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ミクロトーム

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
滑走かっそうしきミクロトーム
回転かいてんしきミクロトーム(電動でんどう

ミクロトームえい: Microtome)とは、顕微鏡けんびきょうでの観察かんさつもちいる試料しりょうきょくうす切片せっぺんにするためにもちいられる器具きぐのことである。

存在そんざい意義いぎ必要ひつよう条件じょうけん

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生物せいぶつがく医学いがく鉱物こうぶつがくなどで顕微鏡けんびきょうもちいて組織そしき観察かんさつするさい通常つうじょうプレパラート作成さくせいしておこなう。このプレパラートを作成さくせいするさいには、観察かんさつ確実かくじつかつ容易よういにするために試料しりょう均一きんいつかつうす必要ひつようがある。とくこう倍率ばいりつでの観察かんさつさいには顕著けんちょうつしかい深度しんどあさく(ピントのあう範囲はんいせまく)なる。さらに、透過とうかがた電子でんし顕微鏡けんびきょう(TEM)での観察かんさつ場合ばあいは、電子でんしせん透過とうかさせるゆいぞう原理げんりからちょうきょくうす試料しりょう要求ようきゅうされる。カミソリもちいて試料しりょう手動しゅどうすなどの方法ほうほうでは精度せいど限界げんかいがあるため、ミクロトームが必要ひつようとされる。ミクロトームをもちいた場合ばあい、マイクロメートルのオーダーからすうじゅうナノメートルにいたうすさでの均質きんしつしを確実かくじつおこなうことができる。とくに、TEM観察かんさつようきょくうす切片せっぺんしが可能かのうなものをウルトラミクロトームとぶ。

試料しりょうぜん処理しょり

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みず多量たりょうふくやわらかい試料しりょうくずれやすいサンプルを場合ばあいあらかじ試料しりょう固定こていし、つづいてパラフィン(ろう)や合成ごうせい樹脂じゅしもちいて試料しりょうかため、りやすくする。この処理しょりのことをつつみうめ(ほうまい)とぶ。

動作どうさ原理げんり

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基本きほんてき動作どうさは、試料しりょうし、連動れんどうしてすべらせてすことによりおこなわれる。機構きこう精度せいど種類しゅるい用途ようとによる。

光学こうがく顕微鏡けんびきょう観察かんさつよう

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かつては砥石といしいでかえ使つか鋼鉄こうてつせい主流しゅりゅうだったが、今日きょうでは技術ぎじゅつ技術ぎじゅつしゃすくなくなったこともあり、使つかての主流しゅりゅうになっている。回転かいてんしき滑走かっそうしきおおきく分類ぶんるいされている。

固定こていされておりハンドルの回転かいてん連動れんどうして試料しりょう連続れんぞくしてかえ上下じょうげ方向ほうこううごもの回転かいてんしき試料しりょう固定こていされ前後ぜんご方向ほうこううごもの滑走かっそうしきばれ、ちいさな面積めんせき連続れんぞく切片せっぺんつくるには前者ぜんしゃひろ面積めんせき切片せっぺんつくるには後者こうしゃもちいられる。うすきり駆動くどう方式ほうしきには手動しゅどうしきのものと電動でんどうしきのものとがある。病院びょういん検査けんさしつなどでは滑走かっそうしき主流しゅりゅうであり、回転かいてんしき大学だいがく企業きぎょう研究けんきゅうしつなどでおももちいられている。

学習がくしゅうようにはマイクロメーターをもちい、かみそりのなどで切断せつだんおこな簡便かんべんなものもある。

電子でんし顕微鏡けんびきょう観察かんさつよう

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つつみうめした試料しりょう大雑把おおざっぱ整形せいけいにはガラスナイフが、観察かんさつよう試料しりょうしにはサファイアナイフやダイヤモンドナイフがもちいられる。ガラスナイフは既製きせいひん販売はんばいされているが、使用しよう直前ちょくぜんにガラスばんって作成さくせいしたものがあじい。

ダイヤモンドナイフは、刃渡はわたりにもるがすうじゅうまんえんすうひゃくまんえん程度ていど販売はんばいされている。TEM観察かんさつよう切片せっぺんあつさが20~50nmほどであり、ミクロトームの試料しりょうおくりにも精度せいど要求ようきゅうされるため、ほとんどが回転かいてんしき電動でんどうしきのものである。試料しりょうおく自体じたい機構きこうとしては、機械きかい歯車はぐるましきねつ膨張ぼうちょうしきがある。

関連かんれん項目こうもく

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