セヴァーン組曲くみきょく

『セヴァーン組曲くみきょく』または『セヴァーン川がわ組曲くみきょく』（The Severn Suite）作品さくひん87は、エドワード・エルガーが晩年ばんねんの1930年ねんに作曲さっきょくしたブラス・バンドのための作品さくひん。オーケストラ用ようにも編曲へんきょくされた。ジョージ・バーナード・ショーに献呈けんていされている。セヴァーン川がわとは、ウェールズからエルガーの故郷こきょうであるイングランド西部せいぶにかけてを流ながれる、イギリス最長さいちょうの川かわである。

概要がいよう

クリスタル・パレスで行おこなわれたナショナル・ブラス・バンド・チャンピオンシップの課題かだい曲きょくとして委嘱いしょくされ作曲さっきょくされた。習作しゅうさく時代じだいに書かき留とめていた主題しゅだいを用もちいて作曲さっきょくされており、1870年代ねんだいに作曲さっきょくした木管もっかん五ご重奏じゅうそうのための小品しょうひんも転用てんようされている。なお、エルガーが書かいたのはピアノ・スコアまでで、ブラス・バンドのためのスコアはヘンリー・ギール（Henry Geehl）によって完成かんせいされた。このブラス・バンド版ばんは1930年ねん9月にクリスタル・パレスで初演しょえんされた。

その後ごエルガーは、この作品さくひんを自みずからオーケストラのために編曲へんきょくした。この編曲へんきょくでブラス・バンド版ばんの変へんロ長調ちょうちょうからピアノ・スコアどおりのハ長調ちょうちょうに変更へんこうされた。このオーケストラ版ばんは1933年ねんにウスター音楽おんがく祭さいでエルガー自身じしんの指揮しきによって公的こうてきな初演しょえんが行おこなわれたが、前年ぜんねんの1932年ねん3月がつにエルガーの指揮しきでレコーディングされている。

ピアノ・スコアは長ながく行方ゆくえ不明ふめいとなっていたが、1980年ねんに発見はっけんされた。また、1995年ねんにはエルガーの自筆じひつによるブラス・バンド版ばんのフル・スコアも世よに出でることになった。

楽器がっき編成へんせい

ブラスバンド版ばん

「英国えいこく式しきブラスバンド」を参照さんしょう

管弦楽かんげんがく版ばん

ピッコロ、フルート2、オーボエ2、コーラングレ、B♭クラリネット2、バス・クラリネット、バスーン2、コントラバスーン、Fホルン4、B♭トランペット3、トロンボーン3、チューバ、ティンパニ、打楽器だがっき（サイドドラム、シンバル、バスドラム）、弦つる五ご部ぶ

曲きょくの構成こうせい

全曲ぜんきょくで約やく20分ふんである。各かく曲きょくの標題ひょうだいはオーケストラ編曲へんきょくの際さいにつけられた。エルガーは1929年ねんから故郷こきょうの近ちかくの都市としウスターに移うつり住すんでいたが、これらの標題ひょうだいはウスターの建築けんちく物ぶつや歴史れきしにちなんでいる。

1. ウスター城じょう（序奏じょそう） Worcester Castle (Introduction)
2. 槍やり試合しあい（トッカータ） Tournament (Toccata)
3. 大だい聖堂せいどう（フーガ） The Cathedral (Fugue)
4. 騎士きし領りょうにて（メヌエット） In the Commandery (Menuet)
5. 終曲しゅうきょく Coda

編曲へんきょく

オリジナルのブラス・バンド版ばんとオーケストラ版ばんの他ほかに、次つぎの編曲へんきょくがある。

• 吹奏楽すいそうがく - ヘンリー・ギールが1931年ねんに編曲へんきょくしたもの、およびアルフレッド・リードが1981年ねんに2つのオリジナル版ばんを基もとに編曲へんきょくしたものがある。
• オルガン - エルガーの存命ぞんめい中ちゅうに友人ゆうじんアイヴァー・アトキンズが編曲へんきょくし、「オルガン・ソナタ第だい2番ばん」と名付なづけた。

外部がいぶリンク

• SEVERN SUITE, op 87（エルガー協会きょうかい） （英語えいご）
• セヴァーン組曲くみきょくの楽譜がくふ - 国際こくさい楽譜がくふライブラリープロジェクト