ムンダ (アスラ)

ムンダ（梵: मुण्ड, Muṇḍa）とは、インド神話しんわに登場とうじょうするアスラの名なである。名なの意味いみは「頭あたまの禿はげた者もの」という意味いみである。『マールカンデーヤ・プラーナ』中ちゅうの「デーヴィー・マーハートミャ」に登場とうじょうし、神かみ々の住すむ天界てんかいを征服せいふくした2人ふたりの兄弟きょうだいのアスラ王らおうシュンバとニシュンバに、チャンダとともに仕つかえた。

神話しんわ

あるとき、ムンダとチャンダは美うつくしい女神めがみドゥルガーを発見はっけんしてスンバに報告ほうこくし、彼女かのじょを捕とらえるよう進言しんげんした。そこでスンバは配下はいかのアスラのスグリーヴァを使者ししゃとして女神めがみに送おくった。ところがドゥルガーは「自分じぶんを得えたいならば戦たたかって得えられよ」と言いって聞きかないので、スンバは怒おこってドゥームラローチャナにドゥルガーの髪かみをつかんで引ひきずってでも連つれてくるように命めいじた。しかしドゥームラローチャナは女神めがみの雄叫おたけびだけで滅ほろんだ。スンバはさらにムンダとチャンダに女神めがみを連つれてくるように命めいじた。彼かれらは軍勢ぐんぜいを率ひきいて女神めがみを捕とらえようとしたが、女神めがみの額がくから恐おそれるべき女神めがみカーリーが現あらわれ、アスラの軍勢ぐんぜいを殺戮さつりくした後のち、大だい剣けんを振ふるってチャンダの首くびを切断せつだんし、ムンダを大地だいちに切きり伏ふせて殺ころした。そしてカーリーはチャンダの首くびとムンダの躯むくろをつかんでドゥルガーのもとに行いき、犠牲ぎせいとして捧ささげた。この戦たたかいでムンダとチャンダを殺ころしたことにちなんでカーリーはチャームンダーの異名いみょうで呼よばれることになった。

参考さんこう文献ぶんけん

• 小倉おぐら泰やすし 訳やく「デーヴィー・マーハートミャ」『ヒンドゥー教きょうの聖典せいてん 二に篇へん』平凡社へいぼんしゃ東洋文庫とうようぶんこ、2000年ねん。ISBN 4582806775。 
• 菅沼すがぬま晃あきら編へん 編へん『インド神話しんわ伝説でんせつ辞典じてん』東京とうきょう堂どう出版しゅっぱん、1985年ねん3月がつ。ISBN 978-4-490-10191-1。 

関連かんれん項目こうもく

• 降くだ三さん世せい明王みょうおう（シュンバ・ニシュンバ兄弟きょうだい王おう） - 主君しゅくん
• ドゥルガー
• カーリー
• チャンダ