マンマシンインタフェース

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グーグルグラス使用しようするひと投影とうえいされる映像えいぞうながら、フレームのタッチパネルをさわって操作そうさしている。この機器ききは、音声おんせい認識にんしきによるインタフェースもそなえている。

マンマシンインタフェースえい: man machine interface)またはヒューマンマシンインタフェースえい: human machine interface、HMI)とは、人間にんげん機械きかいあいだ伝達でんたつおこなう、機器ききやコンピュータプログラムとうといったインタフェース総称そうしょうである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

マンマシンインタフェースは、機械きかい人間にんげんあいだで、人間にんげん要求ようきゅう機械きかいに、あるいは機械きかい状態じょうたい人間にんげん理解りかいさせるために伝達でんたつする手段しゅだんを、おおくの場合ばあい一定いってい思想しそうした設計せっけい実現じつげんされた、または実現じつげんはかるものである。

人間にんげんがわからは「操作そうさ」として機械きかい指令しれいさい人間にんげんおこな特定とくてい行為こうい機械きかい検出けんしゅつできれば指令しれい伝達でんたつ達成たっせいされる。その手段しゅだん設計せっけいするのがマンマシンインタフェースの、“マンからマシン”がわ機械きかいがその状態じょうたい人間にんげん通知つうちするのに人間にんげん五感ごかんのいずれかあるいは複数ふくすううったえ、人間にんげん感覚かんかくでそれを検出けんしゅつできるようにする設計せっけいが“マシンからマン”がわ。 これらを総称そうしょうしてマンマシンインタフェースとしている。マシンの前後ぜんごに""(中点ちゅうてん、ドット)がはい場合ばあいや、「マンマシンインタフェイス」など表記ひょうきらぐ場合ばあいもある。

マンマシンインタフェースはコンピュータでおももちいられる用語ようごであるが、機械きかい人間にんげん接点せってんとして一般いっぱんでももちいられる。 マンマシンインタフェースが定義ていぎされるとき、かなら積極せっきょくせいあるいは能動のうどうせいそなえたものである。つまり「人間にんげんがAの指示しじ(たとえば電源でんげんれる)のためにBの操作そうさ電源でんげんのボタンをす)をする」ことはAの積極せっきょくせいがあり、「機械きかいがCの状態じょうたいあらわす(たとえば電源でんげんはいっていることを通知つうちする)ため、Dの現象げんしょうこす(電源でんげんランプを点灯てんとうする)」のも機械きかい能動のうどうてきにDの現象げんしょうこしている。 積極せっきょくせいあるいは能動のうどうせいともなわないものはマンマシンインタフェースとして定義ていぎされない。機械きかいにとってはおな現象げんしょうでも、たとえば「指紋しもんセンサーにいた指紋しもんる」はマンマシンインタフェースとして定義ていぎできるが、「電源でんげんスイッチに指紋しもんのこる」ことは事象じしょうとしては発生はっせいしてもマンマシンインタフェースではない。後者こうしゃ指紋しもん積極せっきょくせいも、指紋しもんのこったことでこる能動のうどうせいもないからである。

機械きかい状態じょうたいがすべてマンマシンインタフェースにふくまれるわけではなく、たとえば「故障こしょうしたらヒューズがれる」はマンマシンインタフェースではない。ヒューズがれて動作どうさしないことで異常いじょう発生はっせい人間にんげん推測すいそくできるが、機械きかいたん火災かさいとうのさらに深刻しんこく事態じたいから保護ほごしているだけで故障こしょう積極せっきょくてき人間にんげん通知つうちしているわけではない。しかしヒューズがれたことをなんらかのかたち通知つうちする方法ほうほうっているならそれはマンマシンインタフェースとできる。(たとえばヒューズが操作そうさめん露出ろしゅつしており、ひとがそれを容易よういれ、操作そうさしゃ積極せっきょくせい要求ようきゅうしている場合ばあいなど)

マンマシンインタフェースの設計せっけいは、人間にんげんにとって「指示しじ可能かのうで、理解りかい可能かのうで、効率こうりつてきで、標準ひょうじゅんされている」ことが主眼しゅがんとされる。[よう出典しゅってん] 機械きかいにとっては「物理ぶつり現象げんしょうとして機械きかい影響えいきょうできる」が実現じつげんされなければならない。

概念がいねんに「ユーザーインタフェース」があるが、ユーザーインタフェースは人間にんげん中心ちゅうしんえた概念がいねんで、マンマシンインタフェースは機械きかい人間にんげんをともにかんがえた中立ちゅうりつてきなものである。 境界きょうかいもうけるならマンマシンインタフェースはハードウェアによりちか概念がいねんともえ、マンマシンインタフェースは「手段しゅだん」を定義ていぎし、ユーザーインタフェースは「表現ひょうげん」を定義ていぎするとしてつかえない。 たとえば「エラーは表示ひょうじ画面がめんあか文字もじ表示ひょうじする」という要件ようけんがあるとき、マンマシンインタフェースとしては「表示ひょうじ画面がめんあか文字もじ表示ひょうじできる能力のうりょく」が定義ていぎされ、ユーザーインタフェースでは「人間にんげんづきやすくするためあか文字もじ表現ひょうげんする」ことが定義ていぎされる。いずれの概念がいねんでも、人間にんげん機械きかい相互そうご関係かんけいあらわすものでありはなしたものとはできず、以下いか本稿ほんこうにおいては双方そうほうふくめたものとしている。

コンピュータプログラム[編集へんしゅう]

コンピュータのプログラムが、①人間にんげん指示しじけ、②処理しょりし、③結果けっか人間にんげんらせる。の構成こうせい場合ばあい、このうち①と③の両方りょうほうをマンマシンインタフェースとしている。 マンマシンインタフェースは、コンピュータプログラム全体ぜんたいのうち人間にんげんかかわる部分ぶぶん処理しょり機能きのう名称めいしょうまたは実現じつげんするサブシステムの名称めいしょうとしてもちいられ、一般いっぱんてきには「マンマシンインタフェース」とはばれず、「マンマシンのバグ」、「マンマシン」などりゃくされた表現ひょうげんがされることがおおい。[よう出典しゅってん]

標準ひょうじゅん重要じゅうようせい[編集へんしゅう]

同一どういつ目的もくてきのため設計せっけいされるマンマシンインタフェースは、機械きかいことなっていても統一とういつされていることがのぞましい。標準ひょうじゅんされていることにより、ある機器きき使用しよう方法ほうほう一度いちどおぼえてしまえば、同種どうしゅ機器きき使用しよう可能かのうとなる。たとえば自動車じどうしゃ操作そうさにおいて、右折うせつするための操作そうさが、メーカーAの自動車じどうしゃではハンドルをみぎまわし、メーカーBの自動車じどうしゃではハンドルをひだりまわすとなっていては混乱こんらんしょうじる。実際じっさいにこのようなことは建設けんせつ機械きかいでは存在そんざい[1]し、操作そうさいん誤操作ごそうさする場合ばあいがある。

以下いか標準ひょうじゅん達成たっせいされているれいである。

  • キーボードの配列はいれつはどのメーカーのコンピュータでもほぼおなじである。
  • レコーダーは赤色あかいろしめされるスイッチを操作そうさすれば録音ろくおん録画ろくがはじまる。
  • 銀行ぎんこうATMの操作そうさことなる銀行ぎんこうでも銀行ぎんこうごとの操作そうさ学習がくしゅうようせずおこなえる。
  • テレビのリモコンで音量おんりょう調整ちょうせいなどの基本きほんてき操作そうさはメーカーがことなっても共通きょうつうである。
  • 日本にっぽんにおいて、体温計たいおんけい数値すうち自然しぜんれば摂氏せっしとしてれる。
テンキーの計算けいさんけい配列はいれつ電話でんわけい配列はいれつ
電卓でんたくなど計算けいさんけいのテンキーの配列はいれつと、しボタンしき電話機でんわき#ボタンの配置はいちで、配列はいれつじゅんことなる。歴史れきしおもうよりもふるく(初期しょき電卓でんたくにテンキーしきでないものがあったからといって、もっとふるいテンキー配列はいれつ計算けいさん存在そんざいしないわけではない)、機械きかいしき計算けいさん時代じだいすで現代げんだいおな計算けいさんけいのテンキー配列はいれつがあらわれている。一方いっぽう電話でんわでは、プッシュしき以前いぜんのダイヤルしきで「0かいのパルス」は不可能ふかのうなため、ダイヤルでは0がじつは10であったので9に隣接りんせつしていたことも遠因えんいんおもわれるが、検討けんとうのうえであえて計算けいさんとはことなった配列はいれつえらんだものが、今日きょうまでがれている。[2]
カメラレンズのフォーカスリング
機械きかいてき操作そうさしていた時代じだいに、ヘリコイドのどちらがわ操作そうさするメカになっているか、ということなども関連かんれんするが、どちらにまわすとピント位置いちとおくに移動いどうするか、が、まちまちになってしまった(現代げんだいでは、ディジタル直接ちょくせつ操作そうさするのではなく電子でんしてきになったため、設定せってい変更へんこう可能かのうになっている)。
一人称いちにんしょうゲームにおけるジョイスティックや十字じゅうじボタンけい操作そうさ対象たいしょう動作どうさとの対応たいおう
うえせばうえしたせばした、という動作どうさ基本きほんてきには直感ちょっかんてきなのだが、フライトシミュレータでは一般いっぱんてき飛行機ひこうきにおける操縦そうじゅう桿にジョイスティックをなぞらえて、「操縦そうじゅう桿をす」という操作そうさうえに、「操縦そうじゅう桿をく」という操作そうさした対応たいおうさせることがおおく、その結果けっかうえすとしたに、したすとうえく、という操作そうさであるため、それにれていると反射はんしゃてきにはぎゃくのほうに操作そうさしてしまう。ユーザのれやこのみにわせてカスタマイズできるようになっていることもおおい。

代表だいひょうてきなマンマシンインタフェース[編集へんしゅう]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ 油圧ゆあつショベル#作業さぎょう装置そうち操作そうさ
  2. ^ 詳細しょうさいyasuokaの日記にっき電卓でんたく電話でんわのテンキー配列はいれつは、なぜことなっているのかしめされている文献ぶんけんとう参照さんしょう

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]