ボーア効果こうか

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ヘモグロビンの酸素さんそ解離かいり曲線きょくせん酸性さんせいかたむくと酸素さんそ解離かいり曲線きょくせんあかせん方向ほうこう移動いどう酸素さんそおおくはふくめない。ぎゃくアルカリ性あるかりせいかたむくと酸素さんそ解離かいり曲線きょくせんみどりせん方向ほうこううつ酸素さんそおおふくめる

ボーア効果こうか(ボーアこうか、英語えいご: Bohr effect)とは、血液けつえきうち二酸化炭素にさんかたんそりょう変化へんかによる赤血球せっけっきゅうないpH変化へんかによりヘモグロビン酸素さんそ解離かいり曲線きょくせん移動いどうすること。生理学せいりがくしゃクリスティアン・ボーアニールス・ボーアちち)により発見はっけんされた。ヘモグロビンの酸素さんそ解離かいり曲線きょくせんがpHの低下ていか温度おんど上昇じょうしょうなどの変化へんかによってみぎかた変移へんいすることで末梢まっしょう酸素さんそ解離かいりしやすくなり、pHの上昇じょうしょう温度おんど低下ていかなどでひだりかた変移へんいすることで結合けつごうしやすくなる効果こうかである[1]

概要がいよう[編集へんしゅう]

ボーアのげん論文ろんぶんもとにした説明せつめい酸素さんそみ、二酸化炭素にさんかたんそすくないはい酸素さんそぶんあつ100mmHG、二酸化炭素にさんかたんそぶんあつ5mmHg程度ていど)ではヘモグロビンの酸素さんそ飽和ほうわはほぼ100%になる。赤血球せっけっきゅうはそのまま酸素さんそすくない組織そしきたとえば酸素さんそぶんあつ30mmHg、あかせん)にくが、もしも二酸化炭素にさんかたんそ環境かんきょうだとっている酸素さんそうち18%程度ていどしか放出ほうしゅつできないが、組織そしきない二酸化炭素にさんかたんそ(40mmHg)があるとやく50%、二酸化炭素にさんかたんそ(80mmHg)があるとやく70%もの酸素さんそ放出ほうしゅつすることが出来でき

赤血球せっけっきゅうまれた二酸化炭素にさんかたんそみず炭酸たんさん脱水だっすい酵素こうそによりじゅう炭酸たんさんイオンとプロトンに解離かいりされ、赤血球せっけっきゅうないのpHが低下ていかすることでヘモグロビンの酸素さんそ親和しんわせい低下ていかしヘモグロビンは酸素さんそ解離かいりしやすくなる(酸素さんそ解離かいり曲線きょくせんみぎかた変移へんい)。ぎゃく二酸化炭素にさんかたんそすくない環境かんきょうでは赤血球せっけっきゅうじゅう炭酸たんさんイオンとプロトンから二酸化炭素にさんかたんそみずをつくり二酸化炭素にさんかたんそ放出ほうしゅつすることで、赤血球せっけっきゅうないのpHはがりヘモグロビンの酸素さんそ親和しんわせい増加ぞうかするのでヘモグロビンは酸素さんそ結合けつごうしやすくなる(酸素さんそ解離かいり曲線きょくせんひだりかた変移へんい)[1]

pHの低下ていか以外いがいには温度おんど上昇じょうしょう2,3-ビスホスホグリセリンさんしお(2,3-BPG)濃度のうど上昇じょうしょうによりヘモグロビンの酸素さんそ解離かいり曲線きょくせんみぎかた変移へんいこす。ぎゃくに、pHの上昇じょうしょう温度おんど低下ていか、2,3-BPG濃度のうど低下ていかはヘモグロビンの酸素さんそ解離かいり曲線きょくせんひだりかた変移へんいこす。

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

  • 浅野あさのしげるたかし池田いけだ康夫やすお内山うちやまたく 監修かんしゅうさんりん血液けつえきびょうがく文光ぶんこうどう、2006ねんISBN 4-8306-1419-6
  • 獣医じゅういがくだい辞典じてん編集へんしゅう委員いいんかい編集へんしゅう 『明解めいかいじゅう医学いがく辞典じてん』 チクサン出版しゅっぱんしゃ 1991ねん ISBN 4885006104

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b さんりん血液けつえきびょうがく』p178-179