さんまわり

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さんまわり(さんまわり)は、江戸えど幕府ばくふ役職やくしょくの1つ。江戸えど時代じだいにおいて江戸えど市中しちゅう警備けいび監察かんさつ担当たんとうした町奉行まちぶぎょうしょていまちまわり(ていまわり)・臨時りんじまわり・隠密おんみつまわりの3つの職掌しょくしょうおよびそれを担当たんとうした同心どうしんのことで、まわかた(まわりかた)ともばれる。

発足ほっそく[編集へんしゅう]

寛文ひろふみ2ねん1662ねん)の10がつから翌年よくねん3がつまつにかけて火災かさい防止ぼうし目的もくてきとして与力よりき4めい同心どうしん12めいひるまわりよるまわりけて江戸えどちゅう見回みまわりさせた「まちまわり」を原型げんけいとする。そのとおる6ねん1721ねん)からはとおる改革かいかく一環いっかんとしての風俗ふうぞく取締とりしまり主眼しゅがんかれるようになった。

職務しょくむ[編集へんしゅう]

当初とうしょ風俗ふうぞく関連かんれん法令ほうれい奢侈しゃし禁止きんし法令ほうれい違反いはんしゃ賭博とばく買春ばいしゅんなどの摘発てきはつ風聞ふうぶん探索たんさくなどをおこなじょうまわりのみで、これを担当たんとうした同心どうしんまげは「しょう銀杏いちょう」、しゅぼうじゅう背中せなかすという特殊とくしゅ格好かっこうをして市中しちゅう見回みまわりにたった。のち臨時りんじまわ同心どうしん隠密おんみつまわ同心どうしんくわわってさんまわりばれるようになる。臨時りんじまわりにはていまわりを長年ながねんつとめたものき、ていまわりの補佐ほさ指導しどうおも役目やくめである。隠密おんみつまわ同心どうしんさんまわりとはちがって変装へんそうして江戸えどちゅうまわり、そこであつめたまち風説ふうせつ町奉行まちぶぎょう報告ほうこくするなどの諜報ちょうほう活動かつどうおこなった。さんまわり活動かつどう報告ほうこく町奉行まちぶぎょうあての「風聞ふうぶんしょ」として上申じょうしんされた[1]

さんまわり担当たんとうした同心どうしん南北なんぼくりょう町奉行まちぶぎょうしょにおいてそれぞれていまわり6めい臨時りんじまわり6めい隠密おんみつまわり2めいずつであり、南北なんぼくわせて30めいにもたないさんまわりひろ江戸えどちゅうまりをおこなうことは困難こんなんで、実際じっさいまりはさんまわり支配しはいにあったおかっ引地域ちいきにおかれた番所ばんしょ木戸きどばん自身番じしんばん)などがになっていた。さんまわり定員ていいん時代じだいによって多少たしょう変動へんどうはあり、天保てんぽう年間ねんかんではていまわり1 - 5めい臨時りんじまわり5 - 7めい隠密おんみつまわり2めいであった[1]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

  1. ^ a b 与力よりき(よりき)/ 同心どうしん(どうしん)(2008ねん5がつ1にち”. 山本やまもと博文ひろぶみ (解説かいせつ) / 情報じょうほう知識ちしき&オピニオン imidas - イミダス. 2022ねん11月11にち閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん[編集へんしゅう]

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]