ワックスエステル

トリアコンタノール(C30)とパルミチン酸さん(C16)によるトリアコンタニルパルミチン酸さん

ワックスエステル（Wax ester）とは、蝋ろう（ワックス）の化学かがく的てきな表記ひょうき。

炭素たんそ数すう10から12以上いじょうの長ちょう鎖くさり脂肪酸しぼうさんと、同おなじく8以上いじょうの脂肪しぼう族ぞくアルコールがエステル結合けつごうした、長ながい鎖くさり状じょうの分子ぶんし構造こうぞうを持もつ。

栄養えいよう学がく的てきな脂肪しぼう、つまり長ちょう鎖くさり脂肪酸しぼうさんが3価かアルコールのグリセリンにエステル結合けつごうしたトリアシルグリセロールと異ことなり、ヒトは消化しょうかできず油脂ゆし瀉下を引ひき起おこすことがある一方いっぽう、皮脂ひし腺せんで作つくられる脂質ししつの主成分しゅせいぶんでもある。

クジラや深海魚しんかいぎょ（オレンジラフィー、バラムツ、アブラソコムツ、クロマトウダイ、ヒョウマトウダイなど）に多おおく含ふくまれ、浮力ふりょく調節ちょうせつとエネルギー貯蔵ちょぞうを兼かねていると考かんがえられている。 アシネトバクター属ぞくの細菌さいきんでは、エネルギー貯蔵ちょぞうに用もちいられている。 カイアシ類るいやミドリムシなどのプランクトンでも見みられ、一部いちぶでは化石かせき燃料ねんりょうの代替だいたい研究けんきゅうが行おこなわれている。

植物しょくぶつでは、ホホバの種子しゅしから得えられるホホバオイルが利用りようされている。皮膚ひふに塗布とふした時ときの使用しよう感かんは、ホホバオイルとオレンジラフィー油ゆでは違ちがいは分わからない。