屈くっすることを拒こばんで自殺じさつした。贈答ぞうとう品ひんのイチジクに忍しのばせていたコブラに身体しんたい（乳房ちぶさか腕うで）を噛かませて自殺じさつしたとも伝つたえられている。オクタウィアヌスは彼女かのじょの「アントニウスと共ともに葬ほうむられたい」との遺言ゆいごんをき入きいれた。

エジプトを征服せいふくしたオクタウィアヌスは、紀元前きげんぜん30年ねん、「カエサルの後継こうけい者しゃ」となる可能かのう性せいがあったカエサリオンを呼よび戻もどして殺害さつがいし、プトレマイオス朝あさを滅ほろぼした。そして、エジプトをローマに編入へんにゅうして皇帝こうてい直轄ちょっかつ地ち（アエギュプトゥス）とした。しかし、クレオパトラがアントニウスともうけていた3人にんの子供こどもたちは、オクタウィアヌスの姉あねにしてアントニウスの前妻ぜんさいであるオクタウィアに預あづけられ、養育よういくされた。

人物じんぶつ

• 歴史れきし家かプルタルコスは『対比たいひ列伝れつでん』において、オクタウィアヌスの姉あねでアントニウスの妻つまのオクタウィアが、その両者りょうしゃの関係かんけい修復しゅうふくに尽力じんりょくし、夫おっとが不在ふざいの家いえを守まもりつつ、更さらに子弟していの教育きょういくにも力ちからを入いれるのに対たいして、クレオパトラは徹頭徹尾てっとうてつび、エジプトと自己じこの保身ほしんと愛あいのため、カエサル、ポンペイウス、アントニウスと駆かけ引ひきを繰くり広ひろげる自己じこ中心ちゅうしん的てきな人物じんぶつとして描えがいており、ゲーオア・ブランデスは彼女かのじょを、「女おんなの中なかの女おんな、典型てんけい的てきイヴ」と評ひょうしている。
• フランスの哲学てつがく者しゃブレーズ・パスカルは、クレオパトラがその美貌びぼうと色香いろかでカエサルやアントニウスを翻弄ほんろうしたとして、「クレオパトラの鼻はながもう少すこし低ひくかったら、歴史れきしが変かわっていた」と評ひょうした。
• 後世こうせいの多おおくの人ひとから世界せかいで最もっとも美うつくしい女性じょせいであったと認識にんしきされ、「絶世ぜっせいの美女びじょ」として美女びじょの代名詞だいめいしになっている人物じんぶつである。そのため、「実じつは美人びじんではなかった」という見解けんかいがたびたび研究けんきゅう者しゃによって発表はっぴょうされている。2007年ねんにも、イギリスのBBCニュースで話題わだいになった。
• エジプトの女王じょおうだったということで、映画えいがや挿絵さしえなどでは肌はだの色いろの濃こいエキゾチックな美女びじょといった容姿ようしで描えがかれることが多おおいが、プトレマイオス朝あさはギリシア人じんの家系かけいであったので彼女かのじょの容貌ようぼうはギリシャ的てきであり、同どう時代じだいのクレオパトラの肖像しょうぞうとしては、ギリシア風ふうの巻まき毛げスタイルとエジプト風ふうのおかっぱスタイルの両方りょうほうが残のこっている。2023年ねん、Netflixのドキュメンタリー『African Queens』のシーズン2で黒人こくじん女優じょゆうのアデール・ジェームズをクレオパトラ役やくに出演しゅつえんさせたが、エジプト考古こうこ省しょうは「史実しじつ改かいざん」としてNetflixに抗議こうぎし、考古学こうこがく最高さいこう評議ひょうぎ会かいの事務じむ総長そうちょうも「エジプトの多おおくの専門せんもん家かが『（マケドニア・ギリシャ系けいの）クレオパトラは肌はだの色いろが白しろく、ギリシャ人じんの特徴とくちょうがある』との意見いけんで一致いっちしている」と述のべた。
• トルコのエフェソスにおいて、妹いもうとアルシノエ4世せいのものと考かんがえられる墓所はかしょと遺骨いこつが発見はっけんされたとの説せつもあるが、クレオパトラ自身じしんの墓はかはまだ発見はっけんされていない。近年きんねんになって、アレクサンドリア郊外こうがいに存在そんざいしていたタップ・オシリス・マグナ神殿しんでんの地下ちか深ふかくにあるとみられるクレオパトラの墓はかにクレオパトラが埋葬まいそうされたとする仮説かせつがあり、エジプト考古こうこ最高さいこう評議ひょうぎ会かいのザヒ・ハワス議長ぎちょう（当時とうじ）やドミニカ共和国どみにかきょうわこく出身しゅっしんの刑事けいじ弁護士べんごし・考古こうこ学者がくしゃキャスリーン・マルティネスの指揮しきの下した、発掘はっくつ調査ちょうさが行おこなわれている。
• クレオパトラは後世こうせいダンテの抒情詩じょじょうし『神かみ曲きょく』では愛欲あいよくの罪つみにより地獄じごくで苦くるしむ設定せっていとなっている。

系譜けいふ

クレオパトラ7世せいの血統けっとう			（血統けっとう表ひょうの出典しゅってん）
父系ふけい	プトレマイオス朝あさ
父ちち プトレマイオス12世せい	父ちちの父ちち プトレマイオス9世せい	プトレマイオス8世せい（※1）	プトレマイオス5世せい
			クレオパトラ1世せい
		クレオパトラ3世せい	プトレマイオス6世せい（※1）
			クレオパトラ2世せい（※1）
	父ちちの母はは クレオパトラ4世せい	プトレマイオス8世せい	プトレマイオス5世せい
			クレオパトラ1世せい
		クレオパトラ3世せい	プトレマイオス6世せい
			クレオパトラ2世せい
母はは クレオパトラ5世せい/6世せい（異説いせつ有あり）	母ははの父ちち プトレマイオス9世せい	プトレマイオス8世せい	プトレマイオス5世せい
			クレオパトラ1世せい
		クレオパトラ3世せい	プトレマイオス6世せい
			クレオパトラ2世せい
	母ははの母はは 未み確定かくてい（ベレニケ3世せいまたは未知みちの愛人あいじん）※括弧かっこ内ないベレニケ3世せいの血統けっとう	（プトレマイオス9世せい）	（プトレマイオス8世せい）
			（クレオパトラ3世せい）
		（クレオパトラ・セレネ1世せい）	（プトレマイオス8世せい）
			（クレオパトラ3世せい）
5代だい内ないの近親きんしん交配こうはい	プトレマイオス9世せい　２×２・３=75% プトレマイオス8世せい　３・３×３・３・４・４=75% クレオパトラ3世せい　３・３×３・３・４・４=75% プトレマイオス5世せい　４・５・５・４・５・５×４・５・５・５・６・６・５・６・６=50% クレオパトラ1世せい　４・５・５・４・５・５×４・５・５・５・６・６・５・６・６=50%

※1の3人にんは兄弟きょうだい

登場とうじょう作品さくひん

小説しょうせつ

• プーシキン『エジプトの夜よる』（1837年ねん）
• テオフィル・ゴーティエ『クレオパトラの一夜いちや』（1838年ねん）
• 宮尾みやお登美子とみこ『クレオパトラ』（1996年ねん）
• 楠木くすのき誠一郎せいいちろう『クレオパトラと名めい探偵たんてい! : タイムスリップ探偵たんてい団だん古代こだいエジプトへ』（2017年ねん）

戯曲ぎきょく

• シェイクスピア『アントニーとクレオパトラ』
• ジョージ・バーナード・ショー『シーザーとクレオパトラ』

音楽おんがく作品さくひん

• ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル：オペラ『エジプトのジュリアス・シーザー』
• エクトル・ベルリオーズ：カンタータ『クレオパトラの死し』
• ベッルーティ：『クレオパトラの死しと変容へんよう』（マンドリンオーケストラ）
• バド・パウエル：『クレオパトラの夢ゆめ』

実写じっしゃ映画えいが

1963年ねんの映画えいが『クレオパトラ』より、エリザベス・テイラー（クレオパトラ7世せい）とリチャード・バートン（アントニウス）

• アントニーとクレオパトラ（1913年ねん） - イタリア映画えいが。1914年ねん日本にっぽん公開こうかい。演えんじ：ジョヴァンナ・テリビリ＝ゴンザレス。
• シーザーの御代みよ（1917年ねん） - フォックス映画えいがが製作せいさくした映画えいが。1922年ねん日本にっぽん公開こうかい。演えんじ：セダ・バラ。
• クレオパトラ（1934年ねん） - パラマウント映画えいがが製作せいさくした映画えいが。演えんじ：クローデット・コルベール。
• シーザーとクレオパトラ（1945年ねん） - イギリス映画えいが。演えんじ：ヴィヴィアン・リー。
• ナイルの妖女ようじょクレオパトラ（1953年ねん） - 演えんじ：ロンダ・フレミング。日本にっぽんではDVDスルー。
• Due notti con Cleopatra（1954年ねん） - 演えんじ：ソフィア・ローレン。日本にっぽん未み公開こうかい。
• クレオパトラ（1959年ねん） - イタリアのアレキサンドラ・プロで製作せいさくされた映画えいが。演えんじ：リンダ・クリスタル。
• 妖姫ようきクレオパトラ（1962年ねん） - イタリア映画えいが。演えんじ：パスカル・プティ。
• クレオパトラ（1963年ねん） - 20世紀せいきフォックスが製作せいさくした映画えいが。配給はいきゅう会社かいしゃを危あやうく潰つぶし掛かけたことで有名ゆうめい。演えんじ：エリザベス・テイラー。
• アントニーとクレオパトラ（1972年ねん） - ウィリアム・シェイクスピアの同名どうめい戯曲ぎきょくの映画えいが化か作品さくひん。演えんじ：ヒルデガード・ニール。
• Deux Heures moins le quart avant Jésus-Christ（1982年ねん） - 演えんじ：Mimi Coutelier。日本にっぽん未み公開こうかい。
• 妖艶ようえん妃ひクレオパトラ（1985年ねん） - イタリア映画えいが。演えんじ：マルチェラ・ペトレッリ。
• ミッション・クレオパトラ（2002年ねん） - フランス映画えいが。演えんじ：モニカ・ベルッチ。後述こうじゅつの漫画まんが「アステリックスとクレオパトラ」を原作げんさくとする。

テレビドラマ

• レジェンド・オブ・エジプト（テレビ放映ほうえい邦題ほうだい：クレオパトラ）（1999年ねん） - 米国べいこくのテレビムービー。演えんじ：レオノア・ヴァレラ
• アフリカン・クイーンズ:クレオパトラ（2023年ねん） - NetflixオリジナルTV番組ばんぐみ。演えんじ：アデル・ジェームズ

漫画まんが・アニメ

• アステリックスとクレオパトラ - 1969年ねん。『アステリックス』シリーズの第だい6作さく。
• クレオパトラ - 虫むしプロダクションが1970年ねんに製作せいさくした劇場げきじょう用よう長編ちょうへんアニメーション映画えいが。クレオパトラの声こえは中山なかやま千夏ちなつが演えんじた。コミカライズ版ばん（[原案げんあん・監修かんしゅう]手塚てづか治虫おさむ、[漫画まんが]坂口さかぐち尚しょう）もある。
• クレオパトラ - 里中さとなか満智子まちこによる漫画まんが。1975年ねん、『少女しょうじょフレンド』（講談社こうだんしゃ）誌上しじょう（8号ごう - 11号ごう）で発表はっぴょう。
  • 全ぜん1巻かん 1976年ねん6月発行はっこう、ISBN 9784061097001
• 20世紀せいきのクレオパトラ - 坂本さかもとミドリ。1975年ねん、若木わかき書房しょぼう。
• 砂漠さばくの女王じょおう - 星野ほしの之の宣せんによる漫画まんがで連作れんさく短編たんぺん『妖女ようじょ伝説でんせつ』の中なかで1979年ねんから1988年ねんにかけて10年ねんにわたり書かき継つがれた作品さくひん。クレオパトラが「バア転生てんせいの秘法ひほう」を用もちいて、古代こだいパレスチナの王女おうじょサロメ、パルミラ帝国ていこくの女王じょおうゼノビアといった砂漠さばくの女王じょおうとして転生てんせいを繰くり返かえし、数奇すうきな運命うんめいをたどってゆく。
• 1000年ねん女王じょおう（劇場げきじょう版ばん） - 松本まつもと零れい士し原作げんさく。1982年ねん。楊貴妃ようきひ、卑弥呼ひみことともに、歴代れきだいの1000年ねん女王じょおうとして登場とうじょうする。原作げんさくの漫画まんが版ばんにもわずかながら登場とうじょう。
• アントニーとクレオパトラ - 谷口たにぐち敬たかし作画さくが、シェークスピア原作げんさく。1989年ねん、桜桃おうとう書房しょぼう。
• クレオパトラ : 古代こだいエジプトの最後さいごの女王じょおう - 千明ちあき初美はつみ作画さくが、柳川やながわ創造そうぞうシナリオ。1995年ねん、『学習がくしゅう漫画まんが 世界せかいの歴史れきし』シリーズ（集英社しゅうえいしゃ）。ISBN 9784082400316
• クレオパトラ - 黒田くろだかすみ。1996年ねん、角川書店かどかわしょてん。ISBN 9784048527101
• クレオパトラ女王じょおう : 古代こだいエジプト最後さいごの女王じょおう - 梶川かじかわ卓郎たくろう作画さくが、近藤こんどう二郎じろう監修かんしゅう。2011年ねん、『学習がくしゅうまんが人物じんぶつ館かん』シリーズ（小学館しょうがくかん）。ISBN 9784092700277
• クレオパトラ : 古代こだいエジプト王朝おうちょう最後さいごの女王じょおう - ねこだす。2012年ねん、『週刊しゅうかん マンガ世界せかいの偉人いじん』シリーズ（朝日新聞あさひしんぶん出版しゅっぱん）。ISBN 9784023320147
• クレオパトラ - 叶かのう精きよし作さく作画さくが、倉科くらしな遼りょう原作げんさく。2012年ねん-2013年ねん、『世界せかい女帝にょてい列伝れつでん』シリーズ（グループ・ゼロ）。全ぜん7巻かん。
• クレオパトラ - 迎むかい夏生なつき作画さくが、河合かわい望のぞむ監修かんしゅう。2013年ねん、『コミック版ばん 世界せかいの伝記でんき』シリーズ（ポプラ社ぽぷらしゃ）。ISBN 978-4-591-13518-1
• クレオパトラ : 古代こだいエジプトの最後さいごの女王じょおう - 松本まつもと夏実なつみ作画さくが、堀ノ内ほりのうち雅一まさいちシナリオ、長谷川はせがわ奏そう監修かんしゅう。2016年ねん、『学習がくしゅうまんが 世界せかいの伝記でんきNEXT』シリーズ（集英社しゅうえいしゃ）。ISBN 9784082400729
• クレオパトラな日々ひび - 柳原やなぎはら満月まんげつによる4コマ漫画まんが。2016年ねん-2021年ねん、『まんがライフオリジナル』（竹たけ書房しょぼう）で連載れんさいされた。
  • 1巻かん 2018年ねん2月がつ発行はっこう、ISBN 9784801961647
  • 2巻かん 2019年ねん5月がつ発行はっこう、ISBN 9784801965850
  • 3巻かん 2020年ねん3月がつ発行はっこう、ISBN 9784801968691
  • 4巻かん 2021年ねん3月がつ発行はっこう、ISBN 9784801972339
• クレオパトラ：古代こだいエジプト最後さいごの女王じょおう - 笹原ささはら智さとし映うつ作画さくが、阪本さかもと浩ひろし監修かんしゅう。2018年ねん、『角川かどかわまんが学習がくしゅうシリーズ まんが人物じんぶつ伝でん』。ISBN 9784041051467
• クレオパトラ : 強つよく生いきた古代こだいエジプトの女王じょおう! - 佐々木ささきメエ作画さくが、金きむ治おさむ直美なおみ文ぶん、近藤こんどう二郎じろう監修かんしゅう。2018年ねん、『やさしく読よめるビジュアル伝記でんき』（学研がっけんプラス）。ISBN 9784052048241
• パトラと鉄てつ十じゅう字じ - 真鍋まなべ譲治じょうじによる漫画まんが。2019年ねん - 2022年ねん、『月刊げっかんキスカ』（竹たけ書房しょぼう）にて連載れんさいされた。
  • 1巻かん 2019年ねん12月発行はっこう、ISBN 9784801967861
  • 2巻かん 2020年ねん6月がつ発行はっこう、ISBN 9784801969865
  • 3巻かん 2020年ねん12月発行はっこう、ISBN 9784801971431
  • 4巻かん 2021年ねん6月がつ発行はっこう、ISBN 9784801973398
  • 5巻かん 2023年ねん4月がつ発行はっこう、ISBN 9784801980280
• だって私わたし、クレオパトラですから！ - 森園もりぞのみるく。2022年ねん - 、KADOKAWA、タテスクコミック

絵本えほん

• クレオパトラ - 山口やまぐち菜さい作画さくが、清水しみずあゆこ文ぶん、齋藤さいとう孝たかし監修かんしゅう。2023年ねん、『はじめての伝記でんきえほん』シリーズ（ポプラ社ぽぷらしゃ）。ISBN 978-4-591-17476-0

ミュージカル

• 松竹しょうちく歌劇かげき団だん・1981年ねん『新しん竹たけ取と物語ものがたり 1000年ねん女王じょおう』（藤川ふじかわ洋子ようこ）
• 宝塚歌劇団たからづかかげきだん・1986年ねん花はな組ぐみ『真紅しんくなる海うみに祈いのりを』（秋篠あきしの美帆みほ）
• 宝塚歌劇団たからづかかげきだん・2006年月としつき組ぐみ『暁あかつきのローマ』（城じょう咲さきあい）
• 宝塚歌劇団たからづかかげきだん・2021年ねん花はな組ぐみ『アウグストゥス －尊厳そんげんある者もの－』（凪なぎ七なな瑠海）

バレエ

• Kバレエカンパニー・2017年ねん『クレオパトラ』- 演出えんしゅつ・振付ふりつけ・台本だいほん：熊川くまかわ哲也てつや、音楽おんがく：カール・ニールセン。

演劇えんげき

• 花組芝居はなぐみしばい・1997年ねん『悪女あくじょクレオパトラ』（加納かのう幸和ゆきかず） - 演出えんしゅつ・脚本きゃくほん：加納かのう幸和ゆきかず、アートディレクター：辻村つじむらジュサブロー
• TremendousCircus・2021年ねん『Femiking』 - 演出えんしゅつ：田中たなか円まどか 知ち乃、脚本きゃくほん：田中たなか円まどか

ゲーム

• アサシン クリード オリジンズ（声こえ：雨宮あまみや天たかし） - ユービーアイソフトより2017年ねん10月に発売はつばいされたステルスゲーム。主人公しゅじんこうの支援しえん者しゃとして登場とうじょう。
• Civilization 6 - エジプト文明ぶんめいの指導しどう者しゃとして登場とうじょう。

CM

• クレオパトラ篇へん（声こえ：三木みきのり平へい） - 桃屋ももやの「花はならっきょう」のCM。1966年ねんにモノクロ版ばん、1969年ねんにカラー版ばんが放映ほうえいされた。

参考さんこう文献ぶんけん

日本語にほんご文献ぶんけん

• エヴァリット, アントニー 著ちょ、高田たかだ康成やすなり 訳わけ『キケロ もうひとつのローマ史し』白水しろみず社しゃ、2006年ねん。ISBN 9784560026212。 
• 大西おおにし陸子むつこ「<論説ろんせつ>アクティウムの海戦かいせん再考さいこう」『史し林りん』第だい60巻かん第だい5号ごう、史学しがく研究けんきゅう会かい、1977年ねん、690-720頁ぺーじ、doi:10.14989/shirin_60_690、2022年ねん3月がつ28日にち閲覧えつらん。 
• 三戸さんのへ祥子さちこ「クレオパトラ，不滅ふめつの美びと誇ほこり」『広島文教女子大学ひろしまぶんきょうじょしだいがく紀要きよう』第だい29巻かん、広島文教女子大学ひろしまぶんきょうじょしだいがく : 広島文教女子大学短期大学部ひろしまぶんきょうじょしだいがくたんきだいがくぶ、1994年ねん12月、77-93頁ぺーじ、CRID 1390294252778161408、doi:10.51095/kiyo.29.02、ISSN 0919181X、NAID 120005762553、2023年ねん10月がつ10日とおか閲覧えつらん。 
• 物もの應おう忠ちゅう『クレオパトラと共和きょうわ政せいローマ』（兵庫教育大学ひょうごきょういくだいがく 修士しゅうし論文ろんぶん論文ろんぶん）2006年ねん。https://hdl.handle.net/10132/1577。2022年ねん6月がつ3日にち閲覧えつらん。 
• 山本やまもと興一こういち郎ろう『古代こだいローマ共和きょうわ政せい終焉しゅうえん期き・帝政ていせい草創そうそう期きの表象ひょうしょうと政治せいじ : 「故こユリウス・カエサル」の利用りようを軸じくに』（博士はかせ（文学ぶんがく) 甲かぶと第だい4867号ごう論文ろんぶん） 日本にっぽん大学だいがく、2015年ねん。doi:10.15006/32665a4867。NAID 500000931804。https://doi.org/10.15006/32665a4867。 

外国がいこく語ご文献ぶんけん

• Broughton, T. R. S. (1952). The Magistrates of the Roman Republic Vol.2. American Philological Association 
• Lundström, Peter (2011), Cleopatra VII, https://pharaoh.se/pharaoh/Cleopatra-VII 
• Skeat, T. C. (1953), “The Last Days of Cleopatra: A Chronological Problem”, The Journal of Roman Studies 43 (1–2): 98–100, doi:10.2307/297786, JSTOR 297786, https://jstor.org/stable/297786 
• Michael Grant（1972）, Cleopatra, Edison, NJ：Barnes and Noble Books, ISBN 978-0880297257
• W. Huß, Ägypten in hellenistischer Zeit (Egypt in Hellenistic times). C. H. Beck, Munich 2001
• Whitehorne, John (1994). Cleopatras. Routledge. ISBN 0-415-05806-6
• Roller, Duane W. (2010), Cleopatra: a biography, Oxford: Oxford University Press, ISBN 978-0-19-536553-5

古代こだい文献ぶんけん

• アッピアノス『内乱ないらん記き』
• プルタルコス『英雄えいゆう伝でん』
• ストラボン『地理ちり誌し』
• カッシウス・ディオ『ローマ史し』
• キケロ『アッティクス宛あて書簡しょかん』

関連かんれん項目こうもく

• クレオパトラの死し (曖昧あいまいさ回避かいひ)
• アントニーとクレオパトラ (曖昧あいまいさ回避かいひ)

外部がいぶリンク

• 『クレオパトラ』 - コトバンク

クレオパトラ7世せい プトレマイオス家か 紀元前きげんぜん69年ねん1月がつ - 紀元前きげんぜん30年ねん8月がつ12日にち
爵位しゃくい・家督かとく
先代せんだい プトレマイオス12世せい	プトレマイオス朝ちょうエジプト王国おうこく女王じょおう（ファラオ） 紀元前きげんぜん51年ねん - 紀元前きげんぜん30年ねん 紀元前きげんぜん51年ねんまでプトレマイオス12世せいと共きょう治ち 紀元前きげんぜん47年ねんまでプトレマイオス13世せいと共きょう治ち 紀元前きげんぜん44年ねんまでプトレマイオス14世せいと共きょう治ち 紀元前きげんぜん30年ねんまでプトレマイオス15世せいカエサリオンと共きょう治ち	次代じだい アウグストゥス ローマ皇帝こうてい