マーライオン

地図ちず

マーライオン（Merlion）は、シンガポールにある上半身じょうはんしんがライオン、下半身かはんしんは魚さかなの像ぞうである。材質ざいしつは全身ぜんしんコンクリート製せいで、波なみを象かたどった台だいの上うえに乗のり、口くちから水みずを吐はいている。

概要がいよう[編集へんしゅう]

シンガポールの象徴しょうちょう的てき存在そんざいであり、マーメイドとライオン＝ Mermaid の maid の部分ぶぶんを lion に置おき換かえた、英語えいご語彙ごいの造語ぞうごである。

また、英語えいごの mermaid という語形ごけいを見みて、“海うみ”の mer- が入はいっているため、フランス語ふらんすごの「海うみ」 Mer と、シンガポールの名なの元もとになったライオンを合体がったいさせたものと度々たびたび勘違かんちがいされるが、シンガポールはヨーロッパの言語げんごに関かんして言いえば「英語えいごしか通用つうようしない国くに」であり、フランス語ふらんすごとは無関係むかんけいである。

歴史れきし[編集へんしゅう]

像ぞうは、1972年ねんに当時とうじ記念きねん物ぶつ委員いいん会かいの会員かいいんであり、ヴァン・クリーフ水族館すいぞくかんの館長かんちょうでもあったフレイザー・ブルーナーにより設計せっけいされ、地元じもとの彫刻ちょうこく家かのリム・ナン・センによってアンダーソン橋はし近ちかく^[1] の川かわ沿ぞいに作つくられた。当初とうしょは水みずを常時じょうじ吹ふき出だしており観光かんこう名所めいしょであったが、ポンプの故障こしょうで水みずが出でなくなり、また近ちかくに橋はしが架かけられ正面しょうめんから見みえなくなった。

しかしその後ご、2002年ねん 5月8日にちに海うみ際ぎわに新設しんせつされたマーライオン・ピアに移転いてんされ、9月15日にちには正面しょうめんから見みえるように桟橋さんばしもつけられた。故障こしょうしていたポンプも修理しゅうりされ、再ふたたび水みずもほぼ常時じょうじ吹ふき出だすようになり、徐々じょじょに人気にんきを取とり戻もどしている。

2009年ねん 2月がつ28日にち、落雷らくらいによりたてがみと右みぎの耳みみ、土台どだいの一部いちぶを破損はそんする災難さいなんに見舞みまわれる。事故じこの直後ちょくご、居合いあわせた30人にん前後ぜんこうの観光かんこう客きゃくが飛散ひさんした破片はへんから避さけようと逃にげ惑まどう騒さわぎになったが、けが人にんは出でなかった。

2010年ねんのシンガポールユースオリンピックではマーライオンの子こマーリー（Merly）が大会たいかいマスコットの一ひとつに設定せっていされた。

由来ゆらい[編集へんしゅう]

11世紀せいきにマレーシアの王族おうぞくが対岸たいがんに見みえる大地だいちを目指めざして航海こうかいの旅たびに出でた際さい、途中とちゅうで海うみが激はげしく荒あれ、王族おうぞくが被こうむっている王冠おうかんを海うみに投なげたところ、海うみは静しずまり無事ぶじにその大地だいちにたどり着つくことができた。その時とき、ライオンが現あらわれて、王族おうぞくにその大地だいちを治おさめる事ことを許ゆるして立たち去さった。マーライオンの頭部とうぶはこのときのライオンを表あらわしている。

また魚さかなの尾おは、古代こだい都市としテマセック（ジャワ語ごで「海うみ」）を象徴しょうちょうしている。王族おうぞくは、その大地だいちを「ライオン(Singa)の都市とし(Pura)」を意味いみする「Singapura(シンガプーラ)」と名なづけ、マーライオンを国くにの守まもり神がみとして祭まつったという伝説でんせつがある。セントーサ島とうにある「マーライオンタワー」では、このマーライオン誕生たんじょうの歴史れきしについて映像えいぞう形式けいしきで見みる事ことができる。

ミニマーライオン・マーライオンタワー[編集へんしゅう]

本家ほんけは高たかさ8mほどの像ぞうであるが、セントーサ島とうには、人ひとが登のぼれる37mの「マーライオンタワー」もある。タワー内部ないぶは、前述ぜんじゅつの誕生たんじょう史し映像えいぞうなど、マーライオンについて広範囲こうはんいに学まなべるギャラリーとなっている。また、エレベーターで口中くちじゅうと頭上ずじょうに登のぼることができる。夜間やかんはライトアップされる。かつては、ミュージカルショーの一環いっかんとして夜よるの一定いってい時刻じこくに目めからレーザー光こうを放はなっていた。^[2] マーライオンタワーは、セントーサ島とうの再さい開発かいはつ計画けいかくに伴ともない、2019年ねん10月がつで営業えいぎょうを終了しゅうりょうし、解体かいたいされることになっている。^[3]

なお、シンガポールには計けい7つのマーライオンがあり、本家ほんけ、セントーサ島とうの他ほかは、本家ほんけの背後はいごのミニマーライオン、シンガポール政府せいふ観光かんこう局きょく本局ほんきょくの前まえ、フェーバー山さん、アン・モ・キオ公団こうだん団地だんちにある。

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

^ https://web.archive.org/web/20050113061226/http://www.geocities.jp/okke_okke/scene1/scene1.htm
^ マーライオンタワー内ないギャラリーの展示てんじに「1997 セントーサ・マーライオンの目めがレーザーで光ひかるようになり、マーライオンはアトラクションに登場とうじょうするようになりました（現在げんざいは終了しゅうりょう）。レーザービームで悪者わるものを退治たいじするドラマチックなミュージカル噴水ふんすいショーは、「スピリッツ・オブ・セントーサ」と名付なづけられ、とても人気にんきがありました。」と記述きじゅつされている。
^ “島しまの再さい開発かいはつでマーライオンタワー取とり壊こわし　シンガポールの人気にんき観光かんこうスポット”. SankeiBiz. (2019年ねん11月6日にち) 2020年ねん5月がつ7日にち閲覧えつらん。