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ムーアサイド組曲くみきょく

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ムーアサイド組曲くみきょく[1]A Moorside SuiteH.173は、グスターヴ・ホルスト作曲さっきょくした英国えいこくしきブラスバンドのための作品さくひん

概要がいよう

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1927ねんぜんえいブラスバンド選手権せんしゅけん大会たいかい決勝けっしょうにおける課題かだいきょく(Test Piece)としてBBC大会たいかい委員いいんかいから委嘱いしょくされて作曲さっきょくされた。よく1928ねん9月29にち水晶すいしょうみやおこなわれた選手権せんしゅけん大会たいかい初演しょえんされた作品さくひん好評こうひょうはくし、エドワード・エルガーの『セヴァーン組曲くみきょく』、レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ序曲じょきょく『ヘンリーせい』などとならび、初期しょき英国えいこくしきブラスバンド作品さくひん代表だいひょうするもののひとつとしてられる。

選手権せんしゅけん審査しんさにも参加さんかしたホルストはこのきょく演奏えんそうを15かいくこととなったが、たか水準すいじゅん演奏えんそうよろこび、主催しゅさいのジョン・ヘンリー・アイルズ(John Henry Iles)に称賛しょうさん手紙てがみおくってもいる。この大会たいかい優勝ゆうしょうしたのがブラック・ダイク・ミルズ・バンド指揮しき:ウィリアム・ハリウェル)だった。

ことなる編成へんせいへの編曲へんきょくおお作品さくひんでもあり、ホルスト自身じしんによる弦楽げんがく合奏がっそう編曲へんきょく1932ねん)と吹奏楽すいそうがく編曲へんきょく未完みかんだい2楽章がくしょう38小節しょうせつまで)のほか、ゴードン・ジェイコブによる管弦楽かんげんがく編曲へんきょく1952ねん)と吹奏楽すいそうがく編曲へんきょくだい3楽章がくしょうのみ『ムーアサイド行進曲こうしんきょく』(Moorside March)として1960ねん出版しゅっぱん)、デニス・ライト(Denis Wright)による吹奏楽すいそうがく編曲へんきょく1937ねん1983ねん発見はっけん)などが存在そんざいする。

楽曲がっきょく構成こうせい

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ぜん3楽章がくしょうからなり、演奏えんそう時間じかんやく13ふん。『吹奏楽すいそうがくのためのだいくみきょく』のように実際じっさい民謡みんようもちいてはいないが、民謡みんよう語法ごほうからの影響えいきょうれている。

  1. スケルツォ(Scherzo)
    アレグロ、へん短調たんちょうドリア旋法せんぽう)、6/8拍子ひょうし。『セント・ポール組曲くみきょく』のだい1楽章がくしょうおもわせるジーグふうのスケルツォで、コルネットあらわれた主題しゅだいがそのカノンとなる。へん長調ちょうちょうのトリオでは、スケルツォからられたファンファーレ動機どうきうえ和声わせいてき旋律せんりつうたわれる。
  2. 夜想曲やそうきょく(Nocturne)
    アダージョ、短調たんちょうエオリア旋法せんぽう)、4/4拍子ひょうし形式けいしき抒情じょじょうてき緩徐かんじょ楽章がくしょう。コルネットの独奏どくそうはじまり、フリューゲルホルンテナーホーンがそれにこたえる。長調ちょうちょうとなると、コラールがバンド全体ぜんたいさいじゃくそうおごそかにそうされる。このふたつがかえされ、最後さいご独奏どくそうぐんのこってしずかにわる。
  3. 行進曲こうしんきょく(March)
    アレグロ、へん短調たんちょう、2/2拍子ひょうし。『だいいちくみきょく』の行進曲こうしんきょく同様どうように、力強ちからづよ行進曲こうしんきょくとなだらかなへん長調ちょうちょうのトリオが対比たいひされる。なお、導入どうにゅう最後さいごにはマザー・グースのなかでも最古さいこそうとされる「コオルろうおう」のむすびが引用いんようされている。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 題名だいめいは『ムーアふう組曲くみきょく』と表記ひょうきされる場合ばあいもあるが、"moorside"は"Moor"(ムーアじん)との関係かんけいはなく、きたイングランドからスコットランドにかけて存在そんざいする湿原しつげん"moorland")の地域ちいき漠然ばくぜんすものとほぐされている。イギリスにはおな地名ちめい複数ふくすう存在そんざいする(en:Moorside)。

参考さんこう文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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