ミルティアデス

ミルティアデス

ミルティアデス（希まれ: Μιλτιάδης、Miltiades、紀元前きげんぜん550年ねん頃ごろ - 紀元前きげんぜん489年ねん）は、アテナイの軍人ぐんじん。ヘレスポントスのケルソネソスの僭主せんしゅであったが、イオニアの反乱はんらん以後いご、アテナイに戻もどって将軍しょうぐんとなり、マラトンの戦たたかいでアテナイ・プラタイア連合れんごう軍ぐんを率ひきいてペルシア軍ぐんを破やぶった。

経歴けいれき

アテナイに生うまれる。ミルティアデスの父ちちキモンはペイシストラトス一族いちぞくによって暗殺あんさつされたが、ミルティアデスは厚遇こうぐうされ、兄弟きょうだいのステサゴラス（Stesagores）がケルソネソスで死しんだ後のち、後任こうにんとして同地どうちに送おくられた。彼かれの名前なまえは、ケルソネソスの開拓かいたく者しゃミルティアデス（本ほん項こうのミルティアデスの父ちちキモンの異母いぼ兄弟きょうだい）に由来ゆらいする。

僭主せんしゅ時代じだいにレムノス島とうを占領せんりょうするなどの功績こうせきを挙あげたが、イオニアの反乱はんらんにおいてフェニキア軍ぐんの接近せっきんを察知さっちし、紀元前きげんぜん493年ねんにはケルソネソスを離はなれてアテナイに戻もどった。反はんペルシアを標榜ひょうぼうする彼かれは、おそらく親おやペルシア派はのアルクメオン一族いちぞくによって僭主せんしゅ支配しはいの経歴けいれきを訴追そついされたが無罪むざいとなり、アテナイ民みん会かいでは将軍しょうぐんに選出せんしゅつされた。マラトンの戦たたかいで劇的げきてき勝利しょうりを収おさめたことで、一躍いちやくアテナイの英雄えいゆうとして賞賛しょうさんを受うけた。

しかし、紀元前きげんぜん489年ねんより強行きょうこうしたパロス島とうの攻略こうりゃくに失敗しっぱいしたため、クサンティッポス（ペリクレスの父ちち）の告発こくはつにより、民みん会かいで「アテナイ民衆みんしゅうへの欺瞞ぎまん」という罪つみに問とわれた。告発こくはつ側がわは死刑しけいを求刑きゅうけいしていたが、アテナイのかつての英雄えいゆうに対たいする情状じょうじょう酌量しゃくりょうが認みとめられ、50タラントンという極きわめて高額こうがくな罰金ばっきんを支払しはらうことで死しを免まぬかれた。とはいえ、支払しはらいが完了かんりょうする前まえに獄中ごくちゅうで腿ももの壊疽えそにより死亡しぼうしたとされる。この足あしの負傷ふしょうは、パロス島とう遠征えんせい時じに神かみの罰ばちを受うけたともいわれた。

関連かんれん項目こうもく

• ペルシア戦争せんそう