ポッフェルチェ

ポッフェルチェ（ポッフェルチェス、ポッフェルチュス、オランダ語ご: poffertjes）は、パンケーキの一種いっしゅで、オランダの伝統でんとう的てきな菓子かし。たこ焼やきに似にた丸まるい形かたちをしており一般いっぱんのパンケーキよりも小ちいさく、小麦粉こむぎことそば粉こを1対たい1で混まぜて溶といた生地きじにイースト菌きんなどを加くわえ発酵はっこうさせているためパンケーキよりも口当くちあたりが軽かるい（イーストを入いれずに焼やく場合ばあいもある）。ポッフェルチェは片面かためんが完全かんぜんに焼やきあがる前まえにひっくり返かえすため、中なかも非常ひじょうに柔やわらかい。焼やいたポッフェルチェには普通ふつう砂糖さとうをかけるほか、バターや糖蜜とうみつ、ホイップクリームなどをかけたり、イチゴを添そえることもある。

ポッフェルチェを作つくるのは難むずかしくないが鋳物いものや銅どうでできたたこ焼やき機きのような特別とくべつな調理ちょうり器具きぐを必要ひつようとする。またテフロン加工かこうしたアルミ製せいの器具きぐも売うられている。オランダの大おおきなレストランにはポッフェルチェ用ようの器具きぐが用意よういされており、シェフが生地きじを器具きぐに流ながし込こんで、完全かんぜんに焼やきあがってしまう前まえに器用きようにフォークでひっくり返かえして丸まるい形かたちにしてゆく。スーパーマーケットにも、ベーキングパウダーなどの膨張ぼうちょう剤ざいが入はいっているポッフェルチェ用ようの粉こなも売うられており、家庭かていで卵たまごや牛乳ぎゅうにゅうを混まぜるだけで簡単かんたんに作つくることができる。3月から9月がつにかけては、オランダ各地かくちにポッフェルチェスを焼やく屋台やたいが建たち、1ダース単位たんいで皿さらに入いれて売うっている。

ポッフェルチェはフランスの修道院しゅうどういんで作つくられる聖餐せいさん用ようのパン（ホスチア）の一種いっしゅがもととなった。フランス革命かくめい時とき、小麦粉こむぎこの不足ふそくのために修道しゅうどう士しがそば粉こでホスチアを焼やいたところ、普通ふつうよりも密度みつどが高たかくおいしい味あじになった。修道しゅうどう士したちはホスチアを市場いちばの商人しょうにんらに売うって物ものを交換こうかんしていたが、その味あじに驚おどろいた商人しょうにんたちは修道しゅうどう士しからレシピを聞きいて自みずからも作つくるようになり、専用せんようの調理ちょうり器具きぐも作つくられオランダにも広ひろまった。ポッフェルチェという名なは、これを焼やく時ときに生地きじから空気くうきが抜ぬける時ときの音おとから名付なづけられたとされる。

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