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ループバック

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

ループバック英語えいご: loopback, loop-back)とは、意図いとてき処理しょり変更へんこうなしに送信そうしんもともどってる、電子でんし信号しんごう、デジタルデータストリーム、またはアイテムのながれである。これは、おもに、送電そうでん輸送ゆそうのインフラストラクチャを試験しけんする手段しゅだんとして使用しようされる。

ループバックにはおおくのおう用例ようれい存在そんざいする。1つの通信つうしん端点たんてんのみをゆうする通信つうしんであってもよい。そのような通信つうしんによって送信そうしんされたメッセージは、すぐにそのおな通信つうしんによってのみ受信じゅしんされる。電気でんき通信つうしんでは、ループバック装置そうちは、交換こうかんへのアクセスもう英語えいごばん伝送でんそう試験しけん実行じっこうするが、これは通常つうじょう、サービスされる端末たんまつ人員じんいん支援しえん必要ひつようとしない。ループアラウンド英語えいごばんは、かならずしも隣接りんせつしていないきょくあいだ試験しけん方法ほうほうで、2つの通信つうしんせん使用しようされ、1つのきょく試験しけん実行じっこうされ、2つの通信つうしんせんはなれたきょくあいだ相互そうご接続せつぞくされる。パッチケーブル英語えいごばんは、手動しゅどうまたは自動じどうで、リモートまたはローカルで適用てきようされるループバックとしても機能きのうし、ループバック試験しけん容易よういにする。

信号しんごう往復おうふくともにアナログ・デジタル変換へんかん処理しょりふくむシステム(モデムなど)の場合ばあいは、アナログ信号しんごう直接ちょくせつ送信そうしんもともどアナログループバックと、デジタル信号しんごう変換へんかん再度さいどアナログ信号しんごう変換へんかんしてから送信そうしんもともどデジタルループバックとがある。

電気でんき通信つうしん

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電気でんき通信つうしんにおいて、ループバック(またはたんにループ)とは、受信じゅしんした信号しんごうまたはデータを送信そうしんしゃにフィードバックするハードウェアまたはソフトウェアの方法ほうほうである。物理ぶつりてき接続せつぞく問題もんだい解析かいせきするのに役立やくだつ。試験しけんように、おおくのタ通信たつうしんデバイスは、特定とくていのパターンをインタフェースじょう送信そうしんするように構成こうせいすることができ、おなじポートじょうでこの信号しんごう受信じゅしん検出けんしゅつすることができる。これはループバック試験しけんばれ、モデムトランシーバうちでその出力しゅつりょく自身じしん入力にゅうりょく接続せつぞくすることで実行じっこうできる。ことなる2地点ちてんあいだ回路かいろは、ある位置いち回路かいろじょう試験しけん信号しんごう印加いんかし、位置いちのネットワーク装置そうち回路かいろかいして信号しんごうもどすことによって試験しけんすることができる。このデバイスが独自どくじ信号しんごう受信じゅしんした場合ばあい、これは回路かいろ機能きのうしていることをしめす。

ハードウェアループは、受信じゅしんチャネルを送信そうしんチャネルに物理ぶつりてき接続せつぞくする単純たんじゅんなデバイスである。X.21のようなネットワーク終端しゅうたんコネクタの場合ばあい、これは通常つうじょうたんにピンをコネクタに一緒いっしょ接続せつぞくすることによっておこなわれる。送信そうしんコネクタと受信じゅしんコネクタがべつになっているひかりファイバ同軸どうじくケーブルのような媒体ばいたいは、適切てきせつ媒体ばいたい単一たんいつのケーブルを使つかってループさせることができる。

モデムは、対向たいこうがわのモデムまたはローカル端末たんまつからの着信ちゃくしん信号しんごうをループするように設定せっていできる。これは、ソフトウェアループとばれる。

シリアルインターフェース

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シリアル通信つうしんトランシーバは、その機能きのう試験しけんするためにループバックを使用しようできる。たとえば、デバイスの送信そうしんピンを受信じゅしんピンに接続せつぞくすると、デバイスは送信そうしんする信号しんごう正確せいかく受信じゅしんする。このループ接続せつぞくをケーブルのとおはし移動いどうすると、試験しけん対象たいしょうにケーブルが追加ついかされる。それをモデムリンクのとおはし移動いどうすると、テストがさらに拡張かくちょうされる。これは一般いっぱんてきなトラブルシューティング手法しゅほうであり、特定とくていのパターンを送信そうしんし、もどってくるエラーをかぞえる特殊とくしゅなテストデバイスとわせることがよくある(「符号ふごうあやまりつ試験しけん英語えいごばん参照さんしょう)。一部いちぶのデバイスには、みのループバック機能きのうふくまれている。

「ペーパークリップ試験しけん」(paperclip test)とばれる単純たんじゅんなシリアルインタフェースループバック試験しけんは、コンピュータのシリアルポートを識別しきべつし、動作どうさ確認かくにんするために使用しようされることがある。これは、ターミナルエミュレータアプリケーションを使用しようして、フロー制御せいぎょをオフに設定せっていして文字もじをシリアルポートに送信そうしんし、ループバックを受信じゅしんする。この目的もくてきのために、D-subminiature DE-9またはDB-25のコネクタを使用しようした標準ひょうじゅんRS-232インタフェースじょうのピン2とピン3(受信じゅしんピンと送信そうしんピン)を、ペーパークリップ使用しようして短絡たんらくする。

仮想かそうループバックインターフェイス

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インターネットプロトコルスイート実装じっそうには、ネットワークアプリケーションがおなじマシンじょう実行じっこうするときに通信つうしんできる仮想かそうネットワークインターフェイスふくまれる。これは、オペレーティングシステムのネットワーキングソフトウェアない実装じっそうされ、パケットをネットワークインターフェイスコントローラ(NIC)にわたさない。コンピュータプログラムがループバックIPアドレスに送信そうしんしたトラフィックは、べつのデバイスから受信じゅしんされたかのように、ネットワークソフトウェアスタックにもどされる。

UNIXけいのシステムでは通常つうじょう、ループバックインタフェースにはloまたはlo0名前なまえけられる。

Internet Engineering Task Force(IETF)標準ひょうじゅんでは、IPv4アドレスブロック 127.0.0.0/8 (CIDR表記ひょうき)とIPv6アドレス ::1 がこの目的もくてきのために予約よやくされている。もっと一般いっぱんてきなIPv4アドレスは 127.0.0.1 である。通常つうじょう、これらのループバックアドレスは、端末たんまつのホストめいlocalhostloopbackにマップされる。

アドレス 127.0.0.0/8 を使用しようするさい例外れいがいひとつに、Multi-Protocol Label Switching(MPLS)のトレースルートエラー検出けんしゅつでの使用しようがある。ループバックアドレスの「ルーティング可能かのうでない」という特性とくせい利用りようして、エンドユーザーに障害しょうがいのあるパケットの配信はいしんける手段しゅだん提供ていきょうする。

Martianパケット

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送信そうしんもとまたは宛先あてさきアドレスがループバックアドレスに設定せっていされたIPデータグラムは、ホストのそとしたり、ルーティングしたりしてはならない。インターフェイスじょう受信じゅしんされた、宛先あてさきがループバックアドレスになっているパケットは廃棄はいきする必要ひつようがある。そのようなパケットはMartianパケット英語えいごばんばれる[1]異常いじょうパケットと同様どうように、それらは悪意あくいのある可能かのうせいがあり、発生はっせいする可能かのうせいのある問題もんだいBogonフィルタ英語えいごばん適用てきようすることで回避かいひできる。

管理かんりインターフェイス

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一部いちぶのコンピュータネットワーク機器ききでは、管理かんり目的もくてき使用しようされる仮想かそうインターフェイスに「ループバック」という用語ようご使用しようされている。通常つうじょうのループバックインターフェイスとはことなり、このタイプのループバックデバイスは、自身じしん通信つうしんするためには使用しようされない。

このようなインターフェイスには、ネットワーク経由けいゆ管理かんり装置そうちからアクセスできるアドレスがてられるが、デバイスじょう物理ぶつりインターフェイスのいずれにもてられない。このようなループバックデバイスは、機器ききから発生はっせいする警報けいほうなどの管理かんりデータグラムにも使用しようされる。この仮想かそうインターフェイスが特別とくべつなのは、それを使用しようするアプリケーションが、トラフィックが通過つうかする物理ぶつりインターフェイスじょうのアドレスではなく、仮想かそうインターフェイスにてられたアドレスを使用しようしてトラフィックを送受信そうじゅしんすることである。

このたねのループバックインターフェイスは、実際じっさい物理ぶつりインターフェイスとはことなり、物理ぶつりポートに障害しょうがい発生はっせいしてもダウンしないという性質せいしつつため、ルーティングプロトコル操作そうさでよく使用しようされる。

その利用りよう

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音声おんせい処理しょりシステムOpen Sound System(OSS)、Advanced Linux Sound Architecture (ALSA)、PulseAudioには、試験しけん目的もくてきでアプリケーションの音声おんせい出力しゅつりょく記録きろくするループバックモジュールがある。物理ぶつりてきなループバックとはことなり、これにはアナログ・デジタル変換へんかんふくまれず、ハードウェアの誤動作ごどうさによる中断ちゅうだんもない。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Raymond, Eric S.. “The Jargon File”. 2017ねん8がつ8にち閲覧えつらん

パブリックドメイン この記事きじにはパブリックドメインである、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふ作成さくせいしたつぎ文書ぶんしょ本文ほんぶんふくむ。Federal Standard 1037C. アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく連邦れんぽう政府せいふ一般いっぱん調達ちょうたつきょく.MIL-STD-188うち

外部がいぶリンク

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