ユージェニア・チャールズ

1985年ねん、国際こくさい連合れんごうにて

デイム・ユージェニア・チャールズ （Dame Eugenia Charles, DBE, 1919年ねん5月15日にち - 2005年ねん9月6日にち）は、ドミニカ国こくの政治せいじ家か。セント・ルーク教区きょうくのポワント・ミシェル出身しゅっしん。同国どうこく第だい3代だい首相しゅしょう（1980年ねん7月がつ23日にち - 1995年ねん6月がつ14日にち）を務つとめた。また、同国どうこく史上しじょう初はつの女性じょせい弁護士べんごし、女性じょせい首相しゅしょうである。

経歴けいれき

1968年ねんに政界せいかい入いりを果はたすと、保守ほしゅ政党せいとうドミニカ自由党じゆうとう（DFP）を共同きょうどうで立たち上あげ、初代しょだい党首とうしゅとしてドミニカの独立どくりつを支持しじした。1978年ねんの独立どくりつ後ご初はつとなる1980年ねん総そう選挙せんきょでは同どう党とうが勝利しょうりし、首相しゅしょうに就任しゅうにんした。チャールズは社会しゃかい福祉ふくしプログラムの開始かいしや経済けいざい政策せいさくの成功せいこうによって人気にんきを獲得かくとくし、首相しゅしょうを3期き15年ねん務つとめた。これは女性じょせい首相しゅしょうではインディラ・ガンディー（インド）、シリマヴォ・バンダラナイケ（スリランカ）に次ついで長ながい。

チャールズは妥協だきょうのない姿勢しせいで汚職おしょくを撲滅ぼくめつし、民主みんしゅ主義しゅぎと報道ほうどうの自由じゆうを守まもる活動かつどうを行おこなった。就任しゅうにん当初とうしょはこうした活動かつどうが周囲しゅういから反発はんぱつを招まねき、パトリック・ジョン前ぜん首相しゅしょうが支援しえんしたクーデター未遂みすいに2度どもあった。1度目どめは1981年ねんのレッドドッグ作戦さくせんで、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくおよびカナダからクー・クラックス・クランなど白人はくじん至上しじょう主義しゅぎ者ものを武装ぶそうさせた上うえで、ボートで上陸じょうりくしチャールズを排除はいじょ、ジョンが復権ふっけんするというフィリバスターであった。しかしニューオーリンズで準備じゅんび中ちゅうに連邦れんぽう捜査そうさ官かんが実行じっこうグループを逮捕たいほしたことで実行じっこうされることはなかった。2度目どめはドミニカ国防こくぼう軍ぐん兵士へいしフレデリック・ニュートンらによるもので、こちらも失敗しっぱいに終おわった。一連いちれんのクーデター未遂みすい事件じけんを支援しえんしたパトリック・ジョンは懲役ちょうえき刑けいとなり、2度目どめの主犯しゅはんであったニュートンは死刑しけい判決はんけつを受うけ1986年ねんに処刑しょけいされた。

また最もっとも議論ぎろんを呼よんだのは1983年ねんのグレナダ侵攻しんこうであった。グレナダでは1979年ねんにクーデターが発生はっせいし、人民じんみん革命かくめい政府せいふが成立せいりつ。人民じんみん革命かくめい政府せいふは議会ぎかいを解散かいさんし、イギリス式しき民主みんしゅ主義しゅぎを否定ひていした。1983年ねん10月がつ13日にちに人民じんみん革命かくめい政府せいふ内ないでクーデターが発生はっせいし急進きゅうしん派はが政権せいけんを握にぎると、チャールズは東ひがしカリブ諸国しょこく機構きこうの緊急きんきゅう会合かいごうで民主みんしゅ主義しゅぎの危機ききを訴うったえ、グレナダへの侵攻しんこうを参加さんか国こくおよびアメリカに訴うったえた。アメリカの大統領だいとうりょうロナルド・レーガンと共ともに侵攻しんこうを支持しじする演説えんぜつをした映像えいぞうが残のこっている。結果けっか的てきにアメリカ・東ひがしカリブ連合れんごう軍ぐんは10月25日にちよりグレナダへ侵攻しんこうを行おこない、人民じんみん革命かくめい政府せいふを転覆てんぷくさせた。

保守ほしゅ的てきかつ強気つよきな姿勢しせいはイギリスの女性じょせい首相しゅしょうマーガレット・サッチャーを彷彿ほうふつさせ、「カリブの鉄てつの女おんな (Iron Lady of the Caribbean)」と呼よばれた。

脚注きゃくちゅう

公職こうしょく
先代せんだい オリヴァー・セラフィン	ドミニカ国こく首相しゅしょう 第だい3代だい：1980 - 1995	次代じだい エディソン・ジェームズ