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ラグビーユニオンのポジション

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
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ラグビーユニオンにおいて、フィールドプレーヤー15にんにはそれぞれまったポジションあたえられており、フォワード8にんバックス7にんおおきくけられている。

概要がいよう

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ポジションは、おおきくフォワードバックスかれており、それぞれのようにばれる。なお、かくポジションのかたくにによってことなることがある。

  • フォワード (FW)
    • さい前列ぜんれつ)3にん - フッカー (HO) (2) と、左右さゆうプロップ (PR) (1,3)
    • だいれつ2人ふたり - 左右さゆうロック (LO) (4,5) ※海外かいがいではセカンドロー (SR) とばれる
    • だいさんれつ)3にん - ナンバー・エイト (NO8) (8) と、左右さゆうフランカー (FL) (6,7)
  • バックス (BK)
    • ハーフバック (HB) 2人ふたり - スクラムハーフ (SH) (9) とスタンドオフ (SO) (10) ※ハーフだんともばれる。
    • スリークォーター・バック (TB) 4にん - 左右さゆうそれぞれのウィングスリークォーターバック (WTB) (11,14) とセンタースリークォーターバック (CTB) (12,13)
    • フルバック (FB) (15) 1人ひとり

近年きんねん世界せかい各国かっこくでの競技きょうぎ人口じんこうえるとともに、競争きょうそう激化げきかし、戦術せんじゅつ多様たようするにおいて、それぞれのポジションの役割やくわり多様たようしてきている。トップレベルにおいては、かくポジションにおいて、よりおおくの役割やくわりをこなすことが要求ようきゅうされ、高校こうこう大学だいがくレベルにもそれは波及はきゅうはじめている。

フォワード (FW)

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フォワードとは、1ばんから8ばんまでの8にん選手せんしゅのこと。またフォワードは、試合しあいちゅうスクラムむメンバーでもある。

スクラムをさい位置いちりで、フロントローセカンドローバックローおおきくけられる(フロントローとセカンドローを総称そうしょうしてタイトファイブぶこともおおい)。そしてあたえられた役割やくわりしたがって、さらにこまかくプロップ (2人ふたり)、フッカー (1人ひとり)、ロック (2人ふたり)、フランカー (2人ふたり)、ナンバー8 (1人ひとり)というポジションにけられる。

試合しあいではボールを獲得かくとくすることが一番いちばん役割やくわりで、てきチームとはげしくボールをうばうために、相手あいて選手せんしゅけたり、たりけしたりしないよう、身長しんちょう体重たいじゅうなど体格たいかくてきすぐれ、屈強くっきょう肉体にくたいの、パワーのある選手せんしゅがこのポジションをめている。

しかし、最近さいきんでは選手せんしゅオールラウンダーする世界せかいてきながれのなかで、バックスのようにはしちからもとめられるようになっている。運動うんどうりょう現代げんだいのラグビーユニオンでは、PR・HO・LOのタイトファイブの運動うんどうりょう勝負しょうぶかぎとまでわれる。

フロントロー

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スクラムをさいさい前列ぜんれつ位置いちするため、PR・HOの3めいをフロントローとしょうする。

1・3ばん プロップ (PR)
スクラムのさいにフッカーとともさい前列ぜんれつの3めい(フロントロー)を構成こうせいし、相手あいてのフロントローとあたま交互こうごわせて相手あいてチームを直接ちょくせつ役割やくわりつ。スクラムの職人しょくにん。モールのさいにはからだごと相手あいてみ、相手あいてじんくず役目やくめち、スピードを犠牲ぎせいにしてもパワーがあることが要求ようきゅうされるポジションである。
フィールドでパスターゲットになることはあまりないが、ボールハンドリング能力のうりょく突破とっぱりょくたかければたかいほど、勝敗しょうはい影響えいきょうするポジションであり、ボールをって突破とっぱこころみるプロップもめずらしくない。
1ばん左側ひだりがわ)のプロップをルースヘッドプロップ(スクラムのさい片方かたがたかたのみでむため)、3ばん右側みぎがわ)のプロップをタイトヘッドプロップ(スクラムのさいりょうかた相手あいて体重たいじゅうがかかるため)という。
2ばん フッカー (HO)
スクラムのよう。スクラムのさいのフロントローの中央ちゅうおう位置いちし、プロップ (PR) ととも相手あいてって直接ちょくせつ相手あいてむ。また、スクラムハーフ (SH) が投入とうにゅうしたボールをあしっかけて (hook) 自陣じじん後方こうほうおく役割やくわりたす。この役割やくわりがフッカーの名称めいしょう由来ゆらいでもある。プロップとおなじく屈強くっきょうであるが、プロップよりは若干じゃっかん小柄こがら選手せんしゅおおい。
また、ラインアウトのさいにはボールを投入とうにゅうする役割やくわりとなることがおおい。これは、ボールをけるがわ体格たいかくおおきい選手せんしゅまわることで、いにけないようにするためだとわれている。そのため、フォワードじんなかでもとくにボールのあつかいの上手じょうずさ、パスの技量ぎりょうもとめられる。
フッカーはだいのナンバーエイトとばれるほど重要じゅうようなポジションであり、アタック・ディフェンスともにつよ選手せんしゅがこのポジションにく。

セカンドロー

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スクラムをさいに2れつ位置いちするため、このポジションをセカンドローとしょうする。

4・5ばん ロック (LO)
FWのポジションでスクラムのさいに2れつ左右さゆう位置いちする。ラインアウトのさいにボールを空中くうちゅううば役割やくわりがあることから、チームでもっとたか選手せんしゅがこのポジションにつく傾向けいこうがある。空中くうちゅう仕事しごとじん。モールのさいにはプロップとともからだごと相手あいてくずす。このため身長しんちょう体重たいじゅう双方そうほうもとめられる。
スクラムのときじくとなる3ばんプロップのうしろになる5ばんロックは、4ばんロックより体格たいかく選手せんしゅ担当たんとうすることがおおい。
つよくてたよりになるおとこ象徴しょうちょうという理由りゆうから、「ラグビー王国おうこくニュージーランドでは、少年しょうねんはロックを目指めざす」とわれる。

バックロー

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スクラムをさいさい後列こうれつ(3れつ)に位置いちしていたため、FL・No8の3めいをバックローもしくはサードローとしょうする。

現在げんざい後述こうじゅつとおりFLが2れつ両翼りょうよくがるように変化へんかしているが、呼称こしょう自体じたい旧来きゅうらいから変化へんかしていない。

6・7ばん フランカー (FL)
FWのポジションでスクラムのさいに3れつ左右さゆう位置いちする。地上ちじょう展開てんかいされる攻撃こうげきのあらゆる局面きょくめん(モール、ラック、ブレイクダウン、パントキックにたいするチャージダウンとう)に積極せっきょくてき参加さんかして味方みかたをサポートし、からだ相手あいてじんくず役回やくまわりである。ボールを保持ほじして密集みっしゅうのサイドを突破とっぱする役目やくめになう。
ディフェンスにおいてはタックルマンとしておおきく勇気ゆうきもとめられる。また、接点せってんにおけるルーズボールへのはたらきかけ(セービング、ジャッカル、スイープ)も重要じゅうよう役割やくわりで、ロックが空中くうちゅうせんのスペシャリストだとすれば、フランカーは地上ちじょうせんのスペシャリストであり、攻守こうしゅ活躍かつやくするだけのたか身体しんたい能力のうりょく運動うんどうりょうもとめられる。このようなうごきからくにによってはルーズフォワード (Loose Forward) ともばれる。
スクラムにおいてはおもに6ばんがブラインドサイド(タッチラインにちかがわ)、7ばんがオープンサイド(タッチラインからとおがわ)にくというかたちがあるが、たんに6ばんひだり、7ばんみぎというかたちられる。オープンサイドフランカーは豊富ほうふ運動うんどうりょうとアタッキングりょく、ブラインドサイドフランカーはフィジカルとディフェンスりょくもとめられる。
8ばん ナンバー8(ナンバーエイト) (NO8)
フランカーとともにスクラムの3れつむ。FWのリーダー
スクラムに最後さいご参加さんかし、からだごと相手あいてFWじんくず役回やくまわりである。スクラムさい後尾こうびでフロントローからおくられてきたボールをキープしたり、かきされたボールをってみずか密集みっしゅうのサイドを強引ごういん突破とっぱしたりする。モール形成けいせいには、その起点きてんとなることももとめられる。フランカーにたポジションではあるが、より自由じゆうにフィールドをはしまわるため、運動うんどうりょう身体しんたい能力のうりょくくわえて、ゲームにたいする総合そうごうてき判断はんだんりょくもとめられる。

スクラム

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相手あいてフォワードと直接ちょくせつ最前線さいぜんせんのフロントローはプロップ2にんとそれをあいだでつなぐフッカー1にんけい3にん、2れつのセカンドローはその3にんをすぐうしろでサポートするロック2にん、そして元々もともと3れつのフランカー2にんがそれぞれ2れつのロックの外側そとがわのほぼ真横まよこがり、ナンバー・エイト1にんさい後方こうほう位置いちするようになっている(3-4-1システム)。詳細しょうさいは、スクラム (ラグビーユニオン)参照さんしょう

バックス (BK)

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バックスとは、フォワード以外いがいスクラムハーフ (1人ひとり)、スタンドオフ (1人ひとり)、センタースリークォーターバック (2人ふたり)、ウイングスリークォーターバック (2人ふたり)、フルバック (1人ひとり)の7にんのプレーヤーの総称そうしょうで、9ばんから15ばんまでの選手せんしゅのこと。

そのなかでも9ばんと10ばん選手せんしゅハーフバックスもしくはハーフバックだんび、11ばんから14ばんまでの選手せんしゅスリークォーターバックス (three quarter backs; 日本語にほんごやくすと「4ぶんの3のバックス」という意味いみ)、そして15ばんフルバックう。

また、スタンドオフとセンターをフロントスリー、ウイングとフルバックをバックスリーぶこともある。

バックスは、フォワードが獲得かくとくしたボールをまえすすめ、最終さいしゅうてき得点とくてんにつなげるのが役割やくわり体格たいかくてきにはフォワードにおとるが、あしはやく、パスやキックなどのテクニックにすぐれた選手せんしゅおおい。守備しゅびではタックルで相手あいて攻撃こうげきふせぐ。

ハーフバックス(ハーフだん

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スクラムハーフ(9ばん)とスタンドオフフライハーフ、10ばん)は、ポジションを8分割ぶんかつしたとき4/8れつと5/8れつ(の前側まえがわ[1]るため、わせて「ハーフバックス」とばれる。くにによってはスタンドオフ(10ばん)を「ファイブエイス (five-eighth)」[1]けてび、スクラムハーフ(9ばん)のみを「ハーフバック」とぶこともある。

9ばん スクラムハーフ (SH)
名前なまえ由来ゆらいは、スクラムと連携れんけいするハーフというところから。スクラムやモール、ラックに参加さんかはしないが、そばにいて、かきされたボールをってバックスじんにパスをすることをおもとする役回やくまわりである。スタンドオフと同様どうよう攻撃こうげき起点きてんとなることから、フランスのラグビー哲学てつがくではスクラムハーフが司令塔しれいとうであるとされている。
地面じめんにあるボールをひろげつつパスする(ダイビングパスとう)という動作どうさとくおおく、からだちいさい選手せんしゅつとめることがおおい。密集みっしゅうからの最初さいしょのパスをすので、敏捷びんしょうさと高度こうどなパススキル瞬間しゅんかんてき判断はんだんりょくつね密集みっしゅう素早すばやけつけることができる持久じきゅうりょくからだちいさいことを武器ぶきとして大男おおおとこたちの密集みっしゅうのサイドを突破とっぱできるような俊敏しゅんびんせいとステップワーク技術ぎじゅつ要求ようきゅうされる。
守備しゅびさい相手あいてスクラムハーフをマークし、密集みっしゅうからパスがたことを味方みかたつたえたり、相手あいてFWじんのスクラムサイドの突破とっぱふせぐことが要求ようきゅうされる。体躯たいく大小だいしょうにかかわりなく9にんのFWとして大男おおおとこ突破とっぱふせがなくてはならないことから、強靭きょうじんなメンタリティとフィジカルがもとめられる。
10ばん ファーストファイブ
語源ごげんは、スクラムから“はなれた”(=スタンドオフ)ハーフというところから。イギリスではその、このポジションのことを「フライハーフ」 (flyhalf) とぶようになったので、日本にっぽんやアメリカなどで使つかわれる「スタンドオフ」という言葉ことばは、いまではあまり使つかわれない。国際こくさいてきにもフライハーフとばれることがおおい。これ以外いがいにも、くにによっては「ファースト・ファイブエイス」 (first five-eighth)[1]、「ファースト・ファイブ」 (first five)、「アウトサイド・ハーフ」 (outside half) などというかたがある。
スクラムやモール、ラックなどの密集みっしゅうからボールがてきたときに最初さいしょにボールを役回やくまわりであり、瞬間しゅんかんはノーマークであるため、パス、パント、突破とっぱ様々さまざまなプレーを選択せんたくでき、そのプレーが攻撃こうげき基点きてんになることから、一般いっぱんてきに、司令塔しれいとうわれているポジションである。ボールハンドリング、パススキル、キック、ステップワークなど多種たしゅ多様たようかつ正確せいかく巧緻こうち技術ぎじゅつ瞬時しゅんじ状況じょうきょう判断はんだんりょく試合しあいながれを冷静れいせいさ、なが距離きょりはしるスピードよりもみじか距離きょりでトップスピードに到達とうたつする俊敏しゅんびんせいもとめられる。
スクラムやモールには参加さんかせず、守備しゅびにおいては、相手あいてのスタンドオフをマークし、プレッシャーをかけることで相手あいてのミスの誘発ゆうはつやプレーをおくらせる役目やくめになう。

スリークォーターバック

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ポジションを8分割ぶんかつしたときに 6/8 = 3/4(スリークォーター)に位置いちするため(かつては7れつにSE〈セブンエイス―7/8〉というポジションが存在そんざいした)、11ばんから14ばんまでの4にんをスリークォーター・バックス (TB) とぶ。くにによっては、もっと前方ぜんぽうの12ばんを「セカンド・ファイブエイス (second five-eigths、2だんの5/8。スタンドオフうしろに位置いちする)」[1]けて場合ばあいもある。

11・14ばん ウイング・スリークォーターバック (WTB)
攻撃こうげきさいはラインのもっとだいそとにてパスをもらい、ラインぎわけてトライをりにくことこそがこのポジションの役割やくわりで、チーム随一ずいいち快足かいそくともに、たくみなステップや相手あいて相手あいてうらへのキック(ショートパント)の技術ぎじゅつ要求ようきゅうされる。トライゲッターとして、ラガーマンのはなでもある。
まもりにおいてはFBとともにバックスリーとして相手あいてのキック処理しょりかかわることがおおく、陣地じんちかせぐためのロングキックももとめられる。
12ばん セカンドファイブ 13ばん センター
12ばんをインサイドCTB、13ばんをアウトサイドCTBとぶこともある。わば切込きりこみ隊長たいちょう。SO (FH)のそと位置いちし、SOからWTBへパスを中継ちゅうけいしたり、意表いひょういてみずからラインを突破とっぱしたり、敵陣てきじんいたスペースにボールをれたりと、攻撃こうげきはばひろげる。攻撃こうげき接点せってんになることがおおいため、パススキルはもちろんみずか相手あいて突破とっぱ仕掛しかけるさいのスピードにくわえ、たりつよさももとめられる。
ディフェンスには、SOのそといてくるてきたいするつよいタックルももとめられる。自身じしんのそばでモールやラックが発生はっせいすれば、それに参加さんかすることもよくられる光景こうけいである。したがって、フォワードにけない体格たいかく選手せんしゅえている。
一般いっぱんてきにインサイドセンターはSOにちかく、パススキルや突破とっぱりょくもとめられ、アウトサイドセンターはWTBにちかく、ランニングスピードがもとめられる。

フルバック

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全体ぜんたいさい後尾こうび (8/8) に位置いちするポジションであるため、15ばんをフルバックと呼称こしょうする。

15ばん フルバック (FB)
さい後尾こうび位置いちし、バックスを統率とうそつするバックス最後さいごようのポジション。身体しんたい能力のうりょくたかものつとめることがおおく、役割やくわり多岐たきわたる。バックスじん攻撃こうげき担当たんとうするラグビーユニオンにおいて、フルバックは攻撃こうげきよりはむしろ守備しゅび担当たんとうとして攻撃こうげきでもさい後尾こうび味方みかた選手せんしゅ指示しじしつつ自陣じじんのゾーンをカバーする。相手あいてバックスじんけないスピードと相手あいてFWじんけないあたりのつよさをもとめられる。また、ふだとしてオフェンスに参加さんかすることもある。とくにキックの能力のうりょく不可欠ふかけつである。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d ポジションを8分割ぶんかつした場合ばあい、「スタンドオフ(フライハーフ)」(10ばん)と「インサイド・センター・スリークォーターバック(インサイドCTB)」(12ばん)とがともに5/8れつるため、前者ぜんしゃを「ファースト・ファイブエイス」 (first five-eighth)」、後者こうしゃを「セカンド・ファイブエイス (second five-eighth) 」とぶことがある。